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14年前、エルバフの歴史を揺るがす凄惨な事件が城内で発生しました。一夜にして113人もの兵士が命を落とし、名君ハラルド王が殺害されたこの惨劇は、単なる王族内の争いではなかったようです。
現在明らかになってきたイム様の恐ろしい能力「黒転支配(ドミ・リバーシ)」の存在を考えると、あの日の真相は私たちが思っていたものとは全く異なる可能性があります。
14年前の大虐殺事件
城内で起きた惨劇の真相
14年前のアウルスト城で起きた事件は、エルバフの歴史に深い傷を残しました。当初はロキによる父殺しとして語られてきたこの事件ですが、実際の現場は想像を絶する惨状だったようです。
城内には大量の巨人族の白骨が散乱し、その中には古代巨人族の血を引く戦士たちの遺骸も含まれていました。この日に生き残ったのは、ロキと「山ひげのヤルル」のみ。事件以来、城は立ち入り禁止となり、14年経った今もあの日のままの状態で保たれています。
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113人の兵士による反乱
最新の情報で明らかになったのは、城内の兵士113人全員が殺害されたという衝撃的な事実です。しかし、ここで注目すべきは、これらの兵士たちが本当に「反乱」を起こしたのかという点でしょう。
通常であれば、名君として慕われていたハラルド王に対し、100人を超える兵士が一斉に反旗を翻すなんて考えにくいですよね。彼らの行動には何か別の理由があったのではないでしょうか。
イムの黒転支配の正体
ここで登場するのが、イム様の恐るべき能力「黒転支配(ドミ・リバーシ)」です。この能力は対象を理性のない悪魔へと変える技で、相手の下半身を魔法陣に沈め、そのまま反転させると悪魔化した姿で登場させるというものなのです。
さらに恐ろしいことに、悪魔化した者の間に挟まれると、その人物も悪魔化してしまうという特性があります。つまり、一人を操れば次々と配下を増やしていけるという、まさに究極の支配能力と言えるでしょう。
もし14年前の事件で、イム様がこの能力を使っていたとしたら?113人もの兵士が一斉に王を襲った理由の説明がつきますよね。
部下を操る恐怖の能力
悪魔化した戦士たちの特徴
黒転支配によって悪魔化した戦士たちには、いくつかの特徴的な変化が現れるようです。まず、常識と理性が完全に失われ、支配者の命令に絶対服従するようになります。
さらに、悪魔化の過程で身体能力も大幅に強化されるようで、通常では考えられないような力を発揮できるようになるのです。コウモリのような翼や矢印型の尖った尻尾が生えるなど、外見にも顕著な変化が現れることが確認されています。
最も恐ろしいのは、この能力が連鎖的に広がっていく点でしょう。悪魔化した者同士に挟まれると、その人物も同様に悪魔化してしまうため、一度始まると制御不能な連鎖反応を引き起こす可能性があります。
ハラルド王の二重生活
名君として国民から深く愛されていたハラルド王。「戦いより他国との交易を」という理念を掲げ、平和的な外交を推進していた彼ですが、実は世界政府と密接な関係を持っていたことが明らかになってきました。
神の騎士団のソマーズ聖が「ハラルドの墓参りでも?」と発言したことから、両者の間には特別な繋がりがあったことがうかがえます。ハラルド王は表向きは平和を愛する優しい王でしたが、裏では世界政府との交渉を重ねていたのかもしれません。
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名君と裏切り者の狭間
ハラルド王の評価は複雑です。国民からは「エルバフ史上最高の王」として慕われていた一方で、世界政府との密約を交わしていた可能性も指摘されています。
彼は古代巨人族の血を引き、頭には角が生えていましたが、戦争の時代を想起させるとして自らその角を引きちぎったという逸話が残っています。この行動からも、彼の平和への強い思いが伝わってきますよね。
