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「ソードアート・オンライン(SAO)1期」は2012年に放送された同名ライトノベルのアニメ化作品です。
オンラインゲームの世界を舞台にして少年少女の戦いが描かれます。
本記事ではSAO1期のあらすじや魅力、全話の感想をまとめ、さらにSAO1期を実質無料で観る方法をご紹介します。
これを読んで長編シリーズであるSAOの世界に踏み出しましょう!
アニメ「ソードアート・オンライン」1期とは?
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アニメ「ソードアート・オンライン1期」の基本情報
ソードアート・オンライン(以下SAOと表記)は同名のライトノベルを原作とした長編アニメシリーズです。
2012年7月にテレビアニメ1期が放送開始、続編も次々と製作され、2019年10月には最新作『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』が放送されます。
本記事では壮大なSAOシリーズの1作目、「ソードアート・オンライン1期」のあらすじや魅力、感想を振り返ります。
アニメ「ソードアート・オンライン1期」のあらすじ
アインクラッド編(第1話~第14話)
2022年。人類はついに完全な仮想空間を実現しました。
その仮想空間を利用したVRMMORPG(仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム)『ソードアート・オンライン』のサービスが始まった直後、ユーザー達に衝撃の事実が明かされます。
ゲームをクリアするまではこのゲームからログアウト(脱出)することができないこと。
このゲームでのゲームオーバーになると現実世界でも死んでしまうこと。
ゲームからの脱出を目指し、プレイヤーたちの命を懸けたゲーム攻略が始まります。
『これは、ゲームであっても遊びではない』
フェアリィ・ダンス編(第15話~第25話)
『ソードアート・オンライン』のクリアから2ヶ月が経過した2025年1月。キリトこと桐ヶ谷和人は現実世界に帰還したが、未だ意識不明のプレイヤーも多く、アスナこと結城明日奈も未だ目覚めない一人でした。
明日奈を待ち続ける和人ですが、VRMMORPG『アルヴヘイム・オンライン』の中でアスナらしき人物が目撃されたという情報を得ます。
真相を確かめるために、桐ヶ谷和人は再び『キリト』としてオンラインゲームの世界に旅立ちます。
アニメ「ソードアート・オンライン1期」の主要登場人物
アインクラッド編
βテストの頃からゲームに参加しているため知識、経験ともに豊富。
さらにプレイヤーとしての腕前もトップクラス。
生真面目な性格であり、組織にとらわれずソロとして気ままに過ごしているキリトとは何度も衝突しているが、次第に惹かれ合うようになる。
ギルドをまとめ上げる統率者でありながら、プレイヤーとしても卓越した能力を持つ。
フェアリィ・ダンス編
未だ目覚めぬ明日那を救い出すため、再びゲームの世界に飛び込んでいく。
和人の両親は故人であり、母の妹に引き取られている。
和人自身もそれについては既に知っている。
SAOとは別のゲーム、ALOで囚われの身になっている。
和人と血が繋がっていないことは彼女も知っている。
ALO内ではリーファを名乗ってキリトと交流するが、その正体は互いに知らない。
明日那とは旧知の仲だが、彼女からは嫌われている。
ある野望のためにSAOをコピーしてALOを作り、その世界の王として君臨している。
アニメ「ソードアート・オンライン1期」の主題歌情報
アインクラッド編オープニングテーマ『crossing field』LiSA
アインクラッド編エンディングテーマ『ユメセカイ』戸松遥
フェアリィ・ダンス編オープニングテーマ『INNOCENCE』藍井エイル
フェアリィ・ダンス編エンディングテーマ『Overfly』春奈るな
アニメ「ソードアート・オンライン」1期の魅力と評価
アニメ「ソードアート・オンライン1期」の魅力~ゲームで味付けされたファンタジー冒険譚~
