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2021年には「次にくるマンガ大賞」を授賞し、2023年から放送されているアニメも大盛り上がりと、不動の人気を獲得しつつある『推しの子』。
なぜここまで『推しの子』は支持されるのか?名シーンの数々と共に、その魅力に迫っていきたいと思います。
多くの名シーンを生み出す『推しの子』とは?
芸能界を舞台にしたサスペンスストーリー!

『推しの子』は芸能界を舞台として、復讐を軸にしたサスペンスストーリーです。
主人公アクアは復讐を、妹のルビーはアイドルとして輝くことを夢に、それぞれの成長を描いているのが本作の特徴となっています。
この復讐×アイドルのキラキラ感という、本来喧嘩しそうな要素が、絶妙なバランスで成り立っているのが魅力の1つです。
筆者としてはダークな作風に、しっかり込められたアイドルらしい”熱さ”が、非常に癖になります。
赤坂アカ・横槍メンゴのタッグで描かれる

『推しの子』は原作者と作画に分かれた、いわゆるタッグで描かれています。
原作は『かぐや様は告らせたい』の赤坂アカ氏。
作画は『クズの本懐』で知られる横槍メンゴ氏が担当です。
それぞれ根強いファンがいる作品となっているため、このタッグには多くの人が歓喜したでしょう。
ただそれぞれ癖の強い作家であるのも事実で、「個性が喧嘩しないか?」との声もありました。
しかし蓋を開けてみると、赤坂氏の人間的な生々しいの作風と、横槍氏の絵柄が絶妙にマッチしており、一気に人気作品へと駆け上がったのです。
『推しの子』の名シーンを一覧で紹介!
ここからは筆者が厳選した『推しの子』の名シーンを、各エピソードごとに紹介していきます。
選出の基準として「筆者が読んでいて衝撃を受けたかどうか?」「多くの人の心に残っているか?」を重視しました。
そのため、「自分が好きなあのシーンがない!」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は是非コメント欄で、あなたの「推しシーン」を教えてください!
【推しの子】幼少期編
ゴローがアイの出産を手伝うことを誓う(1巻1話)

記念すべき第1話のシーンです。推しであるアイが妊娠して、自身の勤務する病院へやってきたことに、動揺を隠せないゴロー。
ファンであり、医者であるゴローは、自身がどう立ち回るべきか葛藤します。
しかし、アイの「アイドルを続ける」「母親になる」その両方を叶えようとする姿に心を打たれ、アイの出産をサポートすることを決意しました。
推しの願いを叶えることを誓うゴローは、まさにファンの鏡ですね。
(推しが妊娠していたら筆者だったら倒れる自信がある)
アイがアクアとルビーに「愛してる」と伝える(1巻9話)

アニメでも恐らく多くの人が涙したであろうシーンです。
人の「愛し方」が分からなかったアイ。
それでも心から人を愛してみたくて、アイドルとして「愛してる」という嘘を吐き続けていました。
嘘が本当になることを信じて。
しかしアイドル活動の中で本当は見つけられず、子供達に「愛している」と告げることも出来ませんでした。
子供達への「愛」が嘘だと知ることが怖かったからです。
しかし死の間際、最後の力を振り絞りアイは、愛しの子供達に愛を伝えます。
その言葉は嘘ではなかった。「想いは嘘でなかった」事実にアイは感涙しながら、その生涯を終えます。
アイの死の真相については下記の記事で解説していますので、気になる方はチェックしてみてください!
アクアが復讐を決意(1巻10話)

推しであり、母親であったアイを失ったアクア。
更にアイを殺した実行犯も自殺し、復習する相手すらおらず、生きる意味を失い自殺することすら考えます。
しかしただの大学生が、アイの住所を知った理由などから、「情報を提供した人間」がいることに気づきました。
そして、その人物が自分達の父親であることにも。
こうして自身の父親に復讐を誓った瞬間、アクアの瞳の星が黒く変わります。
アクアの復讐の物語の始まりとして、外せないシーンですね。
【推しの子】芸能界編の名シーン
有馬がアクアが芸能界に残っていたことへの想いを伝える(2巻16話)

