目次
三賢はどうなったのか?
成れ果ての村となったイルミューイは、イルブルとよばれるようになります。そして、ガンジャ決死隊の面々を「成れ果て」にして、自身の体内に住まわせました。
そして、三賢はどうなったのかというと、まず、ベラフはイルミューイの子供を食べて生きながらえたことで、罪悪感を感じたため、当初はイルミューイに自身を食わせようとしましたが、イルミューイはベラフを成れ果てにして、イルブルの中に住まわせました。
ワズキャンは、危険を承知で、自身にも欲望の揺籃を使いました。
欲望の揺籃の力とイルミューイの力のおかげで、ピエロのような成れ果てになって、ベラフとともに、イルブルで再び三賢として暮らしています。
ヴエコは、村を築くのに反対したため、ワズキャンによってドグープ(目の奥)と呼ばれる場所に幽閉されてしまいます。
そして、ヴエコの後釜として、ジュロイモーという成れ果てが三賢となっています。
メイドインアビス10巻届いたので読んでたんですけど、ここでジュロイモーが雷電将軍とダブって最悪だった pic.twitter.com/53VgMsuH1j
— 原初の園芸士 (@kuronero53) September 19, 2021
そして、ワズキャン、ベラフ、ジュロイモーが三賢となって、イルブルを統治することになったのです。
ドグープにいる生き物とは?
ヴエコが幽閉されたドグープには、アメーバ状の生き物がいました。それはガンジャの隊員たちに食べられた、イルミューイの子供達でした。
なぜ、食べられた子供達がドグープにいるのかは定かではありませんが、村、すなわち、イルミューイは魂を再現することができる力を持っており、ベラフは村の力で、自身の身体の一部を対価にして、ミーティの複製体を作ってもらったことがあります。
そのため、ドグープに居るのはイルミューイが作り出した自分の子供の複製体と思われます。
このイルミューイの子供達は、村で掟を破る者が現れると、「精算」をさせようとします。村の掟とは、他人が持っている「価値」のあるものを傷つけないことです。
価値を傷つけると、イルミューイの子供達が現れて、傷つけた者から、価値に見合うだけのものを強制的に奪ってしまうのです。
イルミューイの子供たちは、村に居る者の頭の信号をキャッチすることができるので、村の中にいる限りどこまでも追って、精算させようとします。
村は共生生命体なのか?
前述したように、村になったイルミューイは、成れ果てになったガンジャ達を取り入れて、自分の体内に住まわせています。
つまり、イルミューイは成れ果てと共存している、一種の共生生命体のような存在ではないかと思います。
共生生命体もしくは共生生物とは、複数の種の生物が共に協力し合って生きることです。
有名な所では、イソギンチャクを身体にくっつけて生活するカニやヤドカリです。イソギンチャクは毒針を持っているので、カニやヤドカリはイソギンチャクを身体にくっつけることで、外敵から身を守ることができ、同時に食べ物を共有することで、双方が生きながらえることができます。
これは、人間もおなじであり、人体には多くの細菌やバクテリアが存在しており、人間は細菌やバクテリアと共存していると言えます。生物とは基本何かと共生しているものなのです。
これを突き詰めたのが、地球を多くの生物との共生生命体と考えるガイア理論というものです。
これとおなじように、イルミューイは成れ果て達を取り込むことで、成れ果てとの共生生命体となったのではないかと思います。
ファプタが生まれた理由とは?
動いて話すファプタ早くみたい。でもガンジャ隊のくだりは辛すぎる…
— よっしー (@manderinrin4) September 24, 2021
実写は絶対見ないhttps://t.co/g4cILZS8se
ファプタは、イルミューイが宿していた、三つの欲望の揺籃から生まれた、ファプタの最後の子供です。
その姿は、褐色の肌に白い毛並みをした、美しい成れ果てです。高い知性と、強力な身体能力の持ち主で、村を滅ぼそうといつも狙っています。
ファプタはどうやら生まれたときから、村を滅ぼそうとする本能があるようです。
なぜファプタに、村を滅ぼすという本能があるのか?一つには、イルミューイを解放することで、もう一つは、イルミューイが心の奥底で抱いた、憎悪から生まれた存在だからではないかと思われます。
イルミューイは、ガンジャ決死隊のメンバーに仲間意識を抱いており、皆を助けたいという願望から、水の毒を中和することができる子供を生み出しました。
でも、一方では、自分の子供を奪われ、食われていくことに悲しみ、自分の子供を食べた隊員に対して、心のどこかで憎悪を抱いていたようです。
この相反する心は、やがて、隊員たちを救いたいと言う願望がイルミューイをイルブルに変化させ、隊員たちに対する憎悪の気持ちがファプタを生み出したのではないかと思われます。
現にファプタが生まれてきた時には、イルミューイはファプタを村の外に出しています。村人達を、ファプタによって傷つけられないようにするための配慮でしょう。
イルミューイの心は、矛盾しているようですが、作中でも言われているように、人の思考とは雑多で複雑なのです。だから、時には矛盾した思考をしてしまうことがあるのです。
そして、この相反する感情から解放されたい、という願望もあって、ファプタに村のすべてを破壊させようとしているのかもしれません。
まとめ
イルミューイの物語には、人の心の複雑さ、生命の神秘さが語られているように思えます。
そして、メイドインアビスは、複雑で恐ろしい生態系を持つアビスと言う世界と、そんな恐ろしい世界に憧れてしまう人の心というものがテーマになっているようにも思えます。