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笑い・涙・感動とバランスのいい物語になっている
新海誠監督の前作を見てみると、序盤から最後まで悲しい物語で終わることも少なくはありません。
しかし、【君の名は。】は序盤に笑いあり、中盤に鳥肌、終盤に感動に涙とバランスの良い物語になっているのです。
さらに瀧と三葉のラブストーリー構成もしっかりと組み込まれています。
物語のバランスがよくストーリーや世界観に感情移入してしまうのも新海誠監督が大きく評価される一つと言っても過言ではありません。
美しい映像と美しい音楽
【君の名は。】の楽曲はすべてRADWIMPSが担当しています。
楽曲の作成を担当したRADWIMPSは脚本のイメージから曲を作ったそうです。
しかもそれだけではなく、その作った曲を聴きながら新海誠監督が絵コンテを描き、ビデオコンテを作ったそうです。
映像の作成や楽曲の作成の裏には新海誠監督ならではのこだわりが感じられますね。
【君の名は。】の感想(ネタバレ有り)
この映画で最も惹きつけられたシーンは、カタワレ時(夕方の夕日が沈むまでの時間)の瀧と三葉の再会です。
夢を通して、身体の入れ替わりを通して、繋がっていた二人。
現実で会いたくても会うことができなかった二人が、やっと自分たちの姿で再会することができたシーンはとても感動しました!
また、二人が再会している間、山から見る風景は光がふんだんに使われていて新海ワールドを全開に展開させています!
やっと会うことができた二人は、話したいことがたくさんあり、話が止まりません。
しかし、カタワレ時は長い時間は続かず、夕日が沈むと、瀧と三葉は再び遠ざかってしまいます。
やっとの思いで会うことができたからこそ、絶対に忘れたくない二人は手のひらに名前を書くことにしたのです。
まもなく、カタワレ時が終わり、現実の世界に戻った二人は夢でも見たかのように記憶が少しづつ薄れてしまいます。
何かを忘れてしまっている。でも忘れてはいけないこと。
三葉がふと見つめた手のひらには瀧が書いた「すきだ」の三文字。
ここの「名前」ではなく「すきだ」の三文字には、瀧のロマンチックさに鳥肌が立ちっぱなしでした!
彗星の衝突の大災害から8年後。
二人が出会っていた記憶も、何か夢でも見ていたかのように全て忘れてしまっています。しかし、長い年月がたっても瀧と三葉は心にひっかかりがあり、何かを探しているのです。それが場所なのか、人なのかはわかりません。
しかし、いつかそれを見つけ出したいと思っている確かな記憶なのです。
ある日、並走する別々の電車の窓からお互いを偶然見つけた二人は、記憶は失っているものの、心のひっかかりを頼りにお互い駅を降りて、探し合うのです。そして、神社の階段で再会します。
しかし、自分たちの勘違いだと思い、一度はすれ違いますが、次の瞬間、瀧が「あの!」と振り返り、「君の名は」と声をかけるのです。
この瀧の勇気ある行動がなければ二度と二人が会うことはなかったでしょう。それを証明するように、二人の目からなぜか大粒の嬉し涙が流れていました。
このラストシーンは何度も繰り返し見たくなるようなシーンでした!