一見するとよくあるファンタジーの世界ですが、正確にはファンタジーの世界を描く『ゲーム』がこの物語の舞台です。
ゲーマーであれば馴染み深い設定、仕様を活かしたギミックが随所に仕掛けられ、本作の独自性を高めています。
その最たるものが『ログイン・ログアウト』の概念です。
物語の前半、アインクラッド編ではログアウトを封じられ、この世界から脱出、つまりログアウトするためにゲームをクリアする必要があり、その冒険が描かれます。後半のフェアリィ・ダンス編では自由にログアウト・ログインすることができ、二つの世界を行き来するドラマが描かれます。
ゲームの設定を活かして構築された物語が本作の魅力を作り出しています。
アニメ「ソードアート・オンライン1期」の評価
SAOいい最終回だった!今年ベストアニメだな それにしてもこいつら2回もあんな目に遭ったのにまだVRMMOやるとか懲りねーなwネトゲ廃人の鑑だわw
— kta (@kta0823) December 22, 2012
ソードアート・オンライン見終わった!途中人が死にまくる欝展開が続いてどうなるかと思ったけど、最後は綺麗に終わって良かった…。バトルシーンは迫力があったし、ヒロインは皆可愛いしで面白かった!(直葉がちょっと不憫だったけど…)個人的には2012年度のNo.1アニメでした。
— ぶん (@bun231i) December 22, 2012
「 ソードアートオンライン 」 遂に終わってしまった…(T_T) キリトくんかっこよすぎたし、アスナさん、可愛すぎたし! ほんま大好きなアニメ。終わったのほんまに悲しい( ´△`) 毎週の楽しみがまた1つ減った…。けど、二期やってくれること期待してますっ! ありがとうSAO!♡
— ぽりんき (@akiii83) December 22, 2012
ソードアート・オンライン最終話見る。アスナもリーファも両立させる主人公の(女子)攻略ぶりは相変わらずですが、でもあれだなあ。あれだけの目にあってもきちんと(ゲーム)攻略したがるのはどうなのよと思ったけど、でもゲーマーはそういうものなのかなあ。何はともあれ良い最終回でした。
— shikatetsu@川崎市民 (@shikatetsu2010) December 22, 2012
ソードアート・オンライン最終回。いい最終回だった。しかしみんなあんだけひどいことにあったりしてるのに全然懲りてないw 2期やるのかな。原作読むべきか・・・
— じゅんぺー (@junpei0914) December 22, 2012
非常に高い評価です。
1期だけでも物語としては完結していますがこの先も冒険は続いていくことを示唆する最終回のためか、2期を望む声が多かったです。
みなさん安心してください。
2期どころかもっともっと長く続いていきます。
筆者評価:43点/50点 | |||
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作画 | |||
音楽 | |||
ストーリー | |||
独自性 | |||
メッセージ性 |
アニメ「ソードアート・オンライン」1期の全話感想(ネタバレ注意)
アインクラッド編
#01 剣の世界
ついにサービスが開始されたVRMMORPG『ソードアート・オンライン』
βテストの頃からのプレイヤーの一人であるキリトはゲーム内で知り合ったクラインとともにゲームを満喫していたが、ゲームからログアウトできない異変に気づきます。
全てのプレイヤーが広場に集められ、ゲームの開発者である茅場晶彦から衝撃の事実を告げられます。
全100層ある浮遊城アインクラッドを踏破、つまりゲームをクリアするまではログアウトができないこと。そして、ゲーム内での死は現実世界でも命を失うということ。
多くのプレイヤーが混乱する中、キリトはβテストで得た経験、知識を用いて生き残るための行動を一人で開始します。
序盤はゲームらしい楽しげな様子が続きます。しかし、ゲームからログアウトできないことに気付き、命を懸けたゲームであることを告げられたことで作中でも、筆者にも緊張感が走りました。
また、第一話の終わりにはエンディングではなくオープニング映像が流れます。このオープニング映像はこれから始まる冒険の戦いや出会いを予感させるものですが、その直後にこれまでの死者数が表示されます。
