ゼロ年代が反映されたアニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の魅力・感想・評価をご紹介!
出典:Amazon.co.jp

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」は2004年にスカパーパーフェクト・チョイスに放映されたSFアニメ作品「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の続編です。

原作は士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」で、1995年に劇場アニメ化され押井守が監督となりました。2004年には、劇場アニメの続編である「イノセンス」が公開されましたが、TVアニメとは別の作品となっています。

今回は、「ゼロ年代」を代表するアニメ「攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG」の魅力や感想、評価、さらに動画を無料で視聴する方法もご紹介します。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」とは?

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の概要

「攻殻機動隊 」シリーズは内務省直轄の組織「公安9課」の活躍を描いたテレビアニメです。今回紹介する「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」は前作の2年後を舞台とした物語となっています。

前作同様、制作会社はProduction I.G,で監督は神山健治です。ストーリーコンセプトは劇場アニメで監督を務めた押井守が担当しています。

本作を理解するには3つのキーワードがあります。

1つは「電脳化」これは脳や神経系にマイクロマシーンを注入して、ネットの情報とアクセスする技術です。 

もう1つは「義体化」、サイボーグ技術を意味しています。

 最後は「ゴースト」これは極めて哲学的な概念で、「自己」決定させる何かです。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」のあらすじ

2032年。電脳化や義体が一般化され、情報ネットワークが高度化する中で犯罪も複雑化していきました。そんな犯罪に対抗するために生まれた組織が「公安9課」です。

ある日、中国大使館を「個別の11人」というテロリスト達に占拠され、内閣総理大臣の要請により公安9課が制圧にあたりましたが、このときから公安9課は「個別の11人」を操る何者かの存在に脅かされることになります。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の登場人物

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト
草薙素子(くさなぎ もとこ)

声優:田中敦子
本編の主人公。体のほとんどを義体に変えた優秀な女性捜査官で、公安9課の指揮官です。

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト
バトー
  

声優:大塚明夫

素子同様、体の大半が義体化されています。9課の切り込み隊長的存在で、素子の副官も勤めます。

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト
トグサ
声優:山寺宏一

公安9課では唯一の刑事上がりの捜査官です。電脳化されている以外はほぼ生身で家族持ちです。情報分析と推理を得意とします。

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト

荒巻 大輔

(あらまき だいすけ)

声優:阪脩

公安9課の課長で司令塔。優れた判断力と政治的駆け引きに長けた人物です。

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト

 イシカワ

声優: 仲野裕

電子戦のスペシャリスト。荒巻を除くと公安9課の中では一番の年長者です。

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト

 サイト―

声優: 大川透
狙撃のスペシャリスト。左目の義眼は人工衛星とリンクすることができます。今作ではポーカーの達人であることが明かされます。

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト

 パズ

声優: 小野塚貴志
情報収集を得意とします。クールで無口な性格です。

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト
ボーマ

声優:  山口太郎
電脳戦を得意とします。名前の通り、爆発物にも詳しい。

攻殻機動隊
出典:「攻殻機動隊S.A.C」公式サイト
タチコマ

声優: 玉川紗己子
AIが搭載された多脚戦車。幼児のような喋り方をします。複数体存在しており、それぞれ性格が微妙に異なります。今作では電脳世界に侵入する機能を持っています。
原作での名称は「フチコマ」。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の主題歌

OP:rise 歌:Origa 演奏・作曲: 菅野よう子 

前作同様、Origaによる透き通るような美しい歌声と、テンポの速い疾走感のある音楽が印象的です。ファンの間でも評価が高く、今でもカラオケで歌う人が多いようです。

OP:Christmas in the silent forest 歌:Ilaria Graziano 演奏・作曲: 菅野よう子 (地上波放送時)

地上派で放送されたバージョンです。歌い手はイタリアの歌手Ilaria Grazianoこちらも美しい女性の歌声が魅力的な音楽です。静かなテンポから一気に力強くなっていくのが特徴です。

EDliving inside the shell 歌 : Steve Conte 作曲・編曲 : 菅野よう子 

スピード感のあるOPとは対照的に、静かでクールな感じが印象的である音楽です。攻殻機動隊にふさわしい大人の音楽という感じです。

EDsnyper 作詞・歌 : Ilaria Graziano   作曲・編曲 :菅野よう子 (地上波放送時)

地上派のOP同様、こちらもIlaria Grazianoが歌っています。地上派放送時の曲ですが、DVDには収録されていない曲なので見つけるのは困難になっています。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の魅力とは?

