【文スト】芥川龍之介は死亡して生き返る?過去から現在まで徹底解説!
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中島敦のライバルキャラ、芥川龍之介とは、ポートマフィアの禍犬と呼ばれるほどの悪辣な戦闘狂にして、一匹狼です。

彼がなぜ、そこまで戦いに駆り立てられているのか、彼の過去に何があったのか、今回は芥川龍之介について解説しましょう。

【文豪ストレイドッグス】芥川龍之介とは?

芥川龍之介のプロフィール

芥川龍之介
出典:「文豪ストレイドックス」公式サイト

 

  • 年齢:20歳
  • 誕生日:3月1日
  • 身長:172cm
  • 体重:50kg
  • 血液型:A型(文豪の芥川と同じ)
  • 好きなもの:書畫骨董、茶、無花果(いちじく)
  • 嫌いなもの:盆栽、犬、風呂(文豪の芥川と同じ)、蚕豆(そらまめ)、蜜柑(みかん)

芥川の一人称は僕(やつがれ)で、この一人称は、昔、男性がへりくだって云うときに使っていたものですが、古風な言葉が、時折出てくる文ストの世界でも、この一人称を使っているのは芥川のみです。

そのため、ファンの間では、芥川のことを「やつがれさん」と呼んでいます。

好きなものの一つにある「書畫骨董」とは「書画骨董」の古い書き方で、芥川は戦闘狂である反面、美術に大して関心があるという意外な一面があり、文ストの小説版「黒の時代」では、美術品に気にかける場面があります。

犬が嫌いなのは、浮浪児だった頃、仲間の一人が野犬に食い殺されてしまったという、かなり悲惨な過去によるものです。

「魁!!男塾」のスピンオフで「僕!!男塾(やつがれ!!おとこじゅく)という漫画作品があります)

人が野犬に食い殺されるという事件は、終戦時の日本で本当にありました)

芥川龍之介の性格

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出典:「文豪ストレイドックス」公式サイト

 

芥川はぶっきらぼうで、一匹狼体質の男です。

マフィアの中でも単独行動が多く、遊撃隊長という役職でありながら、単騎で戦いに行こうとするので、副官の樋口に心配されています。

その冷徹さと、他者と相容れぬ雰囲気から、周囲から畏怖されていますが、一方で、戦いが始まれば樋口を下がらせ、仲間から助けられれば、素直に感謝を述べるなど、細やかな一面を持っています。


芥川の仲間、黒蜥蜴のメンバー

黒蜥蜴とは、マフィアの傘下組織の一つで、芥川と樋口の指揮下で動いています。

本編に登場したメンバーは以下の通りです。

 

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  • 広津柳浪

黒蜥蜴の百人長です。モノクルをかけて、黒い礼服姿をした初老の紳士で、「落椿」という、掌から斥力を生み出す能力を持っています。

メンバーでは一番の古株で、ボスが先代の頃からマフィアにいました。

  • 立原道造

鼻の上に絆創膏を貼ったチンピラ風の若者で、粗野な口調が目立つ男です。二丁拳銃の使い手です。

マスクをつけた人物です。小刀が武器で、暗殺を得意としています。

マスクと恰好のせいで、分かりづらいのですが、本当は女性で、芥川の実妹です。

 

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  • 樋口一葉

スーツ姿をした女性で、芥川の副官です。見た目は普通のOLに見えますが、銃器や爆薬の扱いに長けており、芥川に恋愛感情を抱いています。

【文豪ストレイドッグス】芥川龍之介の過去

浮浪児だった過去

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芥川は、もともと浮浪児で、仲間の孤児たちとともに横浜の街をさまよっていました。この当時の芥川は、今以上に感情表現の乏しい子供でした。

