ネタバレ③ハルの過去と想い

走馬灯のように過去を振り返り、心の中で遺書を書き始めるハル。好きな人に想いすら告げることが出来ず、こんな時にまで自分は独りなのだと思い知らされます。

ハルはウサギの中でも最も弱いドワーフウサギの家庭で生まれ育ちました。10歳になると自分の弱さについて気づき始めます。重いものを持っていたら持ってくれる些細な気遣いですらハルにとっては嬉しくないものでした。小さくて弱くて簡単に死んでしまう自分を気遣いつつも笑ってくる周りに嫌気がさしていました。

そうして時は過ぎ中学に上るころ、ある時ハルは初めて一匹のウサギの男の子に告白されます。体を重ね、愛されたることはハルにとって初めて他の動物と対等な立場に立つということでした。その瞬間をハルは学んでしまったのです。

ただ、レゴシだけは違いました。レゴシは初めから自分とは対等な立場で、対等な目線で唯一関わってくれる存在でした。最後くらいレゴシに恥じぬ生き方をしてやろうとハルは最後の足掻きをシシ組のライオンに見せつけます。

ハルは自分を捕らえていた一匹に蹴りを入れ、こっちは覚悟がもう決まっているのだと訴えます。獲物は辱めを受け屈辱を感じた時体の血の巡りが良くなって美味しくなると言っていた美食家に残念だったなと言うのでした。すると美食家はそれなら耳を取ってより苦しませてから食べることにしようとハルに覆いかぶります。力や体格の差が歴然とわかる中、抵抗を続けるハル。

その瞬間レゴシはハルを襲っていたライオンに拳を撃ちこみます。レゴシは服を着ていなかったハルに自分の服を渡し、それを着ていてと言って、周りのライオンから守るようにハルを自分の背中に隠します。

どうしてきてくれたのか問うハルに、理由は色々あって今は言えないとレゴシは返します。

「BEASTARS(ビースターズ)」第10話の感想

筆者感想

レゴシがあまりに男前でかっこいい1話でしたね。これはハルちゃんがレゴシのことを好きになってしまっても頷けるような展開だと思ってしまいました。

どうしようもない事情があるにしろ、ハルを見捨てたルイよりも、無害でありたいと願いつつ身を挺してシシ組の拠点まで乗り込むレゴシの方が私は上手くいって欲しいと強く願ってしまいます。

そしてハルちゃんの過去が初めて触れられました。今までの話では雄の動物に媚びを売っている内容や、別の動物の彼氏に手を出したなど、異性交遊関係の悪口が飛び交っていましたが、ハルちゃんの想いを知ると周りと対等に立つ術がそれしかないと知ってしまった時、もうやめられなくなったのだろうなと胸が痛みます。

レゴシが以前にハルにもっと自分を大切にして欲しいと言った時、ハルは私のことを何も知らないくせにと冷たく言い放ち静かな怒りを見せたことがあります。そのシーンについて今とても納得がいっています。

そうやって自分を保ってきたハルの生き方はとても悲しく辛いです。最初から対等な立場で接していたレゴシがハルちゃんの価値はそれだけじゃないことを教えてあげて欲しいなと思いました。

兎にも角にも、ハルちゃんとレゴシが再会できて本当に良かったです!無事にハルを助け出し、レゴシは想いを告げることが出来るのでしょうか。
次回の話も目が離せないですね!

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