
目次
ワンピースにおいて盛大に盛り上がりを見せた「ゴムゴムの実偽名トリック」によって、本当の名前の由来になった「太陽の神ニカ」の正体に関する考察が注目されています。
今回はそんな「太陽の神ニカ」について考察していきます!
ワンピースの世界で信仰される太陽の神ニカとは?
まずは、太陽の神ニカの基本情報について振り返り、モデルについても考察していきましょう。
初登場回は魚人島編「101巻 第1018話 ”ジンベエ VS フーズ・フー”」
「太陽の神ニカ」の名前がワンピース作中で初めて登場したのは下記です。
- 101巻 第1018話 ”ジンベエ VS フーズ・フー”
現在、百獣海賊団に所属し飛び六胞を務めているフーズ・フーですが、元々はCP-9の一員として政府の下で働いていました。
しかし13年前、「ゴムゴムの実」を護送中にシャンクスに奪われるというミスを犯したことで、インペルダウンに投獄されてしまいます。
その時にインペルダウン内で「奴隷達がいつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士」と看守から聞かされたというエピソードで、初めて太陽の神ニカの名前が登場しました。
太陽の神ニカとは「人を笑わせ苦悩から解放してくれる “伝説の戦士”」

前述のフーズ・フーのエピソードで判明したニカの特徴は
- 奴隷達がいつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士
- 人を笑わせ苦悩から解放してくれる戦士
というものでした。
また、太陽の神ニカの名前が付けられたゴムゴムの実の覚醒した能力については
- ゴムの体に更なる”腕力”と”自由”を与える
- 世界で最もふざけた能力
と言われています。
太陽の神ニカの元ネタは?
次は、太陽の神ニカの元ネタについて考察していきましょう。
ギリシャ神話に登場する「勝利の女神 “ニケ”」説
一つ目の説が
- ギリシャ神話に登場する「勝利の女神 “ニケ”」
です。
このニケという神様は「勝利の女神」と言われており、勝利を擬人化した神様としてオリンピックのメダルなどのスポーツ関連のデザインによく使われています。
勝利という言葉は、バトル漫画の主人公ルフィにぴったりですよね。
また、太陽の神ニカのモデルと思われる理由は「ニケの見た目」にもあります。
ニケの見た目は
- 石膏のように白い肌
- 雪のように白い翼
- 火のように燃える黄金色の髪
をしていると言われているそうです。
正直ネットでニケの見た目に触れている情報がかなり少なく詳細は分からないのですが、もしこれが本当ならば「白い肌」「火のように燃える髪」という点ではかなり一致していますね。
ニケという読み方も日本語に直した時のフリガナであり、ニカという発音で表現されることもあるそうなので、名前や見た目の参考にした可能性もあると思われます。
インド神話に登場する「猿神 “ハヌマーン”」説

次に考察するのが、
- インド神話に登場する「猿神 “ハヌマーン”」
であるという説です。
ハヌマーンとは言葉の通り猿のような姿をしている神様であり、ドラゴンボールなどでも有名な「西遊記の孫悟空」のモデルとも言われています。
このハヌマーンとルフィの共通点は非常に多く、太陽の神ニカの元ネタとして有力です。
ハヌマーン | ルフィ |
果物と間違えて太陽を食べようとした | 悪魔の実(果物)を食べた・太陽の神の能力を手に入れた |
大きさや姿を自在に変えられる体 | ギア5のルフィは体を自由自在に変化させることができる |
風神ヴァーユを父に持つ | 父ドラゴンは風の能力を持っていると思われる |
猿のような姿 |
|
ハヌマーンの使いと信じられている猿は体毛が白い | ギア5状態のルフィは白い |
火神アグニの加護により火を操れる | 「火拳銃」など火を伴う技がある |
いかがですか?
これはもう偶然レベルの一致ではないですよね。
そして何より週刊少年ジャンプ33号についていた小冊子「Road To Laugh Tale Vol.4」の中で尾田先生の構想ノートが公開されており
- ギア5の超大技「ゴムゴムの猿神銃」の構想メモに「ハヌマーン」の文字
という、「ニカの元ネタはハヌマーン説」がほぼ確定する情報が載っていました。
ただ、ハヌマーンとニカという単語を繋ぐ情報が見つからないため、恐らく
- ニケとハヌマーンの両方からインスピレーションを受けている
のではないでしょうか。
ちなみに、ルフィのギア5についてはこちらの記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてください!
