エルバフが狙われた本当の理由

計画が失敗した3つの要因

イムの計画が頓挫した要因は、大きく3つ考えられます。まずロキの反逆。次にハラルドが最後の瞬間に意志を取り戻したこと。そして、エルバフ全体にすでに根付いていた「平和主義の文化」という想定外の障壁です。

イムや神の騎士団にとって、ハラルドの改革によって子供たちが平和主義へと変化していたことは想定外だった模様です。100年前には「世界一の強国」として恐れられたエルバフが、ハラルドの主導のもとで交易中心の穏やかな国へと変貌していた。これは戦闘奴隷としての価値を大きく損なうものであり、計画の根本的な前提を崩す変化だったかもしれません。

ネタバレ注意:ハラルドがロキに「自分を殺してくれ」と告げた背景には、深海契約によって肉体を操られる前に自らの意志でイムの計画を止めようとした父親の覚悟がありました。ロキが「本当に殺意を持って親父を殺したなんて思ってないよな」と語っているように、この事件の真相は父と息子の最後の共闘だった可能性があります。

ロキの反逆が引き金になった理由

ロキが父ハラルドを殺した事件は、当初「呪いの王子による親殺し」として世間に広まりました。しかし実態は、イムに肉体を乗っ取られたハラルド自身がロキに死を懇願したものでした。ロキはその濡れ衣を自ら被ることで、エルバフの戦士たちが世界政府への復讐戦に走るのを防いだとも考えられます。

目撃者のヤルルがロキを一切恨んでいないどころか庇おうとしていること、そしてロキ自身が「身近なドラマに酔ってる暇があるなら森を見ろ」と語っていたことは、彼が大局を見据えた行動をとっていたことを感じさせます。幽閉されたままのロキが、エルバフ編の鍵を握ることになるのも必然かもしれません。

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ロキって実はすごく冷静な戦略家なんじゃないかな…

巨人族の誇りと支配の矛盾

イムの計画が抱えていた根本的な矛盾は、巨人族の「誇り」という文化的な核心を無視していたことです。エルバフの戦士たちは「戦いの神エルバフ」を信仰し、正しき者だけが生き残るという信念を持っています。その誇り高き戦士たちを「戦闘奴隷」として組織しようとすること自体が、土台から無理のある計画でした。

1150話でブロギーがイムに向かって「お前がァ!! 我らの『エルバフ』を混乱させた元凶か!!!」と激昂したシーンは象徴的です。支配や契約という概念が、エルバフの戦士の精神構造と根本的に相容れないことを体現していました。悪魔化されてからも、その怒りの根源は変わっていないように思われます。

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