
目次
文豪ストレイドックスの蘭堂とは、太宰と中原が15歳の時に、マフィアに所属していた準幹部です。異様なほどの寒がりである反面、とてつもない異能力の持ち主です。
しかし、彼の記憶は失われており、その正体は謎に包まれています。
今回は、蘭堂の正体について解説しましょう。
【文豪ストレイドッグス】蘭堂とは?
蘭堂のプロフィール

- 年齢:不明
- 誕生日:不明
- 身長::不明
- 体重:不明
- 血液型:不明
- 好きなもの:不明
- 嫌いなもの:寒い所
蘭堂とは、文豪ストレイドッグスの小説版「太宰、中也、十五歳」とアニメに登場するキャラクターで、本編には登場しません。
寒がりなので、厚手のコートとマフラーに耳当てまでしています。
ポートマフィアの準幹部で、優れた異能力を使うことができますが、その経歴は謎に包まれており、本人も記憶を失っているため、わからないようです。
森鴎外によって準幹部に抜擢されましたが、先代の頃は下級構成員であり、強力な異能で、数々の修羅場を潜り抜けてきたのです。
蘭堂の性格

蘭堂は、穏やかで物静かな人物ですが、彼の最大の特徴は、前述したように「寒がり」であるという点です。
蘭堂の寒がりは尋常ではなく、鴎外に火山の火口で働きたいと申し出たり、暖炉の中に飛び込みたいとまで言っているほどです。
又、彼が登場した「太宰、中也、十五歳」の季節は、はっきりしていませんが、中也が厚着をしている蘭堂を見て「この季節で、この格好で?」と怪訝そうに言っていたことから、かなり暖かい季節でも厚着をしているようです。
演じている声優は?
蘭堂を演じているのは、ベテラン声優の内田夕夜です。元は、劇団俳優座に所属していましたが、2021年に退団し、東京俳優生活協同組合に移籍しました。
1991年から声優として活動していましたが、当時は、海外のドラマや映画の吹き替えが多く、アンディ・ラウ、マット・デイモン、ライアン・ゴズリング、レオナルド・ディカプリオを担当していました。
2006年からテレビアニメの声優を担当することが多くなり「FAIRY TAIL」や「ルパン三世」「SSSS.DYNAZENON」「チェンソーマン」等に出演しています。
【文豪ストレイドッグス】蘭堂の関係者
中原中也

現在はマフィアの幹部となっている中原中也ですが、十五歳の頃は、未成年者で構成された武装組織「羊」のリーダーでした(元ネタは中原中也の詩である「羊の歌」からと思われます)。
「羊の王」という異名をつけられていた中也は、当時ポートマフィアと抗争しており、その最中で「荒覇吐(あらはばき)」を目撃したと言うマフィアの言葉を聞いて、荒覇吐について調べまわっていました。
中也の出自は荒覇吐と関係があるため、自分自身のことを探るために荒覇吐を調べていたのです(「蘭堂と荒覇吐事件」の項を参照)。
その後、中也は己の未熟さから、羊のメンバー達と揉めてしまったため、組織を抜け、鴎外に招かれてマフィアの幹部の道を歩むようになります。
太宰治

十五歳の頃の太宰は、鴎外の懐刀として活動していました。彼は、鴎外が先代を暗殺した際、そばにいたため、鴎外がボスの後継者であることの証人として、一緒にいることになったのです。
その後、太宰は鴎外の命により、先代ボスが蘇ったという噂の真相を調査していました。
やがて、先代のボスが蘇ったのが、荒覇吐となにか関係していると知ると、嫌々ながら中也と組んで、共に、荒覇吐を目撃したという蘭堂の証言を聞くことになります。
やがて、太宰と中也はいがみ合いながらも、協力して事件を解決に導きました。
その後、太宰は最年少幹部となり、そして、中也はマフィアに入団したため、二人の因縁は、現在に至るまで続くようになります。
森鴎外