ある日、仲間の浮浪児達が、ポートマフィアの下部構成員たちに殺されたために、彼は復讐を誓ったのです。

芥川は少年時代から、異能を使うことができたので、少年の身でありながら、並みの大人ですら敵わないほどの戦闘力を持っていました。

その自負もあって、芥川は、マフィアに単身で戦いを挑むという無茶を行ったのですが、敵を殺したのは、当時、マフィアの幹部となったばかりの太宰治でした。

太宰治との出会い

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太宰は芥川の噂を聞きつけて、彼を勧誘しようとしたのです。芥川の異能「羅生門」の力は、暗黒街で評判になっていたので、太宰は芥川に興味を抱き、手土産として、代わりに敵を討ったのでした。

太宰は芥川の能力を評価し、マフィア最強の能力になると見込んでいましたが、芥川の向こう見ずな性格には少々手を焼いていたようで、鞘のない刀剣とまで言っていました。当初は、防御の技も、なかなか覚えようとはしなかったのです。

時折、かなり厳格な指導をして、芥川の性格を矯正させようとしていましたが、荒事を専門とするマフィアという環境下もあり、芥川はどんどん戦いにのめりこんでいきました。


芥川の現在

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太宰は、親友である織田作之助の死をきっかけに、マフィアを離れることとなりました。

そのため、芥川は心の奥で太宰に捨てられたと思い、誰の助けも借りず、一人で戦い抜くという道を選んでいくようになりました。

やがて、太宰の教えの甲斐もあって、芥川は優れた戦術を駆使して戦うようになり、森鴎外曰く、独走し、破壊し、結果的に最大の貢献をする存在となり、マフィアの遊撃隊の隊長となって、多くの人から畏怖される存在となったのです。

【文豪ストレイドッグス】芥川龍之介の異能や強さは?

異能「羅生門」とは?

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羅生門とは、芥川身にまとっている衣服の形状を、黒獣に変形させてしまう能力です。

黒獣は空間を食らうこともでき、敵の攻撃を直前でかき消すことができます。

いかなる力を持った異能か?

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黒獣は芥川の意思で、自在に変形することができます。棘状になったり、触手のようになったり、刃物のようにすることもできます。

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さらに前述した通り、空間を食って、敵の攻撃をかき消すこともできるので、攻防一体の力を持った優れた能力です。以下が技名です。

  • 羅生門・顎(あぎと)

 黒獣が強力な顎(あごのこと)になって、敵を噛み砕く技です。

  • 羅生門・連門顎(れんもんあぎと)

 顎を複数出す技です。

  • 羅生門・獄門顎(ごくもんあぎと)

 巨大な顎を出す技です。

  • 羅生門・叢(むらくも)

 黒獣をかぎ爪のついた巨大な掌にして、敵を攻撃する技です。

  • 羅生門・早蕨(さわらび)

 棘上の形態にして、地面の中に通し、敵を下側から串刺しにする技。

  • 羅生門・彼岸桜(ひがんざくら)

 巨大な塊にして、花開くように、無数の棘を出す技。

  • 羅生門・黒波濤(くろはとう)

 無数の帯状にして出す技

  • 羅生門・天魔纏鎧(てんまてんがい)

 芥川本人に羅生門を身にまとわせて、パワードスーツのような形態にする技。

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  • 類似能力
  • 衣服を変化させる

SPAWN(スポーン)のネクロプラズミック・アーマー(自在に動くマントやスーツ、正体はスポーンにとりついている寄生生物)。

スパイダーマンのヴェノム(シンビオートという寄生生物がスーツになったり、触手になったりする)。

ゲゲゲの鬼太郎の霊毛ちゃんちゃんこ。

  • 空間を食う

ジョジョの奇妙な冒険・第三部に登場するスタンド「クリーム」。第四部に登場する「ザ・ハンド」

【文豪ストレイドッグス】芥川と中島敦

黒と白の宿命のライバル

 

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芥川は、文ストの主人公、中島敦とライバルで、彼と衝突することになったきっかけは、芥川が太宰から敦の方が優秀だと言われ、自身は呑み込みが悪く、ポンコツな能力だと言われたからです(双黒の後継者の項を参考)。