戦いの中で出会いもあれば死という別れもある、そのようなことを暗示する印象的なシーンでした。
#02 ビーター
難航するゲーム攻略ですが、ついにゲーム最初のボスの部屋が発見されます。ゲーム攻略組のボス討伐に向けての会議が開催されます。その中でパーティを組むことになりますが、キリトはパーティを組む相手がおらず、あぶれそうになります。
団体行動が苦手な筆者も身に覚えがあります。『二人組を組んでくださーい』というやつですね。
キリトは同じくあぶれ者になっていたアスナとパーティを組むことになり、事なきを得ました。
いよいよボス攻略に向かい討伐に成功しますが結果は辛勝、攻略の舵を取っていたディアベルを失います。しかし、『ディアベルが死んだのはβテスターであるキリトが情報を隠していたからだ』と声を荒げる者が出て、それに同調したプレイヤーもβテスターへの怒りを持ち、他にもβテスターがいないかと疑心暗鬼になります。
このまま攻略組がバラバラになってしまうことを恐れたキリトは自ら汚名をかぶります。
『自分はβテスト中に他のβテスターよりも遥か上の階層まで攻略が進んでいる。他のプレイヤーが持っているはずのない力も情報も持っている』
βテスターどころかチーター、《ビーター》の汚名を受け入れ、アスナとのパーティも解消して一人で去っていきます。
2話にして早くも人の死が描かれました。遺体も残らず粉々に砕け散ったのはゲームならではの非情な描写でありショックを与えるものでした。
#03 赤鼻のトナカイ
攻略組から離れたキリトはレベルの高さを、ビーターであることを隠して小規模ギルドに入ります。
しかし、キリトの忠告を無視してトラップにかかったギルドはキリトを残して全滅します。
レベルの高さを隠していなければ、自分の言葉に説得力を持たせて忠告を聞き入れてもらえたかもしれない。
責任を感じたキリトはプレイヤーの蘇生アイテムを狙って高難易度クエストに一人で挑みます。
クエストを攻略したキリトですが、手に入れた蘇生アイテムは死亡から10秒以内に使わなければならないアイテムでした。
蘇生を諦めて自室に戻ったキリトはギルドのメンバーの一人、サチの生前のメッセージを聞いて涙を流しました。
またも人の死が描かれていきます。ディアベルよりもさらに若い少年少女が次々と命を散らしていく様子はさらにショックな光景でした。
#04 黒の剣士
キリトはビーストテイマーの少女、シリカを助けます。しかし、彼女の使い魔であるピナの救出には間に合いませんでした。
しかし、使い魔を蘇生させるアイテムがあること、そのアイテムのために難易度が高いダンジョンに挑む必要があることをキリトはシリカに伝え、ピナを助けるために一時的に手を組みます。
無事にアイテムを手に入れたキリトとシリカの前に、かつてシリカと組んでいたロゼリアが現れます。彼女は強盗、殺人を繰り返すギルドの一員であり、シリカの手に入れたアイテムを強奪するために部下とともに襲いかかります。しかし、キリトの圧倒的な戦闘力の前に為す術もなく敗北、監獄送りになりました。
高いHPと自動回復スキルによりいくら切り刻まれても動じないキリト。レベル差による圧倒的な強さの違いを描いたゲームらし描写です。いわゆる『俺TUEEE』のようなシーンにも見えますが、ビーターとして忌み嫌われているレベルの高さを表現していると考えると、これもまた重いシーンだと感じます。
また、明確な死亡描写こそ無かったものの、これまでとは違いプレイヤーの悪意に襲われたエピソードです。
戦う相手がモンスター以外にもいることが明かされた、これまでと違った形でゲームの非常さを感じました。
#05 圏内事件
#02にてキリトと一時的にパーティを組んだアスナは今やトップギルドの血盟騎士団の副団長となっていました。
攻略方針の違いからたびたび衝突する二人ですが、ひょんなことから一緒に食事をすることになります。
そんな時、町の中(圏内)でカインズという男性が犠牲になる殺人事件が起こります。
プレイヤー同士の決闘以外でダメージを与える手段の無い圏内において、どのような手段で事件が起こされたのでしょうか。