空島やエルバフの「太陽信仰」
ワンピースでは度々「太陽信仰」の話が出ます。
現時点で太陽信仰とのかかわりが示唆されているのはこちら。
信仰 | |
空島 ”シャンディア” | 太陽の神信仰 |
巨人国 “エルバフ” | 太陽の神信仰 |
象徴 | |
魚人島 | タイヨウの海賊団とそのシンボル |
ワノ国 光月家 | 家紋 |
アラバスタ | 国のシンボル |
太陽十字(宗教に登場するシンボル) | |
ローの出身地 “フレバンス” | 修道女が持っていた |
ワノ国 光月家 | 家紋 |
空島 ”シャンディア” | 祭壇のたいまつ |
スリラーバーク | 墓標 |
ソルベ王国 | バーソロミュー・くまの服や聖書 |
信仰という話に限ってもこれだけの数が出てくるため、ワンピースにおいて「太陽」がどれほど重要な位置づけになっているのかがわかりますね。
また、この太陽信仰についてめちゃくちゃ重要な言葉が、またしても週刊少年ジャンプ33号についていた小冊子「Road To Laugh Tale Vol.4」の中に登場しています。
- 「太陽の神ニカ 昔は誰もが知り崇拝したという」
これが意味するところについてはこの後詳しく考察していきますが、やはりワンピースの世界では「太陽の神信仰」はかなり古い時代に定着していたものなのでしょう。
”Dの意志”と同じように太陽の神ニカの意志も受け継がれている?
それでは次に、「太陽の神ニカの意志」について考察していきましょう。
「空白の100年」の前は太陽の神ニカが ”世界の神” だった?

太陽の神ニカの意志が受け継がれている理由は
- 元々は太陽の神ニカが ”世界の神” であり
- 空白の100年の間もしくはその直後に、信仰するべき神がすり替えられた
からだと思われます。
前述の通り「Road To Laugh Tale Vol.4」からの情報で、太陽の神がワンピース世界全土で信仰されていたことは確定しています。
空島やワノ国に現在もその信仰の証拠が色濃く残っているのは、外の世界の影響を受けにくい土地だったからなのでしょう。
ただ、現在の神は「天竜人」ですよね。
このすり替えが行われたのが「空白の100年」であり、すり替えたことがバレないように何らかの方法で歴史を隠したというのが真実だと、筆者は考察します。
また動物系の悪魔の実には意志が宿るとされているため、太陽の神ニカは自らの意志で「世界を統べるにふさわしい人物」を探し出して意志を受け継がせ、世界の安寧を保とうとしているのではないでしょうか。
なお、「空白の100年」についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
空白の100年のタイミングで受け継いだのがズニーシャの知る「ジョイボーイ」
先ほど
- 太陽の神ニカは「世界を統べるにふさわしい人物」に意志を受け継がせ、世界の安寧を保とうとしている
と考察しました。
太陽の神ニカ本人が実在したのか、他の”誰か”を語り継ぐうえで太陽の神ニカという言葉が使われるようになったのかは定かではありません。
ただ、世界の安寧を保つために代々受け継がれてきたうちの一人が
- ズニーシャの知る空白の100年に実在した「ジョイボーイ」
とみて間違いないでしょう。
ジョイボーイについては、こちらの記事で「ルフィの前にゴムゴムの実を覚醒させた人物」として考察しています。ぜひチェックしてみてください!
現代で受け継いだのが「モンキー・D・ルフィ」

そして、ジョイボーイの次に意志を受け継いだのが
- 我らが船長「モンキー・D・ルフィ」
なのでしょう。
これは、ゴムゴムの実を覚醒させていることからも明らかです。
また前述の通り、太陽の神ニカの元ネタと思われる「ハヌマーン」と「ルフィ」の共通点はあまりにも多く、これらの共通点も
- ルフィ=太陽の神ニカ
であることを示していると思われます。
なお、ゴムゴムの実の覚醒についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください!
