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2022年8月6に公開された映画『ONE PIECE FILM RED』では、単純な面白さもさることながら、ワンピースの超重要人物シャンクスのこれまで判明していなかった情報なども公開され大きく話題になっています。
今回はそんなワンピースの映画『ONE PIECE FILM RED』について、徹底的に解説・考察していきます!
『ONE PIECE FILM RED』とは
まずは、フィルムレッドについて基本的な情報をご紹介します。
2022年8月6日公開のワンピースの映画
『ONE PIECE FILM RED』は、2022年8月6日に公開された原作連載25周年記念作品の映画です。
テレビアニメの劇場版としては15作目、FILMシリーズの映画としては4作目にあたります。
前作の映画『ONE PIECE STAMPEDE』からは3年ぶりの映画で、ポスターや特報映像などで使用されたキャッチコピーは以下です。
「歌声、赤髪。」
「赤髪が導く “終焉(フィナーレ)”」
「その歌声がもたらすのは永遠の幸せか、無限の牢獄か」
『ONE PIECE FILM RED』の入場特典
ワンピースの映画では設定画などが収録された小冊子が付くことが多いです。
今回のフィルムレッドでも小冊子などの特典がついていました。
- 第1週:ONE PIECE コミックス 巻四十億
- 第2週:ONE PIECE カードゲーム チュートリアルデッキ 40枚入
- 第3週:ONE PIECE コミックス 巻4/4 “UTA”
メインキャラクターは”世界の歌姫”ウタ

フィルムレッドのメインキャラクターは「ウタ」です。
名前 | ウタ |
通称 | 世界の歌姫 |
CV | 名塚佳織/歌:Ado |
悪魔の実 | ウタウタの実 |
家族 | 父:シャンクス(血縁関係はなし) |
その他 | ルフィの幼馴染 |
ウタはシャンクスたち赤髪海賊団に拾われ、その後はシャンクスの娘として育ちます。
しかしエレジアに起こった悲劇を境に赤髪海賊団と離別することとなり、その後は“歌を通じて世界を幸せにしたい”という信念と自分が信じる「新時代」のために歌姫として活動していました。
フィルムレッドはそんなウタのライブを舞台にした映画で、ウタはヒロインであると同時にメインヴィランでもあります。
ウタの能力やシャンクスたちとの関係などはこちらの記事で詳しく解説・考察していますので、ぜひチェックしてみてください!
フィルムレッドの登場キャラクター一覧
フィルムレッドに登場したキャラクターはこちらです。
映画キャラクター
- ウタ
- ゴードン
- クラゲ海賊団:エボシ
- クラゲ海賊団:カギノテ
- クラゲ海賊団:ハナガサ
- その他:ロミィ、ヨルエカ、アニマルバンド、バックダンサー、音符の戦士
麦わらの一味
- モンキー・D・ルフィ
- ロロノア・ゾロ
- ナミ
- ウソップ
- サンジ
- トニートニー・チョッパー
- ニコ・ロビン
- フランキー
- ブルック
- ジンベエ
- その他:ゼウス、サニーくん
赤髪海賊団
- シャンクス
- ベン・ベックマン
- ラッキー・ルウ
- ヤソップ
- ライムジュース
- ボンク・パンチ
- モンスター
- ビルディング・スネイク
- ホンゴウ
- “ハウリング” ガブ
- ロックスター
ハートの海賊団
- トラファルガー・ロー
- ベポ
バルトクラブ
- バルトロメオ
ビッグ・マム海賊団
- シャーロット・リンリン
- シャーロット・ペロスペロー
- シャーロット・カタクリ
- シャーロット・オーブン
- シャーロット・ブリュレ
海軍・世界政府・天竜人
- 海軍本部:サカズキ
- 海軍本部:ボルサリーノ
- 海軍本部:イッショウ
- 海軍本部:モモンガ
- SWORD:コビー
- SWORD:ヘルメッポ
- CP‐0:ロブ・ルッチ
- CP‐0:カリファ
- CP‐0:ブルーノ
- 五老星
- 天竜人:チャルロス聖
その他
- マキノ
『ONE PIECE FILM RED』の内容をネタバレ
次にフィルムレッドの内容をネタバレでご紹介します。
フィルムレッドは”世界の歌姫”ウタのライブから始まる

フィルムレッドは、映画のメインヒロイン/ヴィランであるウタのライブから始まります。
ウタはこれまで素性を隠したまま歌声を発信しており、今回が初めて公の場に姿を現してのライブということで、大盛況していました。
麦わらの一味も同じようにウタのライブを見に来ており、ルフィは次々と音楽が流れる中で”世界の歌姫”ウタが自分の幼馴染のウタであることに気づき、ステージへと乱入します。
