劇場版アニメ「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の魅力・感想・評価を総まとめ!
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「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」とは、1995年に押井守が監督したアニメ映画であり、原作は士郎正宗の描いた漫画です。

 コンピューターが発達した未来の日本を舞台にしたSFアニメで、国内外共に評価が高く、ハリウッド映画にも大きな影響を与えた作品です。

2000年代には様々な派生作品が誕生し、2008年7月にはリニューアルされた押井守が新たに編集しなおした「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0」リバイバル上映されました。

今回は、劇場版アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の魅力や感想、評価さらには、無料で動画を視聴する方法をご紹介します。

アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」とは?

「攻殻機動隊」の概要

「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」は内務省直轄の組織「公安9課」、通称「攻殻機動隊」のリーダー草薙素子の活躍を描いた作品です。

原作者である士郎正宗が攻殻機動隊を連載したのは1989年の頃で、原作はポップで明るい物語ですが、押井守が監督した映画の方はシリアスな作風になっています。

本作を理解するには、3つのキーワードがあります。

一つは「電脳化」これは脳や神経系にマイクロマシーンを注入して、ネットの情報とアクセスする技術です。 

もう一つは「義体化」、サイボーグ技術を意味しています。

 最後は「ゴースト」これは極めて哲学的な概念で、自分というものの認識、もしくは「自己」決定させる何かです。

このように「攻殻機動隊」は緻密なSF理論から生まれた設定によって作られた作品なのです。

アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」のあらすじ

内務省直轄の防諜・テロ対策機関「公安9課」所属の女性捜査官草薙素子は、亡命を斡旋していた外交官を射殺します。

後日、外務大臣の電脳をハッキングされる事件が発生し、公安第9課に出動要請が下されました。

国内ではすでに、ハッキングの被害が相次いでいました。

事件を引き起こした者は「人形使い」と呼ばれる正体不明のハッカーであったのです。

アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の登場人物

 

攻殻機動隊
出典:映画.com

 

草薙素子(くさなぎ もとこ)

声優:田中敦子  

公安9課に所属する、冷静沈着な女性捜査官で元軍人と言う経歴の持ち主です。あだ名は「少佐」。

並外れた戦闘技術と、ハッキング技術を持った捜査官です。

 脳と脊髄以外は完全な義体となっています。

バトー

声優:大塚明夫  

義体化された目が特徴的な素子のパートナー。彼も素子同様、体の大半が義体化されていいます。銃の扱いに長け、高い戦闘力を持っています。

トグサ

声優:山寺宏一 

情報収集と分析を得意とする捜査官で、公安第9課では唯一の刑事上がり。愛用の銃はリボルバー式の「マテバ」。

電脳化されている以外はほぼ生身です。

 

攻殻機動隊
出典:ミドルエッジ

 

荒巻 大輔

(あらまき だいすけ)

声優:大木民夫

(画像の左側にいる人物)公安9課の部長にして、現場の司令塔。トグサ同様完全な生身です。優れた判断力と政治的駆け引きに長けた人物です。

肩書きが「部長」なのは、彼が公安部に所属していたためです。

人形使い

声優:家弓家正/榊原良子(95年版/2.0版)

正体不明の謎のハッカーです。何人もの人間の電脳をハッキングしていることから、「人形使い」と呼ばれています。画像は人形使いがハッキングして体を動かしているサイボーグ用の義体です。

 

アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の主題歌

OP:Making of Cyborg 作曲・演奏・編曲:川井憲次

本作のOPです。女性がコーラスで歌っており、東洋的で神秘的な歌声と音楽が印象的です。

 

EDReincarnation  作曲・演奏・編曲:川井憲次

OP同様、川井憲次作曲によるものです。歌や音楽はOPと同じですが、EDのほうがややゆったりとした曲になっています。

アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の魅力とは?