尊敬していた太宰から、罵られたことで、芥川は敦に対して敵意を燃やし、彼に執着するようになります。

性格も正反対であるため、二人は、衝突し、ぶつかり合うことになったのです。

ライバルから良きコンビへ

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妬みから敦に敵意を燃やしていた芥川でしたが、敦が孤児院時代に虐待され、心に闇を抱えていたことを知ります。

一方、敦も、徐々に芥川の繊細な内面に気づき、いつしか、二人は心を通わせるようになります。

もともと、二人は、似たところがあり、心理学でいうシャドウ(抑圧されている自分の内面を相手に見ること)の関係にあったのです。

やがて、フィッツジェラルド戦をきっかけに、二人は徐々にコンビを組んで戦うようになります。

戦いの際、敦は白い虎、もしくは半人半虎になる異能を持っているため、芥川は支援に徹します。

二人のコンビネーションは。意外なほど息の合っており、合体技まで繰り出します。

以下が二人の合体技です。

  • 月下獣羅生門 虎叢(とらむらくも)

羅生門を、半人半虎となった敦に纏わらせて、叢と敦の膂力を合わせた強力なパワーでねじ伏せる技です。

  • 月下獣羅生門 黒虎絶爪

羅生門を虎の爪に合体させることで、より長く鋭い爪にすることができる。

敦の虎の爪は、異能を切り裂く力があり、黒獣の空間を食らう能力と合体させて、あらゆるものを切断することができます。

双黒の後継者

太宰は、近い将来、強敵との戦いを予想していたのか、自分や中原のような異能者によるコンビ「双黒」の後継者を欲していました。

その候補にあがっていたのが、芥川であり、そして、接近戦で高い力を発揮する敦だったのです。

では、なぜ、太宰は芥川と敦の対決を煽るようなことをしたのでしょう。

一つには、芥川の欠点や弱さを痛感させるには、上から目線で教えるより、違うタイプの異能者と対決させた方がいいと思ったからではないでしょうか。

同じことを、ボクシング漫画の金字塔「あしたのジョー」で、主人公ジョーの師、丹下段平がやっていたことがあります。

段平は一度、わざとジョーをほったらかしにして、青山という少年に防御やフットワークを教えていましたことがあります。

そのため、ジョーは青山を妬んで、彼に挑みかかっていくのですが、力攻めのジョーに対して、青山は段平に教わったテクニックで翻弄していくのです。

やがて、ジョーはテクニックの重要性を悟り、青山の真似をして、テクニックを身に着けたのです。

なぜ、段平がこのような手段で、テクニックを学ばせたのかというと、ジョーのように鼻っ柱の強い人は、攻撃の技を身に着けても、防御やテクニックを覚えようとしないため、敵から学ばせるという手段が一番いいと思ったからです。

前述したように、芥川も、最初は防御を覚えようとはしなかったので、太宰も教えるのにかなり手を焼いていたようです。

だから、戦いや敗北を通じて、己の弱さを知ってもらいたかったのではないのでしょうか。

太宰が、ここまで手の込んだことをやっているのは、芥川と敦のことを見込んでいるからなのです。

【文豪ストレイドッグス】芥川が主人公となるスピンオフとは?

文豪ストレイドッグスBEASTとは?

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出典:「文豪ストレイドックス」公式サイト

 

「文豪ストレイドッグスBEAST」とは、文ストのスピンオフ作品で、芥川が主人公となっています。

文ストの原作を担当をしている朝霧カフカが書いた小説を原作に、全四巻で漫画化され、2022年には実写映画化もされました。

小説の方は角川スニーカー文庫で出版されています。

立場が逆となった芥川と敦

本作の最大の特徴は、本編のパラレルワールドとなっており、芥川が武装探偵社に入社し、敦がマフィアの構成員となり、太宰がマフィアの首領となっています。

立ち位置はマフィアですが、敦は本編同様、太宰の弟子となり、芥川は探偵社の一員となった織田作之助の弟子となっています。

本編では戦闘狂そのものだった芥川が、宮沢賢治と農業に精をだしたり、与謝野晶子の治療に怯えるなど、本編では見られない芥川の一面を拝見することができます。

又、本作では、互いの素性の知らない芥川と敦が、仲良く会話している場面があり、お互いの立場が違っていたら、二人は友達になれたのではないかと思わせられます。

【文豪ストレイドッグス】芥川の戦歴

龍虎激突! 芥川VS敦

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芥川は、懸賞金が懸かった敦の拉致に成功し、密輸船で敦を運び込みますが、敦は鏡花と国木田の助力で脱出に成功します。

