魅力① ヒーロー協会VS怪人協会 戦いは組織同士の集団戦に

第1期では散発的だった怪人の襲撃でしたが第2期では各地で同時に現れるなど、発生率が急増しています。
それは怪人たちも「怪人協会」という集団になり、組織的な活動をするようになったためです。
これに対抗し、ヒーロー協会は怪人の襲撃に対してヒーローを派遣して対応させます。
第1期ではヒーローたちをランク付けするための機関としての側面が強かったヒーロー協会でしたが、戦うための集団としてヒーローを管理するようになりました。
ヒーロー個人と怪人の小さな集団の戦いが主であった第1期に対し、第2期では組織対組織の大規模な抗争を観ることができます。

魅力② より多く、より個性的なヒーローたちの活躍

ヒーロー協会が組織的な戦いをするようになったことから、第1期よりさらに多くのヒーローの活躍が見れます。
小学生でありながら天才的な頭脳とロボットを駆使して戦う童帝。
毒を持つ怪人も構わず食べてしまう豚神。
かわいい犬のキグルミに似合わず野性的な戦闘スタイルの番犬マン。
などなど、それぞれ個性豊かに怪人と戦いを繰り広げます。

金属バット
出典:TVアニメ「ワンパンマン」公式サイト
気を失いそうになれば自分の頭に活を入れ、殴られれば殴られるほどにスイングの速さも力強さも増していく金属バット。
その名の通り金属バットを振り回すだけの戦闘スタイルですが、シンプルだからこそ特殊な能力よりもその強さをイメージしやすいです。

魅力③ 悪の華・ガロウ

人間でありながら怪人を名乗る男、ガロウ。
幼少の頃から怪人に憧れ、「怪人はヒーローに倒されるもの」という理不尽さに憤り、最強の怪人を目指します。
怪人にも野望がある、怪人だってがんばっている、怪人だからというだけで勝ち目が無いなんておかしい。
ヒーローが主役の作品にとっての暗黙の了解に疑問を投げかけるガロウは、その存在を示すためにヒーロー相手に暴れまわります。
しかし、理不尽に歯向かうガロウ自身は理不尽な行動に走りません。
一般人には手を出さない、ヒーローの自分への攻撃に子どもが巻き込まれないように守り切るなど、決して外道ではありません。
悪でありながらもその筋は通す、ガロウには正当なヒーローに無い魅力があります。

アニメ「ワンパンマン」第2期の感想(ネタバレ有)

武闘大会の決勝戦、サイタマとスイリューは戦いの中で自分たちの戦う理由について語り合います。
その中でスイリューはヒーローたちを、その生き様を徹底的に侮辱します。
ヒーローたちの本当の戦いを見てきたサイタマはその発言に怒り、スイリューに怒りの鉄拳を(寸止めですが)食らわせます。
紆余曲折ありまして試合としてはスイリューの勝ちとなりますが、その閉会式が怪獣たちに襲撃されます。

ゴウケツ
出典:TVアニメ「ワンパンマン」公式サイト

現れた怪獣・ゴウケツの災害レベルは竜、圧倒的な暴力の前にスイリューは一方的に敗れます。
蹂躙されるスイリューはその数刻前に自分が侮辱したヒーローたちに助けを求めます。
その叫びが誰にも届かないと思われましたが、サイタマが駆け付けて彼を助けます。
「よく一人で耐えたな、後は任せておけ」

ヒーローを侮辱しておきながら自分が危機に陥ったらヒーローに助けを求める、スイリューの行動は非常に身勝手なものだと言えます。
しかし、サイタマは、ヒーローはそんな彼も決して見捨てずに助けます。
第1期に続いてサイタマのヒーローとしての姿を見させてもらいました。
その生き様を見てスイリューはヒーローを目指し、筆者も自分の生き方を省みる事となりました。

アニメ「ワンパンマン」第2期の口コミ・評価

「ワンパンマン」第2期の口コミ

https://twitter.com/MayutanMaru/status/1146190976181866496

遅れてやってくるサイタマ、発表されない第3期。
図らずも二つの面で視聴者をヤキモキさせる最終回でした。

「ワンパンマン」第2期の筆者評価

筆者評価:43点/50点
ストーリー
作画
音楽
独自性
メッセージ性

・ストーリー:8点/10点
サイタマの武闘大会、ガロウのヒーロー狩り、ヒーロー協会と怪人協会の対立と様々な視点で物語が進みます。
それぞれの楽しみ方がある一方で、個々の掘り下げは少し足りなかったという印象もあります。

・作画:9点/10点
第1期に続いて迫力のある戦闘シーンが描かれます。
また、第1期では肉弾戦がメインでしたが、個性的な戦い方をするヒーローが増えたため、その表現の幅が広まっています。

・音楽:9点/10点
JAM Projectの熱いOPはもちろん、BGMも戦闘を盛り上げます。
筆者は特に金属バットのBGM「Metal Bat」が好きです。

・独自性:8点/10点
強すぎるヒーローというコンセプトはぶれることが無く、「ワンパンマンシリーズ」として見れば独自性の高いものです。
しかし、第1期を踏まえての第2期単独の評価をするとなると、目新しさは無くなってしまったなという印象です。

・メッセージ性:9点/10点
強くなりすぎてしまった、目標が無くなってしまったことによるサイタマの虚無感が第1期から続いて作品の根幹にあります。
第2期では常識的な範囲での強さを持ち楽しく生きるスイリューを置くことで、サイタマの悲哀、目標が無く張り合いのない人生をさらに深く描いています。