死亡したカインズとかつて同じギルド《黄金林檎》に所属していた女性、ヨルコに聞き取りを行っていたところ、そのヨルコも凶刃に倒れます。
これまでの話とは変わってミステリー色の強いエピソードとなりました。次回、解決編です。
それはさておき、今回の見どころ、寝起きのアスナさん。日向で居眠りするキリトを注意していたのですが自分も眠りこけてしまいました。かわいいですね。
#06 幻の復讐者
前回起きた事件はゲームの仕様を利用して殺人を偽装したものであり、カインズとヨルコが仕組んだものでした。
その狙いはレアアイテムの使い方を巡ってギルド内で起きたトラブル、その末に死亡した黄金林檎のリーダー、グリセルダの死の真相を調べることだったのです。
グリセルダを殺害したのはゲーム内での、そして現実世界でもグリセルダの夫であったグリムロックの仕業でしたが、彼の狙いはレアアイテムではありませんでした。
SAOの世界に閉じ込められたことで、デスゲームに怯えるグリムロックと果敢に挑むグリゼルダの間に溝が生まれました。
現実世界での妻の姿を引きずるグリムロックはそれに耐えきれず、彼女を思い出の存在として胸に刻むために凶行に走ったのです。
そんなことを語るグリムロックに対してアスナはそんなものは愛情ではなく所有欲だと切って捨てます。
それを聞いたグリムロックは言い返すこともできずに項垂れました。
彼の処遇をかつてのギルドメンバーに任せることで事件は幕を閉じました。
レアアイテムの話題から広げて愛情、あるいは所有欲の形を描いており、今回もゲームを舞台にしている本作ならではの作りでした。
今回のアスナさん。
アスナさんお手製のお弁当をキリトと食べているのですが、お手製弁当を前にして驚いたのか照れ隠しなのかキリトは『オークションにかければ大儲け』などと発言。最悪。
#07 心の温度
キリトはより強い武器を求めて鍛冶屋のリズベットの武具店を訪ねます。
キリトが求める武器が店になかったため、オーダーメイドの武器を作るために材料採集に二人で向かうことになりました。
単なる材料採集に終わらず道中で強力なモンスターとも戦う大冒険になるわけですが、その過程の中でリズベットはキリトに好意を寄せます。
無事に鉱物を手に入れ、リズベットはキリトが理想とする武器の精製に成功します。
そしてキリトに想いを告げようとするのですが、そこにリズベットの親友であるアスナが現れます。
リズベットは仲睦まじく会話するキリトとアスナを見てその関係を察し、自分の想いは胸に秘める事にしました。
少女の一日の冒険と悲恋を描いた、観ていて胸が切なくなるエピソードでした。
材料採取の途中で空中に飛び上がったリズベットとキリト。ここでも彼女はキリトに思いを打ち明けていたのですが、強い風に遮られてキリトの耳には届きませんでした。
#08 黒と白の剣舞
キリトは貴重な食材アイテムを手に入れます。
自分で料理するだけのスキルが無いキリトは食材の使い方をアスナに相談します。
貴重な食材に興味津々のアスナはキリトを自室に招待し、料理を振る舞うことになりました。
憧れのマンガ肉。二人の仲はどんどん進展していきます。羨ましい。
アスナの護衛役を務めるクラディールはそんな二人の仲を羨ましいと言うより妬ましく思い、キリトに決闘を申し込みます。
決闘はクラディールの惨敗。
負けたうえで無様な言い訳を続けるクラディールを見限り、アスナは直々に解任を言い渡します。
その後にダンジョンに潜ったキリトとアスナはボスの部屋を発見、その中で恐ろしいモンスターを発見します。
#09 青眼の悪魔
ボスモンスターと対峙したキリトとアスナは敵わないと即座に判断、撤退します。
二人は撤退した先でSAO随一の巨大ギルド、《軍》と遭遇します。
キリトはこの先にボスモンスターがいること、そしてその危険性を伝えますが、軍は忠告を聞き入れずに進軍、軍の指揮官であるコーバッツを始めとして多くの犠牲者を出します。
救援に向かったキリト達も活路を見いだせず苦戦しますが、キリトのエクストラスキル、二刀流による剣技《スターバースト・ストリーム》により辛くも勝利します。
キリトの大技、スターバースト・ストリーム。静止画と文章では伝わらない迫力があるのでぜひ映像で確認してください!
