【文スト】江戸川乱歩のプロフから異能力を徹底解説!本当に無能力なのか?
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江戸川乱歩は、探偵社の重鎮にして名探偵。解決した事件は数知れず。彼の異能「超推理」を使えば、いかなる犯人も逃れる術はなし。

しかし、乱歩の異能「超推理」には、意外な秘密が隠されていたのです。

今回は、そんな乱歩のキャラクターと異能の正体について考察しましょう。

【文豪ストレイドッグス】江戸川乱歩とは?

江戸川乱歩のプロフィール

 

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出典:「文豪ストレイドックス」公式サイト

 

  • 年齢:26歳
  • 誕生日:10月21日
  • 身長:168cm
  • 体重:58㎏
  • 血液型:O型(実際の江戸川乱歩と同じ)
  • 好きなもの:合理的思考、幻想怪奇
  • 嫌いなもの:常識、無駄な知識

糸目に無邪気な笑みを浮かべた若者で、十代半ばくらいに見えますが、年齢は26歳です。

初登場時は無邪気というより、鷹揚な雰囲気の青年でした。

乱歩の衣装は、茶色の鳥打帽に、マント、膝くらいの長さのハーフパンツという恰好で、江戸川乱歩の作品に登場する探偵の明智小五郎というよりは、シャーロック・ホームズの方に近い衣装を着ています。

嫌いなものに無駄な知識を挙げているのも、シャーロック・ホームズと共通しています。

江戸川乱歩の性格

 

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乱歩といえば、自らを名探偵と自認するほど傲岸不遜な性格をしていますが、子供っぽくて無邪気な性格をしているため、どこか憎めません。

天才肌の探偵らしく、好奇心旺盛で、興味のある事件にはすぐ首を突っ込みたがりますが、興味がなくなると見向きもしません。

礼儀知らずで、ぶしつけなふるまいが目立ちますが、事件現場にある死体に対し、弔いをするなど、まったくの無神経というわけではありません。

探偵という肩書に合わず、地道な捜査や調査を嫌っており、本や新聞を読むこともないようです(四コマ漫画だけは読んでいる)。

また、一般常識も欠けているため、電車の乗り方すらわかっていません。

傍若無人な乱歩ですが、社長の福沢諭吉にだけはまったく頭があがらず、彼に叱られることを恐れており、また同時に、社長から褒められることを望んでいます。


好きな食べ物は駄菓子?なぜ甘いものばかり食べているのか?

乱歩といえば、とにかく甘いものが大好きで、常に駄菓子を食べています。
よっぽど食べるのか、事務所には彼のために駄菓子を買い置きして置いてある程です。

少年時代に福沢諭吉と出会ったときに善哉を奢ってもらったことがありますが、その際、善哉の餡だけを食べて、福沢を絶句させていたことがあります(「福沢諭吉との出会い」の項を参照)。

ただ、なぜか、乱歩のプロフィール欄の好きなものの項目に、駄菓子や甘いものとは書かれてはいません。

これは、あくまでも仮説ですが、乱歩が甘いものを食べているのは、脳に糖分を補給するためではないかと思われます。

脳は、人体の中でも、カロリーの消費がもっとも高い部位であり、乱歩のように頭を使う人は、糖分を補給したがる傾向があるようです。

乱歩は、駄菓子が好きというだけでなく、頭を使う能力なので、常日頃、糖分を欲しているのではないかと思います。

【文豪ストレイドッグス】江戸川乱歩の名言

「僕がよければすべてよし」

 

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第2巻で登場した名言です。

警察から殺人事件解決の依頼を受けた乱歩は、中島敦を伴って(乱歩は電車の乗り方が分からないので、誰か一緒に乗ってもらう必要がある)現場に急行しました。

しかし、現場にいた刑事の箕浦はあまり乱歩を歓迎してはいません。

乱歩の能力を信じておらず、事件は地道な調査によって解決するものと思っているからです。

しかし、乱歩は自分の異能を使えば、真相なんかすぐにわかるので、調査なんかしないと言って、箕浦を怒らせてしまいます。

たまたまその場にいた(川に流されていた)、太宰治の仲裁もあって、その場は収まりましたが、その時、乱歩は、自分の座右の銘は「僕がよければすべてよし」だから!と、堂々と言ってのけます。