魅力①事件の背後で暗躍する謎の存在

前作以上にハードでダークな雰囲気が見所の内容となっています。

物語の冒頭で、公安9課は中国大使館を襲ったテロリスト「個別の11人」を制圧しますが、後の事件で公安9課は「個別の11人」と名乗るテロリスト達と遭遇します。

そのテロ事件にはなぜか「内閣情報庁」と呼ばれる組織が関わっていました。

彼らは一連の事件を監視しているかのように暗躍するだけでなく、出島と呼ばれる難民居住区に出向いたり、戦争で廃墟となった東京都の地下に極秘裏に製造された原発とも関与しているようです。

この内閣情報庁の謎めいた行動のため、今作はサスペンスタッチな物語展開となっており、内容も事件がすっきりと解決せず、不気味な余韻を残す結末が多くなっています。

果たして彼らの目的は何なのか?

魅力②現実社会の問題を反映させたドラマ

「攻殻機動隊」の魅力は未来社会の問題や政治事件をテーマにしている点が上げられますが、今回の「攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG」では、「個別の11人」というテロリストがテーマになっています。

「個別の11人」とは、本編に登場する書籍「初期革命評論集」に影響されたテロリスト達のことで、当初は中国大使館を襲撃したテロリスト達のことでしたが、その後、「個別の11人」と名乗るテロリスト達が次々と発見されます。

事件のモデルとなったのは、2001年に問題となった「アメリカ同時多発テロ」です。「9・11事件」とも呼ばれるこの事件は、2001年の9月11日に4機の飛行機がハイジャックされ、世界貿易センタービルに2機、ペンタゴンに1機突入し、最後の1機はペンシルベニア州西部墜落したというもので、短時間で同時に複数のテロを起こすという前代未聞の事件であったことでも有名です。

首謀者のビンラディンは、1998年に起きたケニアの「アメリカ人大使館爆破事件」の容疑者としても有名で、中国大使館を襲撃した「個別の11人」と共通点があります。

思想でつながったもの同士が、複数の事件を起こすというのは、ネット社会に対する痛烈なメッセージにも思えます。

魅力③難民という問題

前述したように社会的なテーマが魅力の「攻殻機動隊」ですが、テロとは別に難民もテーマになっています。

攻殻機動隊の世界では過去に幾度かの世界レベルの大戦が勃発しました。日本もそうですがアジアが特に被害をこうむったのです。

そのためにアジアでは多くの難民が現れます。日本は戦後復興のために安価な労働力として難民を受け入れ、日本各地に専用の居住区を設けました。

しかし、日本はマイクロマシンをつかった放射能除去技術により異例の復興を遂げ、AIとロボットの大量生産によって人手不足が解消されたために、難民を労働力として雇う必要がなくなったばかりか、税金を食いつぶす難民政策に反感を持つものも現れました。個別の11人も難民政策に反対を訴えようとしたのです。

公安9課がこの難民にまつわる問題にどう向き合うのか、そして内閣情報庁が、いかなる目的でこの難民問題に関わろうとするのかが、本編の最大の見所であります。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の感想

ゼロ年代を振り返るにあたって、すぐに思い浮かぶのは、「アメリカ同時多発テロ」と格差社会でした。日本はおろか世界中がきな臭くなった時代でもあります。

「攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG」は2034年を舞台としながらも、ゼロ年代当時の時代を反映させた作品でした。難民をはじめとする不満に満ちた社会は当時の格差社会を髣髴させ、個別の11人のように、ネットを通じて共通の思想を手に入れることが容易となった時代でした。

難民ではありませんが、日本政府が安価な労働力として移民を受け入れ、批判を浴びたことがあり、本編のような不満が現実の日本に高まりつつあります。

又、今の時代から視聴すると興味深いのは第6話「潜在熱源 EXCAVATION」(ゲストは林原めぐみ!)で、廃墟になった東京都に原発が秘密裏に造られているというエピソードです。原発を秘密裏に製造することが何を意図しているかは定かではありませんが、3.11を予期したような奇妙さと、現実の社会にもありえそうな不気味なリアリティが感じられます。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」口コミ・評価

