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38年前のゴッドバレー事件で命を落としたロックス・D・ジーベック。
海軍の英雄ガープとゴール・D・ロジャーが手を組んで打ち倒したとされる伝説の大海賊ですが、果たして本当にこの二人がロックスを殺したのでしょうか?
最新話で明らかになったロックスの過去や、「俺は戻ってくるぜ……!!!ここへ!!!」という意味深な発言から、その死には隠された真実がありそうです。
単なる正義感だけでは説明がつかない、ガープとロジャーの「真の殺害動機」に迫ります。
ロックス殺害の表向きの理由
天竜人と奴隷を守るため
世界政府が公表しているロックス海賊団殲滅の理由は、ゴッドバレーで開催されていた天竜人の行事を守るためだった。当時のゴッドバレーでは天竜人による「人間狩り」が行われており、多くの奴隷たちが命の危険にさらされていた状況だったのです。
表向きの理由では、ロックス海賊団がこの天竜人たちを襲撃しようとしたため、海軍中将ガープとロジャー海賊団が手を組んで阻止したとされています。確かに当時のロックスは「世界の王」を目指しており、天竜人を倒すことでその地位を手に入れようとしていたのかもしれません。
しかし、この公式発表には多くの疑問点が残されています。なぜガープとロジャーが協力する必要があったのか、そしてなぜこの事件が長年隠蔽され続けてきたのか。真相はもっと複雑で深い理由が隠されているようです。
世界の王を目指す危険思想
ロックス・D・ジーベックの最も危険視されていた点は、彼の掲げる「世界の王」になるという野望でした。これは単なる海賊王を超越した、世界政府そのものを脅かす思想だったのです。
当時のロックスは既に海で最強の海賊団を率いており、その船には後に四皇となる白ひげ、ビッグ・マム、カイドウといった怪物たちが揃っていました。この戦力で世界政府に真正面から挑戦する意志を見せていたロックスは、まさに世界のバランスを根底から覆す存在だったのです。
世界政府にとって、ロックスの思想は絶対に容認できないものでした。海賊王は海における王者だが、世界の王は全世界の支配者を意味するからです。この野望が実現すれば、800年続く世界政府の統治システムが完全に崩壊してしまう恐れがありました。そのため、どんな手段を使ってでもロックスを止める必要があったのかもしれません。
ガープの真の殺害動機
海軍の英雄として知られるガープですが、ロックス討伐における彼の真の動機には、表向きの正義とは異なる個人的な理由が隠されていた可能性があります。
最も有力な説は、ロックスが過去に海軍大将を殺害していたという情報です。もしガープの師や仲間がロックスによって命を奪われていたとすれば、彼の行動には復讐という側面があったのかもしれません。ガープの性格を考えると、大切な人を奪われた怒りが彼を突き動かしていた可能性は十分にあります。
また、ガープがDの一族であることも重要なポイントです。ロックス・D・ジーベックと同じDの血を引く者として、何らかの宿命的な対立構造があったのかもしれません。Dの一族内部での思想的対立が、この戦いの真の原動力だった可能性も考えられるのです。
世界政府の秘密を知る危険性
海軍大将殺害への報復
ロックス海賊団が世界政府から最重要危険人物として位置付けられていた理由の一つに、海軍大将殺害事件があったと推測されます。現在まで海軍大将が殺害されたという公式記録はありませんが、ロックスほどの実力者であれば十分に可能だったはずです。
当時の海軍は現在ほど強固な組織ではなく、ロックス海賊団の圧倒的な戦力の前では劣勢に立たされることも多かったでしょう。もし海軍のトップクラスである大将が戦死していたとすれば、それは海軍全体の威信を著しく傷つける大事件となっていたはずです。
ガープがロックス討伐に異常なまでの執念を見せたのは、同僚や上司である大将の仇を討つためだったのかもしれません。個人的な復讐心が正義感と混じり合い、彼を駆り立てていたと考えると、ロジャーとの協力という異例の判断も理解できます。
世界政府の秘密を知る危険性
ロックスが世界政府にとって最も危険視されていた真の理由は、彼が知ってしまった「絶対に表に出してはいけない秘密」があったからかもしれません。その秘密とは、空白の100年や古代兵器、そして世界政府成立の真実に関わるものだった可能性があります。
Dの一族であるロックスは、生まれながらにして世界政府の天敵となる宿命を背負っていました。その上で彼が何らかの方法で世界政府の暗部や隠された歴史を知ってしまったとすれば、それは世界政府にとって致命的な脅威となったでしょう。
特に注目すべきは、ロックスが「神の騎士団」の存在やイム様について何らかの情報を掴んでいた可能性です。世界最高権力者の存在を暴露されそうになった世界政府が、総力を挙げてロックスを抹殺しようとしたのは当然の判断だったのかもしれません。
ロジャーが手を組んだ本当の理由
海賊王ゴール・D・ロジャーがガープと手を組んでロックスと戦った理由について、公式には「天竜人や奴隷を守るため」とされています。しかし、ロジャーの性格や価値観を考えると、この説明だけでは不十分に感じられます。
最も有力な説は、シャクヤクの救出作戦だったのではないかということです。現在はシャボンディ諸島でバーを経営しているシャクヤクですが、当時は海賊として活動しており、ゴッドバレーの奴隷として捕らわれていた可能性があります。レイリーの恋人でもある彼女を救うため、ロジャー海賊団が動いたのかもしれません。