高校生になって、有馬かなと再会したアクア。
子役時代からアクアと再開することを望んでた有馬は、アクアに自身が出演するドラマで共演することを望みます。
しかし幼少期アクアの異質な演技は転生者だからこそのもので、高校生となった今ではアドバンテージを失った普通の役者となっていました。
それでも有馬は、アクアの演技を「ずっと努力してきた人の演技」と肯定します。
そして自分と同じく、「芸能界でもがいていた仲間」がいたことが嬉しいのだと、アクアに告げました。
子役と言える時期を過ぎ、オワコン扱いされてきた有馬の苦労と、その日々で変わっていったアクアへの想いが伝わってくる名シーンです。
アクアの「使えるものを全て使う」演技が炸裂(2巻17話)

アクアがその演技力を発揮し、現場の空気を一変させる痛快なシーンとなっています。
そして今後のアクアの活躍を期待させる作中屈指のパンチラインです。
アクアは「自分はアイみたいな才能はない」と語りますが、それは少し誤解しています。
アイも使えるものを使って人々の視線を釘付けにし、自身を「特別」だと演出していた嘘つき(アイドル)でした。
つまりアクアにも自身へ「視線を集める」テクニック、自分を魅せる力が備わっています。
有馬がアクアに恋に落ちる(2巻17話)

現場の全てを使って、場を盛り立てたアクアに応えるように、有馬も最高の演技を披露します。
ずっと下手くそな役者の中では浮いてしまうと、本気を出せなかった有馬に、アクアは見せ場を作ってくれたのです。
そんな本気を出させてくれたアクアに、有馬は恋に落ちる『推しの子』序盤屈指の名シーンです。
筆者としてはこの有馬の気持ち、痛いほど分かります。
だって「いい作品にしたい」という自分の意図を汲んで、最高の演技をしてくれた相手を、好きにならない訳ありませんよね?
有馬かなについては下記の記事で詳しく解説していますので、気になる方はチェックしてみてください!
【推しの子】恋愛リアリティーショー編
アクアがあかねを救う(3巻25話)

アクアの出演する恋愛リアリティーショー「今ガチ」。
撮影は滞りなく進んでいましたが、撮影終盤に番組内の不運な事故の部分だけを切り取られ、共演者の黒川あかねが炎上してしまいます。
元々舞台での演技がメインで、ネットで多くの人の目に晒されるのは初めてでした。
その為自分への批判と真っ向から向き合ってしまい、あかねは徐々に心を病んでいきます。
そして台風がやってきたある日、徐に外出したあかねの中で何かの糸が切れ、飛び降り自殺を測ります。
そんなあかねを抱き寄せ、自殺を止めたのがアクアでした。
「俺は敵じゃない」とあかねを落ち着かせようとするアクア。
世間を敵にしたような気分になっていたあかねには、アクアの存在は何よりも嬉しかったでしょう。
あかねがアイを完璧に演じる(3巻29話)

アクアに救われたことをきっかけに、あかねは番組内で「アクアの好みの女性」を演じることを決意します。
そしてアクアの好みの女性がアイだと知ると、狂気的なまでのプロファイリングを行い、アイをトレースしました。
そして番組復帰と共に、そのアイと違わぬカリスマ性を披露し、スタッフ、演者、視聴者全ての視線を独り占めしたのです。
このあかねが初めてアイの演技をするシーン。
アニメではED曲の盛り上がりと共に、あかねの星が宿った瞳を見せた描写は天才的でしたね。
アクアがあかねにキスする(3巻30話)

アイの思考をトレースしたあかねを、復讐のために利用できると考えたアクアは、あかねを手放したくないと考えます。
そのために番組のクライマックスであかねに告白し、その場でキスまでしたのです。
それをあかねも受け入れ、晴れて2人の歪な恋人関係は始まったのでした。
このキスシーン、キスを受け入れるあかねの顔が艶かしく、メンゴ氏の本気が伺えます。
アニメではさらに艶かしく描かれており、画面の前で発狂した方も多いのではないでしょうか?(それは私です)
【推しの子】ファーストステージ編の名シーン
MEMちょがB小町加入(4巻32話)

