【文スト】国木田独歩を徹底解説!理想主義者の強さや性格に迫る
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国木田独歩とは、理想主義者にして現実主義者、そして、太宰治の相棒であり、中島敦のよき兄貴分です。

生真面目で几帳面な性格ですが、苦労性な一面があり、災難に見舞われることも多いようです。

今回は、国木田独歩について解説しましょう。

【文豪ストレイドッグス】国木田独歩とは

国木田独歩のプロフィール

 

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  • 年齢:22歳
  • 誕生日:8月30日
  • 身長:189cm
  • 体重:78㎏
  • 血液型:A型
  • 好きな物:手帳、魚釣り、鰹のたたき
  • 嫌いな物:予定外、権威

国木田の見た目は、眼鏡をかけたインテリ風の男です。髪型は長髪で、画像では分かり辛いですが、後頭部で一本にまとめています。

趣味は魚釣りで、作中ではまだ描写されてませんが、休日はのんびりと魚を釣って、多忙な日々の疲れを癒しているのかもしれません。

異能が戦闘向きではないため、福沢社長から武術を学んでおり、その腕前は、自分より遥かに大柄な体格の男を投げ飛ばせるほどです。

国木田独歩の性格

 

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国木田は、目つきは鋭く、見た目や喋り方は堅物そのものなので、少々近寄りがたい人物に見えます。

しかし、実際は驚くほど面倒見がよく、当初、太宰が、敦を探偵社に入社させようとするのに反対していたにも関わらず、一番敦の面倒を見ているのが国木田であることから、彼の面倒見の良さがうかがえます。

その一方、お人好しで苦労性な所があるため、よく太宰に振り回されてばかりいます。

【文豪ストレイドッグス】国木田独歩の理想とは


理想を夢見る現実主義者

 

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国木田の理想とは、自分の眼前で人を死なせないことであり、実際、目の前で人が危機に陥っていたら、一目散に助けに行きます。

そのため、国木田は周囲から「理想主義者」や「ロマンチスト」と呼ばれているようですが、当の本人は理想主義者ともロマンチストとも思っていないようです(その割に、よく「理想」という言葉を口にしています)。

なぜなら、本人に言わせると、理想とは叶えるのが難しいものであり、本人はあくまでも、人生の指標として理想を持っているようです。

まさに国木田は、理想を夢見る現実主義者なのです。

「理想」を体現?彼の手帳とは?

 

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国木田は手帳を愛用しており、手帳の表紙には「理想」と書かれています。

手帳は、たいへんなこだわりがあり、高名な手帳職人カーライルが製造したもので、限定生産品のものを用いています。

あまりにも手帳を大事にしているため、宮沢賢治は、手帳が国木田の本体(?)と思っています。

手帳には、自身の仕事の際の予定表や、人生設計、さらには、結婚相手の理想像までも書かれており(太宰に言わせると、中身は女性に見せない方がいいとのこと)、まさに国木田の手帳は、彼の「理想」を体現したものと言えます。

【文豪ストレイドッグス】国木田独歩の関係者は?

田山花袋とは?

 

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田山花袋とは、国木田の十年来の友人で、元は探偵社の社員でした。ちなみに、見た目ではわかりづらいですが、国木田と同じ20代です。

田山と国木田が、近しい年齢(国木田が22歳、田山は23歳)であることを考えると、二人は幼馴染である可能性もあります。

異能である「蒲団(ふとん)」は、電子機器を操作する能力で、操るだけでなく、常人の数十倍の処理速度を誇っています。

田山は、引きこもり体質で、異能の名前通り、蒲団の中にいないと能力を発揮できないうえに、ものぐさな性格であるため、太宰とはまた違った意味で、国木田とデコボココンビとなっています。

現在はハッカー(作中では電網潜士、又は電網破りと呼ばれています)となっており、探偵社の情報屋として活躍しています。


田口六蔵とは?

