魅力③迫力のあるバトルシーン

進撃の巨人はファンタジーながら、私たちが生きる現実の世界の19世紀初頭の頃と同等と見受けられる科学技術が随所に出てきます。

空想でありながら強大な巨人の力に対して、人類の知恵を振り絞って立ち向かうその姿勢は、強大すぎる力に対して争う人の性を思わせるようで非常に闘争心掻き立てられるストーリー展開になっています!

進撃の巨人の世界の人類が発明した「立体起動装置」という装置を使い、あたかも空を駆け抜けるかのように巨人と戦う主人公エレンとその所属組織「調査兵団」。

原作の漫画では描かれていない「空を駆け巡るキャラクターの動き」のシーンをアニメで見たときは思わず鳥肌が立ってしまいました!

 

人類の何十倍と大きい身体の巨人の手に握られてしまえば一貫の終わり。

そのまま口に運ばれて噛み殺されてしまうという緊迫感が常にあるのに、すんでのところで潜り抜けて持っている剣で巨人の弱点を斬る!

そんなギリギリの戦闘と街中の建物の上を駆け巡る戦闘シーンは圧巻です!

 

個人的には初期の戦闘シーンは途轍もなく完成度が高いと感じています。

たった1話30分のアニメなのにまるで2時間ものの映画を見たかのような圧倒的なスリルとアニメーションの密度は必見!

日本アニメ界に残る歴史的な作品と言っても過言ではありません!

アニメ「進撃の巨人 第1期」の感想(ネタバレ有)

1話から一気に物語に惹きつけられてしまった要因の1つに、主人公エレンが全ての巨人を駆逐すると思うに至ったきっかけである母親の死去があります。

巨人が満面の笑みを浮かべながら母親を握り潰し喰い殺すシーンはあまりにも衝撃的で、刺激が強すぎるシーンでもあります...!

しかしそれは主人公エレンが打倒巨人と調査兵団に入団するに至った理由としては十分です。

筆者は他にもアニメや漫画を多数見ていますが、これほど序盤に衝撃的なシーンを打ち付けてくるストーリーは他に知りません!

 

暗く漂う雰囲気の中にも作者の遊び心が散りばめられています。

そんなちょっとした笑えるシーンが初めて出てくるのは訓練兵への入団の儀式の最中にイモを食べたサシャ・ブラウス!

訓練兵が教官に次々と恫喝される中、唐突に響く「サクっ...」という咀嚼音にはつい笑いを零してしまいます笑

 

食い意地が張っている者、利己的な者、献身的な者、悪人ヅラして悪態をつく者、仲間に囲まれ厳しくも充実した訓練兵時代も卒業の時を迎えます。

卒業演習を終えた後に再度現れた巨人に対して戦う訓練兵団。

しかし苦楽を共にした仲間が無惨に殺される光景を目にし、大きく心が揺れるエレン達。

安全な地域で暮らす特権階級的な地位を選ぶことも出来たのにも関わらず、最初に掲げた目的・巨人の駆逐を果たすために、身の危険が及ぶ調査兵団を選ぶシーンは鳥肌が経ちました...!

安定した地位を捨てて死と隣り合わせの戦いの日々に身を投じる決意は、僕たちが厳しい現代社会を生き延びるための闘争心に火を付けるキッカケとなるかもしれません。

 

また、本作の一番の魅力であると感じるバトルシーンが描かれるのは、第5話の主人公エレン達と訓練兵団の初陣。

「立体機動装置」を駆使して街や建物の上を駆け抜けるシーンは何度見返しても鳥肌もの!

ロボットや超能力のように超人的な能力ではなく、人間としての技術と力の範囲を出ないで描かれる戦闘シーンはリアリティ満載です!

 

巨人の襲撃に対して勇猛果敢に挑んだエレン達と訓練兵団。

しかし実践経験の乏しさと危機感薄さ、状況の判断能力が低かったことから一人また一人と仲間が巨人によって食べられて行きます。

仲間の死を目の当たりにして戦意喪失したアルミンは為す術もなく巨人に飲まれそうになります。

しかしそこに現れたのは巨人に襲われ片足を失ったエレン。

巨人を倒して壁の外に行きたいという夢を描いた二人の友情が描かれるシーンにも関わらず、エレンが犠牲となりアルミンだけが生き残ります...!

希望と絶望、勇気と恐怖が交互に描かれるジェットコースターのような第5話は個人的に最も心を惹きつけられる回です!

 

物語の要となるのは、蹂躙されるだけの人類が初めて巨人に対して反撃の狼煙をあげたとき。

そのキッカケはなんと、主人公エレンの巨人化の能力でした。

巨人の理不尽な暴力に抵抗し、そして打ち勝つシーンはつい手に汗握ってしまいました!

このシーンまで見てしまったらあなたもすっかり「進撃の巨人」のファンになってしまうこと間違いなし!

 

戦う方法は暴力や戦闘だけではありません。

そして、戦う相手も巨人だけではありません。

巨人となったエレンが他の兵団員から向けられたのは、巨人の襲撃から街を救った英雄としての羨望の眼差しではなく、恐怖に濁った視線でした。

「巨人化する人間」という存在を目の当たりにしてパニックに陥った上官は、エレンを反逆罪として銃殺しようとします。

理不尽な扱いに苛立つエレン、銃口を向けられたエレンを守ろうと剣を抜くミカサ。

しかしその窮地を救ったのは兵団で劣等生扱いされていたアルミンでした。

 

座学の成績はトップ、それに弁が立ち頭の切れるアルミンは発砲寸前の上官達に対して説得を試みます...!

殺されるかもしれない恐怖の中、アルミン勇気を振り絞りエレンの巨人化能力の正当性と有用性を説こうとします。

しかし恐怖に怯えた上官が発砲許可を出そうとした瞬間、軍上層部の司令官が現場に姿を現し、3人は命を救われることとなりました!

結果的に時間を稼いで命を救ったのはアルミンの知略と論理、そして言葉の力でした。

 

「進撃の巨人」には物語が進むにつれて設定も複雑になり、人間同士の騙し合いや小競り合いが出てきます。

そんな中、戦闘能力や権力ではなく知的に戦略を組み立て勝利へと導くアルミンの存在こそ、個人的にストーリーに深い味わいを出す魅力だと感じました!

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