「今ガチ」の収録が終わった後、アクアに「アイドルになること」が夢だったことを語るMEMちょ。
そんなMEMちょを、アクアはB小町へとスカウトします。
しかし実年齢は25歳なのに、18歳と偽って活動していたMEMちょは、「25がアイドルなんて」と夢を諦めようとします。
そんなMEMちょにルビーは、「年齢なんて関係ない」「憧れは止められない」と告げ、手を差し伸べるのでした。
筆者はこのシーンを読んだ時、心が救われたのを覚えています。
同じく年齢を理由に夢を諦めていた人に、突き刺さる名シーンではないでしょうか?
MEMちょについては下記の記事で解説していますので、気になる方はチェックしてみてください!
有馬が恐怖心を吐露する(4巻37話)

MEMちょを迎えた新生B小町のファーストライブ、メンバーの誰よりも緊張していたのが、センターを任された有馬でした。
有馬は子役時代、アーティストとして売り出され、失敗したことがトラウマになっています。
自分を信じてくれた誰かの期待を裏切るのが怖い。
そして、センターの自分が失敗することで、大切な仲間達に「失敗した時の辛さ」を経験させるのが怖いと、ルビーに吐露します。
有馬の責任感、思いやり、トラウマ、彼女の全てが詰まっている名シーンと言っても過言ではありません。
有馬が「アクアの推し」になることを決意(4巻38話)

緊張を振り切りなんとかステージに上がった有馬。
しかし今度は、ルビーとMEMちょのサイリウムばかりが目立つ光景に、自身は「必要とされていない」と内罰的になってしまいます。
そんな時に白のサイリウムを掲げたのはアクアでした。
しかし自分だけではなく、他のメンバーの色まで振るアクア、よく言えば箱推し、悪く言えば浮気者ですね。
ですが、そんなアクアの姿に、むしろ有馬の反骨精神は燃え上がります。
「いつかアクアのサイリウムを真っ白に染める」そして、「あんたの推しの子になってやる」と有馬は決意しました。
アイドル有馬の第一歩だけでなく、タイトル回収までこなしたこのシーンを、1番の名シーンと呼ぶ声も少なくありません。
【推しの子】2.5次元舞台編
雷田によるアビ子への決死の交渉(5巻49話)

舞台「東京ブレイド」のキャストに抜擢され、順調に稽古をこなすアクア達。
そんなある日「東京ブレイド」の原作者である鮫島アビ子が見学に訪れた際、脚本の全てにリテイクを要求します。
それどころか「自分が脚本を書く」とまで言い出す始末です。
当然漫画のプロでも、アビ子は舞台はまるっきり素人でした。
まともな脚本が来るはずもなく、舞台の責任者である雷田澄彰は駆け引きに出ます。
半ば脅しに近い交渉でしたが、それも全て「舞台に関わる者の仕事」を守るためです。
その為にはジジィのチンポをしゃぶる覚悟までしている雷田さんの、仕事人としてのかっこよさが目立つ一幕となっています。
「アンタはいつも私を変にさせる」(7巻63話)

遂に始まった「東京ブレイド」のステージで、有馬がとうとう覚醒します。
有馬は子役として必要とされなくなった経験から、誰かを目立たせるような「他人に合わせる演技」を心がけていました。
そんな有馬にスポットライトを当てようとするのが、有馬のファンであるアクアです。
「やりたい演技をやれ」「フォローは俺がする」と、有馬の背中を押すアクア。
そして有馬は長らく封印していた「スターの演技」を披露し、観客だけでなく演者すら釘付けにしたのです。
このシーンを語るには、一言あれば十分でしょう。
アクかなが尊い……。
アクアが「演技を楽しむこと」を捨てる(7巻64話)

演技を楽しむ有馬やあかねとは対象的に、ずっと苦しそうに演技をするアクア。
「アイを守れなかった」という罪の意識から、アクアは演技を楽しむことが出来なくなってました。
そのせいで、「楽しい」から生まれる感情の乗った演技をしようとすると、発作が怒る始末です。
しかし負の感情を逆に利用することで、「苦しみ」の感情演技を披露します。
それはアクアが「復讐のため」に演じることを決意した瞬間でした。
辛いシーンですが、この作品のキーパーソンとなる重要な場面です。
【推しの子】プライベート編の名シーン
ルビーがゴローの死体を発見(8巻77話)

