最終章に突入してから、ハンコック、ローなど、次々に襲いかかり、世界をかき乱し続ける黒ひげこと、マーシャル・D・ティーチ。

今回はそんな黒ひげの強さを支える「ヤミヤミの実」の能力や詳細について、徹底解説・考察していきます。

ヤミヤミの実の能力とは?

種類は自然系(ロギア系)!

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

ヤミヤミの実は、悪魔の実の「自然系(ロギア系)」に分類される実で、歴史上最も凶悪な力を持っているとされています。

ロギア系は基本的に自然物を由来とした能力で、能力者の体を自然物そのものに変化させられます。
また自然物に変化させられるという特性上、物理攻撃をすり抜けることが可能です。

この身体の流動性がロギアの強みとなるのですが、ヤミヤミの実はロギアで唯一攻撃を受け流すことが出来ません。

ヤミヤミはその名の通り、「全てを呑み込む闇」をモチーフにしており、あらゆる物体を引き込みます。
その為、体を流動化させて攻撃を受け流せないのです。

ですので、分類上はロギア系となっていますが、人間体のまま超能力が使える「超人系(パラメシア)」に近い能力と言えます。

能力無効の能力!?

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

ロギア系最大の強みである「物理攻撃無効」を失っているヤミヤミですが、それを補って余りある能力を持っています。
それが、悪魔の実の能力無効化です。

ヤミヤミはあらゆるものを引き寄せる力を持っていますが、悪魔の実の能力者も例外ではありません。
ヤミヤミの能力者すらも正確に引き寄せ、体に触れている間は能力を使用不能にさせます。

ロギア系の対策として覇気などが挙げられますが、ヤミヤミは能力自体を無効化するため、ロギア系の天敵と言えるでしょう。

また超人系や動物系に関しても例外ではなく、白ひげですらこの能力の前では無能力者同然となります。


ブラックホールの引力で実体を引き込む

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

先述した通り、ヤミヤミは無機物、生物問わずあらゆるものを引き寄せる引力を使用出来ます。
それは光すらも脱出することが出来ない、ブラックホールのような性質を持っているようです。

また引き込んだものを任意のタイミングで、放出させることも可能となっています。
闇の中がどうなっているのかは詳細に描かれていませんが、相当の重力も伴っているようです。

その為、引き込まれたものが外に出てきた際には、無機物は原型を留めておらず、生物なら闇の深さに精神崩壊を起こします。

能力者相手には無敵の防御力を誇り、攻撃に関しても広大な範囲攻撃が可能と、攻防に優れた能力です。

ダメージも必要以上に?

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

強力なヤミヤミの能力ですが、物理攻撃を抜けられない以外にも、もうひとつ致命的な弱点を抱えています。
それはダメージを必要以上に受けてしまうという点です。

ヤミヤミは「あらゆるものを引き寄せる」という性質があります。
そして、それは相手の攻撃に関しても、例外ではないのです。

その為、物理攻撃を受け流すことが出来ず、むしろ必要以上にダメージを負ってしまいます。
また能力者である黒ひげの慢心しがちな性格も相まって、作中では滅多撃ちにされる場面も珍しくありません。

常人なら間違いなく死んでいる攻撃が多く、黒ひげの異常な頑丈さのお陰で生き永らえている場面も多く見られます。

ヤミヤミの実の技の種類や強さ

闇水(くろうず)

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

ここからは黒ひげが使用する、ヤミヤミの能力を用いた技を紹介していきます。
まずは「闇水(くろうず)」です。

掌から渦のような形をした闇の引力を発生させ、相手を強制的に引き寄せます。
相手が能力者の場合は、実体を正確に引き寄せることが可能で、手に触れている間は能力を無効化できます。

作中では黒ひげを追いかけてきたエースに使用したのが、初となりました。
かなり強い引力を持っているようで、エースはなす術もなく引き寄せられています。

闇水そのものに攻撃力はありませんが、黒ひげ自身のフィジカルの強さで、能力が使えなくなったエースを肉弾戦で追い詰めていました。

能力者、特にロギア系は痛みと無縁なため、実体での肉弾戦はかなり有効なようです。


闇穴道(ブラック・ホール)

