
目次
アニメ化からたちまち話題を呼んだ「推しの子」。
2021年には「マンガ大賞2021」の大賞候補にも選出されている超人気漫画です。
今回は、なぜ「推しの子」は人気なのか?SNSでの口コミも踏まえながら、徹底解説していきます!
面白いと話題の【推しの子】はどんな漫画?
ジャンルは「転生芸能界モノ」

『推しの子』は2020年4月からヤングジャンプで連載されている、「転生もの」ジャンルの漫画です。
そんな『推しの子』最大の魅力は、ファンタジーとリアルのバランスにあります。
まず「転生」という要素は非常にファンタジー色が強く、作品も異世界系ジャンルになりがちです。
しかし本作はむしろ、現実社会の問題や、芸能界の内情を描くリアリティの色の方が濃くなっています。
その為本作は、「推しの子供に転生」という虚構と、芸能界で生きる双子という現実のバランスが上手く取れた作品です。
原作は11巻まで刊行

現在『推しの子』は2023年5月現在、11巻まで刊行され、最新話は116話まで連載されています。
物語の核心に迫る「映画編」に突入しており、序盤に貼られた伏線がどのように回収されるか注目です。
その為、筆者としては『推しの子』を全話読むなら、今が最高のタイミングと考えています。
『推しの子』はジャンプ+ヤンジャンアプリで定期的に最新話の1話前まで無料公開されているので、追いつきやすいのも嬉しいですね。
2023年4月からアニメ化も!

『推しの子』は2023年4月12日から、テレビアニメが放送されています。
監督は平牧大輔氏。
アニメーション制作は『干物妹!うまるちゃん』や、『先輩がうざい後輩の話』など、数々の話題作を生み出した動画工房が行っています。
また脚本は「ラブライブ!シリーズ」の中でも、特に評判がいい「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の田中仁氏が担当しています。
この通りスタッフ陣から気合が入っている本作ですが、声優面ではかなり挑戦的な試みをしています。
特にルビー役の伊駒ゆりえ氏は、2022年にデビューしたばかりで、『推しの子』が初レギュラー作品です。
【推しの子】の作者は誰?
原作は『かぐや様は告らせたい』の赤坂アカ!

『推しの子』は原作と作画を分担した、タッグで描かれています。
まず原作を担当しているのは、同じくヤンジャンで連載していた『かぐや様は告らせたい』の赤坂アカ氏です。
赤坂氏の特徴を一言で表すなら、コメディとシリアスを両立するセンスが抜群の漫画家です。
ですが赤坂氏は『かぐや様は告らせたい』を連載終了した際に、「漫画家としての赤坂は今作を最後に引退」と発言していました。
また、これからは「ストーリー制作に専念する」とも語っており、もう赤坂氏直々に筆をとった作品は見られなくなると思われます。
作画は『クズの本懐』の横槍メンゴ!

本作の作画を担当するのは、『クズの本懐』や『レトルトパウチ』を手がけた横槍メンゴ氏です。
メンゴ氏の絵の特徴といえば、女性キャラの艶かしさ、直球に言えばエロさです。
彼女が手がける作品は、少女漫画のような生々しいエロさが特徴的で、それが『推しの子』にも活かされています。
本作では直接的なエロ描写はないものの、キャラの表情ひとつとっても「エロい」と思わせる説得力がありますね。
特にあかねとアクアの恋愛模様は、「メンゴの本領発揮!!」と読者の間で何度も話題になりました。
『かぐや様は告らせたい』との関連性もある?

実は『推しの子』は、赤坂氏の『かぐや様は告らせたい』と同一の世界線であるとされているのです。
その証拠として、両作品には世界観を共有していると思われる描写が、多数見受けられます。
まず『推しの子』に登場する「今日は甘口で」という作品は、「かぐや様」の世界でも登場人物達が「傑作」と話題にあげていました。
更に「かぐや様」266話にて描かれた本編から5,6年後の未来では、ルビー達B小町のメンバーが映っています。
しかもヤンジャン2に掲載された『推しの子』特別編では、ルビーのグラビア撮影したカメラマンとして、「かぐや様」の主人公かぐやが登場したのです。
これらの描写から『推しの子』は、「かぐや様」から5,6年後のお話とされています。
【推しの子】の物語はなぜ面白いと言われるのか?
ストーリーは青春とサスペンスが入り乱れる

ここからは『推しの子』が面白いと語られる理由について、紐解いていきたいと思います。
まず最初に注目したいのは、「青春とサスペンス入り乱れる作風」です。
本作の話の軸は、大まかに分けて「アクアの復讐劇」、「ルビーのトップアイドルまでの軌跡」の2つです。
「復讐劇」と「アイドルの物語」は、本来2作品に分けても成立する強い要素となっています。
しかしこの主張の強い素材を、1つの作品に纏めて描いているのが、『推しの子』最大の魅力と言えるでしょう。
更にそれぞれの要素も、「復讐劇だから陰鬱な展開が多い」「アイドルだからキラキラしている」という偏りもないのが、本作の特異性です。
ここからはこの2つの要素について、順を追って解説していきます。
主人公アクアの復讐劇

まず本作のメインストーリーと言ってもいい、「アクアの復讐劇」の要素について解説していきます。
この要素を一言で表すなら、「シリアス」と「少年漫画の熱さ」が特徴です。
アクアは母親であるアイを殺された復讐を果たすため、芸能界で成り上がっていきます。
もちろんその過程には危ない綱渡りや、汚い駆け引きが日常茶飯事です。
しかし、アクア自身に眠っている「役者への想い」が、このストーリーに「熱い展開」をもたらしてくれます。
またアクアは転生者ですが、なんでも出来るチートキャラというわけでもありません。
前世で負った心の傷、アイの死というトラウマ、そういった弱味を抱えながらも、必死に戦うアクアの姿に、心打たれる読者も多くいます。
妹ルビーのトップアイドルを目指す青春ストーリー!

