
目次
文豪ストレイドッグスのキャラクターは、実在する文豪をモチーフにしており、人物相関も、文豪達の人間関係を意識しています。
今回は、文豪ストレイドッグスに登場するキャラクターと人間関係を解説しましょう。
【文豪ストレイドッグス】探偵社のキャラクター、能力一覧
中島敦

本編の主人公で、白黒のツートンカラーの衣装が特徴の少年です。孤児院育ちで、異能をコントロールできないために孤児院を追い出されたところを、太宰の計らいで探偵社に入社し、働くことになります。
「探偵社・西のヘタレ」と呼ばれるほど気が弱く、小心者で、当初は何事においても逃げ腰だったのですが、多くの戦いを経て、成長していきます。
困った人を見かけると、放っておくことができないという、お人好しな一面があります。
・モデルになった文豪「中島敦」
中島敦は昭和初期に活躍した文豪で、「山月記」や「李徴」「かめれおん日記」などが代表作です。
「山月記」のように、古い中国の古典作品や、南方について記した作品を書いたことで有名です。
「芥川龍之介の再来」とまで言われていましたが、三十三歳の若さで亡くなってしまいます。
尚、彼の著作の一つ、「光と風と夢」は文豪ストの本編でも引用されています。
・異能力「月下獣」
名前の読み方は「げっかじゅう」で、中島敦の著作である「山月記」が由来となっています。
巨大な白い虎に変身できる異能で、物語序盤では異能をコントロールすることができなかったのですが、徐々に制御していくようになります。
また、虎の爪には異能の力を引き裂く力があります。
・類似能力
「幻魔大戦」
ドクター・レオナード・タイガーマン(虎に変身する能力)
「闇のパープルアイ」
尾崎倫子(豹に変身できる)
太宰治

ベージュのコートを身にまとった青年です。
普段は、ちゃらんぽらんで、いい加減な人物ですが、優れた洞察力と頭脳の持ち主であり、異能だけでなく、戦略家としての才覚を秘めています。
自殺マニアという、ダウナーな一面もあり、「完全自殺読本」という本に書かれている自殺を事あるごとに試していますが、いずれも失敗しています。
探偵社に入社する前は、ポートマフィアに所属しており、最年少で幹部にまでなるほどの実力を持っていました。
・モデルになった文豪「太宰治」
無頼派と呼ばれる作風で有名な太宰治がモデルとなっています。戦前から戦後にかけて活躍した作家ですが、何度か自殺未遂を繰り返したり、薬物に依存するなど、破滅的な生活をしていたことでも有名です。
・関連作品
「異世界失格」
死にたがりのとある文豪が異世界に転生する物語です。タイトルや主人公である文豪は太宰治を意識していると思われます。
・異能力「人間失格」
名前は、太宰治の※遺作の一つである「人間失格」が由来となっています。
触れた相手の異能力を無効化してしまう能力です。
ほぼ無敵に近い能力ですが、武器や体術といったといった異能力以外の力には無力で、そのうえ、与謝野晶子のような治療型の異能を受け付けることができないなど、欠点も多い能力です。
※未完の遺作は「グッド・バイ」ですが、完成作としては「人間失格」が最後の作品です。
・類似能力
「僕のヒーローアカデミア」
イレイザー・ヘッド(個性(能力)を抹消する能力)
国木田独歩

メガネを掛けた二十代の青年で、太宰とコンビを組んで活動しています。
生真面目で几帳面な性格であり、探偵社では、調査だけでなく実務も担っています。
面倒見も良く、太宰に言わせると、次期社長は国木田しかいないと言わせるほどです。
現実主義者である一方、大変な理想主義者で、正義感の強い男ですが、その点を敵につけ狙われることもあります。
愛用している手帳は、高名な手帳職人であるマスター・カーライルが製作したものです。
・モデルになった文豪「国木田独歩」
国木田独歩は、「武蔵野」や「牛肉と馬鈴薯」などの作品で有名な文豪で、浪漫派、自然派と呼ばれる作風です。
作家以外にも、教師やジャーナリスト、出版社の社長などの顔を持っています。
・異能力「独歩吟客」
名前の読み方は「どっぽぎんかく」で、国木田独歩のペンネームの一つが由来です。
能力は手帳に書いたものを具現化する能力で、国木田が記憶しているものなら大概は具現化できますが、手帳のページを消耗してしまうのと、手帳よりサイズの大きいものは具現化できないという欠点があります。
・類似能力
「HUNTER×HUNTER」
バショウのグレイトハイカー(俳句の文章を具現化する能力)
江戸川乱歩

茶色の鳥打帽とマントを纏った、シャーロックホームズ風の姿をした若者です。
無邪気で子供っぽく、わがままな性格をしていますが、優れた洞察力を持っており、いくつもの事件を解決した名探偵で、探偵社の重鎮でもあります。
少年時代に用心棒家業をしていた福沢に才能を見込まれて、二人で探偵社を設立することになったのです。
・モデルになった文豪「江戸川乱歩」
江戸川乱歩は、日本における探偵小説の礎を築いた文豪で、怪奇風味の作品から本格推理まで書いています。
ペンネームである江戸川乱歩は、アメリカの怪奇作家「エドガー・アラン・ポウ」から付けられています。
・関連作品
「江戸川乱歩異人館」 山口譲司による乱歩作品の漫画化。
「芋虫」「パノラマ島奇譚」 丸尾末広によって漫画化。
・異能力「超推理」
桁外れの情報処理と洞察力から、真実を導き出す能力で、メガネを掛けることで発動させることができますが、実は乱歩の情報処理能力が高いだけで、異能ではないようです(メガネは能力を発動させるための暗示のようなもの)。
・類似能力
小説「ミレニアム」シリーズ
リスベット・サランデル(特殊能力は無いが、桁外れの情報処理能力を持っているハッカー)
谷崎潤一郎

穏やかそうな雰囲気の若者で、中島敦と同年代の青年です。
敦同様「探偵社・東のへたれ」と呼ばれるほど気の弱い一面がありますが、ここぞというときは覚悟を決めてかかるなど、敦よりしっかりした一面を持っています。
ナオミという妹がおり、探偵社で事務員をしています。
谷崎は、ナオミに尻に敷かれている半面、とても大事にしており、ナオミに何かあると、すさまじい勢いで取り乱してしまいます。
・モデルになった文豪「谷崎潤一郎」
谷崎潤一郎は、耽美派と呼ばれる作風で有名な文豪で、丁寧な女性描写で有名です。
サスペンスや探偵小説も手がけており、多彩なジャンルの作品を世に残しています。
・関連作品
映画「細雪」
1983年に東宝で映画化。又、鹿島麻耶によって漫画化。
・異能力「細雪」
名前の呼び方は「ささめゆき」で、谷崎潤一郎の小説である「細雪」が由来となっています。
周囲に幻像を作り出す特殊な雪を降らす能力で、自分の身を隠したり、偽の映像を作り出して、敵の目をごまかすことができます。
ある意味、探偵向きの能力と言えます。
・類似能力
「ARMS」
マーチヘア(ナノマシンを空中に散布して、幻像を作り出す能力)
宮沢賢治

