ボンドルドの実験

この厄介なアビスの呪いを、解決しようとした探窟家もいます。それが、ボンドルドです。

ボンドルドは、第五層にある古代人の残した祭祀場を前線基地(イドフロント)として、上昇負荷を軽減させる実験を行っていましたが、その手段たるや、非人道的なやり方そのものでした。

それは、世界中から集めて来た浮浪児達を、片側に呪いを押し付けることが出来る特殊な昇降機で2人ずつ降ろして、強制的に成れ果てにするというものでした。

この実験でナナチとミーティが成れ果てになってしまいますが、ミーティはナナチの分まで呪いを引き受けたおかげで、ナナチは人間性を保ち、アビスの環境下でも生きられるようになりました。

これをアビスの祝福と考えたボンドルドは、カートリッジという道具を発明します。それは、子供を脳と脊髄のみにして、箱詰めにした呪いを肩代わりしてもらう道具です。

おぞましいことに、ボンドルドの娘であるプルシュカまで、この道具にされてしまいます。

しかし、この実験の果てに、プルシュカは人間の命を媒介にして生み出される、特殊な石「ユアワース」になりました。この石こそ、白笛の原材料でもあるのです。

メイドインアビスの第六層とは?

なきがらの海が意味するものとは?

第五層は、なきがらの海と呼ばれ、海と言うよりは地底湖のようなものと思われます。第六層に行くには、この海の底をくぐらなければなりません。

海には深海魚のような生物がおり、アビスの生物の死骸がたまっていたりするので、なきがらの海の名前はここから来ていると思われます。

このなきがらの海には渦があり、その付近に古代人の祭祀場を利用した、ボンドルドが管理しているイドフロントが存在します。

このなきがらの海は、深海に存在すると言われる「生命体の森」と言われるものと似ています。

生命体の森とは、数百万年にもわたって、深海に住みついている無数の微生物が存在している場所であり、その中には、120度の高温の中で生き抜く生物の存在も確認されており、アビスの生物のような、常識を超えた力を持った生物が数多く存在しています。
なきがらの海は、未知の生命の誕生と死を象徴しているようにも思われ、それはどこか生と死の境で誕生する成れ果てを暗示しているようにも思われます。

ラストダイブとは?

第六層に向かうには、第五層にある、イドフロントの祭壇にある昇降機(正確には球体型の乗り物)を使います。この昇降機は、白笛の発する特殊な音によってのみ起動させることができます。

白笛が第六層に行くのは、地上に戻ってくるのが難しいため、絶海行、またはラストダイブと呼ばれています。

その意味は「生きては戻れぬ死出の旅」ということであり、白笛でも生存が難しい場所であるのです。

第六層にある黄金郷とは?

第六層は「還らずの都」と呼ばれていますが、黄金郷または黄金都市とも呼ばれています。

それは、巨大な建造物のあった広大な都市文明の遺跡でした。イドフロントの昇降機や、遺物も、おそらくはこの都市文明で製造されたものであることから、優れた文明社会を築いていたと思われます。

この場所にたどり着いたリコは、元々地上にあった都市が大穴に飲み込まれたようだと思いました。

第六層には、ライザの封書にはない生物が居たり、「干渉器」と呼ばれるロボットのような存在が現れ、アビスの謎を深めています。

メイドインアビスの成れ果ての村とは?

村の文化や規則

第六層には、生物の肉片で造られたような、巨大なタワー型の物体が存在します。内部は空洞になっており、その中には成れ果て達が多く住みついていました。

このタワーは成れ果ての生体コロニーであり、村自体が生物となっているのです。

村は独自の言語と、文化を持ち、住民たちも風変わりなキャラクターばかりなので、成れ果ての村のエピソードは、「ガリバー旅行記」や「不思議の国のアリス」を思わせるような世界になっています。

住人たちは、自分たちの持っている「価値」や「欲」を交換し合って村を築いています。価値は、成れ果てによって様々で、マアアのようにぬいぐるみを好む者もいれば、小さな動物に体を這わせることを価値とする者もおり、中には切りきざむのが価値という恐ろしい者もいます。

村の規則では、価値を奪ったり傷つけたりすると、「精算」がはじまります。それは、コロニーから不気味な影法師のようなものが現れ、傷をつけられた分だけ自分の価値を奪われてしまうのです。

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