当時、マフィアの首領になったばかりの森鴎外は、下っ端だった蘭堂を準幹部に抜擢したため、蘭堂は鴎外に忠誠を誓っています。
一方、鴎外は、擂鉢(すりばち)街という場所で暗殺したはずの先代ボスを目の当たりにしたという噂を聞きつけて、太宰に調査を向かわせます。
擂鉢街とは、数年前、謎の大爆発によって半球体状にえぐれた場所に、住むあてのない人たちが集まって造られた街で、荒覇吐と蘭堂が深い関わり合いを持つ街です(「蘭堂と荒覇吐事件」の項を参照)。
当時の鴎外は、まだマフィアの首領となったばかりで、暗殺した先代から実務を引き継ぐものの、なかなかうまくいかず苦悩する様が伺えます。
【文豪ストレイドッグス】蘭堂の正体とは?
本名はアルチュール・ランボオ
実は、蘭堂は本当の名前ではなく、本名はアルチュール・ランボオと言います。ランボオは、事故にあったことで、記憶を無くしてしまったのです。
蘭堂という名前は、彼を見つけた者が、所持品に記入されていた名前の綴りを間違えたことから、この名前がつけられたのです。
ランボオは、欧州でもめったにいない強力な異能の使い手であり「超越者」の称号を授かっています。
その力は凄まじく、太宰と中也がタッグを組んでようやく相手になれるくらいの強さを秘めています。
また、死者を蘇らせることもでき、この力で、先代ボスを蘇らせることができたのです(「蘭堂の異能力」の項を参照)。
正体は欧州政府の諜報員
ランボオの正体は、欧州政府(フランス)から派遣された諜報員であったのです。
ランボオは、日本政府が秘密裏に研究していた高次元エネルギー生命体の正体をさぐるため、相棒とともに、日本にやってきたのです。
日本政府は人工異能を造る研究をしており、ランボオは、この人工異能を、自分の異能で奪おうとした瞬間、強力なエネルギーによって吹き飛ばされ、記憶を無くすほどの衝撃を受けてしまったのです。
欧州の異能組織には、アガサ・クリスティを筆頭とする異能組織「時計塔の従騎士」が存在していますが、現時点では、ランボオとの関係性は判明していません。
同僚ポール・ヴェルレーヌとは?
ランボオの相棒の名は、ポール・ヴェルレーヌと言います。彼も欧州政府の諜報員であり、ランボオの同僚でした。
ランボオは、彼をとても信頼していたのですが、彼は荒覇吐に遭遇した際、ランボオを裏切ってしまうのです。
ちなみに、ポール・ヴェルレーヌは中原中也と浅からぬ因縁があります(「相棒の裏切り、失った記憶とは?」の項を参照)。
【文豪ストレイドッグス】蘭堂と荒覇吐事件(ネタバレあり)
荒覇吐事件とは?

太宰は、蘇った先代のボスの噂を調査している最中、擂鉢街で黒い炎と共に先代ボスが、周囲を破壊している所を目撃します。さらに、先代はマフィアの監視カメラを通じて、自分は荒覇吐の力で蘇ったと鴎外にメッセージを伝えました。
荒覇吐とは、元々、東北地方などに伝わる客人神(まれびと)のことですが、民俗学的にも詳しい事はわかっていないので、作中でも正体のわからない存在という意味でつけられたのです。
そして、擂鉢街が出来上がるきっかけとなった、強力な大爆発の原因が荒覇吐と言われています。
また、一週間前にも、マフィアが黒い炎に襲撃されたことがあり、荒覇吐の正体は、黒い炎と蘇った先代ボスに何か関係していると思い、太宰と中也は、その生き残りに話を聞きに行きます。それが蘭堂でした。
蘭堂の話を聞いた太宰は、事件の真相にたどり着きます。犯人は蘭堂だったのです。
蘭堂は、最近、自分が欧州政府の諜報員である、アルチュール・ランボオであることを思い出し、再度、荒覇吐を確保するために活動を開始したのです。
荒覇吐の正体は、日本政府が開発した強力な人工異能のことで、ランボオは欧州政府からの指令により、荒覇吐を確保しようとしたのです。
そして、荒覇吐の名の通り、具体的にいかなる生命体を意味しているのかは定かではありませんが、欧州政府の調査によると、強力なエネルギー生命体であるようです。
中原中也との縁

太宰たちが調査していた先代ボスは、ランボオの異能によって蘇生させられたもので、彼は、先代ボスを使って荒覇吐の噂を流して、中也を確保しようとしました。なぜなら中也は荒覇吐と関係があるからです。
実は、中也は幼少の記憶がまるでなく、気が付くと、あの擂鉢街ができる前の爆心地にいたというのです。
中也の正体は荒覇吐を宿すための実験体であり、荒覇吐は中也の中に眠っているのです。
又、中也が己の異能を全開にした状態「汚辱」という技を使う際、「汝、陰鬱なる汚濁(おぢょく)の許容よ、更(あらた)めて我を目覚ますことなかれ」という、呪文とも祈りともつかない言葉をつぶやきながら、汚辱を発動させます。
これは、中也の中に眠っている荒覇吐を覚醒させるための言葉であり、この場面は荒覇吐の伏線であったということです。
相棒の裏切り、失った記憶とは?