金髪にオーバーオール、そして麦わら帽子という農夫のような姿をした少年です。
探偵社に来る前は、東北のイーハトーヴォ村と呼ばれる所で暮らしていましたが、異能の噂を聞きつけた福沢社長にスカウトされて、探偵社に入社しました。
とても礼儀正しく、誰とでも屈託がない性格で、探偵社では調査員のほかに接待も担当していますが、金銭の概念の無いところで暮らしていたため、常識に疎いところがあります。
ただし、農業に関する知識は農大生レベルのものを持っています。
また、ヨコハマの郊外に農地を持っています。
・モデルになった文豪「宮沢賢治」
宮沢賢治は、童話や詩を多く執筆したことで有名な作家です。代表作は「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」などがあります。
尚、作品が、一般的に知られるようになったのは死後のことで、生前は農学校の教師をしていました。
又、イーハトーヴォとは、宮沢賢治の考えている理想郷のような概念であり、イーハトーブとも言われています。
・関連作品
「銀河鉄道999」
松本零士のSF漫画で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」が発想の元となっています。
尚、「銀河鉄道の夜」は、ますむらひろしによって漫画化され、1985年に杉井ギサブロー監督によってアニメ映画化されました。
・異能力「雨ニモマケズ」
名前の由来は、宮沢賢治の詩からです。小柄な体格から信じられないほどの強靭な肉体と怪力を繰り出す異能で、銃弾を食らってもびくともしません。
異能の発動条件は「空腹」ですが、本来は「怒り」であり、賢治が本気で怒ると、山を破壊するくらいの力を引き出すことができます。
・類似能力
「サイボーグ009」
005(強靭なパワーと鋼鉄のような頑丈な肉体を持つサイボーグ)
「ドラゴンボール」
スーパーサイヤ人(怒りによって、とてつもないパワーが目覚める)
与謝野晶子

ボブカットに大きな蝶の髪飾りを付けた女性で、切れ長の目をした美人です。
探偵社専属の女医であり、優秀な腕を持っていますが、かなり荒っぽい治療方法なので、探偵社のメンバーは彼女の治療を恐れています。
普段は姉御肌の気のいい女性ですが、女性蔑視や死を軽く考えるものを嫌悪しており、そうした人を見かけると激しい怒りを見せます。
・モデルになった文豪「与謝野晶子」
与謝野晶子は、明治から大正にかけて活躍した歌人で、思想家の一面も持っています。夫は詩人の与謝野鉄幹です。
女性の自立を訴えた人物でもあり、政治評論も行っていました。森鴎外とも交流があったとも言われています。
・異能力「君死給勿」
名前の読み方は「キミシニタモウコトナカレ」で、与謝野晶子の詩が由来です。
異能の中でも珍しい治癒能力で、どんな重症でも治してしまうことができますが、重症でないと治すことができません。
そのため、患者を一度、瀕死の状態にしなければならず、探偵社員が彼女の治療を恐れているのはこれが原因。
・類似能力
「ジョジョの奇妙な冒険 第4部」
クレイジーダイヤモンド(治療や修復の力を持つスタンド)
「僕のヒーローアカデミア」
リカバリーガール(治癒の個性)
泉鏡花

赤い着物を身にまとった14歳の美少女で、元はポートマフィアの暗殺者でした。
暗殺者としての実力は高く、半年で35人も殺していますが、本心では殺しの仕事を嫌っています。
感情表現に乏しく、当初は殺人マシンのような雰囲気でしたが、本来は臆病で繊細な女の子であり、敦との交流を得て、次第に元の自分を取り戻していくようになります。
三社戦争の後、正式に探偵社の一員となります。
・モデルになった文豪「泉鏡花」
モデルになった文豪の泉鏡花は男性で、怪奇小説を多く発表した作家として有名です。
最大の特徴は、大変な美文によって表現される幻想的な作風です。
芥川龍之介や中島敦等、多くの文豪から評価を受けています。
・異能力「夜叉白雪」
名前の由来は泉鏡花の作品「夜叉が池」に登場する女神の名前からです。
仮面をまとった守護霊型の異能生物を召喚する能力ですが、当初は不完全な能力で、携帯から指示を出さないと動かすことはできませんでした。
すさまじいスピードで動き、斬撃を繰り出してきます。
・類似能力
「ジョジョの奇妙な冒険 第3部」
シルバーチャリオッツ(超高速の斬撃攻撃ができるスタンド)
福沢諭吉

銀髪で目つきの鋭い、着物姿の壮年の男です。武装探偵社の社長であり、そして、武術の達人で、国木田の武術の師でもあります。
剣術の達人でもあり、昔は政府御用達の暗殺剣士で、「孤剣士『銀狼』」という異名がつけられていました。
用心棒家業をしていたとき、乱歩と出会い、彼の才能を生かすために探偵社を設立することとなったのです。
大変な猫好き。
・モデルになった文豪「福沢諭吉」
厳密に言えば、福沢諭吉は文豪ではなく思想家であり、慶應義塾の創設者となった大変優秀な教育者でもあります。
幕末に活躍した人物で、勝海舟や西郷隆盛と同時代を過ごした人物でもあります。
又、文スト同様、武術の達人です。
・異能力「人上人不造」
名前の読み方は「ひとのうえにひとをつくらず」で、福沢諭吉の著作である「学問のすすめ」の一節が元です。
能力は、自分の社員と認めた者の異能の出力を調整するものです。この力によって、コントロール不全であった敦や鏡花の異能が制御できるようになったのです。
・類似能力
「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」
シルバーチャリオッツレクエム(シルバーチャリオッツの進化系で、他のスタンドのパワーをあげることができる)
谷崎ナオミ

谷崎潤一郎の妹で、探偵社の事務員をしています。
長い黒髪にセーラー服姿の美少女です。大変なブラコンで、周囲の目も憚らず兄にくっついています。
前述のことから血縁関係を疑われていますが、探偵社の間ではそのことに関する質問は一切口にしないのが、暗黙の了解となっています。
利発で頭の回転が早いため、異能があったら兄より優秀な探偵になれるとも言われています。
谷崎潤一郎の「痴人の愛」という作品に出てくるヒロインがモデルです。
春野綺羅子
https://twitter.com/N7sea1/status/824275679483084800
探偵社の事務員で、メガネをかけた穏やかな雰囲気の女性です。
大変な猫好きで、「ミイちゃん」という三毛猫を飼っています。避難先でも自身のPCを使って、ミイちゃんの様子を伺っているなど、少々緊張感に欠ける一面があります。
ナオミとは仲が良く、一緒に行動しています。アニメ版では社長秘書となっています。
ナオミ同様、モデルになったのは、谷崎潤一郎の「痴人の愛」という作品に出てくる女性キャラクターです。
【文豪ストレイドッグス】ポートマフィアのキャラクター、能力一覧
芥川龍之介

ポートマフィアの遊撃隊の一人で、ヨコハマでは「禍犬」という異名を付けられるほど恐れられています。一人称は「僕(やつがれ)」
マフィア時代の太宰に師事しており、彼の徹底したスパルタ教育によって、とてつもない実力を身に着けたのです。
ぶっきらぼうで冷徹な人物ですが、意外にも律儀な一面を持っており、助けられた時は素直に礼を述べています。
敦とはライバルのような立ち位置にいますが、同時に、敦の理解者ともいうべき一面があり、二人の間には奇妙な友情が芽生えています。
・モデルになった文豪「芥川龍之介」
芥川龍之介は、中世日本や仏教、キリスト教等を題材にした文学作品で有名です。
人間の業やエゴを描写することが多く、又、妖怪などを題材にした怪奇小説を描くことでも有名です。
また、文ストでは太宰の弟子となっていますが、当の本人は夏目漱石の弟子でした。
・関連作品
映画「羅生門」
黒澤明が監督した映画で、原作は芥川龍之介の「藪の中」という時代劇ミステリーです。
また、「羅生門」というタイトルも芥川龍之介の小説からとられています。
・異能力「羅生門」
身にまとっているコートを自在に変形させ、不気味な黒い獣に変えてしまう能力です。
獣は空間を食らうことができ、この力で敵の攻撃を防ぐことができます。
・類似能力
アメリカンコミックス「SPAWN(スポーン)」
ネクロプラズミックアーマー(自在に変形するスポーンの衣装)
中原中也

