【ワンピース考察】クロスギルドは市民の英雄?バギーのカリスマ性も交えて考察
出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

「ワンピース」1082話にてクロスギルドによる被害が出たことで、読者の間で衝撃が走りました。
しかし筆者は、クロスギルドは決して「海兵の敵」という側面だけではないと考えています。

本記事ではクロスギルドの現状を、バギーの経営手腕も交えながら考察していきます!

クロスギルドは市民の英雄なのか?

貧困層の生活資金になる

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

前提として「ワンピース」の世界では、世界政府の傘下ではない非加盟国には人権がないものとして扱われます。
そのため海軍も、積極的に非加盟国を助けようとはしません。

仮に手を差し伸べたとしても、海軍にはあくまで「支援」しか出来ません。
海軍は「暴力」から守ってくれる組織ですが、「貧困」を救ってくれる存在ではないのです。

そのため、海兵を仕留めれば大金が手にはいるクロスギルドを、市民が頼るのは当然の帰結と言えます。

市民にとって海兵は倒しやすい

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

実は海兵とは、市民にとっては格好の獲物となっています。
なぜなら市民を「略奪の対象」と考えている海賊より、「守る対象」として考えている海兵の方が仕留めやすいからです。

また1082話で犠牲になったTボーン中将は、情に厚く市民の安全を第一に考える海兵でした。
そのため市民が自身を殺そうとしても、決して抵抗はしなかったと考えられます。

このようにクロスギルドは「海兵の正義感」を上手く利用した、市民に都合のいいシステムとなっているのです。


四皇に保護してもらえる

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

またクロスギルドの最大の利点として、「四皇に保護してもらえる」という点があります。

仮に海兵を仕留め金を手に入れたとしても、海軍に報復されては元も子もありません。
しかし作中の描写を見る限り、市民は海賊になる代わりに、四皇という最も安全な隠れ蓑を手に入れていました。

皆さん知っての通り、四皇の傘下という肩書きは絶対的な力を持っています。

シャンクスの傘下の海賊団は「弱いと有名」なのに、新世界で生きていけるのは、四皇の傘下という肩書きがあるからです。

つまりバギーはクロスギルドのシステムを用いて、シャンクスと同じく「弱者を守っている」とも言えるでしょう。

バギーがいるからクロスギルドは機能している!?

海賊からも信頼がある

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

クロスギルドはインペルダウンから脱出した囚人、つまり世界最悪レベルの犯罪人達の集団です。
更に相手にする客も、海兵を襲うような海賊が殆どのはず。

そんな野蛮な組織とシステムが機能しているのは、バギーへの「信頼」があるからでしょう。

バギーは七武海時代に「海賊派遣組織」を運営しています。
その際の実績もあるため、「バギーなら金を払ってくれる」という信頼があるのです。

実際1082話でもTボーンを仕留めた家族に、しっかり報酬が支払われていました。

敵を「海兵」に定めた

元々海兵は海賊にとって厄介な存在でしたが、クロスギルドが設立されたことで「襲う価値のある獲物」となりました。

これにより海賊達には、「共通の敵」が生まれたことになります。
つまり凶悪な海賊達が、一致団結するきっかけを作ったと言えるでしょう。

事実ハチノス島にてコビーが脱走した際には、島の海賊が報酬のために団結していました。
このように荒れ狂った海賊達を、力ではなく利益で上手く動かすことに、バギーは成功しているのです。


ワンピースを目指すことで組織を統制!

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

1082話でバギーの宣言によって、クロスギルドはワンピースを目指すことが決まりました。
これも組織の統制に、一役買っていると筆者は考えています。

海賊にとって海兵が「共通の敵」であるなら、ワンピースが「共通の目標」です。
作中で大海賊時代が始まった時、海賊達はワンピースを求めて海に出ました。

しかし強者ばかりの海で、そんな夢を諦めた海賊は多くいます。
そんな夢を四皇であるバギーと一緒なら、見られるかもしれませんね?。

つまり、凶悪な脱獄囚ばかりのクロスギルドがこれだけ統制が取れているのも、バギーに「希望」を見せる力があるからです。

バギーがクロコダイルを抑え込んでいる!?

ワンピースを目指すことでクロコダイルの野望を阻止

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

バギーのカリスマ性は、クロスギルドを統制するだけでなく、クロコダイルの野望を阻止しているという見方も出来ます。

クロコダイルにはクロスギルドを用いて、軍事国家を作る野望がありました。
そこにはアラバスタの時のように、「政府を凌ぐ力を得る」という考えがあると考えられます。

しかし軍事産業がこのまま発展すれば、当然多くの市民が戦いに巻き込まれるのは必然。
事実、報酬に釣られた市民が海兵を狙うことで、市民も「世界政府と戦う」ことを余儀なくされるでしょう。

それをバギーが「海賊王を目指す」という方針に切り替えたため、結果的に悲劇を防いだと言えます。

「海賊王」はクロコダイルのかつての夢

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

クロコダイルは「海賊はビジネス」と語っていますが、実は「海賊王」という夢を持っていました。

これは扉絵連載「ミスG・Wの作戦名ミーツバロック」にて、判明しています。
扉絵にてGWの能力で「理想の姿」が実現された際に、クロコダイルは海賊王の姿になっていました。

またクロコダイルは若い頃白ひげに惨敗した後に大人しくなり、アラバスタに目を向けたという経緯を持っています。
このことからクロコダイルはかつて、「白ひげに海賊王の夢を打ち砕かれた」と考えられますね。

つまりバギーの語った「現状に甘んじた腰抜け」という言葉は、期せずしてクロコダイルの心に刺さっていたのです。

部下を煽ってクロコダイルの逃げ道をなくす

出典:『ONE PIECE』(Ⅽ)尾田栄一郎/集英社

 

また1082話にてバギーがクロコダイルの面々を煽った際、クロコダイルが必死にバギーを止めようとしていました。

このことからクロコダイルには、「バギーを超えるカリスマ性」はないように見えます。
またクロスギルドが動き出したなら、クロコダイルがそれについていくしかない立場とも見て取れるでしょう。

事実、海軍が「クロスギルドの脅威」に気づいている現状に孤立してしまえば、クロコダイルは真っ先に海軍に狙われます。

そのため、バギーを操っているように見えるクロコダイルも、バギーが組織の舵を取れば、従わざるを得ないのです。

1082話のクロスギルド考察まとめ

ここまで1082話の描写から、クロスギルドの現状について相差してきました。いかがだったでしょうか?

元々は「バギーに上手く出し抜かれた面白組織」くらいにしか、筆者は考えていませんでした。
しかし今回初めて被害者が出たこと、バギーのカリスマ性を見たことで、クロスギルドの実態が掴めつつあります。

これから「ワンピース争奪戦」のダークホースとして、彼らがどのように活躍するのか楽しみですね!

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