しかし、鏡花が芥川に捕まってしまったため、敦は鏡花を救うべく、芥川と戦うことになります。

敦は半人半虎となって、接近戦に持ち込もうとしますが、自在に動く羅生門に翻弄されます。

しかし、持ち前のタフネスさと、異能を引き裂く虎の爪で、どうにか芥川を捕らえ、肉弾戦に持ち込み、芥川に勝利します。

WINNER中島敦

黒き獣と緋色の文字 芥川VSナサニエル・ホーソーン

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米国からやってきた異能集団「組合(ギルド)」の一人、ナサニエル・ホーソンは自らの血液を操る「非文字」という異能を持っています。

対する芥川は、身にまとう黒い外套を操る能力です。

お互い似通った能力の持ち主ですが、パワーに長ける芥川の異能に対し、ホーソーンは血液を敵や壁に付着させて、時間差で敵に襲い掛からせるという、トラップ的な技を用います。

お互い退かずの攻防の果てに、芥川の羅生門が力押しで勝利します。

WINNER芥川

呉越同州! 芥川、敦VSフィッツジェラルド

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ギルドが運用する空中要塞「白鯨」。この白鯨を横浜に落下させ、ギルドは横浜を焼却する作戦を実行しようとしました。

作戦を中断させるために白鯨に乗り込んだ敦でしたが、同じように白鯨に乗り込んだ芥川と鉢合わせます。

いがみ合いながらも、二人は手を組み、ギルドの長、フィッツジェラルドと戦うことになります。

制御室で待ち受けていたフィッツジェラルドは、金や貴金属を等価にして、身体を強化させる異能を駆使して、芥川と敦を同時に蹴散らしてきます。

そこで、芥川は羅生門で足場を作り、敦の腕に羅生門を纏わせて、合体技「虎叢」を生み出してフィッツジェラルドを撃破しました。

尚、戦いの終了後、はじめて、他人と共闘して敵に勝ったことから、太宰は芥川を称えました。

WINNER芥川&敦

【文豪ストレイドッグス】芥川は生き返るか?(ネタバレあり)

死因となった戦い

天人五衰とは、国家政府の転覆を狙う謎のテロリスト集団で、そのうちの一人が、ロシアの異能集団「死の家の鼠」の頭領、ドストエフスキーです。

彼らは、謎の異能者が作ったとされる、現実改変能力のある「白紙の本」の一ページのみ所持しており、このページの力で、探偵社をテロリストに仕立て上げました。

太宰は、マフィア時代の罪状を挙げられて、軍警察最強の部隊「猟犬」に捕まってしまいます。

探偵社と別行動をとっていた敦は、モンゴメリーや坂口安吾達の助力と、江戸川乱歩の策略によって、探偵社のメンバーを救い出し、猟犬の指導者、福地桜痴と接触を試みたのです。

しかし、福地桜痴の正体こそ、探偵社を追い詰めた天人五衰の首領であったのです。

正体を知ったために窮地に追い詰められる敦、そんな彼の前に芥川が現れたのです。

死亡、そして吸血鬼に

天人五衰の事件発生の二日前、太宰は自分が猟犬に捕まることを予想して、芥川にあることを頼みました。

それは、自分の代わりに、この戦いを見届けて、敦を助けてほしいということでした。

三度目の敦との共闘。芥川と敦は、これ以上にないコンビネーションで、福地桜痴を撃退した…かに見えましたが、福地は己の最後の切り札「神刀・雨御前」を使いました。

過去の時間を渡る能力を持つ雨御前によって、福地は自身がやられる瞬間に雨御前を敦に突き立てて、逆転勝ちしたのです。

絶体絶命の二人でしたが、芥川は最後の力をふり絞って敦を逃し、自身は福地の凶刃に倒れました。

すべては終わったかに見えましたが、福地は、芥川の死体の前に棺を持って現れました。棺の中には、天人五衰最後の男、ブラム・ストーカーが眠っていたのです。

そして、ブラム・ストーカーは福地の命じるままに、芥川を吸血鬼に変えました。

芥川は生きている?それとも死んでいる?

