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「沙織」の存在
釘崎野薔薇の過去シーンによく登場する「沙織ちゃん」。存在が初めて分かったのは、単行本5巻41話の場面でした。
彼女は釘崎野薔薇が小学1年生の頃、東京から引っ越してきた7歳年上のお姉さん。聖母のように優しく、家に招き入れてくれては、お菓子やお茶をふるまってくれていました。釘崎野薔薇はそんな「沙織ちゃん」が大好きでした。
しかし、地元の人たちは「田舎者を馬鹿にしている」といった被害妄想から、沙織ちゃん一家に嫌がらせをするように。段々とエスカレートしていく嫌がらせ、挙句の果てには車に落書きするような悪質なものもありました。耐えきれなくなった沙織ちゃん一家は、逃げるように引っ越す、という結果を迎えてしまうのです。
そんな状況を目の当たりにした釘崎野薔薇は、ますます地元を嫌うようになります。釘崎野薔薇の「田舎嫌い」はこれが原因でもあるのです。
親友の「ふみ」
釘崎野薔薇の過去に出てくるもう一人の人物「ふみ」。彼女は、釘崎野薔薇の地元の幼馴染みで、親友でもある人物です。
小学校の入学時に、釘崎野薔薇の地元へと引っ越してきた「ふみ」。仲良くなったきっかけは、ランドセルを強引に釘崎野薔薇に交換させられた事でした。田舎では珍しい「ふみ」の水色のランドセル。そのことがきっかけで、2人は一緒にいるようになります。
黒髪で控えめな、釘崎野薔薇とは全く逆と言っていい雰囲気を持っている「ふみ」。それでも親友の釘崎野薔薇の上京時には、寂しさと応援の気持ちでいっぱいの、大粒の涙を流し見送る場面もありました。
【呪術廻戦】釘崎野薔薇の名シーン3選
①「懸けられるわ 私が私であるためだもの」 単行本1巻4話より
単行本1巻4話の「鉄骨娘」でのシーン。
実地試験として、呪いを祓うことになった釘崎野薔薇と虎杖悠二。無事に呪いを祓い終え、虎杖悠二に「なんでオマエ呪術高専来たんだよ?」と聞かれた釘崎野薔薇。田舎が嫌で東京に住みたかったと返事をすれば、「そんな理由で命懸けられんの?」と再び問いが。その答えとして返したのが、このセリフです。
あのまま村にいたら死んだも当然だった、と真剣に答えた釘崎野薔薇の表情。かつて慕っていた「沙織ちゃん」を想い、決意があってこその上京だという事が分かる一幕でした。
➁「私は『釘崎野薔薇』なんだよ!!」 単行本5巻41話より
これは、単行本5巻41話の「京都姉妹校交流会」での一幕。京都校の3年生である西宮桃(にしみやもも)と対峙した釘崎野薔薇。
不幸なら何しても許されんのか?と西宮桃の考え方に同意できず、「完璧も理不尽も応える義務がどこにある?テメエの人生は仕事かよ」と言い返した釘崎野薔薇。同じ生い立ちでも、真衣より禪院真紀(ぜんいんまき)が好きな事、殺されようとしている虎杖悠二の事、2人を思っての発言に絆の深さが伺えます。
「私は綺麗にオシャレしてる私が大好きだ!!強くあろうとする私が大好きだ!!」、そして最後にこのセリフ。釘崎野薔薇の生き様が現れた、彼女のかっこ良さを最大限感じられる場面です。
③「我慢比べしよっか」 単行本7巻60話より
単行本7巻60話の「起首雷同(きしゅらいどう)」でのシーン。釘崎野薔薇・虎杖悠二・伏黒恵の1年生3人で向かった任務。
そこで別件の乱入者として現れた受胎九相図の兄弟である壊相(えそう)・血塗(けちず)と対峙した釘崎野薔薇と虎杖悠二。最初はおされていたものの、自分の腕を犠牲にし「共鳴り」で反撃し始めた釘崎野薔薇。その時のセリフがこれでした。
ひたすら打ち込まれる五寸釘、その痛さにどちらが耐えられなくなるかの我慢比べ。見ている読者の方が痛くなるようなこの場面。ただただ、釘崎野薔薇の本当の強さをみれる一幕です。