
「ワンピース」1086話にて、「神の騎士団」の最高司令官であるフィガーランド・ガーリング聖が登場。
その家系がシャンクスに関連するものだったことで、話題を呼んでいます。
今回はそんなフィガーランド家の正体について解説・考察していきます。
シャンクスはフィガーランド家の天竜人!
「FILM RED」劇中で言及されていた

086話にてフィガーランド家の天竜人が現れましたが、実は2022年に公開された「FILM RED」にも、その名前は登場していました。
作中で「シャンクス」の娘と判明したウタに対して、五老聖は「フィガーランドの血筋」だと言及していました。
なぜ五老聖がウタの血筋を知っていたのか?それは親であるシャンクスの血筋を知っていたからではないでしょうか?
つまり、ウタがフィガーランド家=シャンクスもフィガーランド家という図式が成り立つのです。
五老聖がシャンクスを無視出来なかった理由

そして1086話にて、シャンクスと同じ血筋と思われるガーリングが登場したことで、シャンクスが天竜人だと確定したと言っていいでしょう。
同時に、シャンクスが五老聖に特別扱いされていた理由も分かります。
海賊でありながら五老聖と面会可能で、特別に時間を取ってもらえる理由。
それはシャンクスが「天竜人を裁く天竜人」の血を継いだ存在だからに、他ならないでしょう。
フィガーランド家はなぜゴッド・バレーにいた?
天竜人は普通は下界に降りない
ここからは「なぜフィガーランド家はゴッド・バレーで活躍していたのか?」について、考察していきます。
まず前提として、天竜人は聖地マリージョアから出ようとはしません。
彼らには「下界は汚れた場所」という価値観が根付いていて、仮に降りるとしても宇宙服のようなものを纏います。
そんな天竜人であるフィガーランド家は、なぜゴッド・バレーにいたのか?
それはゴッド・バレーが、天竜人にとって保管庫のような役割を持った島だったからではないでしょうか?
ゴッド・バレーは「大切だが側に置きたくないもの」の保管庫?

しかし、ゴッド・バレーを天竜人の保管庫と考えると、1つ疑問が湧きます。
皆さんは「保管したい」と思うものの保管庫を、わざわざ汚れた下界に作りますか?
筆者なら自分の身近な場所に作ります。
しかし、それが「近くにあったら嫌なもの」だったらどうでしょう?
大切だけど、家の横にあったら嫌な物。
例えば死者を弔っておく、墓は自分達の居住区から離れた場所に作りませんか?
フィガーランド家はゴッド・バレーの番人だった?

ここから、「ゴッド・バレーは天竜人の墓」だったという前提で話を進めます。
まず天竜人のような「神」とされる存在のお墓は、ただ埋葬するだけ済むものではないでしょう。
古代エジプトで王は「神の化身」と扱われ、埋葬の際にも副葬品として宝の山を墓に入れました。
同じく「ワンピース」の世界で神とされる天竜人も、死後は多くのお宝と共に埋葬されると推察できます。
しかし、あの世界では日夜、宝を目指して彷徨う海賊がのさばっています。
そして宝の山であるゴッド・バレーは、格好の的になるでしょう。
そこで、「天竜人の墓を守る存在」として活躍したのが、フィガーランド家だったのではないでしょうか?
ゴッド・バレーは”最初の20人”の墓?
ゴッド・バレー(神の谷)の元ネタは王家の谷?

前章で古代エジプトの埋葬法を絡めて考察しましたが、ゴッド・バレーそのものも、古代エジプトの墓が元ネタではないか?とされています。
ゴッド・バレーは直訳すると「神の谷」。
そして古代エジプトでは、歴代の王を葬っていた「王家の谷」という、集合墓地のような場所が存在します。
王家の谷は盗賊による墓の盗掘を恐れた王たちによって、人気のない渓谷に作られていました。
そしてゴッド・バレーもその存在が消滅した後、人々の記憶から忘れられるような島、つまり元々メジャーな島ではなかったのでしょう。
これらの共通点から、ゴッド・バレーは王家の谷が元ネタであると、筆者は考察しています。
シャンクスの出身は西側の海