そこでルフィの口から
「だってこいつシャンクスの娘だもん」
という衝撃の事実が語られ、物語は急展開していきます。
ウタの本当の目的が判明
「シャンクスの娘」という衝撃の事実が判明した後も、多少のいざこざはあれど特段問題なくライブは進んでいきました。
しかし、だんだんとウタの想いと観客の想いのズレが見え始め、雲行きが怪しくなっていきます。
というのも、ウタがこのライブを開催した理由は
- ウタウタの実の能力で作り上げた”ウタワールド”という仮想世界で、争いも差別もなく食べ物にも困らず「みんなが平和で幸せに暮らす」
という、ウタにとっての「新時代」を叶えるためだったのですが、これは同時に肉体が現実世界に取り残され、精神はウタワールドに閉じ込められてしまうことを意味していたのです。
エレジアの悲劇の真相が判明

ウタの目的が発覚したあと、ウタの元から逃げることに成功したルフィ、ロー、バルトロメオたちは、ウタのもう一人の育て親であるゴードンからエレジアに起こった悲劇とウタの過去について聞くことになります。
その内容は、
- ウタが初めてエレジアに来た時、”呪われた楽譜”トットムジカがウタの歌声に目を付ける
- 近づいてきた楽譜(トットムジカ)が世界を滅ぼす魔王であることを知らずに、幼いウタがその歌声でトットムジカを顕現させてしまう
- 赤髪海賊団の奮闘むなしく、顕現したトットムジカがエレジアを壊滅させる
- 幼いウタの体力が尽きトットムジカは消えるが、ウタのために罪を被ることにしたシャンクスたちはウタをゴードンに託して出航する
というものでした。
当時真相を知らされずシャンクスに捨てられたと感じたウタは笑わなくなり、海賊を嫌い、ゴードンとたった二人で孤独に生きていくことになります。
そんな生活の中でウタは拾った電伝虫を使って自身の歌声を発信し始め、ファンから感謝のメッセージを貰い笑顔を取り戻していきました。
しかし同時に厳しい外の世界の実情を知り、「新時代」への想いをますます強めていったようです。
シャンクスたち赤髪海賊団が登場

ウタの過去と目的を知ったルフィ達は、ウタを止めるべくその場にいた海賊や海軍、CP-0とも手を組んで行動を始めます。
ただ、ルフィ達の精神はすでにウタワールドの中に居り、現実世界では眠っている体がそこら中に放置されている状態。
ウタワールドの中のルフィは再びウタに接触しきちんと向き合いますが、ウタウタの実の能力が解除されないように食べていたネズキノコの副作用で凶暴化していたからか、現実世界のウタは眠っているルフィをナイフで殺害しようとします。
その時に現れ、ナイフを止めたのはシャンクスでした。
しかし、とうとう精神が限界を迎えたウタは、ウタワールドの中でトットムジカを召喚させてしまいます。
同時に、エレジアに起こった悲劇が自分のせいであることも知っていたと明かし、暴走を始めてしまいました。
なお、シャンクスについてはこちらの記事で詳しく解説と考察をしています。
顕現した”魔王”トットムジカ撃破のため全員で共闘
#ワンピース #トットムジカ #ウタ
— ムルタ/MuRuta@新参者です。 (@vSutm0D0lfKu67M) August 28, 2022
トットムジカ カッコイイ
闇堕ち ウタ カッコイイ pic.twitter.com/mtvrjd5RPg
暴走を始めたウタと顕現した”魔王”トットムジカを止めるため、現実世界とウタワールドにいる海賊達の共闘が始まります。
トットムジカは現実世界とウタワールドで同時に同じ箇所を攻撃しなければいけません。
現実世界では赤髪海賊団が、ウタワールドでは麦わらの一味を中心にローやバルトロメオ、ビッグマム海賊団やSWORD、CP-0達が戦闘を開始し、トットムジカに立ち向かいます。
その強さや同時攻撃が必要という特性から窮地に陥る場面があったものの、ヤソップとウソップが見聞色の覇気での視界共有を成功させ、最後はルフィとシャンクスの同時攻撃でトットムジカを撃破しました。
ちなみに最後の一撃の時、ルフィは一瞬ニカの姿を見せていました。
現実世界とウタワールドという離れた世界ではありましたが、太陽の神ニカについて何か知っていると思われるシャンクスとニカ姿のルフィの共闘は注目すべきポイントです。
原作でも今後映画と同じようにシャンクスとニカ姿のルフィの共闘が描かれるかもしれません。
太陽の神ニカについてはこちらの記事で紹介しています。
また、ニカの力を発動したルフィの新技ギア5についてはこちらの記事で解説・考察していますので、ぜひチェックしてみてください!