次にアクアの妹ルビーの、「アイドルを目指す青春ストーリー」について語らせていただきます。
こちらの要素は「アイドルの煌びやかさ」と、「裏に抱えている闇」が特徴です。
一見アクアと違い人当たりも良く、天真爛漫なルビー。
しかし彼女も誰にも見せない、前世からの傷と、トラウマを抱えています。
また中堅編以降は、ルビーも復讐の道に身を落とすため、それまでのキラキラ青春ストーリーとの落差に驚かされるでしょう。
つまり本作は、アクア視点の物語では「陰鬱な雰囲気とのギャップ」。
ルビー視点では、「煌びやかさとのギャップ」という、ひとつの作品内で真逆の驚きを味わえる構成になっているのです。
【推しの子】SNSでも面白いと評判!
急転直下の展開が話題!

『推しの子』の人気はアニメ化以前から凄まじく、数々の賞を受賞していました。
2021年には「次にくるマンガ大賞2021」に選ばれています。
そんな本作、ネット上では「急転直下なストーリーが面白い」と評判です。
例えば第1章となる「幼少期編」では、いきなりアイが刺殺されるという、衝撃の展開で幕を閉じています。
このお話はアニメでは90分枠で放送され、多くの視聴者に衝撃を与えました。
またプライベート編では、アクアから消えた復讐心が、天真爛漫な妹ルビーに乗り移るといった、まさかの展開でコメント欄は阿鼻叫喚。
このように「作者の掌で転がされている」衝撃展開に、多くの読者が魅了されているのです。
リアルな芸能界事情を知れる

『推しの子』がネット上で話題になる理由として、「リアルな芸能界事情」の数々も外せないでしょう。
芸能界における「コネの影響力」や、脚本や演出の意図など、我々が普段知り得ない情報が数多く描かれています。
特にスキャンダル編における、スキャンダル記事制作の裏側は、多くの読者の興味を引きました。
記者の張り込み方、記事が世に出るまでの流れ、写真を撮られないための対策など、一般人には縁のない情報まで本作では学ぶことが出来ます。
キャラクター人気が絶大!

最後に紹介したい『推しの子』が人気な理由として、「キャラクターの人気」が挙げられます。
本作では多くの魅力的なキャラクターが登場しますが、その中でも特筆したいのは有馬かなの人気です。
彼女の愛され方は、社会に影響を及ぼすレベルとなっています。
その最たるものが、公式やファンから親しまれている「重曹ちゃん」というあだ名です。
これは有馬が「10秒で泣ける天才子役」と呼ばれていたのを、ルビーが「重曹を舐める天才子役」と聞き間違えたことが発端となっています。
何気ないコメディシーンの一幕ですが、このあだ名は人気を博し、なんと重曹とのコラボ商品まで発売。
アニメでは原作になかった「重曹を舐めるイメージ」が追加されるなど、本作に絶大な影響を与えました。
【推しの子】面白くないという感想も紹介
「2.5次元舞台編」が長い

多くの読者に愛され、人気を誇っている『推しの子』ですが、ネット上では面白くないという声も多く見られました。
その理由の一つとして、「2.5次元舞台編の長さ」が挙げられます。
2.5次元舞台編はアクアのトラウマとの向き合い方、アクアの父親の正体など、物語の核心に迫る重要な章になっていました。
しかしその本筋に至るまで、復讐に関係ないキャラの深堀りが多く描かれたのです。
また舞台の本番が始まってもアクアにスポットが当たるまで長く、人気もある反面、中弛みした章という評価もされています。
キャラクターの扱いが悪い

他に『推しの子』が面白くないとされる理由として、「キャラの扱いが悪い」点が指摘されていました。
中でも読者に不評なのは、「有馬かなの扱いが悪い」ことです。
その理由として、アクアへの想いの報われなさ、理不尽な仕打ちなどが挙げられます。
作中で有馬は主人公のアクアへ想いを寄せているのですが、アクアは黒川あかねと番組の流れで付き合ってしまいました。
更にアクアが有馬と距離を取ったことで、有馬は「アクアに嫌われた」と深く傷つくことになります。
そんな傷心状態の中、流れに身を任せ枕営業をしそうになり、現場を記者に抜かれるなど、散々な目に会っています。
そのため、ネットでは有馬に同情の声と、作品への批判が多く見受けられました。
キャラ崩壊が激しい?

次にネットで多く見られた感想として、「キャラ崩壊が酷い」というものについて紹介しましょう。
前章で「有馬の扱いが悪い」と紹介しましたが、「有馬のキャラ崩壊が酷い」との声も多く見られました。
その原因となったのが、スキャンダル編での動向です。
スキャンダル記事を抜かれた有馬でしたが、アクアが出版社に「アイの死の真相」と交換したことでことなきを得ました。
後にアクアに有馬がお礼を告げるシーンがあるのですが、そこでの有馬の様子が「恋する乙女」のように浮き足立ったものでした。
そのため、読者から「仲間であるルビーの気持ちを考えていない」。
「母親の死の情報と引き換えに庇ってもらった人の態度とは思えない」と、厳しい声が相次いだのです。
【推しの子】の評価についてのまとめ
ここまで『推しの子』が人気な理由と、ネット上での評判について紹介してきました。
いかがだったでしょうか?
人気作の裏には必ず批判意見があるもので、筆者としてもどんな意見があってもいいと思っています。
しかし行き過ぎた批判で、作者や他の読者に対して攻撃するのは、決してあってはならないことです。
ぜひ「作品へのリスペクト」を忘れず、『推しの子』を楽しんでください。