そもそも「太陽の神ニカ」の別名が「ジョイボーイ」である可能性を考察
ここでは、「太陽の神ニカ」の別名が「ジョイボーイ」である可能性を考察していきましょう。
「解放のドラム」は太陽の神ニカ降臨の合図
ワノ国編ではルフィのゴムゴムの実が覚醒して、太陽の神ニカの力を解放した時に「解放のドラム」が鳴り響き、ジョイボーイが復活しました。
このことからジョイボーイ復活の合図である解放のドラムは、同時に「太陽の神ニカ降臨の合図」でもあると考えられます。
つまりこの時点で「ニカ=ジョイボーイ」という式が成り立つわけです。
筆者は前述のジョイボーイの記事で
『太陽の神ニカとジョイボーイが同一人物』
もしくは
『「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル”ニカ”」を覚醒させた人がジョイボーイ』
なのではなく、
『ジョイボーイ足る人物の元に「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル”ニカ”」が姿を現す』
と考察しています。
この「太陽の神ニカの力を持つ悪魔の実がジョイボーイの元に姿を現す」という大元の考えは変わらないのですが、本記事ではそれ以外の考察を「解放のドラムが鳴った」という事実をもとに少し訂正して
- 太陽の神ニカの意志を継ぐ人のことをジョイボーイと呼ぶ
- 元々は同一人物”だった”可能性もある
として考察したいと思います。
ジョイボーイのモデル「”踊り子の神の親類” ジョイボーイ」の共通点
ジョイボーイのモデルは、同じく「ジョイボーイ」という名前の「伝説上の人物」と思われます。
この伝説上のジョイボーイに関しては、ファンタジーの百科事典「想像と幻想の不思議な世界(エンサイクロペディア・ファンタジア)」という本に記載されているそうです。
そこに記載されている内容は
- 踊り、歌い、歓呼の声を上げたいという人間の声を具現化した
- 人間の抱えるあらゆる欠点や問題を絶えず笑い飛ばす
- 思わず引きずり込まれてしまうリズムで太鼓をたたく
というもので、太陽の神ニカの特徴とほぼ合致するため、ここでも「ニカ=ジョイボーイ」という式が成り立ちます。
ではなぜ、わざわざジョイボーイという別の名前を使うようになったのでしょうか。
「ジョイボーイ」を隠語として使うようになった説
考えられるのは
- 太陽の神ニカの名前をだすと消されてしまうので、空白の100年にニカの意志を受け継いだ人物の名前「ジョイボーイ」を隠語とし使うようになった
という説です。
本記事でもすでに触れている通り、太陽の神信仰はワンピースの各地にあり、「太陽の神」や「ニカ」というワードは広く知られています。
しかし空白の100年に生きたジョイボーイについては、考古学の聖地オハラが故郷であるロビンですら知らない存在だったため、「太陽の神」というワードを隠す名前としてはうってつけだったのではないしょうか。
ついでにこの「ジョイボーイ」という名前が知られていなかった理由について考察すると、筆者は
- 空白の100年と一緒に「人々の記憶から消された」から
だと考えています。
記憶が消されているという点については、本記事ですでに紹介したこちらの記事でも解説していますので、ぜひチェックしてみてください!
「初代 “ジョイボーイ”」の特徴からニカという別名が生まれた説
ワンピース作中では、ズニーシャの知るジョイボーイの”本名がジョイボーイ”だとは書かれていません。
つまり
- 初代太陽の神ニカの名前がジョイボーイであり、初代ジョイボーイの特徴からニカという別名が生まれた
という説も考えられます。
ニカという名前が生まれそうな特徴といえば、ルフィがみせる「ニカッ」という笑顔ですよね。
初代ジョイボーイも同じように笑う人物で、その様子から「ニカ」と名付けられたのであれば太陽の神ニカと伝説上のジョイボーイの特徴が一致しているのもうなずけますし、二つの名前がある理由としても自然です。
ジョイボーイという名前が現代で知られていないのも、遠い昔に存在していた人物の名前だからであり、ズニーシャや空白の100年のジョイボーイはリスペクトしてその名を使っていたという説で説明可能です。
ちょっとジョイボーイのゲシュタルト崩壊が起こりそうですが、どんな経緯であったにせよ
- 「太陽の神ニカ」の別名が「ジョイボーイ」で「同一視できる存在」である
とみてまず間違いないでしょう。
太陽の神ニカとDの一族の関係とは
それでは本記事の最後に、太陽の神ニカとDの一族の関係について考察していきましょう。
太陽の神ニカに成るための条件はDの一族であること?