 

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田口六蔵とは、田山同様ハッカーで、国木田のお抱えの情報屋をしています。田山とは違い、異能は持っていません。

もともと、探偵社にハッキングをしたところ、逆探知されてしまい(探知したのは田山の可能性が高い)、国木田に懲らしめられてから、情報屋になったのです。

十四歳の少年らしく、生意気な性格で、国木田のことを「眼鏡」と呼んでいますが、本心では、兄のように慕っているようにも見えます。

父親は警察官でしたが、「蒼の王」というテロリストが起こした「蒼色旗の反乱者」の事件によって殉職しており、この事件は国木田も関わっているため、田口の事を放っておけなかったようです(蒼の使徒事件の項を参照)。

佐々城信子とは?

 

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佐々城信子とは、文ストの外伝「太宰治の入社試験」に登場する女性です。

国木田が、太宰の探偵社への入社試験を兼ねた、連続誘拐事件の捜査中に見つけた女性です。

東京の大学で講師をしていたのですが、何者かに拉致され、とある廃病院にある水槽の中で閉じ込められていたところを、太宰と国木田に助けられたのです。

彼女は犯罪心理学を専攻していたため、蒼の使徒の事件が発生した際、探偵社に協力するようになります。

その後、国木田は彼女に淡い思いを寄せるようになるのですが、二人の間に悲劇が訪れます(蒼の使徒事件の項を参照)。

【文豪ストレイドッグス】国木田独歩の過去とは

国木田独歩の前職

国木田の前職は、数学の教師でした。その後、いかなる経緯で探偵社に入社したのかは、定かではありませんが、当の本人に言わせると、思い出したくもないとのことなので、なにか嫌なことがあったようです。

ちなみに、太宰が入社するあたりまで、探偵の仕事と講師の仕事を掛け持ちしていたことから、教師の仕事そのものは嫌ではなかったようです。

ちなみに、原作の5巻に掲載されている19話の扉絵に、探偵社の初期メンバーで撮影された写真があり、それによると、福沢社長(貴重な洋装姿)、乱歩、与謝野晶子、国木田が初期メンバーのようです。

太宰との出会い

 

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国木田と太宰の出会いは、文ストの外伝小説「太宰治の入社試験」に、その顛末が書かれています。

太宰と出会ったのは、およそ2年前であり、当時、国木田は横浜で起きた連続失踪事件を調査していました。

太宰は、特務課の長官である種田山頭火の口利きで、探偵社に入社したのです。

当時の太宰は、国木田から見ると、とんでもなくちゃらんぽらんで、いい加減な言動をしている男で、そのうえ、過去の経歴はまったく不明という、かなり胡散臭い人物だったようです。

国木田は社長の命令で、彼の人間性を見極めるための「入社試験」として、自分とコンビを組むことになったのです。

国木田は、事件解決後、太宰は人間性こそ失格であるが、探偵としての素質は高く、探偵社屈指の調査員になると判断し、太宰の入社試験を合格としたのです。

蒼の使徒事件とは?(ネタバレあり)

 

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国木田が太宰とともに、横浜連続失踪事件を解決した後、奇妙なメールが探偵社に送られてきました。

それは、横浜の各地に爆弾を仕掛けたという脅迫状であり、差出人の正体は「蒼の使徒」と名乗る人物でした。

犯罪心理学者でもある佐々城信子の推察によると、蒼の使徒は、海外の爆弾魔アラムタと、彼に協力する武器商人の仕業であることがわかり、国木田と太宰は彼らを追い詰めました。

しかし、太宰の推理によって、蒼の使徒の正体は、国木田が関わり、田口六蔵の父親が殉職した「蒼色旗の反乱者」と呼ばれる事件の首謀者、蒼王に関わっている人物であることがわかりました。

事件の真相を見抜いた太宰は、犯人を呼び寄せたのですが、待ち合わせ場所に、太宰のメールをハッキングして盗み見た田口が現れてしまいます。すると、田口が何者かによって放った凶弾によって撃たれてしまいました。

