クールな大人のアニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の魅力・感想・評価をご紹介！

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」は２００２年にスカパーのパーフェクト・チョイスに放映されたSFアニメ作品です。「攻殻機動隊S.A.C」と略して言われることもあります。

原作は士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」で、１９９５年に劇場アニメ化され押井守が監督となりました。

今回は、「ゼロ年代」を代表するアニメ「攻殻機動隊S.A.C」の魅力や感想、評価、さらに動画を無料で視聴する方法もご紹介します。」

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」とは？

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の概要

「攻殻機動隊S.A.C」は内務省直轄の組織「公安9課」、通称「攻殻機動隊」の活躍を描いた劇場アニメ作品「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」のテレビアニメ版です。

制作会社はProduction I.G,で監督は神山健治です。

「攻殻機動隊S.A.C」は、原作とも押井守版の劇場版「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」とも違う独立したストーリーとして描かれています。物語は基本的に1話完結で語られていますが、「笑い男事件」に関するエピソードは繋がっています。

本作を理解するには３つのキーワードがあります。

一つは「電脳化」これは脳や神経系にマイクロマシーンを注入して、ネットの情報とアクセスする技術です。 

もう一つは「義体化」、サイボーグ技術を意味しています。

 最後は「ゴースト」これは極めて哲学的な概念で、「自己」決定させる何かです。

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」のあらすじ

２０３０年、電脳化が一般化され情報ネットワークが高度化する中で、犯罪も複雑化していきました。そんな犯罪に対抗するために生まれた組織が「公安９課」です。

公安９課の任務は汚職の摘発や、サイバー犯罪の取り締まり、テロの防止、要人警護などです。

そんな公安９課の前に、正体不明のハッカー「笑い男」が迫ってきます。

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の登場人物

草薙素子（くさなぎ　もとこ）

声優：田中敦子
本編の主人公。体のほとんどを義体に変えた優秀な女性捜査官。公安９課の指揮官です。

トグサ
声優：山寺宏一

公安９課では唯一の刑事上がりの捜査官です。電脳化されている以外はほぼ生身で家族持ちです。情報分析と推理を得意とします。

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の主題歌

OP：inner universe　作詞・歌：Origa、Shanti Snyder　演奏・作曲： 菅野よう子 

美しい女性の声と、滑らかなロシア語の歌詞が印象的な曲です。スカパーで放送されたバージョンで、DVDに収録されているのもこの曲です。

OP：GET9　作詞：Tim Jensen　歌：jillmax　演奏・作曲： 菅野よう子　（地上波放送時）

地上派で放送されたバージョンです。軽快な音楽とテンポの良い動画で、ファンの評価も高い曲ですが、残念ながらDVDでは収録されていません。

ED：lithium flower　作詞 ：Tim Jensen 　歌 ：Scott Matthew　作曲・編曲 ： 菅野よう子 

OPとは打って変わって、男っぽい音楽です。OPが素子のイメージで、EDがバトーをイメージしていると感慨深いかもしれません。

ED：I do　作詞・歌 ： Ilaria Graziano 　 作曲・編曲 ：菅野よう子　（地上波放送時）

どこか透き通るような美しい女性の歌が心に響く曲です。地上派放送時の曲ですが、もともとは次回作の「攻殻機動隊S.A.C　2nd GIG」の挿入歌です。

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の魅力とは？

魅力①スペシャリストによって構成された見事なチームワーク

このアニメの最大の魅力は、チームワークによるクールなアクションです。公安9課のメンバーはそれぞれ得意分野を持ったスペシャリストで構成されたチームであり、その技術は一級品です。

そして対テロリストのプロフェッショナルである彼らは、任務のためにその技術を遺憾なく発揮するのです。彼らの間に極端な上下関係や競争意識は無く、あるのは役割です。

例えば素子は指揮官、バトーは突撃、トグサは調査と推理、イシカワとボーマは電子戦、サイト―は狙撃、パズは情報収集、荒巻は政治的駆け引きと言った具合にそれぞれの技術を連動させて、テロリスト達と戦うのです。

役割に応じて任務を遂行するその姿は、ハイレベルなチェスゲーム見ているような奇妙な爽快感さえ感じます。彼らを動かすのは、プロフェッショナルとしてのストイックな職務意識です。

そしてそのチームワークの源は、情報端末という無機質な媒体に頼った結束ではなく、信頼という確かな結束によってはじめて生み出されるのです。

魅力②敵か味方か？謎のハッカー「笑い男」のミステリー

このアニメで視聴者を惹きつける要素の一つに、「笑い男事件」のミステリーがあります。

笑い男事件とは、6年前の2024年の2月、マイクロマシンを取り扱う大企業セラノ・ゲノミクス社の社長であるアーネスト瀬良野氏が誘拐されたことからはじまります。その後、テレビの生中継現場にアーネスト氏を連れた犯人が現れ、アーネスト氏に「真実を公表しろ」と脅しましたが、彼が言うことを聞かなかったために、犯人はそのまま逃走しました。

犯人はテレビ画面に映った自分の顔を「笑い男」というシンボルマークを貼り付けて隠しました。その後、自ら「笑い男」と名乗りだした犯人が「ウイルスプログラムを注入する」と言って、マイクロマシン工場を脅迫し、警察の懸命な捜査も空しく犯人は6年間も逃げ続け現在に至ります。