魅力①コンピューターやサイボーグによって形成される未来社会

 今までの漫画やアニメの傾向では、サイボーグというと石ノ森章太郎の「サイボーグ009」のように、特殊な能力を組み込まれたヒーローのイメージが主流でした。

しかし、サイボーグとは本来機械仕掛けの義手等を、負傷して欠損した手足の代わりに体に取りつけるというSF世界の医療行為を意味しています。

 攻殻機動隊は、電脳化やサイボーグが一般レベルで浸透されている社会が舞台となっており、必要ならば誰もが気軽にサイボーグになれる時代です。

そのため、公安第9課のように職業上の必要性から電脳化したり、サイボーグになることもあります。

 一方では、コンピュータの精度も飛躍的に高まっているので、ハッカーによって、電脳化された脳に別の記憶を植え付けられたり、義体を操られるという犯罪が起きています。

本編では、一般人がハッカーに操られてしまい、偽の記憶を植え付けられるという場面があるように、「攻殻機動隊」は日常や社会の細かいところまで、SF的な設定を入れ込んでいるのが特徴の一つです。

 そのため、発達しすぎたテクノロジーによって生み出される悩みや、災厄を生々しく表現しています。その徹底したリアリズムこそ、このアニメが人々を惹きつける魅力ではないかと思います。

魅力②押井守監督のセンスが光る映像美

「攻殻機動隊」の監督押井守は、映像美にこだわりを持つ監督として有名です。

例えば 冒頭で、主人公の素子が光学迷彩(透明化する道具)を纏って、高層ビルから窓ガラス越しに飛び移り、犯罪を犯した外交官を射殺する場面があります。

 その後、唖然となった護衛官たちが窓の外を見ると半透明になった素子が少しずつ下に降りていくという、美しい場面が描かれています。

一番注目してい欲しいのは都市描写です。本編の舞台になっている香港をモデルにした架空の都市は、空から俯瞰して見ると高層ビルが立ち並ぶ巨大都市ですが、少しずつ中に入ると様々な文字が描かれた看板が数多くあり、路地裏に入れば荒廃し薄汚れているのがわかります。

虚飾に満ちた見た目と情報で飾っているけれど、よく見ると何かが破綻している社会を暗示しているように見えます。

このように「攻殻機動隊」は、美しく退廃的な映像のなかに、様々なメッセージを込めた作品でもあるのです。

魅力③主人公素子の葛藤

本編では前述した「ゴースト」という哲学的で興味深いテーマを語っています。

主人公である素子は冷静沈着で、パーフェクトな女性に見えるますが、彼女はある葛藤を抱えていたのです。

 それは全身が義体でできているがゆえに、自分自身が本当に存在している人物なのか、すなわち自分自身を決める定義「ゴースト」に悩まされているのです。

 この世界は電脳化とコンピューターの発達によって、ハッキングで記憶を書きかえることが可能な技術がある世界です。

 それだけではなく、彼女が使っている今の義体は職務上必要であるので国から支給されているものなので、退職したら自分の義体を国に返さなければならないのです。

 そうだとすれば、「草薙素子」という人物も国によって作られた人格である可能性もあるのです。そのため彼女は、人知れず自分自身は本当に存在しているのか、幽霊のような存在ではないのかと葛藤しているのです。

アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の感想(ネタバレあり)

攻殻機動隊を初めて見たときは、物語より映像美の方に目を奪われました。

本編の舞台となっている香港の街をモデルにした、未来の日本のどこかの都市は、 蛍光塗料のようなネオンが光り輝いているビルが並んでいるという、壮大な都市描写です。

一方、都市の中は煤けたコンクリートや錆びた鉄パイプだらけの建物という退廃的な光景です。

80年代に映画「ブレードランナー」が公開されてから、SF世界の描写はアジアの都市にある路地裏のような、退廃的な世界観を表すようになりました。

 それは、発達しすぎた科学によって造られた社会が、壊れかかているのを暗示しているようでした。

巨大なビル群が並ぶ都市は偽りの姿で、ボロボロの建物こそこの社会の真実なのかもしれません。

 物語そのものは、かなり難解なテーマを扱っているように思えるのですが、その本質は情報と偽りにまみれた世界で自分自身とは何かを探すストーリーのように感じました。

アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」口コミ・評価

「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の口コミ

情報化社会が発達すると、一体何が起こるのか、そしてそれは何を意味するかを考えさせるような作品という認識のようです。難解な物語ですが、やはり一度見るとやみつきになってしまう映画で、語らずにはいられない人も多いようです。

