学生時代

出典:『呪術廻戦』(Ⅽ)芥見下々/集英社

 

高専時代、当時2年生だった七海建人は任務で2級呪霊の討伐に向かいます。しかし、そこにいたのは2級呪霊ではなく土地神という1級案件の呪霊。その任務で七海建人は、同級生だった灰原雄(はいばらゆう)を目の前で亡くしてしまうのです。その後、先輩である五条悟が任務を引き継ぎ、呪術師ひとりの死を無力に感じた七海建人。「もう あの人一人でよくないですか?」とつぶやいてしまう程、心に影を落とす経験をするのです。

また、追い打ちのように先輩である夏油傑が裏切り高専を去った事で、さらに呪術師というものが「クソ」だと認識した七海建人。卒業後は呪術師としての道は選ばず、サラリーマンとしての道を歩むのです。

復帰のきっかけ

出典:『呪術廻戦』(Ⅽ)芥見下々/集英社

 

呪術高専を卒業して4年、証券会社でサラリーマンとしての人生を歩んでいた七海建人。「呪いも他人も金さえあれば無縁でいられる」とお金のことしか考えない日々を送ります。

そんな中、行きつけのパン屋で店員に低級呪霊がついているのを見た七海建人。下手に祓ってヘンテコ霊媒師と思われるのも面倒だと思い、一度目は見逃したものの、二度目に会った店員の体調が悪化しているのを見て、結果祓うことに。その際「ありがとう」と感謝を受けた七海建人。自分には無縁だと思っていた生き甲斐を感じたことで、呪術師への復帰を決めたのです。呪術師は「クソ」だが、労働も「クソ」、ただ適性のある方を選んだという七海建人らしい理由も。

復帰を決めたその瞬間に、先輩であった五条悟に電話をする場面もありました。連絡を受けた五条悟は、電話越しで笑っていたようのなので、後輩である七海建人の復帰が嬉しかった様子が伺えます。

【呪術廻戦】七海建人の名言集

「子供であるということは決して罪ではない」3巻25話より

出典:『呪術廻戦』(Ⅽ)芥見下々/集英社

 

単行本3巻「固陋蠢愚(ころうしゅんぐ)」の話で、任務に連れて行ってくれと頼む虎杖悠二。改造した人間を使ってくる相手に、殺す以外の選択肢がない状況。

足手まといになりたくない、と殺す覚悟をみせる虎杖悠二に、「この仕事をする限りいつか人を殺さなければならない時がやってくる けど、今はその時じゃない」と怒鳴るでもなく淡々と話す七海建人。そして最後に「わかってください」と付け足した言葉。

七海建人の言う「大人」というものは、「子供」を守ると言う存在で、そしてそれが決して悪いことではないと言う話。言い聞かせるように話す空気感が、七海建人の思いやる気持ちを表しているようでした。

「そういう小さな絶望の積み重ねが人を大人にするのです」3巻19話より

出典:『呪術廻戦』(Ⅽ)芥見下々/集英社

 

「勝てないと思ったら言って下さい」と呪霊を前にした虎杖悠二に声をかけた七海建人。子供扱いが不服と言った虎杖悠二に、「君は幾つか死線を超えてきた でもそれで大人になったわけじゃない」と自身の大人の定義を説明する場面。

このセリフが指す小さな絶望とは、七海建人いわく「枕元の抜け毛が増えている事」や「お気に入りの総菜パンがコンビニから姿を消す事」だそう。

何かを成して「大人」になれるという事ではなく、大人になって経験する事を経ることが「大人」だと言うセリフ。読みながら考えさせられる事実に、大人の読者は共感する一幕です。

「事実に徹し、己を律するそれが私です」3巻19話より

出典:『呪術廻戦』(Ⅽ)芥見下々/集英社

 

術式を行使すれば必ず残る残穢(ざんえ)。目を凝らしてようやく見えた虎杖悠二に「見えるのは当然です 見る前に気配で悟って一人前ですから」とズバッと正論を放った七海建人。

もうちょっと褒めて伸ばすとかさぁ…とつぶやく虎杖悠二に褒めも貶しもしませんよと続くセリフがこれでした。七海建人の真面目さが見て取れる場面のひとつです。

「呪術師はクソということです」3巻19話より

出典:『呪術廻戦』(Ⅽ)芥見下々/集英社

 

これは七海建人が、初めて虎杖悠二に会った時に吐いたセリフです。「まずは挨拶でしょう 初めまして虎杖君」の後に続きます。初対面でまさか「高専で学び気づいたことが、呪術師がクソだということ」なんて言われ、虎杖悠二も驚きを隠せないご様子。

そして「一般企業で働き気づいたことは、労働がクソだと言うこと」と続いた海建人の言葉に、虎杖悠二も「そうなの?」と返す展開に。

しかも真顔で淡々と話す七海建人に対し、虎杖悠二は五条悟と一緒に「暗いね」とぼそぼそツッコむ始末。七海建人の人柄が垣間見える、楽しい会話の一幕です。

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