ポートマフィアの幹部をしている男性です。小柄な体躯に、黒い帽子に黒いコートを羽織った洒落た格好をしています。
マフィア屈指の体術使いでもあり、幹部でありながら常に前線に出て戦う、切り込み隊長肌の人物でもあります。
太宰とは犬猿の仲で、彼がマフィアを辞めた際は、ペトリュスというワインを開けて祝うほど嫌っています。
一方では、この二人がコンビを組むととてつもない力を発揮することができ、二人合わせて「双黒」と呼ばれています。
・モデルになった文豪「中原中也」
昭和初期に活躍した詩人で、ランボオの詩を翻訳したことでも有名です。彼の代表作である「汚れつちまつた悲しみに」は、教科書に掲載されているので、知っている方も多いかと思います。
太宰治と仲が悪いことでも有名で、彼と出会うと、いつも酔いに任せて絡んでくることで有名でした。
・関連作品
アニメ「魁!!男塾」
OPの曲名が、中原中也の詩と同じ「汚れっちまった悲しみに…」となっています。
・異能力「汚れつちまつた悲しみに」
名前の由来は中原中也の詩からです。重力を操る能力で、物体を重くしたり、自身を軽くしたり、天井に逆さまに立ったりと、その用途は多彩です。
異能を解放した形態である「汚辱」となると、一夜で敵対組織を壊滅させるほどのパワーを発揮しますが、同時に暴走状態となってしまうので、太宰の「人間失格」のみでしか能力を解除することはできなくなってしまいます。
・類似能力
「金色のガッシュベル!!」
ブラゴの重力魔法
樋口一葉

はちみつ色の髪を束ねたスーツ姿の女性です。芥川同様、遊撃隊の一人で、彼の補佐を行っています。
強力な異能や戦闘力を持たないので、戦いの際は銃器を使って応戦しています。
芥川に恋愛感情を抱いており、彼の孤独な内面や単独行動癖を案じています。
・モデルになった文豪「樋口一葉」
名前の呼び方は「ひぐちいちよう」で、明治時代の女流作家です。「たけくらべ」や「おおつごもり」などが代表作です。
大変な才女であり、若くして様々な作品を世に送り出していますが、24歳で亡くなってしまいます。
・関連作品
「ガラスの仮面」
主人公である北島マヤが、樋口一葉の「たけくらべ」を演劇にしています。
尾崎紅葉

ポートマフィアの女性幹部で、艶やかな花魁姿をしています。
居合術の達人で、殺しや拷問を冷徹に行いますが、マフィアの中でも人情味があって面倒見がよく、中也や鏡花の世話役をしていました。
幼少のころからマフィアに関わっており、少女時代に自分が慕っていた男性と共にマフィアを抜けようとしていたところを、先代ボスによって阻止された挙句、その男性を殺されてしまった過去があります。
このことから、鏡花に自分の過去を重ねているところがあり、彼女に何かと気にかけています。
・モデルになった文豪「尾崎紅葉」
泉鏡花同様、こちらも本来は男性の作家です。明治時代の文豪で、未完の大作「金色夜叉」が代表作です。
又、本人も泉鏡花の師であることで有名です。
・異能力「金色夜叉」
泉鏡花の夜叉白雪と同じタイプの異能生物を召喚する能力ですが、こちらは完全に制御可能な能力です。
また、夜叉白雪が暗殺と刺突攻撃に特化している半面、金色夜叉は護衛と斬撃に特化しています。
梶井基次郎

ボロボロの白衣に、ゴーグルを着けた風変わりな格好をした男です。隠密主義のマフィアでありながら、爆弾をつかった派手な破壊活動をしている爆弾魔です。
腕力は低いですが、わざと敵に捕まって敵陣を爆破するなど、策略に長けています。
・モデルになった文豪「梶井基次郎」
梶井基次郎は大正時代に活躍した作家で、繊細な感性と知性をうかがわせる作風です。
あまり体が強い方ではなかったため、わずか31歳で亡くなってしまいます。
元々は理工系の学生でしたが、夏目漱石に没頭してしまったことから、文学を志すようになったのです。
・異能力「檸檬爆弾」
名前の呼び方は「レモネード」で、梶井基次郎の著作「檸檬」が由来となっており、檸檬型爆弾による爆発で死なない能力です。
この能力のために、梶井基次郎は、自分の異能を「爆弾をつくる能力」と錯覚させて、ギルドにわざと捕まり、自分を巻き込みながら、敵陣を破壊するという、捨て身の戦法をとることができます。
夢野久作

小さな帽子を被った、小柄な体躯をした子どもです。
愛らしい姿とは裏腹に、性格は残忍で、人を玩具のように弄んで殺してしまいます。
同法であるマフィアですら殺しまわっていたので、太宰の人間失格で能力を封印され、座敷牢に閉じ込められてしまったのです。
・モデルになった文豪「夢野久作」
夢野久作は、人を幻惑する作風で有名な作家で、怪奇ものや探偵小説、そして児童文学など多彩な作品を世に送り出しています。
父親は政界の黒幕と呼ばれた玄洋社の杉山茂丸で、夢野久作は、博多の言葉で「夢見がちな人」もしくは「人の考えられないことを言う人」という意味があります。
・関連作品
映画「ドグラ・マグラ」
1988年に放映された映画です。夢野久作の「ドグラ・マグラ」を原作としています。
映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」
直接的な関連性はありません。ただし、記憶を失った主人公が右往左往する様など、ドグラ・マグラと類似している点があります。
又、監督である庵野秀明の妻で、漫画家、安野モヨ子のペンネームは、ドグラ・マグラに登場するヒロインから取られています。
・異能力「ドグラ・マグラ」
異能の中でも、もっとも忌み嫌われる精神操作系の異能で、能力名は日本探偵小説三大奇書と言われている「ドグラ・マグラ」が由来です。
自分を傷つけた人間を呪い、呪いを受けた者は、幻覚に悩まされて、周囲を攻撃するようになります。
久作はこの能力で、何人もの人間を弄んで殺しまわっていたのです。
・類似能力
「GetBackers -奪還屋-」
美堂蛮(邪眼によって幻覚をみせる)
蘭堂

小説版である「文豪ストレイドッグス太宰、中也、十五歳」に登場。ポートマフィアの準幹部です。
もともとは下級構成員でしたが、優れた異能を持っていたために、森鴎外から準幹部に抜擢されました。
優秀な能力者なのですが、大変な寒がりで、多少暖かい季節でも厚着をしています。
実は記憶喪失の男で、正体は、欧州政府の諜報員「アルチュール・ランボオ」です。
・モデルになった文豪「アルチュール・ランボー」
名前はランボオとも表記されます。19世紀のフランスの詩人で、15歳から詩を書き始め、多くの文学者に影響を与えたため、神童とよばれるほどの才人でした。
日本でも有名な詩人で、中原中也が彼の詩を翻訳しました。
・異能力「イリュミナシオン」
亜空間を作り出す能力で、そのサイズは、体を拘束する程度の小型のものから、建物サイズのものまで作り出すことができます。
又、中に死体を取り込めば、彼の異能生物として操ることもできます。
能力の名前はランボーの詩「イリュミナシオン」が由来です。
・類似能力
「結界師」
作中の職業「結界師」の使う能力(亜空間を作り出せる)。
森鴎外