撃ったのは、なんと、佐々城信子でした。彼女の正体は蒼王の恋人で、彼女は、蒼王を死に追い詰めた探偵社を恨み、犯罪者たちをたくみに利用して、探偵社を追い詰めるだけでなく、かつての蒼王の理想である、法によって裁くことができない犯罪者たちを断罪しようとまでしたのです。

結果的には、瀕死の状態になった田口が、最後の力をふりしぼって引いた拳銃の弾にあたり、彼女は絶命してしまいます。

【文豪ストレイドッグス】国木田独歩の災難

悲恋、逮捕、受難続きの人生

実直で生真面目な性格であるためか、国木田はやたら災難にあうことが多いようです。

蒼の使徒の事件では、淡い思いを抱いていた佐々城信子が首謀者であったうえ、絶命してしまいます。

国木田は、この事件で心に深い傷を負い、精神操作を行う夢野久作の異能「ドグラ・マグラ」によってトラウマが掘り起こされた際は、彼女の姿が現れてしまうほどです。

ドストエフスキーの策略によって引き起こされた、「共食い」の事件では、爆弾を仕掛けられた少女を助けられず、おまけに少女が持っていた手榴弾が探偵社で使用されているものと同じであったために、国木田は容疑者として逮捕されてしまいます。

天人五衰の事件で死亡?(ネタバレあり)

天人五衰の事件では、探偵社がテロリストの容疑をかけられ、軍警察最強の部隊「猟犬」によって追い詰められます。

逃亡中、福沢社長との取引で、武装探偵社を救いに来たポートマフィアのヘリコプターによって、一同は救助されましたが、猟犬の一人、末広鐵腸(すえひろ・てっちょう)は、異能「雪中梅(せっちゅうばい)」を使って、持っている軍刀を伸ばして、ヘリを破壊しようとします。

全員を救うために、国木田はヘリから飛び降り、独歩吟客(どっぽぎんかく)で手榴弾を実体化させると、落下しながら、末広鐵腸を巻き込んで自爆しました。

国木田の生死は定かではなく、死亡したと思われていましたが、実際には生存しており、猟犬たちによって逮捕、監禁されていたのです。

しかし、両手は切断され、異能が使えない状態となってしまいます。

【文豪ストレイドッグス】国木田独歩の異能力とは

異能「独歩吟客」とは?

独歩吟客とは、手帳に書いた文字を実体化させる異能です。

鉄線銃と書けば、ワイヤーガンを実体化させることができ、拳銃と書けばピストルを実体化させることができます。

実体化させられるものは、国木田が記憶したものと、手帳に収まるサイズのものです。

手帳を消耗してしまうのが、最大の欠点であるため、日常的にも手帳を使用している国木田は、手帳を余分に持っているのではないかと思われます。

・類似能力

HUNTER×HUNTER」のグレイトハイカー(俳句の内容を実体化させる能力)

「ゴーストスイーパー美神」の文殊(文字を入力すると、文字に応じた力を発揮する特殊な玉を具現化させる能力)

「侍戦隊シンケンジャー」のモヂカラ(空書した文字を実体化させる)

いかなる戦術、技を使うのか?

 

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国木田の異能は、汎用性が高く、かなり便利な能力ですが、戦闘タイプの能力ではないため、使う際は、戦術が必要となります。

独歩吟客は、文字を書いてすぐに実体化させるだけでなく、事前に書いておいて、任意で実体化させることもでき、この手段で敵の不意をつくことができます。

さらに、事前に書いた手帳のページを破って服に忍ばせたち、他人に渡して使わせることもできます。

直接戦闘では、拳銃やワイヤーガンで、極力距離をとって戦い、接近戦では福沢社長仕込みの武術で応戦します。

【文豪ストレイドッグス】実際の文豪、国木田独歩とは

国木田独歩とは?