「AKIRA」同様、近未来系のSFアニメを完成させた作品という意見もあります。

本編に出てくるセリフ回しを好んで使う人もいます。

「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の筆者評価

総合評価:49点/50点
ストーリー
作画
音楽
独自性
メッセージ性

 

・ストーリー:9点/10点

インターネットが出たばかりの90年代に、コンピューターが発達した社会ならではの事件や災い、そして悩みを巧み盛り込んだのは見事です。内務省と外務省の組織対立を描いたポリティカルアクション(政治闘争劇)は少しわかりづらいですが、慣れてくると、かなり興味深いです。

・作画:10点/10点

美しい大都市の夜景と、その都市の内側にある退廃的な路地裏の映像は絶品。都市社会の光と闇を見事に表現しています。静かな背景描写の一方、マシンガンでコンクリートを破壊するなど、ハリウッド映画張りのアクションは迫力満点。

素子のサイボーグならではのアクションにも注目してほしいです。

・音楽:10点/10点

OP・EDに流れる川井憲次作曲の静かで悲し気なメロディーは素晴らしい。SF世界であるのに、東洋的で、どこか神秘的な雰囲気の音楽は、一見するとミスマッチに見えますが、香港をモデルにしたアジア風の路地裏の描写のおかげで、不思議と映像に合っています。

・独自性:9点/10点

原作とは完全に別物として見た方がいい、というくらいストーリーも作風も違うものになっています。キャラクターも原作とは違うものになっています。「攻殻機動隊」というより、押井守の作風を楽しんだ方がいいかもしれません。

本編に出てくる素子の独特なセリフ回しも人気の一つ。

・メッセージ性:8点/10点

「人間の手に余るほど、発達しすぎた科学」による災いというのは、SFで語られている古典的なテーマですが、21世紀を手前に控えた90年代という時代にはふさわしかったかもしれません。

メインテーマである情報化が進みすぎて、自分自身の存在が証明できなくなるというのは哲学的すぎて難解すぎるかもしれません。

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アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」のまとめ

攻殻機動隊は、ハリウッドに多大な影響を与えた作品の一つであり、20世紀を代表するジャパニメーションの一つだと思っています。 

ここまでの作品になることができたのは、90年代という一つの時代の転換期に生まれ、その時代を足掛かりにして未来を見据えた作品であったからだと思います。

原作者である士郎正宗が「攻殻機動隊」を書いたのは1989年の頃であり、当時、パソコンやプログラムは「マイコンおたく」と呼ばれる一部のマニアしか知られていませんでした。(マイコンとは現在のパソコンの原型)

そんな時代に、コンピューターネットワークやハッキングという設定を盛り込んで描かれたのが、「攻殻機動隊」なのです。

90年代になると、日本はあの空前絶後の高景気ともいうべきバブルが崩壊し、阪神大震災等によって大変な時代になっていきました。

昭和の時代に漫画やアニメを見て育った人たちは、鉄腕アトムを見て、科学万能の未来をイメージしましたが、時代が進むにつれ、そんな未来は絵空事であったことを思い知らされていくのです。

なぜなのでしょう?答えは簡単には出ないでしょうが、「攻殻機動隊」の主人公である草薙素子は本編で興味深い言葉を残しています。

特殊化の果てにあるのは緩やかな「死」。それだけよ。

映画「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」より

 

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