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公安9課の部長にして、現場の司令塔。トグサ同様完全な生身です。優れた判断力と政治的駆け引きに長けた人物です。

肩書きが「部長」なのは、彼が公安部に所属していたためです。

アニメ「イノセンス」の主題歌

OP:傀儡謡 怨恨みて散る 作曲・演奏・編曲:川井憲次

本作のOPです。女性がコーラスで歌っており、前作同様、東洋的で神秘的な歌声と音楽が印象的です。どこか人形の魂の叫びを歌にしているような歌詞になっています。

ED:Follow Me 歌手:伊藤 君子

曲はロドリーゴ作曲のアランフエス協奏曲第2楽章に歌詞を付けたものです。どこか悲しげでせつないメロディが特徴的です。素子とバトーが何か語りかけているようにも聞こえます。

アニメ「イノセンス」の魅力とは?

魅力①喪失感を抱えた男のハードボイルドなドラマ

前作の主人公が女性であったのに対し、今回は武骨な大男であるバトーが主人公になっています。

物語も前作がポリティカルフィクション(政治闘争劇)であったのに対し、今回の映画はフィルムノワール(サスペンス映画)タッチで語られています。

前作で、バトーのパートナーであった草薙素子が行方不明になってしてしまい、バトーは喪失感に暮れていました。しかし、彼は己の感傷を押し殺すが如く、相棒のトグサとともに淡々と職務を遂行してゆきます。

バトーは脳以外の自分の肉体のほぼすべてを義体にしているということもあり、自身の内面や欲求を表すことはありません。そのため、彼が職務を全うする姿は、男のストイズムを感じます。

その一方、バトーは私生活で犬を飼うようになりました。彼は喪失感を犬で埋めようとしているのです。自宅にいてもバトーは無表情ですが、犬を甲斐甲斐しく世話をしているバトーはどこか穏やかそうです。犬の世話をしているときだけ、バトーは職務も喪失感も忘れることができるのです。

ハードボイルドとは、感傷的な表現を避け、徹底とした客観的な文体で表現する手法を意味しています。本編の見所の一つは、己の感傷を押し殺して職務を遂行するバトーのハードボイルドなドラマです。

魅力②淡い陽光が美しい映像美

前作の「攻殻機動隊」同様、「イノセンス」の監督は押井守です。前作も退廃美が漂う美しい都市描写が表現されていましたが、1995年に放映された「攻殻機動隊」に対し「イノセンス」は2004年に放映されたので、CGの技術もより高くなっているため、映像はより美しく仕上がっています。

例えば 冒頭で、主人公のバトーが、路地裏で暴走したガイノイドを破壊する場面が出てきます。薄暗い路地裏に潜んでいるガイノイドは人形ということもあって、不気味さと美しさを両方表現されています。

この時、バトーとガイノイドのちょっとした交戦が始まりますが、ガイノイドのしなやかな動きに対し、バトーは重厚でどっしりとした動きを描写しています。このことで、ガイノイドの妖しい雰囲気とバトーの重苦しい雰囲気の両方を表現しているのです。

物語全体としては、淡いオレンジ色で彩られた陽光に照らされた都市描写が見所です。どこかターナー(19世紀のイギリスの画家)の絵画のような陰影のある光景が表現されています。

また、前作が近代的なビルが多かったのに対し、「イノセンス」に登場する建物は、「ゴシック風建築」という、西洋にある鋭角なデザインの建造物です。この建物が、オレンジの陽光の影になったとき、繊細で美しいシルエットとして表れるのです。

SFでありながら、神秘的で美しい光景を表現しているのがこのアニメの特徴です。

魅力③人形、犬、メカ、押井守監督のこだわり。

映画「イノセンス」では、人形、犬、メカに焦点を絞って表現されています。これらは監督である押井守のこだわりが反映されいます。

理論派で知られる押井守は、機能的なメカを表現したがる人で知られ、そのため「イノセンス」で出てくる機械のマニピュレーターや飛行機械の翼の動きはとても繊細に表現されています。またバトーの銃の持ち方が本物の軍隊や警察の構え方になっているなど、武器の使い方も徹底的にこだわっています。

押井守は、ニューヨークの美術館に行った時に見た、「ハンス・ベルメールの人形」に大変な感銘を受けて、「イノセンス」で人形の美しさを表現することにしました。

本編で出てくる人形は、球体関節によって、しなやかな動きのできる人形です。人形はゴーストがないため、どこか不気味に描写されており、サイボーグであるバトーとは似て非なる存在として描写されています。

押井守は犬好きであることでも有名で、「イノセンス」でもバトーが犬を飼っていますが、この犬は押井守が飼っている犬がモデルといわれています。

ちなみにこの犬は「バセットハウンド」という犬種で、本編でも言われていますが、実は世話をするのに大変な手間のかかる犬種で、本当なら独身者には飼うのに向かない犬なのだそうです。

裏を返せば、バトーはわざと手間のかかる犬を飼うことで、少しでも素子のいない喪失感を埋めたかったのではないかという見方もできます。

アニメ「イノセンス」の感想(ネタバレあり)

2004年代は名作アニメ映画が数多く放映されていました。中でも注目されていたのは、大友克洋の「スチームボーイ」、ピクサーの「Mr.インクレティブル」、そして押井守の「イノセンス」でした。

なかでも「イノセンス」は一番文芸色が強く、あまりに大衆に迎合しなかった映画であったので、押井守がニューヨークでスポンサーを募ったとき、そっぽ向かれたという逸話があります。

それでも押井守の手腕は世界的に知れ渡っているので、ディズニーやスタジオジブリが製作に協力してくれたそうです。

しかし、実際に「イノセンス」を見たとき、主人公のバトーのハードボイルドな雰囲気と、ゴシック建築が並んだ都市描写に目を奪われました。

まだ筆者がレイモンド・チャンドラーも、ダシール・ハメットも読む前に「イノセンス」はハードボイルドな世界を教えてくれたのです。

文芸色の強い映画は分かりづらいと言われがちですが、「イノセンス」は初見で映像美を楽しんで、その後もう一度見直すことで、武骨な男の哀愁が漂うドラマを感じ取ることができます。

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アニメ「イノセンス」口コミ・評価

アニメ「イノセンス」の口コミ