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現実にも存在する天才児たち
現実にも乱歩同様、とてつもない天才児が存在します。
代表例で言えば、数学の天才で相対性理論を生み出したアインシュタイン、音楽の天才であったモーツアルトや芸術や科学に対して優れた才能を持ったレオナルド・ダヴィンチなどが挙げられます。
また、日本でも優れた記憶力と情報処理能力を持った博物学者の南方熊楠や、漫画の神様である手塚治虫などが挙げられます。
とくに手塚治虫は自分の書いた漫画のどのページのどのコマに、どんなキャラクターを描いて、どんな物を描いたか隅々まで思い出すことができ、この記憶力を利用して、※電話で口頭でアシスタントに指示して漫画を描き上げたことがあります(ブラックジャック創作秘話第1巻より)。
※具体的に言うと「〇ページの〇コマ目に、ブラックジャックの〇ページ、〇コマ目にある車と、三つ目がとおる〇ページ、〇コマ目にある建物を描いて」と言って指示していました。
【文豪ストレイドッグス】実際の文豪、江戸川乱歩とは?
江戸川乱歩とは?
文豪の江戸川乱歩は、大正から昭和にかけて活躍した小説家です。
江戸川乱歩はペンネームで、本名は平井太郎と言います。
ペンネームの由来は米国の怪奇小説家エドガー・アラン・ポオからとっており、本作で乱歩とポオがライバル同士になっているのは、これが由来となっています。
ポオをリスペクトしてるだけあって、江戸川乱歩は不気味な作品を書くことが多く、そのため当時は、土蔵に籠って、ろうそくの灯りを頼りに小説を書いていたと言われていますが、実際には土蔵を書庫にしていただけで、仕事場にはしなかったそうです。
若いころは仕事を次々と変えており、文ストの方の乱歩が、少年時代に仕事が長続きしなかったという設定はこれが由来と思われます。
また、作品は漫画化もされており、山口譲司が描いた「江戸川乱歩異人館」や丸尾末広の「パノラマ島奇譚」などがおすすめです。
探偵小説の礎を築いた作家
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乱歩が敬愛していたポオの作品には、「モルグ街の殺人」のような本格推理小説があるように、乱歩は、怪奇小説だけでなく、海外の本格推理小説などにも影響をうけていました。
そのため、乱歩は「魔術師」や「蜘蛛男」のような怪奇風味の探偵小説から、「D坂の殺人事件」や「心理試験」のような本格推理小説まで書いています。
乱歩が書いた探偵小説の多くは、少年探偵団シリーズで有名になった名探偵、明智小五郎と少年助手の小林少年が登場します。
この二人の関係は、どことなく文ストの福沢社長と乱歩の関係を彷彿させます。
乱歩がデビューしたばかりの大正時代の日本は、まだ推理小説や探偵小説が根付いていなかったため、乱歩は日本における探偵小説の礎を築いたと言えます。
文ストでは、乱歩本人以外にも江戸川乱歩のネタが出てきます。
例えば刑事の箕浦は「孤島の鬼」の主人公の名前をとり、ポートマフィア傘下の武闘派組織「黒蜥蜴」は、「黒蜥蜴」という作品からとっています。
おすすめの江戸川乱歩作品は、以下の通りです。
- D坂の殺人事件
D坂(文京区にある団子坂の事)にある古本屋のおかみは、美人で評判でしたが、ある日、喫茶店にいた「私(本作の語り部)」と明智小五郎は、古本屋におかみがいないので、気になって古本屋に入ってみると、なんとおかみの絞殺死体がありました。
明智小五郎が初登場した記念すべき作品です。
映画化されたことでも有名で、監督は、斬新な映像を撮ることで有名な実相寺昭雄です。
彼は「シンゴジラ」で有名な庵野秀明に影響を与えた監督でもあります。
- 影男
他者の秘密を知ることに快感を覚える男、影男の物語です。
江戸川乱歩の生み出した悪役キャラといえば、怪人二十面相が有名ですが、影男もかなり興味深い悪役です。
他者の秘密を知って、それをネタに金儲けを企む悪辣な人物ですが、一方で、彼なりに道義を守り、人殺しを嫌い、弱者をいたぶるようなことはしないという意外な一面を持ったキャラクターです。
- 人間椅子
とある一人の女性作家の元に、手紙が届きました。
それは一人の家具職人の書いた奇妙な手紙でした。
家具職人はある日、ホテルから大きな椅子を作ってほしいと頼まれたが、なぜかその椅子に、人が一人入れるだけのスペースをつくり、その中に入って、ホテルに忍び込みました.
やがて家具職人は椅子の中に隠れながら、ホテルの盗みに入るという、背徳的な生活を楽しむようになっていきました。
本作は、文ストの原作を担当している朝霧カフカが編集した「超訳マンガ×オチがすごい文豪ミステリー」で、お勧めしている作品です。
奇妙な趣味を持った人の物語は、乱歩が得意とするものです。
椅子の中に隠れて高級ホテルに寄生するというのは、韓国映画「パラサイト」にどこか近いものを感じさせ、乱歩の先見性の凄さがうかがえます。
超常現象否定論者だった
怪奇と幻想に満ちた作風でありながら、乱歩は幽霊や心霊現象など、いわゆる超常現象を否定していました。
江戸川乱歩の作品をよく読んでみると、確かに、ホラータッチの作風ではありますが、幽霊や妖怪、超能力といった類のものはでてきません。
幽麗塔という作品こそありますが、本作で幽霊がでてくるわけではありません。
文ストの乱歩が異能を持っていないのは、江戸川乱歩が超常現象を否定していたからかもしれません。
ちなみに、シャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルは乱歩とは対照的に、心霊現象肯定派でした。
【文豪ストレイドッグス】江戸川乱歩のまとめ
異能以外の力を持つ、本作最強のイレギュラーキャラ江戸川乱歩の魅力はいかがでしょうか?
彼は今後も活躍していくので、今後も文豪ストレイドックスに目が離せません。
また「文豪ストレイドッグス外伝 探偵社設立秘話」には人気キャラの織田作之助がゲスト出演していますので、こちらもお見逃しなく。