乱歩らしい、無邪気さと痛快さ、そして自己中心性が表れた座右の銘です。

ちなみに、その場にいた中島敦の座右の銘は「生きているならいいじゃない」で、太宰治の座右の銘は「清く明るく元気な自殺」です。

「僕の能力が必要になったらいつでもご用命を、次からは割引価格で良いよ」

 

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同じく第2巻に登場。

結果的に事件を解決した乱歩に、箕浦は彼の能力を疑ったことを素直に詫びると、乱歩はまるで気にしていないかのように「僕の能力が必要になったらいつでもご用命を、次からは割引価格で良いよ」と言いました。

自分の異能のせいで、幼少時期から他人から疎まれてきた乱歩にとって、箕浦の反応はめずらしくなく、むしろ、素直に詫びた箕浦は、乱歩からすればまともな人間だったのか、おおらかに受け取りました。

不遜ではあるけれども、おおらか、それが乱歩の人柄なのです。


「名探偵に不可能はない」

第12巻に登場した名言です。

社長の福沢諭吉、ポートマフィアのボスである森鴎外の二人が、ウイルスを操る異能者によって危篤状態となりました。

さらに異能者は、どちらかが先に死ねば、どちらかが助かるようにウイルスを仕組み、探偵社とマフィアを相殺させるように仕向けたのです。

すべては、両組織を潰そうと企む、ドストエフスキーの「共食い」という策略でした。

先陣を切って戦いを挑むマフィアの幹部の中原中也に対し、乱歩は彼に一対一で戦いを挑もうとします。

「重力に潰されてみるか?」と凄む中原中也に対し、乱歩は怯むことなく「名探偵に不可能はない」と言います。
……実際はエドガー・アラン・ポオの異能で創り出した小説空間を使ってしのぐのですが。

【文豪ストレイドッグス】江戸川乱歩の過去

両親は何者?

 

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本作のスピンオフ、小説版「文豪ストレイドッグス外伝 探偵社設立秘話」には、12年前の江戸川乱歩と福沢社長の過去が語られています。

乱歩は早くに両親を亡くしており、福沢と出会ったとき仕事を探している最中でした(文ストの世界では未成年でも働いている)。

小説では、乱歩の両親の名は明らかにされていませんが、父親は刑事だったらしく、名前だけなら福沢も耳にしたことがあるほど有名な人物で、なんと夏目漱石と知合いでもありました。

母親は普通の主婦だったようですが、なんと父親以上の優れた頭脳の持ち主であったようで、謎解きでも推理でも父親は母親には敵わなかったらしく、いつもやりこめられていたようです。
(父親が母親の推理に頼って、事件を解決していた可能性もあります)

福沢諭吉との出会い

 

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探偵社ができる前、乱歩と福沢の二人はちょっとした事件をきっかけに知り合いました。

当時の福沢諭吉は、用心棒稼業をしており、ある日、福沢が警護していた、とある企業の女社長が殺されたとの知らせがあり、現場に急行しました。

現場先に到着した福沢が社長の秘書から事情を聴いていると、この企業に就職しようとしていた乱歩が現れたのです。

ちなみに、当時の乱歩は超推理の力でトラブルを起こすことが多かったので、仕事先を何度も変えていたのです。

乱歩は一目で事件を解決すると、就職先を無くしてしまったため、福沢と行動を共にすることになったのです。

当時の乱歩は、今以上に傍若無人な性格であったため、福沢は振り回されてばかりいて、現在の威厳のある姿からは信じられないほど、困惑しきった福沢の姿を拝見することができます。

探偵社設立

福沢は、行き先の無い乱歩を引き取りましたが、出会った早々、善哉を八杯も奢る羽目になったうえ、福沢は仕事先まで、乱歩と一緒に行動する羽目になりました。

福沢が用心棒の仕事をしているため、乱歩も事件に巻き込まれてしまうのですが、乱歩は超推理を駆使して事件を解決していくので、いつしか、二人はバディとして活動する探偵となりました。

やがて、福沢は用心棒から探偵にと、本格的に商売替えをすることとなり、夏目漱石から「異能開業許可証」を貰って、武装探偵社を設立させることとなったのです。

ライバル、エドガー・アラン・ポオとの出会い

 

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乱歩のライバル、エドガー・アラン・ポオは、米国の探偵で、異能集団「組合(ギルド)」のメンバーの一人です。

