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谷崎潤一郎は、濃いキャラクターばかりが集まる文豪ストレイドッグスの世界の中でも、比較的常識人に該当するキャラクターです。
そのため、物語においては損な役割を担うこともしばしばありますが、ここぞと言うときはとても頼りになる一面もあります。
今回はそんな谷崎の魅力と、彼にいつもくっついている妹のナオミについて解説しましょう。
【文豪ストレイドッグス】谷崎潤一郎とは?
谷崎潤一郎のプロフィール

- 年齢:18歳
- 誕生日:7月24日
- 身長:174cm
- 体重:59㎏
- 血液型:A型
- 好きなもの:鱧、中華料理、猫
- 嫌いなもの:地震
谷崎潤一郎は、茶髪で目が垂れ目気味の若者で、袖の長いシャツを着ており、全体的に見ると、敦より垢抜けた雰囲気の青年に見えます。
探偵として行動する際は、普段腰に巻き付けているフード付きの赤いパーカーを身にまとって、現場検証や潜入などを行っています。
妹に探偵社で事務員をしているナオミがおり、本作のキャラクターにしては珍しく兄妹が判明しているキャラクターです。
谷崎潤一郎の性格

敦と同様に、気が弱くお人好しであるため貧乏くじを引くことが多く、敵に捉えられたり、負傷したりすることもあるキャラクターです。
その一方で、意外と胆力があり、敵に捉えられたり傷つけられたりしても異能を使って巧みに応戦したり、敦の戦いをサポートしたりします。
妹のナオミには頭があがらない一方、彼女を大事にしているため、ナオミに危険が及ぶと取り乱し、普段の彼からは信じられないほど激高します。
料理が得意で、ナオミにハヤシライスをふるまっている場面もあります。
谷崎潤一郎の過去
第一巻によると、谷崎は探偵社に勤める前は学生であったようで、第六巻に収録されている二十四話の扉絵には、学生服姿の谷崎が描かれています。
谷崎とナオミは、太宰が入社した後くらいの時期に入社したと思われ、敦が来る少し前か、一年前くらいではないかと思われます。
谷崎は入社試験のことを思い出したくないようで、よほどきついものであったようです。
この二人が探偵社に入社するきっかけはまだ判明していませんが、福沢は異能を持っている人間をスカウトすることがあるらしく、東北まで出向いて宮沢賢治を社員としたことがあります。
このことから、谷崎も社長からスカウトされたか、何かのきっかけで福沢が谷崎兄妹と出会って、探偵社の社員としたのではないかと思われます。
演じている声優は?
谷崎潤一郎を演じているのは、豊永利行です。
少年時代からミュージカルに出演し子役俳優として活躍しており、1997年に放映された映画「学校の怪談3」等にも出演したことがあります。
その後は、アニメやナレーションに舞台など多岐にわたる活躍をされています。
2018年には、第12回声優アワード主演男優賞を受賞しました。
本作以外では「魔法少女 俺」で御翔桃拾の役、「ブッチギレ!」では藤堂平助役、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」でポップの役を演じています。
【文豪ストレイドッグス】谷崎潤一郎と妹のナオミ
ナオミとは?

ナオミは谷崎の妹で探偵社の事務員をしています。
つややかな長い黒髪で、切れ長の目には涙ぼくろがあります。常にセーラー服姿であり、入社前は兄同様、学生であったようです。
文ストの外伝である「探偵社設立秘話」によると、ナオミはまだ現役の学生であることを示唆するような箇所がありますが、本編では基本的にいつも会社で働いているので、敦が入社したあたりで学校をやめている可能性もあります(昭和の時代には学生服を着て働いている新入社員がいました)。
利発で頭の回転が早く、異能があったら兄より優秀な探偵になれると言われたことがあります。
実は義理の妹なのか?ナオミの正体とは?

