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邪視(じゃし)は、「ダンダダン」に登場する山の怪の一つです。体長222cmで異常に長い手足を持っており、その姿は非常に不気味です。
目が合った相手を狂わせる「邪眼」や邪念を操る能力を持ち、神として崇められるほどの強大な力を持っています。
200年前に村の生贄となった子供の怨念から生まれた存在で、当初は人間への復讐が目的でした。
しかし、ジジへの憑依やオカルンとの戦いを経て、その性格は大きく変化していきました。
邪視の能力や過去、ジジやオカルンとの出会いで起きた変化について解説します。
基本情報
邪視の概要と特徴

邪視は「山の怪」と呼ばれる強力な妖怪です。
並みの妖怪とは比べ物にならない存在で、その力は神として崇められるほど。
体長は222cmで、英語では「EVIL EYE」と呼ばれています。
邪視はジジの家の地下で人知れず亡くなった子供が、妖怪化した存在です。
原作では第38話で初登場し、物語の中で非常に重要な存在になっています。
邪視の持つ能力は、共存しているジジへ引き継がれました。
邪視のビジュアルが不気味

邪視の外見は、非常に独特です。
人型ですが、手足と胴体は異常に長く、限界まで上がった口角、異様につり上がった目を持つ不気味な姿をしています。
上半身は裸で、ブリーフしか身に着けていません。
動きも非常に独特で、全身をくねらせながら躍るような動作をします。
普段の姿でも十分に不気味ですが、怒りが頂点に達すると非常に凶悪な表情を見せます。
邪視の能力と設定
能力の詳細と強さ

邪視は、ダンダダンに登場するさまざまな超常存在の中でもかなり特殊な力を持っています。
邪視を象徴する能力である「邪眼」は、目を合わせた相手の精神を支配し、自殺させることすら可能です。
この能力はモンゴリアンデスワームも持っており、ジジの両親の自殺に関わっています。
もう1つの能力が邪念を操る能力です。
呪いの家に集まった邪念を使い、防御バリアを展開したり、凝縮して非常に強力な攻撃を行います
邪念の集合体の力は、建物を貫通するほどです
物理的な戦闘能力は限られていますが、、ターボババアが警戒するほどの強大な力を秘めています。
特筆すべきは、霊力とフィジカルに優れたジジの体を乗っ取った際の戦闘力です。
ターボババアの力を解放したオカルンとも、互角に渡り合うほどの実力を見せました。
邪視の性格と行動パターン

邪視は不気味な外見とは裏腹に、子供らしい純粋さを持つ存在です。
ジジの体を乗っ取った際も、ジュースの美味しさに夢中になり、サッカーボールを無邪気に追いかける一面を見せていました。
しかし、その心には、深い闇を秘めています。
村で生贄にされたことから激しい怒りと復讐心を持っており、人類を憎んでいます。
事あるごとに暴走していたのは、激しい復讐心と怒りの反動でした。
しかし、オカルンとの約束が大きな転機になります。
オカルン以外とは戦わないという誓いを立て、呪物のブリーフを大蛇神神社に預けたことで、暴走することはなくなりました。
約束を守るのも、邪視の純粋さの現れといえます。
邪視の過去と背景
人間だった頃の過去エピソードが悲惨

邪視の過去には、非常に残酷な真実が隠されています。
邪視は大蛇信仰を持つ村で生贄に選ばれた子供で、ジジの家の地下に幽閉された後、人柱として命を奪われたのです。
この村では火山に住む大蛇(後にモンゴリワンデスワームと判明)の怒りを鎮めるため、200年もの間、子供を生贄にする習慣が続いていました。
鬼頭家の支持で生贄を捧げたことで、村は火山の噴火を免れ、温泉の恩恵を受けていたのです。
生贄の子供は死ぬまで、友人との交流も許されず、孤独な幽閉生活を強いられました。
生贄になった子供は死んだ後に邪視となり、「人間は皆殺し、鬼頭家だけは絶対に許さない」という強い怨念を抱えるようになります。
しかし、自分と同じように生贄にされた子供のことは、密かに助け続けていました。
くねくね伝説と関係が深い

