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40年前のゴッドバレー事件で死亡したとされるロックス・D・ジーベックと、現在世界政府の頂点に君臨する謎の存在イム様。
一見関係のない二人ですが、実は「世界の王」を巡る壮大な因縁が隠されているのではないでしょうか。
センゴクが「世界の王になろうとした男」と語ったロックスの野望と、現在「世界の王」として君臨するイム様の間には、どのような関係があるのでしょうか。
本記事では、二人の隠された関係性と40年前の真実に迫ります。
ワンピース最終章において、最も注目すべき二人の存在がロックス・D・ジーベックとイム様です。一人は過去の伝説の大海賊、もう一人は現在の世界の真の支配者。この二人の関係性こそが、物語の核心に迫る重要な鍵となっています。
ロックスとイムの基本情報
ロックス・D・ジーベックの正体
ロックス・D・ジーベックは、約40年前に存在した世界最強の海賊団「ロックス海賊団」の船長として君臨していた伝説の大海賊です。最新話1154話では、黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)の父親であることが明らかになり、読者に大きな衝撃を与えました。
ロックスの見た目はシルエットイラストで詳細は不明ですが、髪型がパンクロックそのもので、その凶悪な表情からは残虐無比な性格がうかがえます。しかし、船員同士の絆を重視しない海賊団の在り方は、後の白ひげ海賊団の理念とは正反対のものでした。
ロックスの本名には「めちゃんこヤバい最強海賊」という意味が込められていたとされ、ジーベック(Xebec)という名前も帆船の一種を表す言葉から来ています。これは海賊そのものを象徴する名前であり、ロジャーとの深い関連性も示唆されています。
イム様の正体と権力構造
イム様は、世界政府の最高権力者であり、五老星の上に立つ存在として描かれています。本名はネロナ・イム聖で、800年前の世界政府創設時の「最初の20人」の一人だったことが判明しています。
イム様は影のような黒い何かを操る能力を有しているとされ、何らかの変身能力を持っているらしく、サボの攻撃を受け止めた際には目つきが鋭くなり牙を生やした姿を見せています。
世界の王を巡る対立構造
ロックスが目指した世界の王
ロックスの野望は「世界の王」まさに中二病丸出しですが、ワンピースの主人公・ルフィの夢は海賊王、野望のスケール感だけならルフィを上回るものでした。この野望こそが、後にイム様との対立を生む根本的な原因となったのかもしれません。
ロックスは当時最強にして最凶の海賊でした。海軍中将のガープも「ロジャーの前は間違いなくロックスの時代だった」と述懐するほどの実力者で、テロ組織のように世界政府に牙を剥く存在として恐れられていました。
しかし、ロックスは本当はいい奴なのに、政府によってゴッドバレー事件の悪者に仕立て上げられてしまった可能性も指摘されています。実際、ルフィも司法の島を襲撃したり、インペルダウンから囚人を脱獄させたりしており、世界政府の視点から見れば凶悪犯罪者と変わらないからです。
イムが握る世界の王の座
イム様は、五老星の上に立つ世界政府の真の支配者です。彼の存在は長い間秘密にされており、一般には知られていません。虚の玉座に座ることで、世界政府の絶対的な支配を象徴しています。
イム様の目的は、絶対的な支配と秘密保持です。彼は、自身の存在が明らかになることを避けるために、脅威となる者を容赦なく排除します。革命軍のサボがイム様の存在を知ったため、ルルシア王国全体を破壊するという極端な手段に出たのも、その冷酷さの表れです。
40年前ゴッドバレー事件の真相
表向きの歴史と隠された真実
ゴッドバレー事件は、38年前に西の海の島「ゴッドバレー」にて天竜人による『先住民一掃大会』が執り行われた際、時を同じくして『ロックス海賊団』と『ロジャー海賊団』が島を襲撃したことによって発生した戦いです。