ポートマフィアの首領で、髪をオールバックにした中年の男です。普段は冴えない町医者になりすましていますが、敵に恐怖心を抱かせるほどの威圧感を持ち合わせています。
高度な戦略(ゲーム)理論に基づいた戦略家であり、暗殺者、医師などいくつもの側面があります。
また、大変な幼女好きであり、いつもエリスという金髪の美少女と一緒に行動しています。
・モデルになった文豪「森鴎外」
森鴎外は明治時代の文豪で、作家だけでなく、医師、軍人などいくつもの側面を持った人物でもあります。
代表作である「舞姫」は、本人のドイツ留学時代の出来事を基にした作品と言われています。
・関連作品
「坊ちゃんの時代」
谷口ジローが描いた明治の文豪たちが活躍する漫画です。作中では「舞姫」のヒロインであるエリスのモデルになった人物が登場します。
・異能力「ヰタセクスアリス」
名前は「ウィタセクスアリス」と読みます。由来は森鴎外の小説「ヰタセクスアリス」からです。
正体は、鴎外といつも一緒にいる「エリス」という幼女のことで、彼女の正体は、鴎外の異能で召喚された「異能生物」なのです。
普段は10歳前後の幼女の姿ですが、戦う際は十代半ばの少女になり、注射器をいくつも投げたり、巨大にして叩きつけて攻撃してきます。
尚、エリスの名前は前述した「舞姫」のヒロインが由来となっています。
ポール・ヴェルレエヌ
https://twitter.com/chikagesan_love/status/1522057319634595841
小説版の「文豪ストレイドッグス STORM BRINGER」に登場します。
長身で金髪の男性で、ポートマフィアの五大幹部の一人です。
基は、欧州政府に所属する暗殺者で、ランボーのパートナーでしたが、彼と欧州政府を裏切り、紆余曲折を得て、マフィアに囚われてしまいます。
元は「暗殺王」と呼ばれるほどの優れた手腕を持つ暗殺者で、マフィアに囚われてからは、泉鏡花や銀等に暗殺術を教え、その功績から五代幹部にまで昇り詰めました。
・モデルになった文豪「ポール・ヴェルレーヌ」
19世紀に活躍したフランスの詩人で、ランボーの親友としても有名な人物です。
かなり破滅的な生活を送っており、なんと、友人であるランボーを銃で殺しかけて、投獄されたこともあります。
・異能力「不明」
中原中也と同じ重力操作の能力で、中也の「汚濁」に該当する能力暴走形態「獣性」も存在します。
織田作之助

小説版「文豪ストレイドッグス 黒の時代」に登場するキャラクターです。赤い髪の毛に、ベージュのコートを着た男です。
不殺を信条としているため、マフィアの最下級構成員に甘んじていますが、もともとは優れた殺し屋であり、アクロバティックな動きと、銃器を使った戦いを得意としています。
マフィア時代の太宰、坂口安吾と親友同士であったのですが、安吾が潜入捜査官であったことと、森鴎外が異能営業許可書を得るために企てた策略に巻き込まれ、犠牲となってしまいます。
このことがきっかけで、太宰はマフィアを去ることになるのです。
・モデルになった文豪「織田作之助」
織田作之助は無頼派と呼ばれる作家であり、庶民たちの日常を物語にする手法を好んでいました。
坂口安吾、太宰治と仲が良く、「ルパン」と言うバーで、彼らと飲みかわすのが日課でした。
・関連作品
「コーヒーもう一杯 第3巻」
山川直人が描いたオムニバス漫画で、3巻に収録されている「一枝と作之助」というエピソードに、織田作之助と、彼の妻との馴れ初めが描かれています。
・異能力「天衣無縫」
名前の呼び方は「てんいむほう」です。数秒先の未来が見える能力。すなわち予知能力です。
・類似能力
「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」
キングクリムゾンの能力の一部エピタフ(数秒先の未来を予知する能力)
広津柳浪

モノクルに、黒のコートとタキシードを身にまとったダンディな初老の男です。ポートマフィアの傘下である武闘派組織「黒蜥蜴」に所属しており、階級は百人長です。
先代ボスからマフィアに仕えていた人物で、太宰からの信頼も厚く、彼がマフィアを抜けた後でも連絡を取り合っています。
・モデルになった文豪「広津柳浪」
広津柳浪は、明治時代に活躍した文豪で、下層社会の悲惨な実態を描写する小説を書いて、雑誌「黒蜥蜴」に発表し、評判になりました
息子の広津和郎も小説家となっています。
・異能力「落椿」
能力の名前は広津柳浪の小説からです。掌から、斥力(物体を弾き飛ばす力)を生じさせる能力です。威力によっては敵を即死させることもできます。
立原道造
เด็กผู้หญิงนี่เข้าใจยากชะมัด
— 立原道造 (@MichizouTachi) February 3, 2023
「 ถ้าเธอว่างั้น ฉันก็ว่างั้นแล้วกัน 」 https://t.co/d2zSWLD8jE pic.twitter.com/domjvPiHMW
黒蜥蜴の十人長で、茶髪と荒っぽい口調の目立つ、チンピラ風の若者です。
二丁拳銃を使って応戦し、好戦的な雰囲気ですが、樋口が無茶をやろうとするときは止めに入り、彼女が芥川の救助に向かった際は、救援に駆け付けるなど、意外に気配りのある一面があります。
正体は政府から派遣された潜入捜査官です(猟犬の項も参照)。
・モデルになった文豪「立原道造」
立原道造は、優秀な建築家にして詩人でもある人物です。とても繊細で優しい感じの詩文を多く発表していますが、24歳の若さで亡くなってしまいます。
銀
文ストの銀ちゃん pic.twitter.com/URAyphGUzT
— 美幼女の吐瀉物の黄色い部分(おぢさん系JSあかさん(5)♂?) (@oko_me25) January 27, 2023
黒い長髪をまとめ、マスクをした若者です。黒蜥蜴の十人長で、暗殺者でもあります。
寡黙で目つきが鋭く、当初は男性と思われていましたが、実は女性で、芥川の妹です。
マスクをとると、大変な美女であることがわかります。
名前の由来は、芥川龍之介の短編小説『おぎん』の主人公からです。
【文豪ストレイドッグス】ギルドのキャラクター、能力一覧
フィッツジェラルド

背が高く、高級なスーツを身にまとった白人男性で、ギルドの団長です。
高慢で所有欲の強い人物ですが、基本的には仲間思いで、家族思いの人物です。
その一方で、目的のためならば、敵対者にも容赦がなく、現地住民の被害に気を配らない一面があります。
敦と芥川に敗れた後、オルコットと共に新生ギルドを創設します。
・モデルになった文豪「フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド」
20世紀初頭の米国で活躍した作家で、当時の奔放な若者を描いた作風で知られています。
本人も大変奔放な人物と知られていますが、世界恐慌の煽りを受けて、次第に没落し、酒におぼれて亡くなってしまいます。
・関連作品
映画「華麗なるギャッピー」
2013年にレオナルド・ディカプリオ主演で放映されました。同名の小説が原作です。
・異能力「華麗なるフィッツジェラルド」
異能力の名前は、フィッツジェラルドの小説「華麗なるギャッピー」が由来です。
金銭や貴金属などを課金すると、身体が強化される能力です。課金したお金が高ければ高いほど、身体能力もアップします。
ルーシー・モード・モンゴメリ

お下げにした赤毛の目立つ少女です。孤児院育ちで、当初はひねくれた一面が目立ちましたが、本来は優しい少女であり、敦が自分と同じ境遇を送ってきたとわかると、危険を顧みずに協力者となってくれます。
ギルドが崩壊した後は、探偵社のビルにある一階の喫茶店で働くようになります。
敦に恋心を抱いているので、時折、泉鏡花とぶつかり合うことがあります。
ぬいぐるみが大好きで、移動中のヘリにも大量に持ち込んだため、周囲からひんしゅくを買っていました。
・モデルになった文豪「ルーシー・モード・モンゴメリー」
「赤毛のアン」の作者として有名な女性作家です。教師や新聞社に勤めながら、小説家を志しました。
モンゴメリーはカナダ人作家ですが、英国文学の影響が強く、赤毛のアンの原語版には英国文学のパロディが一杯詰まっています。
・関連作品
世界名作劇場シリーズ「赤毛のアン」
赤毛のアンのアニメ化で、1979年にテレビ放映されました。
・異能力「深淵の赤毛のアン」
名前の由来は「赤毛のアン」で、アンと名付けられた不気味な人形のいる亜空間に閉じ込める能力です。
この空間に閉じ込められたら、アンと鬼ごっこをして勝たなければ出ることができません。
・類似能力
「魔法少女まどか☆マギカ」
魔女(特殊な異空間を創り出して閉じ込める能力を持つ)
ジョン・スタインベック

