未来の悪魔が見せたもの

闇の悪魔から生還を果たしたアキ、デンジ、パワーは、一緒にアキの里帰りに行くことになります。

アキは、帰省のたびに、いつも暗い感情に浸っていましたが、今回は、騒がしい2人(特にパワー)を連れた帰省であったため、鬱屈した気分にならずに済みました。

そして、三人でいることによって、アキは安らぎを感じ始めてきたのです。

そんな時、未来の悪魔から、自分が死ぬ姿を見せつけられます。死因はデンジに殺されるというものでした。

マキマの正体

アキがもうじき死ぬと知った天使の悪魔は、マキマの元に行って相談しようと提案しました。

海辺にいたマキマにアキは、どんな悪魔とでも契約するから、デンジとパワーを生かしてほしいと頼み込みます。

アキにとって、もはや2人はかけがえのない家族となっていたのです。

すると、マキマは「私と契約しようか」と持ち出してきます。戸惑うアキに、マキマは続けて言いました。

早川君 これは命令です 契約するといいなさい

アキは、その一言に抗うことはできませんでした。一方、天使は、忘れていたマキマの本性を思い出し、彼女を攻撃しようとしましたが、すぐに屈服されてしまいます。

マキマの正体は「支配の悪魔」だったのです。

早川アキの最後

チェンソーマン
出典:『チェンソーマン』(C)藤本タツキ/ 集英社

 

米国はマキマを抹殺するため、銃の悪魔を派遣させました。そして、アキは、自分同様マキマの下僕となった者たちと共に、銃の悪魔と戦うことになったのです。

一方、東京のアパートでくつろいでいたデンジは、電話の音で目が覚めました。

電話の主はマキマで、彼女は、銃の悪魔に乗っ取られた人が、銃の魔人となって、デンジ達に襲い掛かってくると伝えたのです。

デンジが部屋のドアを開けると、そこには、銃の魔人となったアキが立っていました。

銃の魔人となったアキは、周囲を巻き込みながらデンジに襲い掛かってきます。

一方、銃の悪魔に乗っ取られたアキ自身は、デンジとパワーと共に子どもに戻って遊んでいるという夢を見ているようで、目の前のことがわからないようでした。

デンジはアキを殺すのをためらっていましたが、アキは無関係の人を巻き添えにしてくるので、周囲の人を守るために戦うこととなってしまいます。

やがて、デンジのチェンソーがアキを貫いて、アキは命を落としてしまったのです。

【チェンソーマン】早川アキについて考察

名前の由来は?

アキの名前の由来は、AKー47という自動小銃からとられています。

AKー47はロシア製(開発されたのは旧ソ連時代)の銃で、ゴルゴ13(149巻)にも登場する名銃です。

実は、作中では銃の悪魔はひそかに倒されており、ソ連が28%、米国が20%、中国が11%だけ本体を所持して、残りの肉片は、世界各国にいる悪魔たちにばらまかれている状態となっています。

銃の悪魔は、世界各国のパワーバランスを担っており、米ソが一番力を持っていることになるようです。

つまりチェンソーマンの世界では、裏で銃の悪魔の争奪戦をしていることになります。

銃の悪魔と戦うというのは、銃の悪魔の力を手に入れることだったというわけです。

アキの名前の由来が「銃」であるのは、アキ自身が銃の悪魔になってしまう運命を象徴しているように思えます。

そして、ソビエトが作り出したライフルの名前であることから、米国から派遣された銃の悪魔と対峙する人という意味でもあったのかもしれません。

なぜ、銃の悪魔に乗っ取られたのか?

銃の悪魔は肉片でも強い力を持っているので、人間や他の悪魔の体に入り込めば、簡単に魔人にしたり、パワーアップさせることができます。

このため、銃の悪魔と対峙したアキは、肉片を浴びたことで取り込んでしまい、銃の魔人となったようです。

しかし、偶然そうなったというよりは、マキマの仕業によるものではないかと思われます。

また、アキはチョンマゲのような髪型をしていたり、刀を使っていたりすることから、アキは、古き良き日本人を象徴しているように感じられます。

そんな彼が、銃の悪魔に取りつかれてしまうのは、欧米の価値観に取り込まれてしまった、近現代の日本をイメージしたのではないのでしょうか。

マキマがアキに目をつけた理由は?

マキマこと支配の悪魔は、多くの悪魔や魔人、デビルハンターを手中に納めたいと思っているようです。

アキのことも、だいぶ前から目をつけていたらしく、アキがマキマに惚れていたのは、彼女の力によるもののようです。

マキマの支配の力は、自分より程度が低いと思う者に及ぶもので、鼠のような小動物でも操ることができます。

最も、マキマは悪魔の中でも強力な力を持っているので、大概の人間は自分よりレベルが低いと認識しているはずです。

そのため、ある程度実力の高いデビルハンターでも支配することができるようです。

又、マキマは犬が好きであり、犬のように忠誠心の強いタイプを好んでいるかもしれません。

つまり、実直で忠誠心の強いアキは、彼女の眼鏡にかなったということです。

アキの死は何を意味していたのか?

原作者によると、アキの死は最初から確定していたようです。

未来の悪魔によると、アキの最後は本人にとって最悪ではなく、チェンソーマンにとって最悪の死に方であると言っている場面があります。

つまり、マキマは、アキをデンジに殺させるために、銃の魔人にしたのです。

デンジは、ポチタと「普通の生活をする」もしくは「普通の幸福を手に入れる」という契約で、ポチタと合体し、チェンソーマンとなりました。

マキマは、この契約を解除させるために、アキやパワーを使って、デンジの疑似家族を作り上げて、普通の幸福を授けた後、眼前でたたき壊そうとしたのです。

マキマにとって、デンジと合体した悪魔「チェンソーマン」は、アキを犠牲にしてでも手に入れたい存在だったと言えます。

【チェンソーマン】早川アキのまとめ

いかがでしょうか、アキは人気が高く、退場が惜しまれるキャラクターです。

チェンソーマンは様々な所に秘密が隠された漫画作品なのでアキのファンの方は、もう一度、本作を読み直してみることをおすすめします。

彼に関して、興味深いことがわかるかもしれません。

おすすめの記事