従来の歴史では、ガープとロジャーが手を組んでロックス海賊団を倒したとされていました。しかし、実際はくまがあの混乱の中で500名以上もニキュニキュの実の能力で飛ばし、救ったことが明らかになっています。
新聞にはガープとロジャーが奴隷解放をしたということになっていたようですが、実際はくまがあの混乱の中で500名以上もニキュニキュの実の能力で飛ばし、救ったのです。つまり、真の英雄はくまだったというのが隠された真実です。
ロックスとイムの直接対決説
ロックスとイムが直接対決したかどうかは明確に示されていませんが、両者の野望が真っ向から対立していたことは確実です。ロックスが目指した「世界の王」は、まさにイム様が握っている地位そのものだったからです。
ロックスという野心家が「世界の王」を目指し、世界の禁忌(タブー)に触れすぎた為に、その存在を示す情報は今に残らずとされています。このことから、ロックスはイム様の存在や世界政府の真の秘密に迫っていた可能性が高いと考えられます。
二人の関係性を示す証拠
直接的な証拠は少ないものの、いくつかの状況証拠から二人の関係性を推測することができます。まず、イム様によって手配書を切り刻まれている、ルフィ・黒ひげの二人は、共に"D"の名を持っているのが特徴です。
天竜人の老人達の間では、「"D"はまた必ず嵐を呼ぶ」とも言われているようで、イム様も"Dの一族"を警戒していることから、ロックスもまたイム様にとって警戒すべき存在だったはずです。
世界政府による情報隠蔽
Dの一族への共通した敵意
イム様は「"D"とは…嘗て我々が敵対した者達の名だ」と明言しており、Dの一族全体に対する敵意を隠しません。これは単なる個人的な感情ではなく、世界政府の根本的な政策として位置づけられています。
ロックスもDの一族の一人として、この敵意の対象となっていました。ロックスという野心家が「世界の王」を目指し、世界の禁忌(タブー)に触れすぎた為に、その存在を示す情報は今に残らずというのも、この情報隠蔽政策の一環だったのです。
黒ひげがロックスの息子として描かれることも、この対立構造の延長線上にあるのでしょう。黒ひげは、ロックスの名前を自分たちの船につけている。その名も「サーベルオブジーベック号」であり、父親の意志を継いでいることが示唆されています。
現在への影響と最終章への伏線
黒ひげとロックスの関係
ロックス・D・ジーベックのビジュアルがお披露目され、さらにロックスが黒ひげことマーシャル・D・ティーチの父であることも明かされました。この親子関係は、最終章における重要な要素となることは間違いありません。
黒ひげが本拠地にしている海賊島ハチノスが、かつてロックス海賊団が結成された場所だという点も、彼がロックスの足跡を追っているかのように思えるのです。父親の野望を受け継ぐ黒ひげの存在は、イム様にとって新たな脅威となるでしょう。
黒ひげの体の構造が異形という言葉は、彼の最大の秘密を解き明かす鍵だと思います。普通の人が寝ている時間も起きているという特異な体質も、ロックスとの血縁関係と何らかの関連があるのかもしれません。
ルフィとイムの最終決戦
物語の最終章では、ルフィとイムの直接対決が避けられないでしょう。エッグヘッドでエメトがルフィ達を逃がす為に体内に保存していたジョイボーイの覇王色の覇気を解き放った際には、トラウマが蘇ったのか普段の様子からは想像もつかない程の断末魔に等しい絶叫を上げたイム様。
この反応から、ジョイボーイ(ニカ)との因縁が相当深いものであることがうかがえます。ルフィがニカの力を覚醒させた今、イム様との最終決戦は避けて通れない道筋となっています。
ロックス・D・ジーベックとイム様の関係性は、ワンピースの世界における自由と支配の永遠の対立を象徴しています。過去の因縁が現在に受け継がれ、新たな世代によって決着がつけられる。これこそが、尾田栄一郎先生が描く壮大な物語の核心なのです。