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

続いて紹介するのは「闇穴道(ブラックホール)」です。地面に広げた闇に、生物、無機物問わず引き摺り込む技となっています。

建物でも引き摺り込むことが可能な上、広範囲に渡って闇を展開できるので、作中ではこの技によって街ひとつが闇に消えました。

無限の引力で物体を凝縮させ押しつぶすため、引き摺り込まれた物体は原型を留めません。
また生物が引き摺り込まれた際は、光も届かない闇によって、精神異常を起こすようです。

ただ引き摺り込むまでに多少の時間がかかるため、その隙をついて能力者を攻撃すれば技をキャンセル出来ます

特に白ひげのような、黒ひげより肉弾戦に優れる相手には、有効打を与えられない技です。

解放(リベレイション)

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

次に紹介するのは、闇穴道と共に使用する機会が多い「解放(リベレイション)」です。
その名の通り、闇穴道で取り込んだ物体を、闇から放出する技となっています。

更に物体をただ吐き出すだけではなく、攻撃に転じることが可能です。
例えば建物などを取り込んでいた場合、解放によって瓦礫の雨を敵の頭上に降らせることが出来ます。

闇穴道と同じく、かなり広範囲に渡る攻撃です。
そして筆者としては、これがヤミヤミの実の中で、最もロギアらしい特徴だと感じています。

ロギア系の特徴として、攻撃範囲の広さが挙げられます。
例えばメラメラの実のように、自然現象で相手を一網打尽にする様は印象的ですね。

そういう意味では、闇穴道と解放は、非常にロギア系らしい技と言えるでしょう。

黒ひげがヤミヤミの実を選んだ理由を考察

最強の悪魔の実だから?

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

ここからは、「なぜ黒ひげはヤミヤミの実を選んだのか?」について、考察していきます。
まずひとつめの説として、単純に「最強の悪魔の実」だからです。

黒ひげはヤミヤミの実を手に入れるために、何十年と白ひげの船に身を置いていました。
しかも「運がなければ諦めた」と言うほど、ヤミヤミに全てをかけていたのです。

そして友人だったサッチがヤミヤミを手に入れたことで、サッチを殺害。
白ひげの船で唯一禁じられている「仲間殺し」を起こしました。
そんな白ひげの怒りを買うような行動を起こしてまで実を手に入れたのは、「白ひげを倒す自信があったから」ではないでしょうか?

作中でも語られている通り、白ひげはロジャー亡き後「世界最強の男」と呼ばれていました。
そんな男の怒りを買ってまで手に入れた実ですから、当然「最強の男を殺せる最強の力」でなければ釣り合わないでしょう。

事実世界を滅ぼせるような白ひげの力も、ヤミヤミの前では無効化されていました。

他人の能力を奪えるから?

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

もうひとつ考えられる理由として、ヤミヤミには「他人の能力を奪う」力があるということです。

白ひげを殺害した後、黒ひげは白ひげの死体に黒い布をかけ、その中で何かを行っていました。
その後布から出てきた黒ひげが、白ひげのグラグラの実の力を手に入れていたことは、皆さんご存知ですよね?

この能力を奪ったシーンは未だ謎に包まれており、どのようにして能力を奪ったかについては明らかになっていません。
しかし黒ひげ海賊団はその後も「能力者狩り」と呼ばれる行為を行っており、海賊団の幹部は全員が能力者となっています。

そのため、黒ひげの存在があることで、能力の奪取という行為が成り立っていると考えていいでしょう。

またヤミヤミの実の力がなくても能力を奪えるなら、サッチが実を食した後でも奪えていたはずです。
そのため、「能力の奪取にはヤミヤミの実の能力が必要」と、筆者は考えています。

ヤミヤミの実について考察!

正体は月の神!?

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

ここからはヤミヤミの実の正体や能力について、幾つか掘り下げて考察していきます。
まず最初に取り上げたいのが、「ヤミヤミの実には本当の名前があるのでは?」という説です。

ワノ国編において、ルフィのゴムゴムの実の真の名前が「ゾオン系 ヒトヒトの実 幻獣種 モデル”ニカ”」だったことが判明し、話題を呼びました。
そしてこの「ルフィが太陽の神」という事実から、ひとつの考察が生まれたのです。

それが「ルフィの対になる月の神の能力があるのでは?」というものでした。
筆者としては、この説かなり有力なのでは?と考えています。

そう考える根拠のひとつとして、「月の引力」が挙げられます。
月の引力が地球に及ぼす影響は大きく、特に潮の満ち引きは月の引力によって、海水が引っ張られることによって発生します。
そしてヤミヤミの実の力の、最たるものは引力ですね。

他にも月は夜に現れる=闇の世界をもたらすことなど、月とヤミヤミの実の繋がりは多く考えられます。

そしてバナロ島の戦いにおいて、黒ひげはエースに対して「太陽か闇か勝者は1人」と発言しています。
この際はエースに向けた言葉ですが、今後の展開に対する伏線とも見て取れますね。

本当は弱い!?