新生B小町として新曲のmvを撮影することになったルビーとアクアは、生まれ故郷である宮崎へと向かいます。
撮影の帰り道、あかねとの会話の中でルビーは、想い人であるゴローのことを思い出していました。
ゴローにもう一度会いたいと望むルビー。
そんな淡い願望は、最悪の形で結実します。
ひょんなことから山中の祠の裏を除いたルビー、そこには洞窟の中で16年も放置され、白骨化したゴローの遺体があったのです。
この回のサブタイトルは「再会」ですが、こんな悲惨な再会があるでしょうか?
流石に筆者も初見時に絶句してしまいました。
アクアがあかねと正式に付き合う(8巻78話)

あかねが前世の死体を見つけてくれることを期待し、あかねに情報をまいていたアクア。
例え前世の自分であっても、心のどこかで「見つけてほしい」と願っていました。
その為に、あかねにグロテスクなものを見せたこと、今までのことも含めて利用していた罪悪感にかられ、謝罪を口にします。
自罰的になるアクアの姿に、あかねは「自分はいない方がいい」と思い、別れようとしますが涙が止まりません。
そんなあかねの涙を拭い、「今度は俺があかねを守りたい」と告げ、番組以来2度目のキスをしたのです。
今度は打算ではなく、心からのキスにあかね推しは大歓喜したのではないでしょうか?
かくいう筆者はあかね推しなので、このシーンは額縁に入れて飾っています。
ルビーが復讐を誓う(8巻79話)

アクアとあかねが幸せに包まれる中、絶望の中にいたのはルビーです。
アイに続き、もう1人の心の支えを失ってしまったルビー。
そんなルビーの元に、謎の少女が現れます。
そして少女は、「アイとゴローを殺したのは同一人物」だと示唆しました。
その事実に絶望が怒りに変わったルビーの瞳の星が、真っ黒に染まったのです。
アクアから消えたはずの復讐心が、ルビーに移った瞬間でした。
ようやくアクアが復讐から離れられそうだったのに、今度はルビーが……という展開に、思わず頭を抱えませんでしたか?
筆者は絶望しました。
目の星については下記の記事で解説していますので、気になる方はチェックしてみてください!
【推しの子】中堅編
アクアがMEMちょに本心を伝える(8巻83話)

芸能人としては中堅となり、それぞれ充実した日々を過ごすアクア達ですが、有馬だけが暗い顔をしています。
宮崎でのロケの後、あかねと付き合うことにしたアクアは、有馬を徹底して避けるようになりました。
そんな状況を打破すべく、MEMちょはアクアに「有馬と向き合うこと」を求めます。
しかしアクアが有馬を避けていたのは、「有馬を想って」のことでした。
有馬がアイドルとして今より売れた時、男の自分が側にいたらどうなるか?
それを1番わかっているのはアクアです。
アイの二の舞にならないように、有馬を避けるアクアから、有馬への並々ならぬ想いが伝わってきますね。
漆原Dとメイヤが和解(10巻92話)

ルビーが出演する「深掘れワンチャン」にて、ディレクターの漆原がコスプレイヤーのメイヤにリスペクトを欠く対応をしたため炎上。
その謝罪としてメイヤを再び番組に呼び、番組側の禊として漆原にコスプレをさせます。
1から衣装を作り、漆原はコスプレの苦労を身を持って実感し、心からの謝罪を行いました。
そんな誠意のある対応にメイヤの溜飲も下がり、一件落着となったのです。
相手と同じ立場に立ち、相手の苦労を知ることで誠意を持つことが出来るという、なんとも爽やかな帰着でとても好きなシーンです。
また暗い場面の多い中堅編では、かなり後味のいい結末となっています。
アクアがあかねと決別(10巻98話)

得意のプロファイリングから、アクア達の父親がカミキヒカルだと突き止めたあかねは、決着をつけるためカミキの元へ向かいます。
その道中で歩道橋から落ちかけたところを、なぜか現れたアクアに助けられました。
なぜアクアがこの場にいたのか?それはあかねの動向をGPSで監視し、1人で決着をつけようとしたことを見抜いていたからです。
これ以上あかねと一緒にいればあかねを危険に晒すと確信したアクアは、あかねと2度と関わらないことを誓います。
そしてアクアの細やかな幸せは、終わりを告げたのでした。
あかねに報われてほしい、幸せになってほしいと思っていたあかね推しの筆者は、この話の後しばらく寝込みました。
【推しの子】スキャンダル編の名シーン
有馬がアクアを思い出し枕営業を断る(11巻101話)