後日、キリトは血盟騎士団の団長であるヒースクリフに呼び出されます。
団の貴重な戦力であるアスナを引き抜こうとするのをやめるようにキリトに言い渡します。
それを受け入れないキリトはヒースクリフとの決闘に臨みます。
その条件はキリトが勝てばアスナを連れて行く。負ければキリトが騎士団に入るというものです。
長らく攻略組から離れたエピソードが続きましたが今回ついに合流しました。
人命も失われ、SAOが恐ろしいデスゲームであることを思い出しました。
#10 紅の殺意
キリトとヒースクリフの決闘はキリトの敗北。キリトは血盟騎士団に入ることになりました。
入団後、キリトは訓練のために三人一組のパーティで迷宮区に挑みます。
そのメンバーは指揮官のゴトフリーとキリト、そして、かつてアスナの護衛役であったクラディールです。
しかし、クラディールは訓練中に配布された食料に麻痺毒を仕込み、ゴトフリーとキリトの謀殺を企てていました。
クラディールはゴトフリーを手にかけ、次にキリトを始末しようとします。
狂気のクラディール。元から怪しい印象ではありましたが、ついに本性を表しました。
キリトのHPが無くなる寸前、アスナが救援に駆けつけキリトは一命を取り留めます。
アスナの猛攻を受け、命乞いをするクラディール。
剣を収めようとするアスナですが、それを見てクラディールが不意打ち、今度はアスナが絶体絶命になるのですが、キリトが身を挺してかばいます。
そしてそのまま手刀により反撃、クラディールを絶命させます。
ついに人を殺めてしまったキリト。
その責任の重さを感じたアスナはキリトにもう会わないと告げます。
しかし、自分の命を救ってもらったキリトは自分の命を彼女のために使うと言います。
それを受けてアスナもキリトを守ると誓い、二人は共に生きていくことを決めます。
互いの愛を確認した後、改めて今日起きた出来事を恐ろしく思い、しばらく前線を離れることを決めます。
そして、キリトはアスナに結婚を申し込み、彼女はそれを受け入れるのでした。
ついに主人公であるキリトが人を殺めてしまいました。前回に続きデスゲームの凄惨さが描かれ、その恐ろしさに震え上がってしまいます。
それとは別に、羨ましさに震えるシーンもあったりします(ソードアート・オンラインは全年齢対象アニメです)。
#11 朝霞の少女
前線を離れて湖畔沿いに引っ越したキリトとアスナは森の中で倒れている少女を発見します。
二人は少女を保護しますが、目覚めた少女は『ユイ』という自分の名前以外の記憶を失っていました。
キリトとアスナを『パパ』『ママ』と呼ぶユイとともに三人は本当の家族のように過ごします。
ほのぼのとした空気の中でユイと過ごしたいと思いつつも彼女をゲームから早く救い出すためには自分達が前線に戻って早く攻略を進めなければならないというジレンマが描かれてエピソードでした。
#12 ユイの心
前回、ユイの保護者を探しに街に出たキリトとアスナですが、宮に置き去りにされた人を救出する依頼を請けます。
迷宮に潜ったキリトとアスナ、そして駄々をこねて付いて来たユイですが、強力なモンスターと遭遇、あわや全滅の危機に遭います。
そのモンスターをなんとユイが一蹴します。
記憶を取り戻したユイ、その正体はSAOを管理するシステム、カーディナルを構成するプログラムの一部でした。
ユイはプログラムとしてGM権限を行使して先のモンスターを消去したのですが、命令に違反したことでカーディナルに削除されてしまいました。
しかし、ユイが完全に削除される寸前、キリトはユイのデータの一部を保存することに成功します。
いつか現実世界に戻ることを、そこでユイを復活させることを二人は決意します。
ほんのわずかな間でしたがユイは穏やかな生活の象徴であり、彼女との別れは戦いの日々が再開する前触れでもあるかのように感じられました。
#13 奈落の淵
釣り人のニシダや周囲の住人たちとともに釣りに興じるキリトのもとに、ヒースクリフから前線への復帰を命じるメッセージが届きます。
旅立ちの朝、二人を見送るニシダは戦う力も無く現実世界への帰還を諦めた自分の思いを溢します。そんなニシダに対してアスナは語りかけます。
かつては自分もニシダと同じ思いだったこと。しかし、キリトと出会うことでこの世界に来た意味を、この世界で生きる意味を見つけたこと。自分と同じようにニシダにもきっと大切なものがあるはずだと。
初老の男性に希望を与え、若人は前線に戻っていきます。
作品のターゲット層とはかけ離れた年齢のキャラクターへ向けられた言葉ですが、生きる意味に悩む人々の胸に刺さる言葉だと思います。ニシダさんもがんばって……!
