なぜ、ベラフは、成れ果てとなったのか?

ベラフは、否、なぜベラフ達は成れ果てになってしまったのか?

ベラフ達ガンジャ決死隊は、ベルオスカ島に到着すると、地元の原住民に迎えられました。

原住民達の言葉を、ベラフが彼らの通訳すると、彼らは、ヴエコの持っている星の羅針盤と引き換えに情報を提供すると言いました。

原住民は、アビスの奥深くに「ショウロウ」という古代都市が存在すると、ベラフ達に教えました。

ベラフ達がアビスの深層を目指そうとすると、原住民の女の子がヴエコについてきてしまったのです。

彼女の名前はイルミューイ。イルミューイは道案内として、ガンジャの仲間入りをしましたが、実は子供の産めない身体であったために、集落から捨てられた子供であったのです。

イルミューイ
出典:「メイドインアビス」公式サイト

 

ガンジャは、アビスの内部に入り、後に深界六層と呼ばれる場所まで来ました。ここそ、黄金郷と呼ばれ、原住民達がショウロウと読んでいる「還らずの都」でした。

六層に来た一同は、上昇負荷のために戻ることができず、この地にとどまることになりました。

しかし、イルミューイが突如、具合が悪くなってしましました。イルミューイだけでなく他の隊員も体調をおかしくしてしまいました。

原因は水で、ショウロウにあった水場はなんと生き物であり、この水を飲んだために、身体がおかしくなったのです。

さらに、食料調達班が、戻ると身体が内側から破壊されるように絶命してしまいます。彼らは、卵型の遺物を持っていましたが、原因はそれであったようです。

卵型の遺物の正体は「欲望の揺籃(ようらん)」と呼ばれるもので、持った者の願いを叶える力を持っていますが、持った者が成人だと、叶える願いが複雑なので、暴発してしまうのです。そのため、子供しか使えないようです。

そうこうしているうちに、とうとうベラフまで倒れてしまいます。そこで、ヴエコの提案で、イルミューイに欲望の揺籃を使ってみることになったのです。

欲望の揺籃を取り込んだイルミューイは元気になりましたが、なぜか身体が変わっていったのです。当の本人は平気そうでしたが、イルミューイの身体は粘土細工のように形を変え、ある日、彼女は小動物のような赤ちゃんを生んだのです。

赤ちゃんは不完全な身体であったためか、数日しか生きられなかったのですが、なぜかイルミューイはどんどん赤ちゃんを生み出していくのです。

すると、ワズキャンはその小動物のような赤ちゃんを切り裂いて、肉として全員に食べさせました。すると、水で苦しんでいた隊員達の身体が治ったのです。

しかし、ベラフはイルミューイの赤ん坊を食べたことで罪悪感に苦しみ、ヴエコはイルミューイが変貌し、彼女の赤ちゃんを食べられてしまうことに嘆き悲しみました。

やがて、巨大な塔のような姿になったイルミューイは、力場の強い場所に移動し、アビスの生き物を食べて、さらに大きく成長しました。

罪悪感で心を壊したベラフは、イルミューイに自分を食べてもうらうため、自らの身体を差し出すと、イルミューイに取り込まれたベラフは、蛇のような成れ果てになったのです。

他の隊員たちも、同じようにイルミューイに自分の肉体を捧げて、成れ果てになり、イルミューイの体内で生きることになったのです。

そして、成れ果ての村の正体は、イルミューイの身体だったのです。

ベラフの最後

ベラフ
出典:pixiv@[my700]メンヤンん

村となったイルミューイは、欲望の揺籃の力で、最後の子供を生み出しました。その子供は、白い毛並みに褐色の肌を持つ美しい獣人の少女「ファプタ」です。

ファプタには、己の兄弟を食べた村人に対するイルミューイの憎悪が宿っており、村の破壊と母の解放を目的としています。

ファプタが村へ侵入すると、村が破壊された衝撃で、村のルールが壊れ、ベラフはかつての記憶を取り戻し、ミーティの複製体は消滅しました。

村の力、すなわちイルミューイの力で誕生したものは、村が壊れた時に滅びることになっていたのです。それは村の住人たちの死も意味していました。

ベラフは己の死期を悟ると、ナナチを解放し、一緒にファプタの元へ行き、リコ達の救援に向かいました。

ベラフが、イルミューイの子供、すなわちファプタの兄弟を食べたことに気づいたファプタは、ベラフに猛然と襲い掛かりました。

ベラフは己の罪を受けるかのように、ファプタの攻撃を受け入れ、そして最後に、イルミューイの記憶が宿った「匂い」をファプタに授け、自らは消えていきました。

ベラフがファプタに記憶を渡す時、彼の言ったセリフによると、イルミューイは、自分自身とイルミューイが誰よりも慕っていたヴエコの記憶を、ファプタに渡したかったようです。

そうだとすると、イルミューイは村人に対して、愛情と憎悪が入り混じった感情を抱いていたのかもしれません。

ベラフのまとめ

ベラフやナナチの記憶を思い出す場面で、きっかけとなっているのは「匂い」ですが、ベラフは「匂い」を使って、ファプタにイルミューイとブエコの記憶を授けています。

この匂いというものを漫画で再現するというのは、かなり困難なのですが、個人的に、メイドインアビスは、匂いを上手く表現している漫画ではないかと思っています。

アニメニ期では、この「匂い」をどのように表現するのか気になる所です。

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