ウタとの別れ
トットムジカを撃破することに成功したものの、すでに世界はトットムジカに浸食されすぎており、ウタワールドから脱出できない状況に陥っていました。
そこで現実世界のウタは、シャンクスから渡された「眠る薬(寝て体力を回復する)」を放棄し、最後の力を振り絞って歌を歌い、ウタワールドにいる精神を現実世界へと引き戻します。
この際、ウタワールドの中でウタは少しの間ルフィと言葉を交わし、ルフィに新時代を託しました。
最後の力を使い切ったウタは倒れ、ウタ討伐のためにエレジアに来ていた黄猿と藤虎率いる海軍たちに狙われますが、シャンクス達がウタを守ります。
海軍たちの前で「ウタは俺の娘だ」と宣言するシャンクス、そしてシャンクスたちに「信じきれなくてごめん」と告げるウタ。
最後はウタを船に乗せ赤髪海賊団は出航し、自分の船で目覚めたルフィは遠くからその様子を見守り、ウタの物語は幕を閉じました。
『ONE PIECE FILM RED』で重要なポイント
次はフィルムレッドで重要なポイントをみていきましょう。
ウタとルフィそれぞれの新時代とは

フィルムレッドで注目するべきキーワードは「新時代」です。
ウタは自分の目指す新時代のためにフィルムレッドの巨大ライブを計画し、幼馴染のルフィと対立することになりました。
しかし、尾田先生もフィルムレッドについて40億巻で「悪者はトットムジカだけ」と言っているように、やり方を間違えてしまっただけでウタの目指す新時代自体はとても心優しいものでした。
本記事でもすでに触れているように、ウタにとっての新時代とは
- 自分の歌で世界を変えること
- みんなが平和で幸せに暮らす世界
です。
そして、ルフィにとっての新時代についても40億巻で言及されており、
- エースとサボに言った言葉「おれはさァ!!」
- 夢の果て
とのことでした。
ルフィの夢の果てはいまだ判明していませんが、ウタと同じように「みんなの幸せ」につながるものであると考えられます。
また、時系列などを考えるとフィルムレッドはパラレルだと思われますが、これまでのフィルムシリーズでもあったように、一部の内容は原作に反映されると思われます。
そのため、ウタの新時代への想いは原作のルフィにもきちんと受け継がれていると考えられるでしょう。
ワンピースにおける親子とは
フィルムレッドでは「親子の絆」についても印象的に描かれていました。
メインキャラクターのウタとシャンクスは言わずもがなですが、ウタのもう一人の育て親であるゴードンもウタのことを心の底から大事にしており、父親としての愛情を深く感じる内容でした。
さらに印象的だったのは、ウタが暴走してしまったのは自分のせいでもあると思いつめるゴードンにすかさずフォローを入れたのが、かつて父親と確執があったサンジとウソップであるという点です。
中でもウソップは映画の中で父ヤソップと息ぴったりに共闘する姿を見せており、映画の様々な場面で「親子」というテーマを感じた観客の方も多かったのではないでしょうか。
ワンピース原作でも親子というテーマは度々描かれており、しっかりと原作の意志が反映した映画であることが感じられましたね。
ウタとシャンクスとフィガーランド家の関係
先日描いて単品でツイート流したイラストを合成したからまたツイートwww#ワンピース #シャンクス #シャンクスの娘 #ウタ#ONEPIECE #デジタルイラスト#私の絵柄が好みって人にフォローされたい pic.twitter.com/osSwmpbKqn
— ✾yuki✾ (@yuki601030) September 3, 2022
フィルムレッドを観た方で考察が好きな方は特に気になったであろうポイントは、「フィガーランド家」という存在でしょう。
ウタの計画を知った五老星がウタを討伐するべきではないかという話し合いをしていた時に、五老星の一人が
「あの娘がフィガーランド家の血筋でもか?」
と口にしたのです。
原作でシャンクスと五老星がつながっていることから、シャンクスはかねてより天竜人なのではないかと考察されてきました。
そんな中のフィルムレッドでこの発言がでたため、
- フィガーランド家とは20人の王の一人(現在の天竜人の祖先)
- 五老星はシャンクスとウタに血のつながりがあると勘違いしている可能性があり、その場合、実際はシャンクスがフィガーランド家(天竜人)の血筋なのではないか
と考えられており、この考察はかなり有力なものだと思われます。
また、40億巻ではシャンクスがゴットバレーで拾われた子供であることが判明しており、シャンクス天竜人説がより有力なものになりました。
映画で重要な発言をした五老星についてはこちらの記事で解説・考察しています。ぜひチェックしてみてください!
