現名人「周防久志」の引退宣言

予選会場に現れた周防久志は、会場につくなり、「次5連覇したら引退します。」と発言。
現在4連覇中の彼にとって今回の大会で5連覇となることは、もはや当然と言わんばかりの口ぶりです。
実際、絶対王者として長年敵なしの状態でしたので、その自信は実績に裏付けられています。
しかも、大学生からかるたを始めて現在に至るため、その発言を聞いていた周囲の出場者からは一気にピリピリとした緊張感に変わりました。

それもそのはず。

長年名人になるためにかるたで努力を重ねてきた原田のような出場者がほとんどです。
その中で大学生から始めて4連覇中の名人かつ、今回も当然のように勝てると言う圧倒的な天才にたいして、何も思わない人はそうそういません。
しかし、それが周防久志らしさとも言えます。

また、初戦を終えた新に対し、「君はいつか名人になれるよ。でも今回じゃない」「君をみててもテンションがあがらない」と伝える。
初戦の新の姿は、祖父の永世名人の面影を垣間見せるものでした。
しかし、それに対する。周防の言葉。
わざわざ、新の初戦を観戦していたことも踏まえると、今回の引退宣言や新への言葉など、どこか新に何かを期待しているようにも感じ取れます。

花野 菫(はなの すみれ)の太一への真っ直ぐな思いが太一のかるたへの迷いを打ち消す

嘘をついて大会に出場していることを知って会場にきた太一の母は、休憩中に太一を連れ戻そうとその場に居合わせた水沢かるた部後輩の花野 菫に協力を仰ぎます。
太一に思いを寄せる花野は、母と親密になることで妄想を掻き立てますが、一戦一戦必死で戦う原田や他の出場者、初戦と二戦目の太一の姿をみて、太一の母が会場に入ろうとするのを必死で制止します。
太一の母の「かるたなんてすぐやめるものなのに」
この言葉に対して、今まで一緒に戦ってきた太一とのシーンが走馬灯のように蘇ります。

団体戦で不利になった時の「するぞ!三勝!!!」という普段冷静な太一からは想像もつかない程に周囲を鼓舞する熱い姿など、かるた部の部長として、太一が苦心しながらもこれまでやってきたなかでの今回の予選大会。

花野は涙ながらに「かるたを一生やるかもしれないじゃないですか!」「自分になりたくて頑張ってるんです!!」と訴える。

そんな花野の姿を試合直後の太一が目撃。
何かかるたに対する心の中の引っかかりが取れたような、凛とした雰囲気に変わります。

太一のかるたへの思いが垣間見える

仮病を使って修学旅行に行かず、更には母には図書館に行くと嘘をついてまで、大会に出場する太一。
なぜこの大会にでるのか。なぜ名人になりたいのか。何になりたいのか。未だに明確にわからずにいました。

しかし、初戦後、草野が太一の母に放った言葉で、一気に迷いが消えます。

「自分じゃなくなりたい。でも、自分になりたい」

これは、今まで冷静に何でもこなし、千早や他の人を思って行動してきた自分を変えたいと言う思いと、名人になりたいと言う自分の理想とする自分になりたいと願う強い気持ちが言葉としてあらわれています。

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  筆者感想

人は誰しも、目標を見つけた時、なりたい自分への迷い悩みや葛藤などを経験するものです。
そしてそれは些細なことことで大きく変わります。
今回の太一はまさにそれを象徴とする回ではないでしょうか。

草野の太一を想い、陰ながら見てきたからこそ「自分になろうと頑張っているんです!」という言葉でした。
草野の気持ちを以前から知る太一ですが、この一言で吹っ切れるのも共感できます。

次回は、K大高校の小石川との一戦。
出場者の中で「あたったら負ける」と評判になるほど今大会大本命の相手との一戦です。
気持ちを新たにした太一の東日本予選の行方が期待されます。

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