本記事ではこれまでに
- 太陽の神ニカは「人を笑わせ苦悩から解放してくれる “伝説の戦士”」
- 太陽の神ニカは「世界を統べるにふさわしい人物」に意志を受け継がせ、世界の安寧を保とうとしている
と考察してきましたが、意志を受け継ぐため、つまり太陽の神ニカに「成る」ための条件にはDの一族であることが必要不可欠だと思われます。
その理由はワノ国編で登場したヤマトのセリフです。
「だってルフィの名前には”D”がついてるんだもん!!!」
おでんの航海日誌にはロジャーとともに知った世界の全てが書かれていると思われるのですが、ヤマトはこのセリフをおでんの航海日誌をみながら話していました。
つまり航海日誌には
- Dの一族がどのような役目を持っているのか
- これまでのDの一族がどのようなことをしてきたのか
そして、ヤマトのセリフから
- 800年の時を越え現れるジョイボーイの条件がDの一族であること
が書かれていたと思われます。
本記事ではジョイボーイと太陽の神ニカは同一視できる存在だと考察しているため、ヤマトのセリフはそのまま「太陽の神ニカの条件もDの一族であること」だと捉えることができそうです。
ちなみにヤマトについてはこちらの記事で解説しています。ぜひチェックしてみてください!
ルフィが現代の太陽の神ニカに成る伏線は「笑顔」と「シルエット」
ルフィはゴムゴムの実を覚醒させ太陽の神ニカの能力を手に入れましたが、その伏線はこれまでに複数登場していたと思われます。
その中でも特に重要と考えられるのが、ルフィの「笑顔」と空島での宴シーンの「シルエット」です。
ルフィは度々戦闘中に「ニ”カ!!」という効果音のついた笑顔をするため、これこそがニカの意志が受け継がれる人物の特徴だと考えられます。
また、宴のシーンでは「解放のドラム」と同じリズムが鳴り響き、キャンプファイヤーを囲んで踊るルフィのシルエットが、後に登場する太陽の神ニカのシルエットと酷似しています。
ワンピースではルフィに「2」や「5」の数字が結び付けられることが多いようなので、やはり太陽の神ニカという存在は初期からの構想だったのでしょう。
ロジャーやロックスは「ジョイボーイ=太陽の神ニカ」になれなかった存在

本記事では、ルフィと空白の100年のジョイボーイは「太陽の神ニカ」に成った人物だと考察しています。
そして、この二人とは反対に
- ゴール・D・ロジャー
- ロックス・D・ジーベック
の二人は太陽の神ニカになれなかったと考えます。
ロジャーが成れなかった人物だと思われる理由は
- 「おれ達は…早すぎたんだ」というロジャーのセリフ
- 寿命の問題
です。
早すぎたというのはポセイドンの話も含まれるでしょうから、恐らく太陽の神ニカに成るためにはタイミングも重要であると思われます。
また、カイドウのセリフ
「お前もジョイボーイになれなかったか」
から、カイドウと繋がりのあったロックス・D・ジーベックもジョイボーイになれなかった人物、つまり太陽の神ニカになれなかった人物であると考えられます。
ロックスについては、本記事でもすでにご紹介したこちらの記事でも触れていますのでぜひチェックしてみてください!
太陽の神ニカについてのまとめ
今回は太陽の神ニカについて考察してみましたが、いかがでしたか?
作中での登場が少なく情報も限られていますが、考察してみるとワンピースの世界でどれだけ重要なものかがわかりましたね。
ワンピース最終章ではこれまで隠してきた世界の謎が全部書かれるそうなので、太陽の神ニカの謎解明も期待していきましょう!