オーバーオールに鳥打帽を被った若い男性です。大家族を養うために、ギルドに入りました。
田舎の空気を好む実直な働き者であり、非常なギルドの任務も淡々とこなしていきます。
フィッツジェラルドとは対照的な人物であるため、彼の事を内心快く思っていませんでしたが、一方で、フィッツジェラルドも家族を助けるために行動したということを理解していました。
そのため、フィッツジェラルドの失脚後、ギルドを立て直すために暫定リーダーとなります。
・モデルになった文豪「ジョン・スタインベック」
スタインベックは、労働者の悲哀をテーマにした作品を発表しており「アメリカ文学の巨人」とまで言われています。
1962年にはノーベル文学賞を受賞しましたが、晩年の彼の評価は高いものではなく、生活苦であったそうです。
・異能力「怒りの葡萄」
名前の由来はスタインベックの大作「怒りの葡萄」からです。体に植え付けた葡萄を媒介に、植物を操る能力です。
樹木の振動を伝って、索敵を行うことも、植物の枝を操って、相手を拘束することもできます。
・類似能力
「幽遊白書」
蔵馬(植物を操る)
マーク・トウェイン

くせっ毛の茶髪に朗らかな性格をした若い男で、優れた狙撃手でもあります。
性格は奔放で遊び好きですが、時折、無神経な言動をして、周囲のひんしゅくを買っています。
ギルド崩壊後は米国に帰ったようです。
・モデルになった文豪「マーク・トウェイン」
「トム・ソーヤーの冒険」の作者として有名な文豪です。19世紀後半に活躍した作家であり、南北戦争で軍人として従軍した経験があります。
その他にも印刷工や船乗りなどを経験しています。
・関連作品
世界名作劇場「トム・ソーヤーの冒険」
1980年に「世界名作劇場」で放映されたテレビアニメです。
・異能力「ハック・フィン&トム・ソーヤ」
ハックとトムという、自我を持った小人型の異能生物を召喚し、狙撃の際の観測や弾丸調整を行う能力です。
双方とも、マーク・トウェインの小説「ハックルベリー・フィンの冒険」「トム・ソーヤーの冒険」の主人公の名前が由来となっています。
・類似能力
「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」
セックスピストルズ(拳銃や弾丸を操作する能力)
ルイーザ・メイ・オルコット

ショールを纏い、メガネをかけた上品な雰囲気の女性です。対人恐怖症気味で、知らない人から声をかけられただけで、絶叫して逃げ回ってしまいますが、団長のフィッツジェラルドだけは大丈夫な模様。
すぐれた情報処理能力を持っているため、作戦参謀として取り立てられています。
ギルド崩壊後は、行方をくらましたフィッツジェラルドを探し出し、共に。新生ギルドを創設することになります。
・モデルになった文豪「ルイーザ・メイ・オルコット」
「若草物語」の作者で有名な女流作家です。女性の自立を訴えるような作風が多く、アメリカでは、若草物語を読んだ多くの女性が本作に影響を受けています。
家庭的な物語を書いているイメージですが、実は、スリラー小説も多く発表しています。
・関連作品
アニメ「愛の若草物語」
1987年に「世界名作劇場」で放映されたテレビアニメです。
・異能力「若草物語」
異能の名前は、前述したオルコットの小説である若草物語からです。個室で考え事をしているときのみ、時間の流れが八千分の一になる能力です。
周囲からは、情報を基に未来を予測する能力と思われていますが、こちらはオルコットの情報処理能力によるものです。
・類似能力
「ドラえもん」
ドラえもんの秘密道具の一つ「時門(時間の流れを遅くする秘密道具)」
ナサニエル・ホーソーン

メガネをかけた牧師の衣装をまとった青年で、いつも聖書を手にしています。
いかなる関係かは不明ですが、マーガレット・ミッチェルの事を「お嬢様」と呼び、口喧嘩をしながらもいつも一緒に行動しています。
芥川との戦いで、ミッチェルと共に重傷を負ってしまい、未だに目が覚めない彼女を救うべく、ドストエフスキーと手を組むことになりますが、彼に脳をいじられて操り人形にされてしまいます。
・モデルになった文豪「ナサニエル・ホーソーン」
モデルになったナサニエル・ホーソーンは、宗教や人の善悪をテーマにした作品を発表しています。
また、「七破風の屋敷」や「人面の大岩」などにように、ゴシック小説や怪奇小説などを多く発表しています。
・異能力「緋文字」
名前は「ひもんじ」と読みます。自分の血液を操る能力で、聖書の文字を象って、防壁にしたり、「A(エース)」という文字の形にして、弾丸のように飛ばすこともできます。
壁に付着して、時間差で攻撃を行うトラップのようにすることも、空中に固定して足場にすることもできます。
名前の由来は、ホーソーンの小説「緋文字」からで、Aの文字は、本作のヒロインの衣服に着けられている刺繍からです。
・類似能力
「チェンソーマン」
パワー(血液を武器にする)
「GetBackers -奪還屋-」
赤屍蔵人(血液を刃に変える)
マーガレット・ミッチェル

豪華なドレスを身にまとった美女で、少々怒りっぽい性格です。
名家の出身ですが、家が没落しているため、家名を取り戻すためにギルドの作戦に参加しました。
ナサニエル・ホーソーンとは口喧嘩が絶えないようですが、芥川の攻撃から身を挺して彼を守ろうとするなど、二人の間に強い絆があるようです。
重傷を負って病院送りにされた際、多くの病院をたらいまわしにされたため、病状が悪化してしまいます。
最終的には、フィッツジェラルドが引き取り、敦と鏡花によって与謝野の元に運ばれ、治療を受けることになります。
・モデルになった文豪「マーガレット・ミッチェル」
20世紀初頭に活躍した女流作家で、「風と共に去りぬ」の作者で有名な人物です。
幼少時期に南北戦争時代を経験しており、この体験が風と共に去りぬに影響を与えています。
・関連作品
映画「風と共に去りぬ」
前述した作品を1939年に映画化。日本でも公開され、大変な人気を得ました。
・異能力「風と共に去りぬ」
風を操る能力ですが、少年漫画的な暴風や真空をつくりだすより、風化させるために使用することが多いようです。
エドガー・アラン・ポオ

目が隠れるほど、伸びた前髪が特徴の青年で、自ら「知の巨人」を名乗っています。
6年前に乱歩と頭脳勝負して敗北し、雪辱を晴らすために、ギルドの作戦に便乗して乱歩に再戦を仕掛けてきました。
結果的には再び敗北するものの、乱歩をヒヤリとさせたことから、ライバルとも親友ともつかないような間柄となります。
アライグマのカールをいつもつれていますが、時折噛みつかれています。
・モデルになった文豪「エドガー・アラン・ポウ」
モデルになったのは、米国の怪奇小説の鬼才であるエドガー・アラン・ポウ(ポー)です。
「モルグ街の殺人事件」で、世界初の探偵小説を執筆したことでも有名です。
日本でも多くの人が影響を受け、特に江戸川乱歩は、自身のペンネームをエドガー・アラン・ポウからとるほど、彼の影響を受けています。
・異能力「モルグ街の黒猫」
自身が書いた小説の世界に人を引きずり込む能力です。小説世界では謎を解かないと、元の世界に戻ることができず、また、この世界では異能を使うことができません。
名前の由来は、ポウの小説「モルグ街の殺人事件」と「黒猫」を合わせたものです。
・類似能力
「ドラえもん」
絵本入りこみぐつ(絵本の世界に入る秘密道具)
映画「ネバーエンディングストーリー」
読めば物語の世界に入り込める不思議な本
ハーマン・メルヴィル