ナオミはしっかり者であるため、兄の谷崎を尻に敷いていますが、二人の仲はとても良く一歩間違えると若い夫婦か恋人のようにさえ思えます。
そのため、ナオミは義理の妹であり、谷崎とは血縁関係が無いのではないかと思われます。
見た目も兄妹そろって美形であるとはいえ、長い黒髪のナオミに対して谷崎は癖毛の茶髪で、目の形もナオミが切れ長であるのに対し、谷崎は垂れ目気味なのであまり似ていません(ナオミ自身は兄とそっくりと言い切っています)。
またナオミの元になった(「ナオミのモデルになった人は?」の項を参照)「痴人の愛」の女性は、文豪の谷崎潤一郎の義理の妹なので、文ストのナオミも谷崎と義理の兄妹なのではないかと思われます。
問題は、なぜナオミは谷崎と「実の兄妹」と言い切っているのかですが、探偵社の間では、この二人に関して一切の質問をしてはならないという暗黙の了解があるようなので、現時点では不明のままです。
【文豪ストレイドッグス】谷崎潤一郎の関係者
中島敦

谷崎と中島敦はお互い年齢が近い(両方とも18歳)ということもあり仲が良く、よく一緒に行動しています。
またお互い気が弱いということもあり、谷崎は「探偵社・東のへたれ」、敦は「探偵社・西のへたれ」と呼ばれています。
ただし、何かと逃げ腰になってしまう敦に対して、谷崎はここぞと言うときは腹をくくることがあります。
宮沢賢治

宮沢賢治は探偵社の中では最年少のメンバーで、「雨ニモマケズ」という空腹になると強大なパワーを引き出すことができる異能を持っています。
おそらくは、谷崎と同じくらいの時期に探偵社に入社したと思われ、よく一緒に行動したり話し相手になっていたりします。
賢治や敦が谷崎と一緒に行動しているのは、仲がいいという以外にも、谷崎の異能が戦闘向きではないため、強靭な肉体を持つパワー系の異能者と行動を共にしたほうがいいためと思われます。
春野綺羅子
春野綺羅子さんですよー pic.twitter.com/FMu0QjaJzD
— NR【ニラ】 (@nrnr03) March 18, 2019
春野綺羅子は探偵社の事務員(アニメ版では社長秘書)で、眼鏡をかけた穏やかな雰囲気の女性です。
ナオミと仲が良く、時折一緒に行動しています。又、谷崎同様、猫が好きで「ミィちゃん」と名付けた三毛猫を可愛がっています。
異能のようなものは持ち合わせてはいないので、探偵社になにか危機があった場合、ナオミと一緒に避難しています。
又、ナオミ同様、「痴人の愛」に登場する女性キャラがモデルであります。
【文豪ストレイドッグス】谷崎潤一郎の活躍
探偵としての能力

異能の性質(「異能「細雪」とは?」の項を参照)ゆえか、谷崎は直接的な戦闘力が無いうえに、太宰や乱歩のような優れた頭脳を持っているわけではないため、探偵としての能力はそれほど高いものではありません。
ただし、谷崎は空間認知力が高いのか地形を把握する能力が高く、現場検証に駆り出されることが多いようです。
また、潜入や偵察などの任務に力を発揮しており、ある意味現実の探偵に一番近いタイプと言えます。
意外とカッコいい?ここぞというときは決める!

