なぜ、黄金郷へと向かったのか?

原作の九巻によると、ガンジャ決死隊がアビスに向かったのは、物語開始から約150年前のことです(ただし、三巻にあるオーゼンのセリフによると、アビスは深度が深い所になると、地上より時間の経ち方が遅くなるので、実際は、かなりの年月が経っている可能性が高い)。

メイドインアビス
出典:アニメ「メイドインアビス」公式サイト

 

当時は、まだ、アビスは一般的には知られておらず、一部の人間のみ「黄金郷」と呼ばれていました。

ベラフ達が来る前から、すでにベルオスカ島に来ていた者も居たことから、アビスのことを知っていた人もいたようですが、あまりいい人達ではなかったらしく、ベルオスカ島の原住民と揉めたようです。

アビスが発見されたのは、1900年前のことであり、ベラフ達の時代がそれに該当するのかは、定かではありませんが、アビスの情報はあまり知られていなかったらしく、探掘家達もまだ設立されていないようです。

そのため、当時の人々の感覚は、異境にある遺跡の探掘に行くというよりは、宝島を探すような感覚に近かったようです。

また、ベラフ達は、時折「故郷を捨てた」もしくは「捨てられた」と言っているので、ガンジャ決死隊達は、何かしらの理由で国を離れざるを得ない、もしくは、移住しなければならない人たちで集められていたようです。

なぜなら、ガンジャ決死隊は、もともと規模が大きく、複数の船団によって構成されていましたが、ベルオスカ島に向かう途中、嵐に巻き込まれてしまったために、ベラフ達が載っていた一艘のみになってしまったのです。

当てのない宝探しのために、大規模な船団を築いたとは思えないので、本来の目的は移住にあったのかもしれません。

現に、第八巻には、「ここを第二の故郷にするしかない」というセリフがあるので、もしかしたら、黄金郷を探すというのは建前で、実際は、故郷に居られなくなったもの達が、移住先を探していた可能性もあるのです。

ヴエコとは?

ヴエコ
出典:pixiv@aQごは

 

ヴエコとは、成れ果ての村で、唯一、人間の姿でいる女性のことで、彼女もガンジャ決死隊の一員でした。

ヴエコは愛称で、本名は「ヴエロエルコ」と言い、もとは三賢の一人でした。

ヴエコは三賢の一人、ワズキャンに反目したために、村の奥深くに幽閉されてしまったのです。現在の三賢であるジュロイモーは、彼女の後釜です。

彼女の本来の仕事は、看護と奈落で発見された遺物の管理なのですが、彼女は「星の羅針盤」という遺物を持っていたために、ワズキャンから三賢に任命されたのです。

メイドインアビス
出典:アニメ「メイドインアビス」公式サイト

 

ちなみに、星の羅針盤は、第1話でリコが所持していたものですが、羅針盤の針がいつも上を向いていたので、リコは、いかなる遺物なのかわかっていなかったようですが、実はアビスのある所に来ると針が上を向くという仕掛けになっていたのです(黄金郷がアビスにあることを考えると、実は針先が逆で、上ではなく下を向いていた可能性もある)。

ヴエコは孤児で、星の羅針盤は、もともと自分を引き取った里親が持っていたものですが、この里親が酷い男で、いつもヴエコを虐待していたため、彼女は、この男から逃げるように星の羅針盤を持ち出して、ガンジャに入隊したようです。

ヴエコはその境遇から、自分に自信が持てず、いつも卑屈な態度をとっていましたが、そんな彼女をしっかり励まして、力づけていたのはベラフでした。

二人の間に恋愛感情があったかは定かではありませんが、二人は確かな絆で結ばれていたようです。

ワズキャンとは?

ワズキャン
出典:「メイドインアビス」公式サイト

 

ワズキャンとは、現在では前述したようにピエロのような姿の成れ果てとなっていますが、元は、ガンジャ決死隊の中心人物で、ベラフ同様、当時から三賢であった人物です。

普段は軽薄な感じの男ですが、予言者と言っていいほどの鋭い勘と、先見性を持った男なのです。

ただし、万能の能力ではないので、すべでの危険を避けることはできないようです。

ベラフとは、いかなる形で知り合ったのかは定かではありませんが、ブエコがガンジャに入ったときには、すでに長い付き合いだったようで、ベラフはワズキャンの参謀のような立ち位置にいて、彼の予知の力の事をある程度は理解していたようです。

ベラフによると、ワズキャンは、体感している真理を言葉にする方法がないため、曖昧なもの言い方しかできず、ベラフも当初は思い込みではないかと思っていたようでしたが、彼の勘は本物で、神がかりとまで言っています。

そのため、普段から軽薄な振る舞いが多いのは、自分の体感している真理のようなものを言葉に言い表せないもどかしさを誤魔化しているようにも思えます。

ヴエコの入団も予測していたらしく、彼女を三賢にしたのも彼で、星の羅針盤を見て何かを感じ取ったのが最大の理由のようです。

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