テレビ中継の最中に事件を起こすというのは、「ケネディ大統領暗殺事件」を髣髴させますが、モデルになったのは「グリコ・森永事件」等の実際した劇場型犯罪がモデルになっています。

本編では笑い男の事件は伝説の未解決事件として、世間に知られていますが、その笑い男が公安9課に接触してくるのです。

果たして彼は敵か味方か？

魅力③攻殻機動隊の名物キャラ「タチコマ」の魅力

タチコマとは、原作の「フチコマ」と呼ばれる蜘蛛のような外観の歩行式戦車のアニメ版の名称で、押井守版では未登場でしたが、「S.A.C」では登場し原作ファンを喜ばせました。

タチコマはAIが搭載された小型戦車で人を乗せるだけでなく、機敏な動きと思考力で、現場の隊員たちをサポートするロボットでもあります。

性格は好奇心旺盛で無邪気な幼児そのものです。このタチコマを最も可愛がっているのがバトーで、彼とタチコマの掛け合いも見所の一つです。

押井守版の攻殻機動隊はハードな内容なので、人によってはとっつきにくい内容になっていますが、「S.A.C」はタチコマのおかげで明るいエピソードが多く、新しいファンを獲得することができたました。

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の感想

ゼロ年代はアニメにCGが導入された作品が多く登場しました。そしてセル画では不可能な動きを表現することが可能となり、アニメに更なる発展の要素を加えることとなりました。

また、「攻殻機動隊S.A.C」のように、深夜に放送されるアニメも多くなったのも、ゼロ年代アニメの大きな特徴でした。

2002年に放映された「攻殻機動隊S.A.C」は1995年に放映された押井守版の「攻殻機動隊」とは違い、明るい雰囲気ですが、その内容はまさにクールな大人のアニメそのものでした。

AIの暴走やネットの世界に引きこもる者、社会に不満を持つハッカーなど、テクノロジーの発展によってもたらされる災いや犯罪を具体的かつ丁寧に取り扱っていたのが印象に残っています。

また任務に対して、ストイックに取り組む公安9課の姿に、当時視聴していた若者達はプロフェッショナルの世界を感じ取ったのではないかと思います。

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」口コミ・評価

アニメ「攻殻機動隊　STAND　ALONE　COMPLEX」の口コミ

名作回と名高い攻殻機動隊SAC第2話「暴走の証明」でレーザー誘導のATMを思考戦車がレーザーを拡散させる事で狙いを逸らすどころか射手に撃ち返す事すら出来るってシステムがかっこ良すぎるんですよね

— かくらい|ゲーミング人生収監中年ジヤンプ─毎週打ち切り (@TonemoNemo) December 17, 2019

https://twitter.com/yomotamo_/status/1207318697905287170

戦闘描写が単に火器を撃ちまくるだけのアニメと違い、様々なテクノロジーと戦術を駆使してた戦うというところに、惹かれた視聴者が多いようです。また、押井守版と比較して、入り込みやすい内容であったという感想もあり、このアニメで攻殻機動隊のファンになった人も多いようです。

アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の筆者評価

・ストーリー：8点/10点
政治色が強い反面、物語に入りやすいのが最大の特徴。キャラクターも多くなったためか、作品全体がにぎやかになった印象になります。内容も群像劇風なので各キャラクターのファンになった人も多いかもしれません。

・作画：7点/10点
かなり丁寧に作りこまれているので、テレビアニメとしてはよくできている方だと思いますが、どことなく無機質な感じがぬぐえません。生活感も感じられないので、日常系アニメが好きな人にはオススメできないかもしれません。

・音楽：9点/10点
音楽を担当した菅野 よう子による、浮遊感のある音楽が印象的です。OPは、女性ボーカルによる美しい歌声と、EDの男っぽい音楽の対比が面白い。シティ系の音楽が好きな方にはオススメですが、地上派放送のOPとEDが現在ユーチューブでしか聞けないのが残念。

・独自性：9点/10点
原作とも、押井守版とも違う新しい「攻殻機動隊」を作り上げてくれました。押井守版では活躍できなかった個性的なキャラクターが数多く登場し、物語に独自性が生まれました。人気キャラクターであるタチコマを出したのは快挙です。

・メッセージ性：10点/10点
2030年という、比較的手の届きやすい時代に設定したため、よりテクノロジーやコンピューターネットワークの危険性が伝わっているのではないかと思います。現実社会に当てはまる問題も語られています。

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「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の動画配信情報

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アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」のまとめ

「攻殻機動隊S.A.C」の時代設定は2030年。その時代まであと少しで手が届きそうです。

AIはどんどん発展していき、アメリカでは電脳化の技術を研究している人もいるようです。

攻殻機動隊の世界が徐々に近づきつつあるようですが、果たしてそれは素晴らしいことなのでしょうか？

情報化社会と言われて10数年、知識は簡単に手に入れることができるようになったために、知識の価値や意味を理解せずに安易に振りかざしているものが多くなった気がします。

そんな中で電脳化が実現したらどうなるのか？安価で情報を頭に入れられるようになったら社会はどうなるのか？

その答えはこのアニメでわかるかもしれません。

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