体格のいい寡黙な老人で、ギルドの2代前の団長でした。
フィッツジェラルドと共に行動するものの、本来はそれほど戦いを好んでおらず、戦いが終わった後、特務課に投降しました。
・モデルになった文豪「ハーマン・メルヴィル」
ハーマン・メルヴィルは、「幽霊船」や「白鯨」等、海洋文芸を多く執筆したことで、有名です。
難解な内容が多いため、小説が認められるようになったのは死後30年経ってからです。
・関連作品
「ワンピース」
白ひげ海賊団の船の名前がモビー・ディック号で、白鯨(モビー・ディック)が由来となっています。
「白鯨伝説」
1997年に放映されたテレビアニメ。
映画「白鯨との闘い」
ハーマン・メルヴィルが白鯨と戦った男の話を聞く物語です。映画終盤で、メルヴィルはこの話を元に「白鯨」を執筆します。
・異能力「モビー・ディック」
名前の由来は、メルヴィルの小説「白鯨」の原語版のタイトルからです。
名の通り、空を飛ぶ白い鯨型の異能生物を召喚する能力ですが、ギルドによって改造されてしまい、メルヴィル自身は召喚とわずかな操作しかできません。
ちなみに白鯨は本来マッコウクジラですが、文ストではザトウクジラになっています。
・類似能力
「ワンピース」
ラブーン(巨大な黒クジラですが、体内を改造されているなど、文ストのモビー・ディックと共通点があります)
ハワード・フィリップス・ラヴクラフト

ボロボロの黒いコートを纏った長身の男です。スタインベックといつも一緒に行動しています。
銃で撃たれてもビクともしないうえに、首を折られてもすぐに治すなど、常人離れした身体能力の持ち主です。
終始けだるい振る舞いをして、木目模様を眺めているなど、奇行が目立ち、何を考えているのかわからない謎の男です。
・モデルになった文豪「ハワード・フィリップス・ラヴクラフト」
コズミックホラーの代表でもあるクトゥルー神話を生み出した作家です。世界各国にファンがおり、日本でも影響を受けた作家が大勢います。
・関連作品
「ラブクラフト傑作集」
クトゥルー神話の漫画化。作者は田辺剛。
「水瀬陽夢と本当はこわいクトゥルフ神話」
クトゥルー神話を基にして生み出された漫画作品。ストーリーを手がけたのは、文豪ストレイドッグスの原作者でもある朝霧カフカです。
・異能力「旧支配者」
名前は「グレート・オールド・ワン」と読みます。クトゥルー神話に登場する邪神が由来で、タコやイカなどの海洋生物が寄せ集まったような怪物の姿に変身する能力です。
太宰の人間失格を受け付けないため、異能であることを疑われています。
もしかすると、ラブクラフトの正体である可能性もあります。
【文豪ストレイドッグス】死の家の鼠のキャラクター、能力一覧
フョードル・ドストエフスキー

ロシアの異能組織「死の家の鼠」の首領です。ロシア帽を被り、マントをはおった血色の悪い男です。
性格こそ正反対ですが、太宰治に匹敵するほどの頭脳の持ち主で、双方ともライバルとして意識しているところがあります。
・モデルになった文豪「フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー」
ドストエフスキーは。ロシア帝国時代の作家で、代表作に「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」等があります。
「第二のゴーゴリ」と称されるほど人気を得ますが、社会主義のサークルに入ったことから、逮捕されて刑務所に収監されてしまいます。
その後も賭博にのめりこむ等、破天荒な人生を送っていました。
・関連作品
漫画「罪と罰」
手塚治虫は「罪と罰」に感銘を受けており、本作を漫画化しました。また、漫☆画太郎も本作をギャグマンガに変えて、漫画化したことでも有名です。
・異能力「罪と罰」
名前はドストエフスキーの名作「罪と罰」からです。現時点では、まったく正体不明の能力です。
ドストエフスキーがこの能力を使って人間に触れると、血を噴き出して死ぬことから、かなり恐ろしい能力であることが伺えます。
イワン・ゴンチャロフ

「死の家の鼠」の侍従長です。頭に巻いた布と長髪が特徴の男です。ドストエフスキーを狂信的に崇拝しており、彼の命令であれば、自分の顔を剥ぐことを厭いません。
ドストエフスキーの外科手術によって、脳の不幸を感じる部位が切除されています。
・モデルになった文豪「イワン・アレクサンドロヴィチ・ゴンチャロフ」
ロシア帝国時代の作家で、体表作「オブローモフ」をはじめとした多くの小説を執筆しています。
また、日本を含めた多くの国を旅したことから「ゴンチャローフ日本渡航記」という旅行記も執筆しています、
・異能力「断崖」
名前の由来はイワン・ゴンチャロフの作品「断崖」からです。岩を操る能力で、巨人のような形状にしたり、岩を分解して泥のようにすることもできます。
アレクサンドル・プシュキン

モヒカン頭の小太りの男です。豚のような笑い声をあげ、卑屈な人間性をしています。
ドストエフスキーに対する忠誠心も皆無で、逮捕されてしまうと、組織のことを喋りつくしてしまいます。
・モデルになった文豪「アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン」
名前の呼び名は、プーシキン以外にもプーシュキンであったり、プシュキンであったりします。
ロシア近代文学の先駆けともいうべき人物で、ドストエフスキーも彼を評価していました。
文ストのキャラクターとは違い、豪胆な人物でも知られています。
・異能力「黒死病の時代の饗宴」
名前はプーシキンの詩が元になっています。ウイルス型の異能生物を使役する能力です。
プシュキンは、ウイルスを二人の人間に宿し、48時間以内に片方が死ねばウイルスが解除されるという「共食い」という作戦を行いました。
小栗虫太郎

蝶ネクタイとスーツを纏ったきざな男です。元々は「隠滅屋」という裏社会の情報操作の専門家でしたが、ドストエフスキーに腕前を見込まれて、彼の協力者となったのです。
一見ひねくれた男に見えますが、実は友達思いの男です。
実は、特務課ともつながりがあり、太宰のマフィア時代に犯した罪状を浄化したのも彼でした。
・モデルになった文豪「小栗虫太郎」
小栗虫太郎は昭和初期に活躍した文豪で、主に探偵小説を執筆しています。
代表作は「黒死館殺人事件」で、夢野久作の「ドグラ・マグラ」と共に、日本探偵小説「三大奇書」と呼ばれています。
文ストでは「ヨコミゾ」という親友がいますが、実際の小栗虫太郎は、病床に就いた横溝正史の代理でデビューしたことから、横溝正史と縁があります。
この時に発表した作品が「完全犯罪」です。
・異能力「完全犯罪」
名前の由来は小栗虫太郎の小説「完全犯罪」からで、名前の通り、犯罪の証拠を消してしまう能力であり、探偵の天敵ともいうべき能力です。
【文豪ストレイドッグス】異能特務課のキャラクター、能力一覧
坂口安吾

メガネを掛けたスーツ姿の男です。参事官補佐をしているほど優秀な男で、ポートマフィアの潜入捜査官をしていたことがあります。
この時、太宰と織田作之助と友達になっていましたが、自身がスパイをしていたことで、織田を間接的に死なせる要因をつくってしまいます。
・モデルになった文豪「坂口安吾」
坂口安吾は、無頼派と呼ばれる作家で、同時期に生きていた太宰、織田作之助と親友同士でした。
文学だけでなく、囲碁や将棋の観戦記や、「堕落論」のような随筆まで執筆しています。
・関連作品
「ヤミの乱破」
戦後の日本を舞台にした細野不二彦のスパイ漫画です。主人公の勤める出版社で発行している雑誌の名は、「堕落画報」で、坂口安吾の「堕落論」から名付けられています。
・異能力「堕落論」
能力の名前は、戦後に発表された坂口安吾の随筆にして思想書「堕落論」からです。
物や人に触れると、その物に残った記憶を読み取ることができる能力です。
・類似能力
「サイコメトラーEIJI」
主人公である明日真映児の超能力「サイコメトリー(物に宿った記憶を読み取る能力)」そのものです。
種田山頭火

