ネタバレ③ 外道極まるディー・アイ・エル

空間神聖力が尽きて術が使えなくなったという報告を受けた皇帝ベクタは、自分の配下でもあるオーク族を犠牲にすることで再び空間神聖力を戦場に満たせと指示をします。
オーク族はその非道な指示も皇帝の勅命であるとして甘んじて受け入れます。
別れを惜しんで同胞と抱き合うオーク族の長、リルピリンですが、ディー・アイ・エルはそれを汚いものを見るような目で嫌悪します。
オークを犠牲にして得た空間神聖力を使ってのディー・アイ・エルの術ですが、先述の通りエルドリエの決死の行動によって人界軍を一掃するには至りませんでした。
エルドリエを失い激昂するアリスの猛攻により、ディー・アイ・エルの部隊は壊滅の危機に陥り、ディー・アイ・エル自身も生命の危機に瀕します。
死を恐れた彼女は自分の部下すらも手に掛けることで生き延びようとします。

ゼクタにとって自分の配下と言っても人工フラクトライト、作り物を壊したにすぎません(それでも非道であることに変わりはないのですが)。
しかし、ディー・アイ・エルは自分と同じ生命を奪っているわけです。
そこに一切の躊躇は無く、自分だけが生き延びようとする非道、傲慢な行いとしか言いようがありません。

「ソードアート・オンライン アリシゼーションWoU」第8話の感想

筆者感想

やはり今週の主役、エルドリエの最期が印象的でした。
仲間を守るための決死の行動、自身の天命を失ってもなお、その意志が消えることはなく強大な術を受けきった末に絶命する壮絶な最期でした。
天命がマイナスになっても消滅しなかったということは、いわゆる『システムを超えた力』ということになるのでしょうが、その言い方は無粋でしょう。
仲間を、アリスを守ろうとする強い意志が彼自身を奮起させました。
そして、仲間を想う力とは対象的な、仲間の生命すらも顧みない非道の力に打ち勝ったのです。

また、彼と対象的に描かれたディー・アイ・エルの言動も印象深いものです。
彼女は自分たちの術が消え去ったことに『どのような術を使ったのだ』と戸惑います。
エルドリエの姿を直接見ていなかったので、このような言葉が出てくるのは当然でもあるのですが、仮にその場に居合わせたとしても彼女は同じことを思ったのではないのでしょうか。
躊躇することも無くオーク族を犠牲にするという他者の生命を奪うことに何の疑問も抱かない彼女にとって、想いの力だけで強大な術に打ち勝ったということは想像も理解もできないものだろうと思います。

命を守る者と軽んじる者、他作品でもしばしば見られる構図ですが、ここは奇をてらわずに命を守る力が非道に打ち勝ってほしいものです。

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