荒覇吐を確保しようとしたランボオは、ポール・ヴェルレーヌの裏切りによって、任務は失敗してしまいます。
さらに、その際、自身が諜報員であった記憶を失い、ポートマフィアに流れ着くことになります。
やがて、ランボオは記憶を取り戻しますが、何故、ポール・ヴェルレーヌが裏切ったのかまでは、わからないようです。
実は、ポール・ヴェルレーヌは中也の兄であった可能性があり、彼は弟を取り戻したい一心で、ランボオを裏切ってしまったのです。
寒がりの理由は?
森鴎外によると、ランボオは体や神経に異常があるわけではなく、単純に寒がりであるようです。
彼が寒がりである最大の可能性は、精神的なショックからである可能性が一番高いのではないかと思います。
ランボオは荒覇吐を手に入れようとした際に、荒覇吐の強大な力の反動で精神的なショックを受けて、記憶を失った可能性があります。
現に中也が汚辱を使う際、理性が吹き飛んでしまうので、荒覇吐は精神的な影響の強い存在であることが伺えます。
さらに、その際、潜在的にトラウマや恐怖を叩きつけられたために、身も凍えるような寒さとなって現われたのかもしれません。
また「寒い」というのは、ぬくもりや仲間を欲しているという意味にも捉えることができるので、ポール・ヴェルレーヌが裏切ったショックが、記憶の底に植え付けられて、寒さとなって現われたのかもしれません。
【文豪ストレイドッグス】蘭堂の異能力
異能力イリュミナシオンとは?

イリュミナシオンとは、ランボオの異能力であり、前述した通り、世界でも十数人しかいない「超越者」という称号を授かるほどの強力な異能です。
イリュミナシオンは、今ある空間内に、まったく異なる立方体の亜空間をつくりだす能力で、作り出された亜空間はいかなる力を持っても干渉することができません。
空間の大きさは、ランボオの任意でコントロールすることができ、建物と同じサイズから、小さな立方体サイズの空間を作り出して、他人の体を拘束することができます。
また、ブロック状に組み立てて、様々な形状にすることもできます。
死者を操る驚異の能力
イリュミナシオンにはもう一つ能力があります。それは、死者を亜空間内に閉じ込めて、死者を自らの異能の一部として使役することです。
この力を利用して、ランボオは先代ボスを蘇らせて、破壊工作を行い、中也をおびき寄せようとしたのです。
また、生前病床についていた先代ボスが、強靭な肉体を持っていたことから、異能となった死者は、強力な肉体を得るようになります。
- 類似能力
- 空間を造る
「結界師」
- 死者を部下にする
「アカメが斬る!」 帝具「八房」
「3×3 EYES」 不死人「无(ウー)」
「烈火の炎」 紅麗の炎術
【文豪ストレイドッグス】蘭堂の元ネタになった作家は?
アルチュール・ランボオとは?
ランボオとは、シルヴェスター・スタローンが演じたハリウッド映画の主人公…ではなく、19世紀末に活躍したアルチュール・ランボオ(またはランボー)のことです。
ランボオは早熟な天才として知られ、中学校の頃には、すでに優れた詩を書いていました。
10代半ばの頃には家出をして、フランスやベルギーを放浪するようになり、多くの詩を発表するようになります。
詩人として活動したのは20歳くらいの頃までで、30代になると、貿易商となりましたが、ガンにより、37歳の若さで亡くなることになります。
文ストで相棒となっているポール・ヴェルレーヌは、ランボオの親友であるポール・ヴェルレーヌがモデルとなっていますが、実際のヴェルレーヌはランボオと喧嘩になったあげく、彼を拳銃で撃ってしまいます(幸いランボオは一命を取り留めました)。
また、ランボオの詩が日本で発表された際は、中原中也が翻訳を手がけました。
イリュミナシオンとは?
イリュミナシオンは、ランボオが1886年に発表した未完の詩集です。42編から成り立っており、シュールレアリスム的な内容であるため、説明がかなり難しい詩文です。
詩文の順番がわからず、学者たちの間でも頭を悩まされており、まさに文ストの異能力同様、異次元の詩文です。
また、39編の「美しき存在」という詩文には、死者の蘇生を暗示させるような詩が書かれており、これが文ストの死者蘇生の能力に結びついていると思われます。
【文豪ストレイドッグス】蘭堂のまとめ
蘭堂すなわちランボオは、欧州の異能力者ですが、欧州のキャラクターはまだ本編では未登場で、これからの活躍が期待されるところです。
また、ランボオの相棒、ポール・ヴェルレーヌは、小説版「STORM BRINGER」に登場しますので、ファンの方はぜひチェックしてください。