ギルドに捕らえれる

街の中を歩いて、久々の自由を満喫している久作ですが、ギルドの一員であるラヴクラフトと遭遇すると、彼に呪いを仕掛けようとしました。

しかし、ラヴクラフトになぜか呪いは効かず、逆に捕らえられてしまいます。

捕らえられた久作は、ギルドの「横浜焼却作戦」に利用され、能力を広範囲に発揮させるべく、地下室で拷問を受ける羽目になってしまいます。

【文豪ストレイドッグス】夢野久作の関係者

太宰治

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出典:「文豪ストレイドッグス」公式サイト

 

夢野久作は太宰治が15歳の時に出会っています。この顛末は、小説版の「文豪ストレイドッグス 太宰、中也、十五歳」に載っています。

当時、久作はまだ五歳くらいの幼児で、マフィアの首領になったばかりの森鴎外によって、太宰と共に育てられたのです。

当初、太宰は小さな弟分ができた程度にしか思っていなかったようですが、久作が本性を表した際、能力無効化の異能「人間失格」を使って、彼を座敷牢に閉じ込めたのです。

精神という、防ぎようのないものに干渉する久作の異能に、唯一対抗できるのは、太宰の異能無効化のみなのです。

森鴎外

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出典:「文豪ストレイドッグス」公式サイト

 

森鴎外は、幼少時の夢野久作を引き取ってくれた人物です。首領になったばかりの頃、鴎外は、知り合いの病院から、異能を使う子供の事を聞いて、彼を保護したのです。

当初、久作がいかなる異能を使うのかは、鴎外でもわからなかったようですが、危うい能力であるという危惧を抱いていたため、人間失格の力を持つ太宰に正体を見極めさせていました。

久作は、自分を引き取ってくれた人物ということもあるのか、森鴎外の言うことだけは聞くようで、座敷牢から出された際、無関係な人を傷つけるなという言いつけも守っていました。

ハワード・フィリップス・ラヴクラフト

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出典:「文豪ストレイドッグス」公式サイト

 

街に出た久作は、異能を使って人を玩具代わりにして遊ぼうとしましたが、前述したように、鴎外から無関係な人を殺さないように言われていたため、かわりにギルドの一員であるラヴクラフトを餌食にしようとしました。

ところがラヴクラフトには、呪いが効かないばかりか、海洋生物のような異形の怪物になって、逆に久作を恐怖に陥れてしまいます。

実は、ラヴクラフトは異能力者とは違う存在らしく、まともな精神構造を持った人間かどうかもあやしいキャラクターであったために、久作の精神操作の異能が効かなかったようです。

ちなみに、ラヴクラフトとは、クトゥルー神話の生みの親であり、米国を代表する怪奇小説家でもあります。

夢野久作もまた、日本を代表する怪奇作家であり、日米双方の怪奇作家が邂逅した興味深い場面でもあります。

【文豪ストレイドッグス】夢野久作の名言、名セリフ

「太宰さんを壊す楽しみが残っているもの☆」

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出典:「文豪ストレイドッグス」公式サイト

 

第七巻収録二十五話より

夢野久作は、中島敦に呪いを仕掛けて、彼にナオミと綺羅子を襲わせました。大急ぎで駆けつけてきた太宰が、久作の人形に人間失格を発動したおかげで、この場を治めることができました。

久作は、自己嫌悪に陥っている敦を眺めながら「太宰さんの新しいお友達はずいぶん壊れやすいんだね」と言うと、続けて「けどいいんだ、太宰さんを壊す楽しみが残っているもの☆」と言ったのです。

久作は、無邪気な笑みを浮かべながら、自分を閉じ込めた太宰を苦しめて壊すと宣言しました。自分を座敷牢に閉じ込めた太宰に対して、凄まじい憎悪を抱いてることを感じさせる一言です。

「やっぱ外っていいなあ!みんな楽しそう……ふふ、誰で遊ぼうかな」

第七巻収録二十七話より

久しぶりの外出で、浮かれている夢野久作ですが「誰で遊ぼうかな」の一言にゾッとさせるものがあります。

カマキリや猫が、獲物をもてあそんで楽しむように、久作は、人間を玩具程度しか見ていないので、赤の他人でも平気で苦しめて遊び道具にしてしまうことでしょう。

森鴎外がちゃんと久作に、他人を傷つけないようにと言い聞かせていなかったら、何をしていたかわかりません。

しかし、この後久作は、ラヴクラフトという、狂気を超えた異形の存在にやられてしまいます。

「こんな力欲しいと思ったことなんて一度もない」

第七巻収録二十八話より

久作はギルドに捕まり、彼はギルドの「横浜焼却作戦」に利用されてしまいます。

久作は、ジョン・スタインベックの異能「怒りの葡萄(葡萄のつるを媒介に植物を操る異能)」によって、樹木と神経をつなげられてしまいます、

さらに、スタインベックは、樹木の根を横浜中にある樹とつなげてしまい、より多くの人間が、久作の神経と一体となった木を踏みつけるようにして、久作に呪われるようにしたのです。

苦痛に悶える久作は、当初はスタインベックを罵倒していたものの、とうとう根負けしたのか、涙を流しながら「こんな力欲しいと思ったことなんて一度もない、なのにどうしていつも、こんなひどいことばかり僕に起こるの?」と言ったのです。

今までの振る舞いのため、泣き落としに見えそうですが、前述した通り、精神操作系の異能は、周囲からもっとも忌み嫌われる異能であるため、久作の居場所はマフィアしかなかったのです。

ところが、マフィアでさえ、大半の人間が久作を嫌っているために、彼は孤独に追いやられ、とうとう世の中を恨み続けるようになってしまったのかもしれません。

そのことを悟ったのか、久作を拷問しているスタインベックも若干同情的になっています。

【文豪ストレイドッグス】夢野久作の異能は?

異能「ドグラ・マグラ」とは?

 

ドグラ・マグラとは、夢野久作を傷つけた相手を呪う能力です。

呪いの対象者には手形の痣が浮き上がり、呪いが発動すると、人形はケタケタと不気味な笑い声をあげて、生きているかのように動き出します。

そして、久作が持っている人形を破壊することで呪いが発動されるのです。

ちなみに、人形の声を演じているのは、太宰役の宮野真守です。

呪いを受けた相手は、幻覚を見るようになり、自分の嫌な過去が掘り起こされ、周囲を無差別に襲い掛かるようになります。

異能を食らわせる対象が、自分を傷つけた者であるため、久作は服やバックの中に棘付きの鉄線を忍ばせており、これを腕に巻き付けて、わざと相手にぶつかることで、自分自身を傷つけさせています。

そのため、久作の腕は傷だらけになっており、人形も呪いを発動させる際に破壊するので、かなりボロボロになっています。

片足もとれて一本足になっているため、どことなく東北地方に伝わる霊媒師「イタコ」が使っている、おしら様を彷彿させるようなデザインになっています。

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