しかし、世界政府加盟を目指していた彼の行動は、伝統を重んじる長老たちとの衝突を生み、エルバフに深刻な亀裂をもたらすことになったのです。
世界政府との密約の内容
ロキが背負った濡れ衣
エルバフでは「ロキが父を殺し、伝説の悪魔の実を奪った」と語り継がれていますが、真実は全く異なるようです。ロキの回想シーンでは、部下たちがハラルド王の体を貫く光景が描かれており、実際には兵士たちによって殺害されたことが明らかになっています。
ロキは腹違いの兄ハイルディンとの会話で「森を見ろ…まさかお前までおれが本当に殺意をもって親父を殺したなんて…」と語っています。この言葉からも、彼が父殺しの真犯人ではないことがうかがえますよね。
では、なぜロキは濡れ衣を着せられることになったのでしょうか?それは恐らく、エルバフを守るために彼自身が選んだ道だったのかもしれません。
父殺しの汚名を受けた理由
ロキがあえて父殺しの汚名を受け入れた理由として考えられるのは、世界政府の陰謀を隠蔽するためだったという可能性です。もしイム様の能力によって兵士たちが操られていたことが明るみに出れば、世界政府とエルバフの全面戦争に発展していたでしょう。
ロキは自らが悪者となることで、真実を隠し、エルバフの平和を守ろうとしたのではないでしょうか。現在も生き残っている「山ひげのヤルル」も、ロキと口裏を合わせて真実を語らない選択をしているようです。
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エルバフを守るための犠牲
ロキは「伝説の悪魔の実を食べた」とも言われていますが、これも嘘である可能性が高いです。もし本当に強大な力を手に入れていたのなら、6年前にシャンクスに捕らえられることもなかったでしょうし、現在も海楼石で拘束される必要もないはずです。
神の騎士団はロキをエルバフ支配の鍵として狙っていますが、ロキはこれを断固拒否しています。彼の選択は一貫して、エルバフの自由と独立を守ることにあるのです。
26億ベリーもの懸賞金をかけられ、「世界の敵」と呼ばれるロキ。しかし彼は、エルバフを世界政府の支配から守るために、あえて悪役を演じ続けているのかもしれません。
イム様の真の狙い
ハラルドの「しくじり」とは
イム様が軍子宮に憑依した際、「あの時…ハラルドの野郎……しくじりやがって……‼」と発言しています。この「しくじり」とは一体何を指しているのでしょうか?
考えられるのは、ハラルド王がイム様の計画通りに動かなかったということです。恐らくハラルドは世界政府との交渉の中で、イム様やその配下から何らかの提案を受けていたのでしょう。しかし、最終的にハラルドはエルバフの独立と自由を優先する選択をしたのではないでしょうか。
ソマーズ聖も「ハラルドの野郎……しくじりやがって……」と似たような発言をしていることから、神の騎士団とハラルド王の間には何らかの約束があったことが推測されます。その約束が守られなかった、あるいはハラルドが計画を裏切ったことが「しくじり」と表現されているのかもしれません。
エルバフ支配計画の全容
世界政府、そしてイム様の真の目的は、「大昔この新世界を制圧した狂暴なエルバフの戦士達」を世界政府の指揮下に置くことです。シャムロック聖が明言したこの目標は、単なる領土拡大ではなく、もっと深い意味を持っているようです。
古代巨人族の血を引く戦士たちの圧倒的な戦闘力は、世界政府にとって喉から手が出るほど欲しいものでしょう。特に、来たるべき「巨大な戦い」に備えて、エルバフの戦力を確保したいという思惑があるのではないでしょうか。
神の騎士団はロキの勧誘や子供たちを狙うなど、間接的な支配を目論んでいます。エルバフの巨人族全員を相手にするのは分が悪いと判断し、裏工作に転じているようですが、その背後にはイム様の壮大な計画が隠されているのかもしれません。
14年前の惨劇の真相が明らかになるにつれ、ロキの真の姿や、ハラルド王が本当に望んでいたもの、そしてイム様の恐るべき計画の全容が見えてくるでしょう。エルバフを舞台に繰り広げられる物語は、ワンピース最終章の核心に迫る重要な鍵を握っているようです。







