アニメ「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ第2期」の魅力

魅力①  転落、崩壊しつつも前に進み続ける鉄華団

第1期を鉄華団の成り上がりを描いた作品だとすれば、第2期はその転落、崩壊を描いた作品と言えます。
そして、その崩壊の中で足掻く鉄華団の姿を描ききったのが本作の魅力です。

第1期では大人たちから虐げられてきた子どもたちの反逆から物語が始まり、クーデリアを地球まで送り届けた頃には鉄華団で一躍有名になりました。
その後の第2期冒頭では地球にも支部を置くようになり、地球圏での立場を確かなものにしていました。
しかし、その躍進を快く思わないものもおり、鉄華団は数々の敵の妨害を受け続けることになります。
地球から撤退し、テイワズからも脱退、数々の犠牲者も出し、ついには火星の本拠地も放棄し、鉄華団は壊滅します。

鉄華団が憎くて壊滅する様子が見どころと言いたいわけではありません。
鉄華団の生き方は地と泥にまみれても美しいものでした。
鉄華団はどんな時も前に進み続けました。
それは最後の最後、本拠地を放棄した時も変わりません。
本拠地を犠牲にして敵の攻撃から抜け出しますが、それもただの逃げではありません。
鉄華団を掃討しようとするギャラルホルンからなんとしても逃げ延びる。
逃げて、生き延びることこそが、奴らに一泡吹かせるための戦いであると。

どれだけ堕ちても前に進むことだけは止めなかった鉄華団。
その力強い生き方こそが本作の、鉄華団の魅力です。

魅力② 「俺は止まんねえからよ」オルガ・イツカの生き様

本作の主人公は三日月ですが、鉄華団の物語として観るとやはり団長であるオルガの存在感のほうが大きいと思います。
オルガは自分と同じく大人に虐げられてきた子どもたちをまとめ上げて鉄華団を組織し、前に進み続けました。

物語の終盤、オルガは銃撃を受けて重症を負います。
しかし、それでも彼は歩き続けました。
そして、オルガは気付きます。
『俺たちには辿り着く場所なんていらねえ。ただ進み続けるだけでいい』
『俺は止まんねえからよ、お前らが止まんねえ限り、その先に俺はいるぞ』
『だからよ、止まるんじゃねえぞ』

大人に、世界に反逆した鉄華団に辿り着く場所はいらない。
皆で一丸となって進む鉄華団こそが自分たちの居場所である。
進み続けることこそが、自分たちの居場所を作る手段であり、居場所そのものであるのだと。

仲間を、家族を想い、その姿で道を示したオルガの生き様を見届けてください。

魅力③ 狼の王/ガンダム・バルバトスルプスレクス

第2期でも第1期と同様に鉄と鉄がぶつかり合うモビルスーツの戦闘シーンが描かれます。
第2期を言い表すため、ここに一つ付け加えるとすれば、それは『獣』という文字でしょう。

三日月が最後に乗る機体、ガンダム・バルバトスルプスレクス。
ルプスレクスの持つ意味は《狼の王》です。
その名の通り、バルバトスルプスレクスは人型の機体でありながら獣の意匠を含みます。
鋭い爪が備え付けられた手と足はそれ自体が武器になります。
また、尻尾を自在に振り回し、一対多の戦場でも暴れ回ります。

鉄と鉄のぶつかり合いというある意味で原始的な戦いでしたが、それすらも越えて野生にまで回帰した戦闘。
SFの中に生きる獣、バルバトスルプスレクスが第2期に新たに追加された見どころです。

アニメ「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ第2期」の感想

前項でも触れたように、本作は鉄華団の崩壊の物語です。
第1期は成功の物語でしたが、第2期は結果としては敗者になります。
主人公が最終的に勝利しない、敗れてしまう作品を好まない方もいらっしゃるかと思いますが、そんな方にもぜひ本作を観て頂きたいです。

鉄華団はただ惨めに追い込まれて崩壊していったわけではありません。
鉄華団は常に前に進み、堕ちながらも懸命に戦い続けました。

第1期の記事と同じく、第2期の初回(第1期から数えて第26話)に沿って語りましょう。
採掘場の視察をするクーデリアとその護衛をする鉄華団は新たな敵に襲撃されます。
数で劣る鉄華団ですが、そこにバルバトス、いえ、改修をされたバルバトスルプスに乗って三日月が救援に駆けつけて窮地を救います。
これだけ見れば第1期と同じですが、異なるのはその登場の仕方です。
第1期は地下から飛び出したのに対し、第2期では空から『落下』しました。

これは鉄華団が第2期では『堕ちる』ことを暗示していたのではないかと思います。
第1期で地下から成り上がったのに対し、第2期ではその成り上がった地位から落ちていく、という話です。
しかし、バルバトスルプスはただ落下して壊れたわけではありません。
飛行ではなく落下ですが、それでもスラスターや慣性制御で衝撃をなんとか抑えました。
そして着地後には敵を倒すため、仲間を守るために戦いました。
転落と崩壊から必死に足掻き、落ちてなおも懸命に戦うバルバトスルプスの姿は、築いた地位から落ちつつも抗って戦い続ける鉄華団の姿に重なります。

戦うバルバトスルプスの姿に心を奪われたのであれば、視聴を継続してバルバトスルプスの、鉄華団の生き様を見届けてください。

アニメ「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ第2期」の口コミ・評価

「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ第2期」の口コミ

都合の良いハッピーエンドではないので悲喜こもごもです。
この結末の中に救いを見つける人もいれば、ハッピーエンドになってほしかったと思う人など感想も様々。

誰もが気持ちよく笑えるハッピーエンドではないです。
だからこそ、自分の目で観て感じたことをみなさんにも語って頂きたいです。

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