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG」の口コミ

意外!なんと本編は同じ神山健治作品である「東のエデン」と世界観がつながっていたとう情報があります。

全体的に前作よりキャラクターが掘り下げられているという感想があるようです。そして、終盤の悲しげなラストに涙する人が多いようです。本編の登場人物のコスプレをしている人も多く、攻殻機動隊の人気は根強いようです。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の筆者評価

総合評価:48点/50点
ストーリー
作画
音楽
独自性
メッセージ性

・ストーリー:10点/10点
前作以上にハードな内容が多くなり、ストーリーも完成度が高いものが多いイメージです。ただ、陰鬱で救いようの無い話も多く出てくるので、拒否反応を示す視聴者もいるかもしれません。

・作画:9点/10点
前作以上にかなり丁寧に作りこまれています。廃墟や、軍艦島のような光景が多く出てきているのは押井守の影響があるかもしれません。さりげなく食事の場面も増えているので、どこか生活感のある描写が増えています。

・音楽:9点/10点
前作同様、菅野 よう子による、浮遊感のある音楽が印象的です。物語は男性的なのに、音楽は女性的で透明感のある雰囲気で奏でられています。終盤近くになると悲しげな感じの音楽が増えてきます。

・独自性:10点/10点
後味の悪いエピソードが多くなっており、前作とは違った雰囲気になっています。物語のヒールを務める内閣情報庁もいい具合に気味の悪い集団になっています。

・メッセージ性:10点/10点
「アメリカ同時多発テロ」や難民問題など、当時の時代を反映させたテーマを扱っています。前作でも挙げられた、ネットの影響によって事件が模倣されるというテーマは健在です。

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の動画を無料で見る方法は?

有料動画配信サービスの無料期間を利用しよう

有料動画配信サービスの無料お試し期間を利用すれば、なんと!「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」を無料で視聴することができます!さらに無料期間中であれば、他の気になる作品も視聴することができるのです!

※無料期間中に解約しなければ有料となってしまいますので、ご利用期間・ご利用方法にはご注意ください。

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の動画配信情報

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」の動画配信サービス一覧表

サービス名配信状況月額料金(税込)作品数無料体験期間
Amazonプライムビデオレンタル500円
(※年会費4900円)
約1.4万本30日間
NETFLIX880円~非公表1か月間
注意
こちらの情報は2019年12月時点のものです。
登録する際は今一度、ご自身でお確かめになってから登録するようにしてください。

各動画配信サービスの特徴は?

現在、「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」を無料で視聴することができる動画配信サービスはNETFLIXのみとなっています。

ここからは各動画配信サービスの特徴をご紹介します!

NETFLIXの特徴

  • ベーシック:800円、スタンダード:1200円、プレミアム:1800円と利用人数と画質で値段が選べる!
  • NETFLIXオリジナル作品が大人気!
  • 最大4台の端末で同時視聴が可能!
  • 最大4台の端末で動画ダウンロードが可能!

Amazonプライムビデオの特徴

  • 年会費4,900円(税込)のプライム会員で動画見放題!30日間の無料トライアルも実施中!
  • 最新作から、Amazonオリジナル作品まで豊富に揃ったラインナップ!
  • 動画だけじゃなく、プライム会員でお急ぎ便使い放題や音楽聴き放題など多彩なサービスが利用できる!
  • スマホはもちろん、Kindleやスマートテレビ、ゲーム機など色々なデバイスで楽しめる!

アニメ「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」のまとめ

ストーリーコンセプトを担当した押井守は、劇場版の「攻殻機動隊」を監督として有名ですが、同じく監督を務めた「劇場版機動警察パトレイバー」でテロリストをテーマにした経歴があります。これは押井守が学生運動に昏倒していた過去があるため、テロを題材にするようになったのです。

つまり、日本でもテロを起こそうとした若者達が実在したということであり、彼らは秘密裏に集会を開いたり、独自の連絡網を使うことによって連携をとっていました。

香港では2019年にデモが行われましたが、デモに参加した若者達はアプリによって連携しあい、リーダーのいない団体を作り上げたそうです。

ネットワークの発達は、リーダー不在でも行動可能な集団を作り上げてしまったのです。

日本でもリーダー不在の団体が作られ、そうした集団が何かを起こそうとする日が来るかもしれません。

おすすめの記事