目次
アニメ「ワンパンマン」第1期の魅力
魅力① 強すぎるサイタマの悲哀
先述のようにサイタマは圧倒的な力によりほぼ全ての敵を一撃で倒してしまいます。
その圧倒的な強さを楽しむアニメのように聞こえますが、本作はそういった爽快感を楽しむ作品ではありません。
強い主人公は今も昔も珍しくはないですが、サイタマはその活躍を称賛されることが無いどころか、その強さがインチキではないかと疑われるほどです。
そして、何よりもサイタマ自身が一瞬で終わってしまう戦いに虚しさを覚えてしまい冷え切っています。
強すぎるヒーローを風刺的に描いたサイタマの悲哀が本作独特の魅力です。
魅力② 正統派ヒーローたちのまともな熱い戦い
一方、他のヒーローは真っ当な強さで敵との接戦を繰り広げていきます。
鋼鉄の身体を持ちどんなにボロボロになっても戦い続けるジェノス、自分が弱くて期待されていないことを自分自身が一番知っていても悪に立ち向かっていく無免ライダー。
彼ら普遍的なヒーローたちの活躍を描いたストレートな正統派のヒーローアクションとしての魅力も本作はちゃんと併せ持っています。
魅力③ 個性豊かなヒーローや怪人の戦闘シーンとサイタマのワンパン
ヒーローも怪人もせれぞれ個性豊かな戦闘スタイルで視聴者を魅了します。
爆炎を放つジェノスや老体からは考えられない力強い拳法を披露するシルバーファング、敵の放った無数の砲弾を超能力によりすべてそのまま撃ち返すタツマキなど、それぞれの得意技を存分に発揮します。
対する怪人も、無数の蚊を操って市民の血液を吸い尽くす、何でも溶かす強力な液体を吐き出す、いくら細かく切り刻んでも再生するなどなど、様々な特殊能力でヒーローを翻弄します。
そして、それらとは別次元の力を持つサイタマの戦闘シーンは一撃を丁寧に表現し、その力強さを表現しています。
それぞれの個性を活かしたヒーローと怪人のアクション、そんなことは関係なしに一撃で倒してしまうサイタマ、様々な戦闘描写が本作の魅力の一つです。
アニメ「ワンパンマン」第1期の感想(ネタバレ有)
本作を象徴するエピソードが第9話『不屈の闘志』です。
圧倒的な力を持つ強敵の深海王。その力の前に数々のヒーローが敗れていきます。
ジェノスは接戦を繰り広げますが、子どもを深海王の攻撃から守って戦闘不能に、無免ライダーも果敢に挑みますがあえなく敗北します。
そこに遅れて駆け付けたサイタマがいつもどおり一撃で深海王を倒します。
一度は市民から歓声があがりますが、心無い市民の声がそれをかき消します。
『本当は敵が弱かったんじゃないか。他のヒーローが大したことなかったんじゃないか』
市民の間に困惑が広がっていきますが、それに対してサイタマは返します。
『他のヒーローが怪人を弱らせてくれて助かった。手柄を独り占めをできた』
ヒーローたちが改めて称賛される一方で、サイタマはやはりインチキをしていると疑惑の目を向けられます。
サイタマは市民の命だけでなく、他のヒーローの名誉も守りました。自ら泥をかぶることで。
前項で筆者はサイタマ以外のヒーローを『正統派』と評しましたが、圧倒的な力を持つサイタマもその内に秘めるものは、全てを守ろうとする正統派のヒーローと変わらない物です。
アニメ「ワンパンマン」第1期の口コミ・評価
「ワンパンマン」第1期の口コミ
ワンパンマン
— japanimationismylife (@japanimationis) December 21, 2015
人気作ってことで期待してた。面白い設定と、ギャグも入れてて見やすさ、最強レベルの作画で、視聴者を圧倒してた。最強主人公なのに鼻につかないところ、見やすいところが面白い所以だったと思う。2期に期待、スタッフお疲れ様。#onepunchman #ワンパンマン
ワンパンマンは最初から最後まで全力の神作画。それでいて最終話の超ド迫力のアクション!進撃同様このままでも劇場上映できるレベルだった。
— 瀬月蛍@C97 火曜日 南ソ-26a (@yukinonhotaru) December 21, 2015
ワンパンマン最終回見た!!作画やばすぎて濃厚すぎて最初の十五分が三十分に感じた…(^∇^)
— きな炬 (@kinakotatu) December 21, 2015
最終回放映後の感想をピックアップしました。
特に作画への関心が集まっていました。
「ワンパンマン」第1期の筆者評価
筆者評価:44点/50点 | |||
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作画 | |||
音楽 | |||
ストーリー | |||
独自性 | |||
メッセージ性 |
・作画 9点/10点
先述のように戦闘シーンが激しく描かれます。
それとは対象的に、日常や戦闘が終わった後の脱力しきったサイタマの顔のギャップがたまりません。
緊迫感のある戦闘シーン、穏やかな日常や虚しい戦闘の後、緩急をつけた表現でそれぞれのシーンを描いています。
・音楽 9点/10点
BGM、オープニングテーマともに良いですが、あえてエンディングテーマを推します
『大好きなひとが 強くって心配』
圧倒的な力を持て余して虚しさを抱えるサイタマはどこか危うくもあります。
サイタマの姿を象徴する歌詞です。誰視点での歌なのかどうかはともかく。
・ストーリー 7点/10点
一話一話を個別に見ていくと他のヒーローが苦戦してサイタマが一撃で倒すという話が多く、ややワンパターンとも言えます。ワンパ(ター)ンマン。
しかし、これは2期に続く話になってしまうのですが、ヒーロー同士の意見のぶつかり合いなど今後の波乱を予感させる種は随所に撒かれており、大きな視点で見ると先が読めない展開になっています。
・独自性 10点/10点
最強系主人公を皮肉まじりに描くコンセプトは本作独自のものです。
また、ヒーローが協会に所属してランク分けされるという点も特徴的です。
そのランクによりヒーローの力が(サイタマを除いて)明確に格付けされるのですが、
ランクが高くても自分の強さにしか興味が無いヒーローらしからぬもの、
ランクが低くて実力が無くても人々を守ろうと戦い続けるものと、それぞれの個性を描くのに一役買っています。
・メッセージ性 9点/10点
ヒーローとしての心、特に無免ライダーの姿は何がヒーローをヒーローたらしめるかを身体を張って伝えてくれます。
それとは対象的に、街を守れなかった他のヒーローを叱責するイケメン仮面アマイマスクの考えも間違っておらず、結果が全てという厳しいメッセージも込められています。