また、ロジャーとロックスの間にはDの一族としての深い因縁があった可能性も考えられます。同じDの血を引きながら、全く異なる思想を持つ二人が激突するのは宿命的な対立だったのでしょう。ロジャーは自由な海を求める海賊王を目指し、ロックスは支配する世界の王を目指していた。この根本的な違いが、共闘という形での対決を生んだのかもしれません。
シャクヤク救出作戦の一環
Dの一族同士の宿命的対立
ロジャーとロックスの戦いは、単なる海賊同士の抗争を超えた、Dの一族内部での思想的対立だった可能性が高いです。同じ血を引きながら、全く異なる未来を描いていた二人の激突は、まさに宿命的なものだったのでしょう。
ロジャーが目指していたのは「自由な海での冒険」であり、彼にとって海賊王とは海で最も自由な存在を意味していました。一方でロックスは「世界の支配」を目標とし、力によって秩序を作り出そうとしていたのです。この根本的な価値観の違いが、両者の対立を不可避なものにしていました。
興味深いのは、この対立が現在も続いているらしいということです。ルフィの中にはロジャーの意志が、黒ひげの中にはロックスの意志が受け継がれているという見方もできます。Dの一族の宿命的な対立は、次の世代へと引き継がれているのかもしれません。
ゴッドバレー事件の隠された真実
ゴッドバレー事件の真相を探る上で最も重要なのは、この島が事件後に完全に消失してしまったという事実です。島一つが跡形もなく消えるなど、通常の戦闘では起こりえない現象といえるでしょう。
最も有力な説は、イム様が直接介入したというものです。世界最高権力者であるイム様が、ロックスの脅威を完全に排除するために古代兵器を使用した可能性があります。ルルシア王国の消滅と同様の手法で、ゴッドバレーごとロックスを抹殺しようとしたのかもしれません。
もう一つ考えられるのは、「ロックス王国抹消計画」です。ロックスが目指していた「世界の王」という野望を完全に潰すため、彼の拠点や痕跡を全て消し去る必要があったのでしょう。ゴッドバレーの消失は、この計画の一環だった可能性が高いです。
イム様の直接指令説
ゴッドバレー事件におけるイム様の関与は、近年の展開から見て極めて可能性が高いといえます。ルルシア王国を一瞬で消滅させた「マザーフレイム」の技術が、38年前にも使用されていたのかもしれません。
イム様にとって、ロックス・D・ジーベックは絶対に生かしておけない存在でした。Dの一族の中でも特に危険で、世界政府の根幹を揺るがす可能性を秘めていたからです。通常の海軍や世界政府の戦力だけでは対処できない脅威として、最終兵器の使用を決断したのでしょう。
この説が正しければ、ガープが「英雄」と呼ばれることを嫌がる理由も理解できます。自分は囮として利用されただけで、真の勝利者はイム様だったという事実を知っているからかもしれません。英雄として祭り上げられることは、彼にとって複雑な心境なのでしょう。
ロックス王国抹消計画
本当にロックスは死んだのか?
ゴッドバレー事件から38年が経過した現在でも、ロックス・D・ジーベックの生死については多くの謎が残されています。公式には戦死したとされていますが、実際に死体が発見されたという記録は一切存在しないのです。
最も不可解なのは、これほど重要な人物の死について、具体的な死因や状況が一切明かされていないことです。通常であれば、世界政府は海賊の処刑を大々的に宣伝するはずですが、ロックスに関してはそのような記録が見当たりません。これは彼が本当に死んだのか、それとも別の理由で姿を消したのか、疑問を抱かせます。
また、ロックスほどの実力者が簡単に倒されるとも思えません。当時の海で最強とされていた彼が、ガープとロジャーの連携だけで完全に倒されたのかという点にも疑問が残ります。何らかの方法で生存し、現在も世界のどこかに潜んでいる可能性は十分に考えられるのです。
死体が発見されていない謎
ロックスの死体が発見されていないという事実は、彼の生存説を支持する最大の根拠となっています。世界政府ほどの組織であれば、重要人物の死を確認することは当然の手続きのはずです。
考えられる理由の一つは、島の消滅と同時にロックスも消失したというものです。イム様の古代兵器によってゴッドバレーごと消されたため、死体の回収が不可能だったのかもしれません。しかし、この説明でも完全に納得できない部分が残ります。
もう一つの可能性は、ロックスが何らかの能力で死を偽装することに成功したというものです。悪魔の実の能力や、Dの一族特有の特殊な体質により、死んだように見せかけて生存していたのかもしれません。この場合、世界政府も騙されていることになります。
黒ひげの中で生存している説
近年注目を集めているのが、ロックス・D・ジーベックの意志や魂が現在の黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)の中で生き続けているという説です。これは単なる思想の継承を超えた、もっと直接的な関係性を示唆しているのかもしれません。
黒ひげの異常な体の構造について、マルコは「あいつの体は異形なんだよい」と語っています。通常では考えられない複数の悪魔の実の能力を同時に保持できるのも、彼の特殊な体質が原因とされています。もしロックスの魂や記憶が黒ひげの中に宿っているとすれば、この異常さも説明がつくでしょう。
さらに興味深いのは、黒ひげがロックス海賊団の元メンバーたちに対して見せる特別な感情です。白ひげやビッグ・マムに対する複雑な態度は、単なる海賊としての関係を超えた何かがあることを匂わせています。ロックスの記憶が蘇っているとすれば、かつての仲間への想いが影響している可能性もあるのです。