もうひとつ「ゴッド・バレーが墓だった」根拠を示すために、まずゴッド・バレーがどこにあったのか?を説明しましょう。
結論から言うと、ゴッド・バレーは西の海に存在していたことが確定的となっています。
なぜならフィガーランド家であるシャンクスの故郷が、西の海だからです。
フィガーランド家はゴッド・バレーで活躍していた、つまりそこで衣食住も行っています。
ということは、ゴッド・バレーで子も成していたはずです。
こう考察すると、赤ん坊だったシャンクスが、ゴッド・バレーでロジャーに拾われたことも全て合点が行きます。
エジプトでは太陽が沈む西側は「死者の国」
ゴッド・バレーは西の海に存在すると判明しましたが、古代エジプトにて西という方角は、「死者の国」を表していました。
古代では太陽が崇拝されており、太陽の昇る東は「現世」「誕生」を。
そして太陽が沈む西側は、「冥界の入口」であると考えられていたからです。
そのため、エジプトではナイル川を中心として、西側に王家の墓が集中しています。
有名なピラミッド、王家の谷も全てナイル川の西側に位置しているのです。
そのため、ゴッドバレーが西の海に位置していたのも、「死者の国」という意味合いが込められているのかもしれません。
イム様にとってゴッド・バレーは不都合?

天竜人の墓と思われるゴッド・バレーですが、38年前に跡形もなく消滅しました。
それは恐らく”最初の20人”の生き残り、イム様の仕業だと考えられます。
そしてイム様の仕業だとするなら、ゴッド・バレーを消し去った理由にも、少し検討がつきます。
なぜなら、ゴッド・バレーが天竜人の墓であるなら、”最初の20人”の王たちの墓もあるはずです。
しかし、イム様だけは生き残っているため、彼の墓には何もありません。
イム様の存在は五老聖だけが知るような秘密です。
もしゴッド・バレー事件の際に、イム様の墓を誰かが暴き、空の墓を疑問に思う存在がいたなら?
当然そんな奴は、証拠もろとも消さなければいけませんね。
三日月はフィガーランド家の証?
ガーリングの三日月のような髪にも意味がある
ここからはフィガーランド家と月の関連性について、考察していきます。
皆さんガーリング聖を初めて見た時、非常に個性的な髪型に目が行きましたよね?
この「私は三日月と関係がある」と言わんばかりの髪にも、意味があると筆者は考察しています。
まず三日月は古代エジプトにおいて、月を象徴する文字として使用されていました。
そして月はその満ち欠けの様から「修復する」という意味を持っています。
筆者は、それこそがフィガーランド家が持つ使命だと考えました。
フィガーランドは「世界の修復」を行う者?

ご存知の通り、フィガーランドは神の騎士団として、「天竜人を裁く天竜人」という立場にあります。
それはミョスガルド聖を処刑したように、「異分子を排除して天竜人社会を修復する」役割とも捉えられないでしょうか?
このことを頭に置いて、同じフィガーランドの血を引くシャンクスの行動を思い出してください。
白ひげと対峙した時も、頂上戦争の際にも、世界の異常を正すために動いたのがシャンクスでした。
このことから、三日月は「世界の修復」を担う、フィガーランド家の象徴なのではないか?と考えています。
「ワンピース」28話の扉絵に伏線が?

フィガーランド家の象徴である三日月。
実はそんな三日月を使って、シャンクスがフィガーランドである伏線は、以前から貼られていました。
まず原作28話にて、サブタイトル「三日月」とつけられたその回の扉絵に、なぜかシャンクスが登場しているのです。
この回にシャンクスは全く関与していないのに、この登場の仕方は何か意図を感じさせられます。
作者である尾田氏が扉絵に伏線を貼るのは有名で、今回も20数年越しの伏線回収となったのかもしれません。
古代エジプト神の左目は”月の象徴”

またシャンクスと三日月の関連性はこれだけではありません。
実は古代エジプトの天空神ホルスは、右目が太陽、そして左目が月の象徴とされています。
作中で左目と言えば、シャンクスが、黒ひげに3本の傷をつけられたのも左目ですね?
そして、この考えを元に黒ひげがシャンクスの血縁が、フィガーランド家であることを知っていたと仮定しましょう。
するとアニメ版で追加された「似合ってるぜその傷」というセリフが、シャンクスの「三日月が象徴」である血縁を皮肉ったものに受け取れないでしょうか?
フィガーランド家についての考察まとめ
ここまでフィガーランド家について考察してきました。いかがだったでしょうか?
シャンクスがフィガーランドであることや、天竜人ではないか?ということは、かなり前から考察はされていました。
しかしその血が神の騎士団や、月に縁があるものと判明すると、一気に点と点が繋がったような感覚に陥ります。
1086話はフィガーランドだけでなく様々な情報が明かされたので、1ヶ月の休載を利用して、しっかり整理したいですね!