彼の異能「モルグ街の黒猫」は、書いた小説の世界に引きずり込むことができます。

二人が出会ったのは、本編開始から六年前で、ポオは、この能力で生み出した推理小説の世界で、乱歩と推理合戦をして敗北してしまいます。

再戦を誓ったポオは、三社戦争の際、再び乱歩に推理勝負を仕掛けてきました。

当初、ポオの生み出した小説世界の巧妙な仕掛けに翻弄されてしまう乱歩でしたが、なんとかトリックを見抜いて、再び勝利しました。

異能で創り出した空間が舞台になっていたとはいえ、自分と真っ向から推理合戦をしかけてきたポオに乱歩は敬意を表しました。

その後、乱歩とポオは、ライバルとも協力者ともつかない、奇妙な友情を築き上げることになります。

【文豪ストレイドッグス】江戸川乱歩の異能の正体

超推理とは?

 

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乱歩の異能「超推理」とは、とてつもない観察力と、高度な情報処理能力によって、一瞬にして、物事の真実を見破ってしまう能力です。

能力の発動の際は、社長からもらった眼鏡が必要であり、この眼鏡がある種の精神的なスイッチとなって、異能を発動させることができるのです。

この能力で、乱歩は多くの難事件を解決しており、探偵社を支える能力と言えます。

実は異能者ではない?超推理の正体

 

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実は、超推理は異能ではなく、乱歩は無能力者だったのです。
では、乱歩の超推理とは果たして何なのでしょうか?

おそらく、乱歩は「ギフテッド」と呼ばれる天才児ではないかと思われます。

ギフテッドとは「与えられた」という意味を持っており、天才的な能力を持った人物のことを意味しています。

具体的に言うと、生まれつき備わった優れた記憶力や情報処理能力によって、高い洞察力や思考力、独創性を持った人物のことで、学問や芸術方面ですぐれた才能を発揮する人物の事です。

ギフテッドは高い能力を持つがゆえに、人間関係で悩むことが多く、乱歩が少年時代に何度も職を変えていたのは、自分の桁外れな推理能力のために、人間関係でトラブルを起こしていたためなのです。

  • 類似キャラ一覧
  • 能力者級の天才児
    ドラマ「ケイゾク」の柴田純。
    スウェーデンの小説「ミレニアム」のヒロイン、リスベット・サランデル。
    「金色のガッシュ!!」の高峰清麿。
  • 異能者と戦う無能力者
    「無能なナナ」の柊ナナ。

現実にも存在する天才児たち

現実にも乱歩同様、とてつもない天才児が存在します。

代表例で言えば、数学の天才で相対性理論を生み出したアインシュタイン、音楽の天才であったモーツアルトや芸術や科学に対して優れた才能を持ったレオナルド・ダヴィンチなどが挙げられます。

また、日本でも優れた記憶力と情報処理能力を持った博物学者の南方熊楠や、漫画の神様である手塚治虫などが挙げられます。

とくに手塚治虫は自分の書いた漫画のどのページのどのコマに、どんなキャラクターを描いて、どんな物を描いたか隅々まで思い出すことができ、この記憶力を利用して、電話で口頭でアシスタントに指示して漫画を描き上げたことがあります(ブラックジャック創作秘話第1巻より)。

 具体的に言うと「〇ページの〇コマ目に、ブラックジャックの〇ページ、〇コマ目にある車と、三つ目がとおる〇ページ、〇コマ目にある建物を描いて」と言って指示していました。

【文豪ストレイドッグス】実際の文豪、江戸川乱歩とは?

江戸川乱歩とは?

文豪の江戸川乱歩は、大正から昭和にかけて活躍した小説家です。

江戸川乱歩はペンネームで、本名は平井太郎と言います。

ペンネームの由来は米国の怪奇小説家エドガー・アラン・ポオからとっており、本作で乱歩とポオがライバル同士になっているのは、これが由来となっています。

ポオをリスペクトしてるだけあって、江戸川乱歩は不気味な作品を書くことが多く、そのため当時は、土蔵に籠って、ろうそくの灯りを頼りに小説を書いていたと言われていますが、実際には土蔵を書庫にしていただけで、仕事場にはしなかったそうです。