内務省異能特務課長官で、坊主頭の壮年の男性です。
清濁をあわせもった人物であり、探偵社の設立に尽力を注ぐ一方、マフィアに坂口安吾を潜入させ、森鴎外とつながりを持とうとします。
又、太宰を探偵社に推薦した張本人でもあります。
・モデルになった文豪「種田山頭火」
種田山頭火は大正から昭和初期にかけて活躍した俳人です。雲水姿で日本各地を放浪し、多くの句を残したことで有名です。
・異能力「鉄鉢の中へも霰」
異能力の呼び方は、「てっぱちのなかへもあられ」です。
能力は、自分の近くで異能が発動された場合。瞬時にその異能の性質を把握する能力です。
【文豪ストレイドッグス】猟犬のキャラクター、能力一覧
福地桜痴(ふくちおうち)

軍警最強の特殊部隊「猟犬」の隊長です。豪快な性格をしている一方、怜悧な判断力の持ち主で、猟犬を統率してゆきます。
元々戦場で多くの功績をのこした英雄であり、多くの信奉者がいます。
又、猟犬は福地を含めて、全員が身体強化の手術を施されています。
福沢諭吉の幼なじみで、時折、酒を酌み交わす仲でもあります。
・モデルになった文豪「福地桜痴」
福地桜痴はジャーナリストから議員、小説家など幅広い活躍をした人物です。
生まれたのは幕末で、幕臣となりましたが、江戸時代が終わりを迎えようとするころに「江湖新聞」という新聞を創刊した後、大蔵省に入省しました。
福沢諭吉とも懇意であり、二人そろって「二福」と呼ばれていました。
・異能力「鏡獅子」
名前は「かがみじし」と読みます。由来は福地桜痴の小説からです。手に持っている武器の力を五倍にする能力です。
武器と認識したものであれば、鉄パイプや松明の炎でも、五倍の力になります。
大倉燁子(おおくらてるこ)

「猟犬」の副長。見た目はサイドテールにした幼女ですが、異能力で年齢をコントロールしているため、本当の年齢は不明です。
拷問の達人であり、悪魔すら平伏すとまで言われるほどです。
・モデルになった文豪「大倉燁子」
大倉燁子は明治から昭和にかけて活躍した女流作家で、探偵小説を執筆したことで有名な作家です。
・異能力「魂の喘ぎ」
能力の名は「たましいのあえぎ」と読みます。由来は大倉燁子の探偵小説からです。
自身を含めて、触れた相手の年齢をコントロールする能力です。
・類似能力
「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」
ザ・グレイトフルデッド(老化の能力を持つスタンドです)
条野採菊(じょうのさいぎく)

優れた感覚能力を持つ「猟犬」の一員です。目だけは見えていませんが、他の感覚がずば抜けて鋭く、心拍数の変化を聞いただけで敵の嘘を見破ってしまいます。
物腰は穏やかで礼儀正しいですが、本当はかなり冷酷な人物です。
・モデルになった文豪「条野採菊」
条野採菊は、幕末から明治にかけて活躍した作家で、息子は日本画で有名な「鏑木清方」です。
福地桜痴らと「江湖新聞」を創刊し、ジャーナリストとしても活躍しました。
・異能力「千金の涙」
体を粒子の集合体に分解して、実体を失くしてしまう能力です。ある一定量の粒子が破壊されると元に戻れなくなるという欠点があります。
・類似能力
映画「ガス人間第一号」
作中に登場する、科学実験の失敗によって誕生したガス人間。体をガス状に変える能力を持っています。
「COPPELION(コッペリオン)」
市川迷砂(自身の体を流砂状に変化させることができます)
末広鐵腸(すえひろてっちょう)

「猟犬」の一人で、優れた剣技を持つ武人です。単純な戦闘力だけなら、猟犬の中では最強の分類になります。
基本的に正義感の強い性格をしていますが、異様なほどマイペースなうえに、味覚をはじめとする感覚がおかしく、条野から嫌われています。
・モデルになった文豪「末広鉄腸」
名前は末広鐵腸とも書きます。幕末から明治にかけて活躍した作家で、新聞記者や衆院議員も勤めていました。
政治小説を多く執筆したことで、有名です。
・類似能力「雪中梅」
能力の名前は「せっちゅうばい」と読みます。具体的にいかなる能力なのかは不明ですが、使っている刀の形状を変化させる能力のようです。
立原道造(ネタバレあり)

「猟犬」の一人です。当初はポートマフィアで潜入捜査官をしていたので、正体不明の五人目の猟犬とされていました(ポートマフィアの項も参照)。
マフィアに潜入していたころは、典型的なチンピラ風の若者でしたが、実際の立原は、実直で律儀な性格をしています。
坂口安吾が抜けた後にマフィアに入り、鴎外を監視していました。
・異能力「真冬のかたみ」
名前の由来は立原道造の詩からです。金属を操る能力で、金庫をあけたり、爆発の破片を防いだりと、かなり細かい作業ができる能力です。
ただし、巨大な物体を操ることはできません。
・類似能力
「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」
メタリカ(磁力によって鉄を操るスタンド。)
【文豪ストレイドッグス】天人五衰のキャラクター、能力一覧
ゴーゴリ(アニメ版ではニコライ・G)

天人五衰のメンバーです。見た目はマジシャンと道化師を合わせたような恰好をし、喋り方も、人を食ったような感じで、腹の内がわからない人物です。
ドストエフスキーを親友と言う一方で、彼を殺そうとするなど、行動原理もまったく不明な人物です。
・モデルになった文豪「ニコライ・ゴーゴリ」
ゴーゴリはロシア帝国時代の作家ですが、本来はロシア人ではなくウクライナ人(当時はロシア帝国領)です。
妄想や幻想を現実化したような、奇抜な作風が最大の特徴です。
・異能力「外套」
名前の由来はゴーゴリの短編小説「外套」からです。ゴーゴリが纏っているマントの内側に、別の空間をつなげてしまう能力。
この能力を利用して、別の場所にある物体を取り出すことができます。
・類似能力
ドラえもんの秘密道具「とりよせバッグ(別の場所にある物をとりよせるバッグ)」
フョードル・ドストエフスキー
※死の家の鼠の項を参照
神威(ネタバレあり)
「天人五衰」のボスで、その正体は、猟犬のリーダーである福地桜痴です。
多くの戦場を駆け、様々な功績を成した福地ですが、一方で自身も汚れ仕事を行うようになり、そして凄惨な戦場を目の当たりにしていくようになります。
そして、いつの日か、福地は国家の存在に疑問を持ち、アナーキストとなったのです。
尚、天人五衰とは、「天人」すなわち為政者に死をもたらすという意味で付けられています。
シグマ