合流した二人はヒースクリフから戦況を聞き、その恐ろしさにキリトは弱気になります。
しかし、アスナの決死の想いを聞き、互いが互いを守り合って戦い抜くことを決意します。
いよいよモンスター討伐に臨む攻略組ですが、その強さに多くのプレイヤーが命を落とします。
奮戦の行方はいかに。
#14 世界の終焉
奮闘の末にモンスターを討伐した攻略組ですが、その犠牲者は14人。まだまだ続くアインクラッドを本当に攻略できるのか、プレイヤーの間に絶望が走ります。
疲弊するプレイヤーの中で余力を残しているヒースクリフを見て違和感に気づいたキリトは彼を不意打ち、その反応から彼が通常のプレイヤーとは異なる存在であることを明らかにします。その正体はこのゲームの開発者、茅場晶彦でした。
正体を明かした茅場はゲームのクリアを報酬とし、ゲームのラスボスとしてキリトに決闘を申し込みます。
ですが、その差は歴然、奮戦も虚しく劣勢のキリトにヒースクリフは最後の一太刀をあびせますが、アスナが身を挺してキリトを庇い、消滅します。
それを見てキリトも戦意を喪失し、ヒースクリフに胸を貫かれて命を落とします。
しかし、一度消滅したはずのキリトのアバターが即座に復活、最後の力でヒースクリフと刺し違えて彼を倒します。
ラスボスが倒され、ついにSAOはクリアされました。
生き残ったプレイヤーがログアウトし、崩れ行くSAOの世界を眺めながらキリトとアスナ、そこに茅場晶彦が現れます。
SAOの世界を作った理由を、事件を起こした理由を語って茅場は去っていきました。
『言い忘れていたが、ゲームクリアおめでとう。キリト君、アスナ君』
茅場が去った後、キリトとアスナは互いの本名を教え、消えゆく意識の中で愛を伝えます。
『ゲームクリアおめでとう』
茅場の言葉通り、消滅したかのように思われたキリトは現実世界への帰還を果たします。
意識を取り戻してすぐに脳裏に浮かんだのはアスナの姿。
寝たきりで衰弱しきった身体を引きずり、キリトはアスナを求めて歩き出します。
ついにゲームクリア、アインクラッド編完結です。
大筋はオーソドックスなファンタジーですが、随所にオンラインゲームならではの工夫が凝らしてある作品だと感じました。
これだけ親交を深めていながら最後の最後に伝えたのが互いの本名であるというのは実にオンラインゲームらしいです。
一つの冒険が終わりましたが、キリトの目にはまだ鋭い光が宿っています。
アインクラッド編最終回でありながら、ソードアート・オンラインの物語はまだ始まったばかりと思わせる回でした。
ちなみに補足しますと、一度消滅して即座に復活したキリト、一見するとご都合主義にも思えますが、明確な描写こそ無いものある程度の推察はできます。
#03でキリトが手に入れた蘇生アイテムですが、キリトが蘇生を諦めた後にクラインに託されています。『次にお前の目の前で死んだやつに使ってくれ』の言葉とともに。
前線で戦っていたクラインはこれまで多くのプレイヤーの死を見てきたはずですが、恩人であるキリトのために温存していたと考えることもできるかと思います。
読者の皆様の考察のご参考までに。
それでは引き続き、フェアリィ・ダンス編です。