谷崎は気が弱く、妹のナオミに尻に敷かれているイメージがありますが、ここぞと言うときはカッコよく決めます。
多少の怪我を負っても、異能を使って敦をサポートしたり、近くで走っているトラックの運転手に幻影を見せて敵の方に誘導して攻撃するなど、意外に活躍度は高いようです。
また、意外と根性も座っており、共食いのエピソードでは自らマフィアの人質となって、マフィアの本拠地に潜入し、森鴎外を暗殺しようとするなど、大胆な行動をとることもあります。
ヘリの操縦などもでき、意外と芸達者なところもあります。
【文豪ストレイドッグス】谷崎潤一郎の異能
異能「細雪」とは?
谷崎の異能である「細雪」とは、周囲の空間に幻影を映し出す能力で、周りの風景に溶け込んで自身の姿もくらますことも、周囲の空間に幻像を映し出すことも可能です。
異能を発動する際は、周囲に雪の幻影が降り注ぎ、雪が降っている場所に幻影を映し出すことができます。
また、前述したように谷崎は空間把握能力が優れているようですが、これは細雪が空間に幻影を作り出す能力であるためと思われます。
暗殺に特化!意外と優れた異能
細雪は直接的な攻撃能力はないものの、高い汎用性を秘めた異能です。
自分の姿をくらませるだけでなく、自分自身の幻影を作り出したり、敵の視覚を騙して判断を鈍らせることもできます。
また、他者の目に偽の幻像を映し出して、他者に攻撃をさせたり同士討ちに持ち込ませたりするなど、戦術的に使えば強力な異能となります。
また、ポートマフィアの広津に言わせると暗殺に特化した異能とのことです。
- 類似能力
- 幻影を作り出す
ARMS(漫画)
三月兎(マーチヘア) ナノマシンを散布して光をコントロールし、幻影を創り出せる
烈火の炎(漫画)
八竜の一体で、幻を作り出す「塁」
- 姿をくらます
プレデター(映画)
光学迷彩で周囲に溶け込む
TIGER&BUNNY(アニメ)
折紙サイクロン(擬態して周囲に溶け込む)
※細雪はあくまで幻影作り出す能力であり、幻覚術は別の能力
【文豪ストレイドッグス】実際の文豪、谷崎潤一郎とは?
谷崎潤一郎とは?
谷崎潤一郎とは、明治末期から昭和まで活躍した文豪です。
東京都日本橋で生まれたため、モダンな雰囲気の作品が多く、文体もハイカラな感じのものが多いですが、漢文や大和言葉のような古い原語から俗語まで書き、端麗で多彩な文章が最大の魅力です。
関東大震災以降は関西に移り住み、以降は後述する細雪のように、関西を舞台とする作品を執筆しています。
文ストの谷崎同様、猫を好んだと言われ「猫と庄造と二人のをんな」のように猫に関する小説も書いています。
また、グルメでも知られ「美食倶楽部」という小説も書いています。文ストの谷崎が中華料理を好んだり、料理が得意であるのはこれが由来となっているようです。
文豪としてはかなり長生きしたようですが、1965年に腎不全と心不全の両方を患ってしまい、79歳で死亡しました。
細雪とは?
こんなに面白いなんて!もっと早く読めばよかった!上中下巻と長いし、とにかく谷崎さんの手によるものだから敷居の高さばかり感じていたのが勿体無い。婚活がうまくいかない三女と恋愛体質の四女が、そのまま現代にも「いるいる!」という感じで、大作家の観察眼に唸るばかり。#細雪#谷崎潤一郎 pic.twitter.com/BnnYiQP9fG
— みき@読書垢 (@Mikilovestoread) September 21, 2022
「細雪」とは、太平洋戦争の時期に月刊誌「中央公論」で連載が開始された小説で、上、中、下の三部作となっています。
大阪にある旧家に生まれた、鶴子・幸子・雪子・妙子4人姉妹を主軸に語られる作品です。
上流の大阪人の家庭を描いた物語で、丁寧な女性描写や、戦時下におけるはかなげな滅びの美が高く評価されています。
戦時中は軍部から「内容がそぐわない」という理由で掲載を止められ、戦後はGHQから改変を余儀なくされるなど憂き目にあうものの、谷崎は執筆を続け、1947年に婦人公論で連載を開始しました。
苦労の末に細雪はベストセラーとなり、昭和天皇も愛読されたことから本書が献本されたそうです。
ナオミのモデルになった人は?
谷崎の妹であるナオミのモデルになったのは、「痴人の愛」という作品のヒロインであるナオミです。
まだ少女のような年齢でありながら、主人公を翻弄する小悪魔的なキャラクターは、文ストのナオミと共通しています。
ただし「痴人の愛」のナオミは奔放な性格であるのに対し、文ストのナオミは利発でしっかり者として描写されています。
さらに「痴人の愛」のナオミのモデルは、谷崎の義妹である映画女優の葉山三千子で、1996年まで存命していました。
【文豪ストレイドッグス】谷崎潤一郎のまとめ
谷崎は大人しくて、異能も戦闘向きではありませんが、ここぞと言うときは意外な力を発揮します。
谷崎は、文豪ストレイドッグスは、力対力の物語ではないことを象徴しているキャラクターでもあるのです。
本編では、これからも意外なキャラクターが意外な能力を持って現れるので、目を離さないでください。