【ワンピースネタバレ考察】赤犬がくまにかけた言葉の真意とは!?2人のやり取りについて考察
出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

赤犬といえば冷酷無比な正義の体現者というイメージがあります。
しかし元七武海のくまとのやり取りの中には、今まで見たことない哀愁が感じられました。

今回は初めて赤犬から人間味が感じられた、くまとのやり取りについて掘り下げていきます。

赤犬はくまの境遇に同情していた?

「ボニーが逃げた時ひやりとした」という言葉

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

まず赤犬とくまの関係を掘り下げるために、まず赤犬とくまの娘ボニーの関係に注目してみましょう。

この2人といえば原作595話で、黒ひげに囚われたボニーが赤犬に捕まるシーン。
赤犬はボニーに「逃げた時ひやりとした」と語りながら「もう全て終わった」と締め括っています。

この会話から察するにボニーが政府に捕まっていることで有利に進むことがあったこと。
そして「終わった」というセリフから既にボニーが必要無くなったことも読み取れます。

くまが自我を失ったのはボニーのため?

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

ではボニーが囚われていることで政府に有利に働くことってなんでしょう?
筆者はボニーの父、バーソロミュー・くまに関することだと考えています。

その証拠に1092話にて赤犬が「くまの自我が戻らない」ことをボニーに告げていること。

赤犬の「終わった」発言の直前にくまの自我が完全に消えたことから、ボニーを人質にくまを政府が改造していたのは確定的でしょう。

くまについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


くまが娘のために犠牲になったことに同情していた?

赤犬は大将の立場だったことからくまが改造されていることも、その条件にボニーの身の安全が含まれていたのも知っていたでしょう。

ですが、赤犬といえば自身の正義に背く人間は中でも容赦しない冷酷無比な人間です。

そんな赤犬が国王でありながら海賊だったくまの境遇に、ただ同情したりするでしょうか?
筆者は赤犬がくまに同情したのは、赤犬も人の親だったからでは?と考えています。

くまに同情したのは赤犬にも娘がいるから?

赤犬とピンクの薔薇

ひばり
出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

赤犬といえば以前からSWORDのひばり中佐が、実の娘ではないか?と囁かれています。

2人とも広島弁のような訛りがあるのが特徴的ですが、それ以外にも作中の様々な場面に伏線が隠されていました。

例えば赤犬が常に胸に付けているピンク色の薔薇。
実は広島県にて交配で作られたピンク色の薔薇に「ひばり」という名前が付けられているのです。

娘に好きな花の名前をつけるとは、赤犬もかなりロマンチストですね。

赤犬にはソードのタトゥーがある

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

実はひばりが赤犬の娘とする伏線は他にもあります。
そのひとつが原作592話の扉絵です。

大将の2人が屋敷の一角で趣味に興じるなんとも微笑ましい1シーンですが、注目して欲しいのは赤犬の右肩です。
そう剣=ソードの刺青が掘られています。

そしてひばり中佐が所属している海軍の機密特殊部隊といえば?そう、SWORDですね。
このように赤犬とひばりの繋がりを感じさせる要素が随所に散りばめられています。


「貴様も人の親だガープ」というセリフ

ただ、赤犬のように冷酷な人間が、娘の存在で心が揺らいだりするのか?という疑問もあるでしょう。

しかし「ワンピース」という作品において血の繋がりというのは、時に人間らしさを表面化させる力を持っています。

象徴的なセリフがセンゴクの「貴様も人の親だガープ」というセリフです。

頂上戦争にてガープが愛しい孫であるルフィを殴れなかったシーン。
海賊に容赦ない普段のガープですら。殺す気で孫を殴ることは出来ませんでした。

どれほど容赦ないキャラクターも、所詮は血の通った人なのだと感じさせられる1シーンです。

赤犬の「人形」発言は自嘲もこもってる?

赤犬も政府の人形

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

ここまで赤犬はくまに同情していたのでは?という可能性を提示してきました。

しかし、筆者は赤犬が哀愁漂う姿を見せたのは、それだけが理由ではないと感じています。
その要因のひとつが赤犬の「人形がよ」というセリフです。

セリフだけを見れば赤犬らしい嫌味な言葉だと感じられます。
しかしそのセリフを放つ赤犬の背中はどこか力がありません。

それは赤犬も今は海軍元帥という「政府の操り人形」とも言える立場にあるからではないでしょうか?

五老星には赤犬も強く出れない

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

2年前頂上戦争の頃の赤犬は、自分の正義を思うがままに貫く自由な存在でした。

ですが元帥の立場となってからは、中間管理職として自由な部下やわがままな政府に板挟みとなり、苦労する姿が何度も見られました

五老星から「生意気な口をきくな」と吐き捨てられ、自身の面子すら貫けない姿からは、大将の頃の傍若無人っぷりは見られません。

よく思っていない天竜人も守らなければいけない

また大将や海軍元帥は天竜人の直属の海兵となります。

その為天竜人をよく思っていないガープは大将への昇進を拒み続けていました。

そして1092話で赤犬が天竜人の声を完全に無視してる姿から、赤犬も天竜人をよく思っていないであろうことが分かります。
しかし海軍元帥という立場上、赤犬は天竜人に逆らう事などできません。

このように元帥になってからの赤犬は自由とは程遠い「政府の犬」と化していることが分かります。

それ故に文字通り政府の犬として改造されたくまに自身の立場を重ねて、自嘲気味に「人形」と言い放ったのではないでしょうか?

赤犬とくまのやり取りについて考察

以前まで赤犬や黄猿は、冷酷で感情のない人間だとばかり考えていました。

ですが、最終章に入り彼らが見知った顔と戦う中で葛藤や迷いを抱える姿を見て、初めて人間味を感じられています。

エースを殺したことを考えれば憎き相手ですが、赤犬達も自分の立場に振り回されなんとかやっているのですね。
特に中間管理職にいる人は赤犬達に親近感が沸くのではないでしょうか?

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