 

 

国木田独歩とは、明治時代の文豪です。国木田独歩という名前は、数多くある彼のペンネームの一つで、本名は国木田哲夫と言います。

ペンネームは、本作で異能の名前になっている独歩吟客の他、孤島生、鏡面生、鉄斧生、九天生などがあります。

文豪としては自然派(事実を観察して、ありのままに表現すること)、浪漫主義(感性のままに表現すること)に該当します。

国木田は、イギリスの思想家トーマス・カーライルに影響を受けていることで有名ですが、カーライルは、文ストで、国木田が敬愛している手帳職人カーライルの名前の由来になっています。

国木田の知合いには、文ストでも旧友として登場する田山花袋の他に、民俗学者の柳田國男います。

妻の名は、佐々城信子といい、文ストの蒼の使徒の事件に登場する佐々城信子のモデルになっています。

また、子孫にはファッションモデルをしている国木田彩良(さいら)という方がいます。

モデルだけあって、抜群のスタイルですが、文ストに登場する国木田も背が高く、モデルのような体型をしています。

(国木田彩良さんについては、こちらも参照

代表作は?

  • 武蔵野

タイトルの通り、武蔵野の風景を丁寧に書き記した作品です。

武蔵野とは、関東地区の古い呼び名で、現在は、多摩川東部地区の武蔵野市を意味していますが、昔は東京地区から、埼玉や神奈川の川崎市と横浜市を意味していました。

国木田独歩の武蔵野には、明治時代の多摩川地区や川越など、まだ開発されていない東京近郊の景色が描かれています。

とても、丁寧な文体で描写されており、まだ自然が豊かだったころの東京の景色が写実的に表現されています。

  • 忘れえぬ人々

文筆家をしている主人公が、多摩川溝野口の宿屋で出会った秋山という画家と知り合いになり、文学論や美術論を語った後、主人公が今まで出会った忘れえぬ人々について語る物語です。

語られるのは、通りすがりに出会った若者、僧侶、宿屋の主人など、他愛のないごくごく平凡な人ばかりです。

しかし、主人公が後年まで記憶にとどめているのは、そうした何気ない人々であり、ごくごく平凡な人ほど、たまらなく愛おしいということが語られてる作品です。

  • 牛肉と馬鈴薯(ばれいしょ)

だってねェ、理想は喰べられませんものを!

牛肉と馬鈴薯より

馬鈴薯とは、じゃがいもの古い呼び名で、上の一文は、太宰治の入社試験の冒頭で出てくる言葉です。

この一文でわかるように、牛肉と馬鈴薯とは、理想と現実について話し合う男たちの物語です。

とある洋館にあつまった七人の男たちが、酒を吞みながら、現実を牛肉、馬鈴薯を理想に置き換えて語りあっていました。

馬鈴薯を理想に例えたのは、開拓を夢見て、北海道をわたった男が、実際にはジャガイモばかりを食べる貧しい生活を送っていたことに由来しており、理想を追うものは貧困にあえいでしまうという事実を意味しています。

教師、記者、作家、編集者、出版社社長、波乱に満ちた生涯

国木田独歩はかなり波乱万丈の生涯を送っていました。

文ストの国木田が教師をしていたように、本人も教師をしていましたが、こちらは数学だけでなく英語の教師をしていました。

その後、民友社という出版社で、記者として働く一方、佐々城信子と結婚しましたが、後に破局してしまいます。

やがて、作家活動を開始するとともに、編集者としても活動し、やがて自分自身の出版社「独歩社」を設立しますが、すぐに破産してしまいます。

しかし、自身の作品集「運命」が注目をあびたため、再び文筆業を開始しますが、肺結核を患い、38歳で波乱に満ちた生涯を終えたのです。

【文豪ストレイドッグス】国木田独歩のまとめ

いかがでしょうか、実際の国木田も波乱に満ちた生涯を送ったように、文ストの国木田も様々な困難と災厄が待ち受けてそうです。

国木田のファンの方々は、彼の心が折れないように、これからも応援してください。

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