邪視の設定には、都市伝説の「くねくね」の要素がかなり反映されています。
くねくねはネット上の怪談投稿サイトから広まった都市伝説で、田舎に出現する白色または黒色の異形の存在です。
くねくねを目撃し正体を知った者は、精神に異常をきたすと言われています
作中の邪視は、くねくね伝説と多くの共通点を持っています。
山間部に出現する特徴、体をくねらせる動き、目撃者の精神がおかしくなるなど、くねくね伝説の要素が上手く取り入れられています。
目撃者が、失踪するのも共通点です。
邪視の元ネタと都市伝説
元ネタの由来と文化的背景

邪視の設定は、複数の都市伝説や伝承の影響を受けていると思われます。
元ネタとして最も有力視させているのがくねくねですが、他にも影響を与えていそうな話があります
2チャンネルに投稿された都市伝説も元ネタの1つと言われており、山の中で踊るように動く一つ目怪物を見た子供が精神に異常をきたすというものです。
さらに日本の都市伝説「一つ目」の影響も見られ、山中で目撃される大きな目を持つ怪物が邪視の設定に取り入れられていそうです。
民間伝承や他のオカルト要素とのつながり

邪視に似た伝説は、世界中の様々な地域に存在します。
特に中東の「邪眼(Evil Eye)」は、視線で災いをもたらす存在として有名で、邪視の設定に強い影響を与えている可能性が高いです
ナザールボンジュウという青い目の護符は、この邪眼から身を守るために今でも使用されています。
ギリシャ神話のゴルゴン、特にメデューサの「見る者を石化させる視線」も、邪視の能力に似ています。
日本の妖怪「目競(めくらべ)」も、目の力で相手を支配する存在です。
これらの民間伝承から、邪視が誕生したと考えられます。
物語内での活躍
ジジとのエピソード

邪視とジジの関係は、物語が進むにつれて大きく変化していきます。
邪視にとって単なる器に過ぎませんでしたが、次第に深い絆で結ばれるようになりました。
邪視がモンゴリアンデスワームからジジを守った場面は、表面上は便利な器を守るためでした。
しかし、この出来事をきっかけに、両者の関係は変化していきます。
ジジは邪眼によって邪視の悲惨な過去を知り、同情するとともに気持ちを理解するようになります。
星子たちが邪視を祓おうとした際も、ジジは邪視を庇い、家族として受け入れる選択をしました。
オカルンとの約束を素直に守る

オカルンとの戦いは、邪視が大きく変化するきっかけになりました。
ターボババアの力を得て強くなったオカルンは、邪視との直接対決に挑みます。
戦いに敗れた邪視に対し、オカルンは「弱い者イジメはしたくない」と告げ、週に一度だけの戦いという条件を提示。
自分との戦い以外では、人を殺さないように要求します。
邪視はこの提案を素直に受け入れ、他の人間には手を出さないことを約束しました。
ブリーフパンツにまつわるストーリー

邪視の履くブリーフはただの衣装ではなく、生贄にされた人々の恨みから生まれた呪物です。
ブリーフには「人間を皆殺しにする」という強い怨念が宿っており、邪視はその意思を受け継いでいます。
他の人には危害を加えないと約束した邪視ですが、ブリーフの怨念は無くなってはいません。
そのため、大蛇神神社で管理することで、ブリーフの怨念を抑えています。
まとめ
邪視は、山の怪として恐れられる強力な妖怪です。
200年前、村の生贄となった子供の怨念から生まれた存在で、精神支配や邪念の操作など、強力な能力を持ちます。
元ネタはくねくね伝説や世界各地の伝承で、不気味な外見と動きが特徴的です。
当初は人間への復讐を目的としていましたが、ジジとの出会いやオカルンとの約束を通じて大きく変化していきました。
現在は週一回のオカルンとの戦い以外では、人間に危害を加えないという約束を守るように。
器であるジジとも、共存する道を歩んでいます。
人間への恨みが宿った呪物のブリーフは、大蛇神神社で管理されています。
今後、邪視は味方側のキャラクターとして活躍することになりそうです。