B小町の中でルビーだけが飛び抜けて売れたことで、有馬は自分が「ルビーの腰巾着」となっている現状に不満を抱えていました。
そんな折に出会った売れっ子映画監督の島政則監督に、自分を使ってもらうため取り入ろうとします。
そして島に言われるまま彼の仕事部屋まで連れて行かれ、一線を越えそうになった時、有馬の頭に浮かんだのはアクアでした。
折角演技の世界に戻れるかもしれなかったチャンスを、報われない恋心で不意にする有馬のイジらしさに、思わず涙が溢れるシーンです。
どうか有馬には幸せになってほしいですね……。
アクアが有馬を救うために覚悟を決める(11巻104話)

結局島と関係を持つことはありませんでしたが、有馬が島のマンションから出てくる姿は、週刊誌のカメラマンに撮られてしまいました。
もう週刊誌が出版されるまで時間がありません。
そんな時アクアは、MEMちょに言われた「かなちゃんは君のためにアイドルをやっている」という言葉を思い出します。
そしてアクアは、有馬のスクープを取り下げさせるため、「どんな痛みを伴っても」救う覚悟をしました。
例えそれが、母の墓を暴くような行為であっても……。
「まさか」と思う展開、この時ばかりは1週間が長く感じました。
アイの死が公表される(11巻105話)

そして週刊誌の発売日当日、有馬のスキャンダル記事が世に出ることはありませんでした。
代わりに報じられたのは、「アイには隠し子がいた」というビッグニュースです。
有馬のスクープを取り下げる唯一の方法、それは「別のスキャンダルと交換すること」でした。
これをきっかけに、アクアが築き上げてきたあらゆるものが、復讐へと進んでいくことになります。
まさしく『推しの子』のターニングポイントとも言える衝撃のシーンです。
【推しの子】映画編の名シーン
五反田監督によるアイとの回想(11巻110話)

アイのスキャンダルが出たことで、五反田監督はお蔵入りしていたアイのドキュメンタリー映画の企画を再開します。
その中で五反田は、アイのドキュメントを撮っていた日々を思い出していました。
自身が「アイに手を差し伸べられる数少ない大人」だったのに、アイを救えなかったことを後悔しながら。
このシーンはアイを大切に想っていた五反田の成人っぷりが目立つ、お気に入りの1コマです。
かつては「黒幕説」すら囁かれていた人物とは思えません。
五反田監督については下記の記事で解説していますので、気になる方はチェックしてみてください!
鏑木Pの「仕事の集大成」(111話)

五反田とアクア企画の映画を制作するため、鏑木は奔走します。
配給会社への持ち込みから、スポンサーからの資金集めに奔走し、売れっ子俳優のキャスティングまで。
自身のコネクションを総動員し映画制作の土台を作る仕事は、まさしく「鏑木の仕事の集大成」でした。
筆者が『推しの子』を語る上で外せない名シーンのひとつに、「クリエイターの熱量」が描かれる瞬間があります。
鏑木のように一見拝金主義の人間でも、作品への熱量で溢れている姿は、読んでいて清々しいものがありませんか?
筆者としては完全な聖人よりも、癖のあるクリエイターの姿が好きです。
ルビーが自分の本心を吐露(115話)

制作側では徐々にキャスティングも決まりつつあった中、ルビー、あかね、不知火フリルによる個人オーディションが行われます。
オーデションのお題は「嘘吐き」。
この芝居の中でルビーは自身にとっての「嘘吐き」と向き合い、そして自分も含め嘘ばかりの世の中への想いを吐露します。
このシーンは作中でも屈指の衝撃シーンだったのではないでしょうか?
いつも「天真爛漫なアイドル星野ルビー」こそ、我々読者が見せられていたルビーの嘘だったと、突きつけられた瞬間です。
ここまで見事に騙されると、もはや痛快としか言いようがありません。
『推しの子』名シーンのまとめ
ここまで筆者が厳選した『推しの子』の名シーンを紹介してきましたが、いかがでしたか?
皆さんの推しシーンは選ばれていたでしょうか?
『推しの子』はその先の読めない展開から、印象に残るシーンが多く、今回名シーンを選定するのに苦労しました。
そのため、今回紹介出来たのは、『推しの子』の魅力のほんの一部です。
この作品の本当の魅力は、ぜひ原作を読んで確かめてみてください!