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ネタバレ③:パンジーが葉月を避ける理由
第10話では、たんぽぽがパンジーに恋人を作らせようとしていました。それは先輩である彼女のことを想っての行動でしたが、なぜそうするのかという理由が不明のまま。
しかしパンジーは、ジョーロに過去のできごとを話し始めます。
中学生の頃のパンジーは、男女問わず大人気でした。友達になりたい、付き合いたいという様々な思惑が入り混じった色眼鏡で見られており、その状況を苦痛と感じていたようです。
そんな状況を救ってくれたのが、他の誰でもない葉月でした。葉月、そしてチェリーとつきみもまた、パンジーと同じ中学校に通っていたのです。
葉月のおかげで多くの人に取り囲まれていた日々が改善されることに。しかしそれは、パンジーにとって最悪の状況であり、彼の最大の欠点である“善意”に触れ続けなければならなくなります。
葉月は誰にでも分け隔てなく接することができ、誰にでも親切にできる善意の塊です。しかしその善意は、時として人を傷つけることもあり、特に女性たちにとっては毒のようなもの。
誰もが葉月に善意に触れることで、正しさに押し潰されてしまいます。それは個性が無くなることも同然で、ジョーロがチェリーとつきみに対して感じた違和感の正体でした。
やがて葉月はパンジーに好意を寄せていくことになります。しかしパンジーにとって葉月は、彼の正しさや善意を理解しているものの、傍にはいたくないという想いの方が勝っていました。
チェリーとつきみのように、誰もが葉月の恋を応援しようとして、パンジーと付き合わせようとします。その状況にパンジーは苦しみ、逃げ出すように彼から離れては、メガネと三つ編み、胸にさらしを巻いた絶壁ブスの姿をするようになったと話すのでした。