『巻四十億 “RED”』で重要なポイント
本記事の最後に、フィルムレッドの入場特典の中でも重要な情報が多数掲載された40億巻についてみていきましょう。
ウタが使っていた電伝虫はベガパンクの試作品
ONE PIECE FILM RED観てきてパンフレット読んでたら映画観てるときは気付かなかったけど、新種の電伝虫にSSGの文字が…
— セン (@JOKER_PokemonS) August 6, 2022
これって藤虎がマリージョアで言ってたやつ?
つまりベガパンク製?#OP_FILMRED pic.twitter.com/kl0t0xlDdQ
40億巻に書かれていた内容で重要なポイントの一つ目は、ウタが拾った電伝虫がベガパンクの試作品であったという点です。
ウタはこの電伝虫が海に流れてきたところを拾って使っていたのですが、どうやらこの電伝虫は一点物であり、同じ機能を持った電伝虫は世界に存在しないそうなのです。
この電伝虫の機能は不特定多数に念波を発信するというもので、本体には「SSG」と印字されています。
また、SSGはワンピース原作に存在する世界政府の特殊科学班の名前なのですが、これまで正式名称は明かされていませんでした。
しかし40億巻で、SSGの正式名称が「Special Science Group」であることも判明しました。
シャンクスはゴッドバレー事件で拾われた
先ほども少し触れましたが、40億巻ではシャンクスがゴットバレー事件の時にロジャーに拾われたことが判明しました。
ワンピース原作の回想シーンで、ロジャーとレイリーがモモの助と日和を抱っこしながら
「赤ん坊なんて久しぶりだな!!」
「昔を思い出すな」
と話していたことから、この赤ん坊とはいったい誰のことなんだと話題になっていました。
その中でもシャンクスは候補として考察されることが圧倒的に多く、拾われたのだとしたら年齢的にもやはりゴッドバレー事件なのではと考えられてきたのです。
40億巻ではその考察が、見事的中していたことが明らかになりました。
また、事件当時ゴッドバレーには「ガープ」「ロジャー」「ロックス」「天竜人」がいたことが判明してるため、シャンクスがフィガーランド家という天竜人である可能性がさらに高まったといえるでしょう。
ちなみに、シャンクスが拾われたゴッドバレーにいたロックス・D・ジーベックについてはこちらの記事
ロックスが船長を務めたロックス海賊団についてはこちらの記事で解説・考察していますので、ぜひチェックしてみてください!
シャンクスの覇気は「見聞殺し」

40億巻を読んだ多くの方が気になったであろうポイントは、シャンクスの覇気についてです。
シャンクスが覇王色の覇気を持っていることは、ワンピースの原作でも描かれてきました。
しかしそもそも登場回数が少ないため、どれくらいの力を持っているのかは分かっていませんでした。
そんなシャンクスの覇気について、40億巻で新たな情報が判明したのです。
- 覇王色 ”見聞殺し” 気配のコントロールと未来を見せない
見聞色の覇気は、極めると少し先の未来まで見えるようになります。
シャンクスのこの”見聞殺し”という特徴を持った覇王色の覇気は、そういった見聞色の能力を無効化するということなのでしょう。
見聞殺しという特徴がでたことで、今後「武装殺し」や「覇王殺し」といった特徴を持つ覇気が登場する可能性がでてきました。
伏字で隠されたシャンクスの謎
40億巻では、シャンクスに関して黒塗りでシークレットになっている部分があります。
「悪者は「トットムジカ」だけです。」
「ウタの計画は失敗して、それでよかったけど、「新時代」を誓いあったルフィが生きていきます。」
「もしかしたらシャンクスも[シークレット]」
この言葉に続く内容として考えられるのは
- ルフィに新時代を託すのかもしれません
- ウタの新時代を受け継いでいるのかもしれません
- ウタと同じように自分にとっての新時代は叶えられないかもしれません
などでしょうか。
いずれにしても文脈から「新時代」が関係しているであろうことは明白で、原作のワンピースでも今後のメインテーマになっていくのではないでしょうか。
『ONE PIECE FILM RED』のまとめ
今回は映画『ONE PIECE FILM RED』について解説・考察をしました。
シャンクスの娘でルフィの幼馴染であるキャラクターがメインだったこともあり、ワンピース原作にも影響があるような重大な情報が数多く描かれていましたね。
時間軸から考えて映画自体はパラレルという扱いだとは思いますが、一部の設定については原作にも反映されると思いますので、今後のワンピースの展開にも要チェックです!