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右側は『柄なし』
冨岡義勇の羽織の右側は、葡萄色(えびいろ)の無地になっています。
特に、無地であることの意味はありません。
葡萄色とは、山ぶどうの実のような赤紫色のことです。
『葡萄』は、「えび」と読まれた山葡萄(やまぶどう)の古名で、葡萄葛(えびかずら)のことを言っています。
江戸中期頃から「ぶどういろ」と呼ばれるようになり、海老色(えびいろ)と区別されるようになって、古くから宮廷の人々に親しまれた色の一つと言えます。
昔は、葡萄色は色域が広く、暗い色からかなり明るい色まで含まれていたとのこと。
今では葡萄色といえば、暗めの色で深葡萄(こきえび)のことですが、『延喜式』によれば明るい色である浅葡萄(あさきえび)と同じものだそうです。
【鬼滅の刃】冨岡義勇の羽織が半々の理由とは?
なぜ冨岡義勇の羽織は半々になっているのか。
実は、冨岡義勇にとって大切な、ある2人の形見だったのです。
その2人の想いを受け継いで、2枚の羽織を半々にして縫い付けたわけですが、その2人とは誰なのかをここで紹介します。
左側は親友・錆兎の形見
羽織の左側は、親友であった錆兎が着ていた羽織です。
錆兎と冨岡義勇はともに、鱗滝左近次のところで修行をしていた同い年の仲でした。
唯一の家族であった姉が亡くなり、落ち込んでいた冨岡義勇を立ち直らせた人物でもあります。
錆兎
「自分が死ねばよかったなんて二度と言うなよ
もし言ったらお前とはそれまでだ友達をやめる
翌日に祝言を挙げるはずだったお前の姉も
そんなことは承知の上で鬼からお前を隠して守っているんだ
他の誰でもないお前がお前の姉を冒涜するな
お前は絶対死ぬんじゃない
姉が命をかけて繋いでくれた命を託された未来を
お前も繋ぐんだ義勇」
この言葉で、冨岡義勇は生きる力をもらったのでした。
そんな2人は一緒に最終選別に参加したのですが、冨岡義勇は開始早々に怪我を負って気絶してしまいます。
その間、錆兎は他の参加者を守りながら、山にいた鬼をほとんど倒していたのですが、山の主である手鬼に殺されてしまうことに。
何もしていない自分が試験に受かって、戦っていた錆兎が死んでしまったことに、再び自分を責めるようになる冨岡義勇でした。
右側は姉・蔦子の形見
https://twitter.com/Non46150641/status/1439592610570457094
羽織の右側は、姉の蔦子が着ていた羽織です。
錆兎に会うまでは、冨岡義勇は半半羽織ではなく、この羽織だけを着ていました。
早くに両親を亡くしてしまった冨岡義勇は、姉の蔦子と2人でずっと生きてきました。
しかし、冨岡義勇が13歳の時、蔦子の結婚式の前日に鬼に襲われてしまいます。
蔦子は、「冨岡義勇だけは絶対助けよう」と思い、冨岡義勇を押入れに隠して、自分は囮になって殺されてしまったのです。
蔦子のおかげで生き延びた冨岡義勇は、蔦子を守れなかった自分の弱さと、鬼への憎しみから鬼殺隊へ入ることになるのでした。