「天人五衰」の一人で、天空カジノの総支配人です。本名はおろか、すべての経歴が謎に包まれた存在です。
正体は、現実改変の力を持つ「本」の力によって生み出された存在です。
生まれも育ちも、本人にはまるでわからないため、アイデンティティが希薄であり、そのためカジノを自分の「家」と認識し、強く執着しています。
・モデルになった文豪「不明」
・異能力「不明」
相手に触れることで、「自分の知識の中で相手が最も知りたい情報」と「相手の知識の中で自分が最も知りたい情報」を入れ替える能力です。
ブラム・ストーカー
「天人五衰」の一人で、普段は棺の中で眠っています。陽光に弱い体質である一方、不死の肉体を持ち、古い時代から生きながらえています。
現在は首だけで生きており、本心では殺しや災厄を望んでいませんが、首に突き立てられた特殊な剣により身動きを封じられ、福地桜痴の「武器」として扱われています。
自身の棺に隠れた幸田文をかくまったことから、彼女と行動を共にします。
・モデルになった文豪「ブラム・ストーカー」
ブラム・ストーカーは「吸血鬼ドラキュラ」の原作者として有名な作家です。
尚、ドラキュラは、ワラキア公国の君主である「ヴラド・ツェペシュ」をモデルにして生み出されています。
・異能力「吸血種」
吸血鬼ドラキュラのように、噛むことで人をヴァンパイアにする能力です。
【文豪ストレイドッグス】時計塔の従騎士のキャラクター、能力一覧
デイム・アガサ・クリスティ爵
https://twitter.com/wasavi_touken/status/975645378702852096
欧州政府の異能力集団「時計塔の従騎士」の近衛騎士長の地位にある女性です。
現時点では活躍をしていませんが、英国女王と国家を守る地位にあり、その権限と能力はかなり高いものと思われます。
・モデルになった文豪「アガサ・クリスティ」
英国ミステリーの女王と呼ばれる女流作家で、エルキュール・ポアロやミス・マープルなどの探偵達の生みの親です。
ちなみにデイムとは、英国で女性に付けられる叙勲(じょくん)で、男性で言うと「騎士(ナイト)」に該当する称号です。アガサ・クリスティは1971年に、この称号を授かりました。
・異能力「そして誰もいなくなった」
名前の由来は、アガサ・クリスティの推理小説からです。
現時点では一切が不明です。
【文豪ストレイドッグス】その他のキャラクター、能力一覧
夏目漱石

インバネスコートに山高帽、そしてステッキを持った初老の男です。
神出鬼没の謎の異能力者で、政府の要人にも顔の効く人物です。
漱石は、昼が軍警と特務課、夜がマフィア、そして夕刻を探偵社に守らせることによって、ヨコハマの治安を維持する「三刻構想」という案を立ち上げました。
探偵社のうしろだてとなった人物でもあります。
・モデルになった文豪「夏目漱石」
夏目漱石は明治の文豪で、近代文学を代表する人物であり、東京帝国大学講師を勤める傍ら小説を書いていました。
社会を客観的に見つめる怜悧な作風である一方、「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」のように、エンターテイメント性の強い作品も書いています。
・関連作品
「坊ちゃんの時代」
森鴎外の項でも紹介した明治の文豪たちが活躍する漫画です。本作では夏目漱石が主人公格となっています。
・異能力「吾輩は猫である」
猫に変身できるということ以外、詳細は不明です。太宰に言わせると「万物を見抜く最強の異能」であるとのこと。
田山花袋

メガネをかけた冴えない風貌の男で、国木田の旧友でもあります。
元は探偵社に勤めていましたが、いかなる理由なのか退職してしまい、現在はハッカーとなっています。
国木田とは現在でも交友があるようですが、出不精のうえに、愛用の蒲団から出てこようとしないため、会うのにも困難な人物です(蒲団には芳子と名付けている)。
女性と話すのが苦手で、一目惚れした相手(芥川の妹である銀)にも、まったく近づけない有様です。
・モデルになった文豪「田山花袋」
田山花袋は、明治から大正時代にかけて活躍した文豪で、自然主義文学の推進者でもあります。
国木田独歩と交流があったことでも有名です。
・異能力「蒲団」
電子機器をコントロールする能力で、その精度の高さは軍の電脳戦部隊に匹敵するとのことです。
ただし、愛用の蒲団の中に入っていないと力を発揮できません。
名前の由来は田山花袋の小説「蒲団」からで、蒲団の名前「芳子」の由来は同名の小説に登場するヒロインの名前からです。
・類似能力
「ジョジョの奇妙な冒険 第3部」
ハーミットパープル(電子機器にアクセスしたり、あらゆるものを媒介にして情報を読み取る能力)
箕浦

探偵社の取次ぎをしている刑事で、時折、乱歩と共に事件を追っています。
当初は、乱歩の能力に懐疑的でしたが、彼が事件を解決してからは、信頼関係を結んでいます。
名前の由来は、江戸川乱歩の小説「孤島の鬼」の登場人物からです。
幸田文

関西弁を喋る10歳くらいの少女です。地下鉄の爆発事件に巻き込まれたところを国木田に助けられます。
その後、天人五衰の事件で、黒幕が福地であることを知ってしまい、ブラムの棺の中に隠れたことから、彼と行動を共にすることになります。
・モデルになった文豪「幸田文」
戦後に活躍した女流作家で、父親は明治時代の文豪である幸田露伴です。
尚、幸田露伴は「ジョジョの奇妙な冒険」に登場するキャラクター、岸部露伴の名前の由来となった文豪です。
露伴は娘への躾がかなり厳しかったらしく、文の随筆「幸田文 しつけ帖」にそのことが記されています。
【文豪ストレイドッグス】人間関係は?
コンビ、相棒は?
文ストのキャラクター達は、時折、コンビで動いています。主人公の中島敦であれば、太宰治(正確に言うと師)、泉鏡花、そしてライバルである芥川等とコンビを組んでいます。
太宰治は、マフィア時代は中原中也、探偵社時代は国木田を相棒にしており、時代と共にコンビが変わっています。
また、現在では対立していますが、福沢諭吉と森鴎外は、以前コンビを組んで戦っていたことがあります。
他にも、江戸川乱歩は箕浦とコンビを組んでいますが、こちらはホームズとワトソンのような間柄となっています。また、乱歩はポウとも組んで動くことがあります。
師弟関係は?
太宰治は、中島敦を弟子としています。一方、マフィア時代の頃は芥川を弟子にしていました。
中島敦は、国木田からも探偵の実務を時折教わっており、国木田も敦の師でもあります。
泉鏡花はマフィア時代、尾崎紅葉の弟子(というよりは妹分)のような扱いを受けていました。
これは文豪の泉鏡花が尾崎紅葉の弟子であったことが由来となっています。
又、太宰は少年時代に鴎外の弟子のようなポジションであり、その証として、黒いコートを与えられました。そして、太宰が芥川の弟子としたときは、同じ黒いコートを与えています。
これはポートマフィアの習わしで、自分が勧誘した新人に、何か身に着けるものを与えるという決まりがあるためです。
敵、ライバルは?
文ストのライバル関係は以下の通りです。
中島敦は芥川、太宰治はドストエフスキー、乱歩はポウ、福沢は鴎外です。
ライバルと言っても、キャラクターごとに関係性は違っており、敦と芥川は、反目しあいながらもどこか相手の理解者となっており、太宰とドストエフスキーは似たもの同志でありながら、平行線をたどる間柄です。
福沢と鴎外は、過去にパートナーとなっていましたが、現在は反目しあう間柄となっています。
乱歩とポウは、最初は敵対していましたが、近年は友達のような間柄になっています。これは文豪の乱歩が、エドガー・アラン・ポーに影響を受けていたのが由来となっているようです。
恋愛関係は?
中島敦は、泉鏡花とモンゴメリーの双方から恋心を持たれており、いわゆる三角関係になっていますが、肝心の本人が朴念仁であるため、どうにも恋愛関係に発展する様子が見えません。
一方、芥川は樋口から恋心を持たれていますが、こちらは戦いの事ばかりで、樋口の気持ちに気づいている様子はありません。
【文豪ストレイドッグス】全キャラ一覧のまとめ
文ストのキャラクター達は、単に文豪をモデルにしているだけでなく、秘密の多いキャラクターが多いので、これからも驚くような事実が出てくるかもしれません。
手掛かりとなるのは、実在の文豪たちの作品や逸話なので、本作をきっかけに文豪たちの本を読んでみてください。