芥川はブラム・ストーカーの力で、吸血鬼にされてしまいました。

芥川は、このままゾンビのような存在にされてしまったのか、それとも、なにかのきっかけで、元に戻るのか、それとも本当に死んでしまったのか、現時点ではわかりません。

あくまでも、想像ですが、もし、生き返るのであるのなら、名前の通り、天に昇る龍のごとく、新たにパワーアップして復活する可能性もあります。

【文豪ストレイドッグス】実際の文豪、芥川龍之介とは?

芥川龍之介とは?

芥川龍之介は大正時代の作家で、短編を多く書いています。

内容は、中世の古典文学の影響が強く、平安時代を舞台にした作品などが多くあります。

また、怪奇小説や妖怪小説も多く執筆し、「煙草と悪魔」のようにキリシタンを題材にした作品も書いています。

牧師であるナサニエル・ホーソーンを、伊留満(いるまん)と呼んでいるのは、この「煙草と悪魔」にある、イルマン(助修士)の当て字が由来となっています。

また、文ストでは、芥川の師は太宰となっていますが、実際の芥川の師は夏目漱石です。

異能の元になった「羅生門」とは?

羅生門とは、芥川龍之介の初期の傑作短編小説の一つで、平安時代を舞台にした物語です。

物語は、一人の男が平安京にある羅生門で、雨宿りをしているところからはじまります。

男は、もともととある家に仕えていた下人で、数日前に主から解雇されてしまったのです。

男が、羅生門の上にあがって、雨風をしのごうとすると、そこには身寄りのない死体がいくつもあったのです。そして、一人の老婆が死体から髪を抜いていました。

老婆は、自分は生きるために髪を抜いて鬘にして売ろうとしているのであり、今、髪を抜いていた女の死体も、生きていた時には、人を騙してものを売りつけていたのだと言ったのです。

老婆が、自分は生きるために悪を成しているのだと言うと、男は、老婆から身ぐるみを剥ぎ取り、自分も生きるためにやったと言って、羅生門から出て行ってしまいます。

羅生門には、人のエゴや悪意がテーマになっており、芥川龍之介の小説は、人の悪意やエゴを鮮明に描写しているのが、最大の特徴となっています。

黒澤明が映画にしていた

芥川龍之介の羅生門は、あの巨匠、黒澤明が映画化していたのです。

ただし、映画版の羅生門は、芥川の小説「藪の中」と合わせた内容となっています。

「藪の中」とは、藪の中で発生した殺人事件をめぐって、当事者と四人の発見者と三人の当事者が、検非違使に事件の概要を語るというお話です。

語る内容がそれぞれ違っており、果たして誰が真実を語っているのか、分からないという構造になっています。

映画版では、羅生門に雨宿りしている下男が、先に雨宿りをしていた二人の男から話を聞くという形式になっています。

本作は、単なる時代劇ではなく、ある種のミステリーのような形式となっており、一つの出来事を、複数の登場人物の主観によって語られるという手法は、羅生門効果と言われました。

海外からも高く評価され、ヴェネチア国際映画賞やアカデミー賞を受賞しました。

【文豪ストレイドッグス】芥川龍之介のまとめ

少年漫画において、ライバルは、時に敵であり、時に無二の親友のような間柄となります。

卑劣な手段によるいがみ合いや揚げ足の取り合いではなく、真っ向勝負でぶつかるからこそ、ライバルという奇妙な友情が成立するのだと思っています。

芥川と敦は、敵対し続けるのか、それとも無二の親友となるのかは、これからの展開次第です。

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