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

次に考察するテーマは、「ヤミヤミの実は本当は弱いのでは?」という説です。

ここまでも何度か話してきましたが、ヤミヤミには多くの弱点が存在しています。
特に「攻撃を引き寄せる」と言うのは、致命的すぎる弱点です。

そして、元々水が苦手になるという弱点がありながら、他の能力者のように海上を移動する手段もないなど、リスクばかり見られます。

更に能力を無効化できると言っても、相手が白ひげのように肉弾戦を得意としていると、全く意味がありません。
実際白ひげは肉弾戦で黒ひげを倒し、掌を封じて能力を使用するなど、すぐに対策されていました。

そういった格上との戦いでは、むしろ攻撃を引き寄せる分、不利になってしまいます。

こうして言葉にしてみると、如何にヤミヤミの実が常人には使えないどころか、最弱の能力になってしまうと分かるでしょう。

ヤミヤミはあくまで、黒ひげが使うから最強なのです。
それを証明する様に黒ひげは、「この能力は俺を選んだ」とも話していました。

ヤミヤミの実の前任者は誰?

前任者はロックス!?

ロックス・D・ジーベック
出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

歴史上最も凶悪で、使い勝手の悪いヤミヤミの実ですが、その前任者について以前から多くの考察がされてきました。
その1人がロックス海賊団の船長、ロックス・D・ジーベックです。

ロックスといえば、後の四皇となる若かりし頃の白ひげ、カイドウ、ビッグ・マムを従えていた海賊でした。
そして海賊王ロジャーにとって「最初にして最強の敵」とも言われています。
そんな最強格の海賊が、「歴史上最も凶悪」と呼ばれた能力を持っていても、不思議ではありません。

また黒ひげと頂上戦争で対戦した白ひげは、すぐに掌を封じるという対策方法を見出しました。
これは白ひげの戦闘センスが高いことに合わせて、「ロックスがヤミヤミの力を使うところを昔見ていた」という可能性も考えられます。

ロックスと黒ひげの関係

海賊島ハチノス
出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

ヤミヤミの前任者と噂されるロックスですが、実はロックスと黒ひげには多くの関連性があります。

まず黒ひげが旗艦としている船の名前が、「サーベルオブジーベック」とロックスの名前を冠しているのです。
更に黒ひげが現在根城にしている「ハチノス島」は、かつてロックス海賊団が根城とした場所でした。

他にもロッキーポート事件と、ゴッドバレー事件のように、多くの共通点が見られる2人ですが、これらは偶然ではないと考えています。

実は黒ひげの趣味が、「歴史研究」であるとSBSで明かされています。
そのため、研究の中でヤミヤミの実と、前任者であるロックスの存在を知り、その軌跡を追っているとも考えられます。

余談ですが、1080話にて黒ひげは「海賊島を世界政府に所属する島」にしたいと語りました。
それが実現すれば、黒ひげは"国王"としての地位を得ることになるでしょう。

そして筆者は、国王となった先の夢として、「世界の王」があるのでは?と考えています。
なぜならロックスもかつて、「世界の王」になることを夢見ていたからです。

もし黒ひげがロックスの軌跡を辿っているのだとしたら、この「国王になりたい」という目標にも納得がいきませんか?

ヤミヤミの実についてのまとめ

ここまで「ヤミヤミの実」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

黒ひげと共に何度も登場している能力ですが、全ての謎が明かされたとは言い切れません。
しかも物語が進むごとに様々な説が飛び交い、謎が深まっていっているようにも感じます。

「ワンピース」最終章に突入してから、黒ひげはかなり精力的に活動しています。
そのため、そろそろヤミヤミについても言及されると期待したいです。

おすすめの記事