若いころは仕事を次々と変えており、文ストの方の乱歩が、少年時代に仕事が長続きしなかったという設定はこれが由来と思われます。

また、作品は漫画化もされており、山口譲司が描いた「江戸川乱歩異人館」や丸尾末広の「パノラマ島奇譚」などがおすすめです。

探偵小説の礎を築いた作家

 

 

乱歩が敬愛していたポオの作品には、「モルグ街の殺人」のような本格推理小説があるように、乱歩は、怪奇小説だけでなく、海外の本格推理小説などにも影響をうけていました。

そのため、乱歩は「魔術師」や「蜘蛛男」のような怪奇風味の探偵小説から、「D坂の殺人事件」や「心理試験」のような本格推理小説まで書いています。

乱歩が書いた探偵小説の多くは、少年探偵団シリーズで有名になった名探偵、明智小五郎と少年助手の小林少年が登場します。
この二人の関係は、どことなく文ストの福沢社長と乱歩の関係を彷彿させます。

乱歩がデビューしたばかりの大正時代の日本は、まだ推理小説や探偵小説が根付いていなかったため、乱歩は日本における探偵小説の礎を築いたと言えます。

文ストでは、乱歩本人以外にも江戸川乱歩のネタが出てきます。
例えば刑事の箕浦は「孤島の鬼」の主人公の名前をとり、ポートマフィア傘下の武闘派組織「黒蜥蜴」は、「黒蜥蜴」という作品からとっています。

おすすめの江戸川乱歩作品は、以下の通りです。

  • D坂の殺人事件

D坂(文京区にある団子坂の事)にある古本屋のおかみは、美人で評判でしたが、ある日、喫茶店にいた「私(本作の語り部)」と明智小五郎は、古本屋におかみがいないので、気になって古本屋に入ってみると、なんとおかみの絞殺死体がありました。

明智小五郎が初登場した記念すべき作品です。
映画化されたことでも有名で、監督は、斬新な映像を撮ることで有名な実相寺昭雄です。
彼は「シンゴジラ」で有名な庵野秀明に影響を与えた監督でもあります。

  • 影男

他者の秘密を知ることに快感を覚える男、影男の物語です。

江戸川乱歩の生み出した悪役キャラといえば、怪人二十面相が有名ですが、影男もかなり興味深い悪役です。

他者の秘密を知って、それをネタに金儲けを企む悪辣な人物ですが、一方で、彼なりに道義を守り、人殺しを嫌い、弱者をいたぶるようなことはしないという意外な一面を持ったキャラクターです。

  • 人間椅子

とある一人の女性作家の元に、手紙が届きました。
それは一人の家具職人の書いた奇妙な手紙でした。

家具職人はある日、ホテルから大きな椅子を作ってほしいと頼まれたが、なぜかその椅子に、人が一人入れるだけのスペースをつくり、その中に入って、ホテルに忍び込みました.

やがて家具職人は椅子の中に隠れながら、ホテルの盗みに入るという、背徳的な生活を楽しむようになっていきました。

本作は、文ストの原作を担当している朝霧カフカが編集した「超訳マンガ×オチがすごい文豪ミステリー」で、お勧めしている作品です。

奇妙な趣味を持った人の物語は、乱歩が得意とするものです。
椅子の中に隠れて高級ホテルに寄生するというのは、韓国映画「パラサイト」にどこか近いものを感じさせ、乱歩の先見性の凄さがうかがえます。

超常現象否定論者だった

怪奇と幻想に満ちた作風でありながら、乱歩は幽霊や心霊現象など、いわゆる超常現象を否定していました。

江戸川乱歩の作品をよく読んでみると、確かに、ホラータッチの作風ではありますが、幽霊や妖怪、超能力といった類のものはでてきません。
幽麗塔という作品こそありますが、本作で幽霊がでてくるわけではありません。

文ストの乱歩が異能を持っていないのは、江戸川乱歩が超常現象を否定していたからかもしれません。

ちなみに、シャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルは乱歩とは対照的に、心霊現象肯定派でした。

【文豪ストレイドッグス】江戸川乱歩のまとめ

異能以外の力を持つ、本作最強のイレギュラーキャラ江戸川乱歩の魅力はいかがでしょうか?

彼は今後も活躍していくので、今後も文豪ストレイドックスに目が離せません。

また「文豪ストレイドッグス外伝 探偵社設立秘話」には人気キャラの織田作之助がゲスト出演していますので、こちらもお見逃しなく。

 

 

 

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